【競走】「選手と同じ熱量でチームを”勝たせる!”」――1部残留へ懸けるサポートブロック長のラストイヤー・赤石楽子/関東インカレ直前インタビュー2026・第3弾

競走

開催が目前に迫った第105回関東学生陸上競技対校選手権大会(関東インカレ)。今大会、チームが掲げる目標は「1部残留」だ。昨年死守したこの地位を今年も守りきることができるか。この大舞台で1点でも多く掴み取るために部員たちは全てを懸けてピークをここに持ってきた。

本企画では、今年の関東インカレで活躍が期待される選手、関東インカレを支えるサポートブロックの部員に、意気込みや目標についてのインタビューを行った。第3弾はサポートブロック長の赤石楽子(文4・國學院)さん!

 

――入部までに陸上経験はありましたか?

ありません。未経験で入部しました。

 

――陸上経験が無い中で陸上部に入部した経緯は?

入部した理由は2つあります。1つ目は新しいことに挑戦したいと思ったからです。2つ目は大学で4年間熱中できるような事を見つけたいと思ったからです。私は高校時代バスケットボールをやっていたのですが、そこで自分はバスケットボールのような他人を打ち負かすことが良いとされる競技は向いていないと気づきました。どちらかといえば、他人の成功や成長を見守って貢献することが一番幸福を感じられると思いました。そのため、サポートを大学でやってみようと考えていました。陸上競技の奥深さ、その場にいた人たちのアットホームさなどに惹かれて、入部しました。

 

――サポートブロック長に就任した経緯を教えてください。

私以外にも候補者はいましたが、3年間サポートを続けていた部員が私だけだったので、そこで自分の経験を活かせるのではないかと思い、立候補して就任しました。

 

――サポートブロックの普段の仕事は?

「マネージャー」、「トレーナー」、「主務系」という3つのパートに分かれて活動をしています。私がやっている全体マネージャーは、日頃のタイム測定、ビデオ撮影、エントリー作業など、実務的なことをやっています。トレーナーは、医学的な知見から選手をサポートするというブロックで、1年間ほど骨、筋肉の勉強をしてから、実際選手の体を触ってマッサージをしたり、運動力学的な点から選手をサポートしたりするようなパートです。主務系は、大会運営や外部企業とのやり取りのような、部の環境を整備するようなパートです。

 

――サポートブロックの雰囲気を教えてください

サポートブロックは、陸上初心者の人から競技やっていた人まで、様々なバックグラウンドを持っている部員が多く、それぞれの個性を尊重するような雰囲気があります。「サポートはこうあるべき」という考えを押し付けるのではなく、どの部員に対しても自立性を尊重し、自由に活動させているような雰囲気だと思います。

 

――活動の中で意識していることや大事にしていることはありますか?

選手と異なり、日頃の活動が直接的な数字の記録として現れず、明確なリターンがないので、その点は難しさを感じています。しかし数字という明確な結果を得られない分、部活に熱心になっている選手と同じぐらいの熱量で部活に臨んでいる姿を日頃から見せるようにしています。サポートは裏方にいるような立場ですが、選手にはそう感じさせないように、競技はやっていないけれど同じ熱量で部活にいるということを示すべく、一生懸命頑張っている姿を見せようと思っています。

 

――やりがいを感じた瞬間は?

綺麗事に聞こえるかもしれませんが、やはり応援している選手が記録を出した時です。サポートブロックは、始発より前に行って選手待機場所の設営すること、エントリー作業などの終わらない実務があり、「なぜやっているのだろう」と感じてしまいそうになる瞬間もあります。それでも、そういった私たちの積み重ねが選手の記録につながったり、記録が出た後選手に感謝の言葉をもらったりする時にやりがいを感じます。

 

――苦労したこととか、壁にぶつかった経験はありますか?

私が陸上初心者であることに加えて、知り合いが全くいない状態で入部したので、選手と仲良くなるには時間がかかったなと思います。選手と歩んできた人生もバックグラウンドも何もかも違いますし、同じ経験を共にしていないので、選手と距離を縮めるのがすごく難しかったです。とは言っても人と人なので、なんとか選手と自分の共通点を見つけられるように、あえて最初は雑談で話を盛り上げ、仲良くなった末に競技の話をしていました。選手に頼ってもらえるような存在になるまではすごく苦労しましたね。

 

――赤石さんにとって、関東インカレとはどのような大会でしょうか?

部としても、サポートブロック長である私にとっても、1部で戦い続けなければ大学陸上をやっている意味がないので、どうしても「1部残留」という目標は譲れません。部としてもピリつくような、本当に重要な大会になっています。関東インカレの標準突破を懸けた大会が先日あったのですが、標準を切り関東インカレの出場を決めた選手もいれば、そうでない選手もいて、その選手の涙を見ることもありました。「この1週間緊張して眠れなかった」という話を聞くと、こちらも生半可な気持ちでは向き合うことはできないと思いますし、選手が命を懸ける戦いに、こちらも命を懸けて戦わなくてはいけないと感じます。4年間過ごしてきて、すごく愛着のあるチームだからこそ、「この目標に対して私ならどう勝利に貢献できるか」ということを、頭をひねらせて、考え続けて、向き合わなければならないと思っています。

 

――今年のインカレに向けて今行っている仕事は?

関東インカレの統括として、サポートチームのそれぞれのパートを俯瞰しています。誰か特定の人に仕事が集中することなく、3つのパートが偏りなく仕事ができるように連携を行い、それぞれが上手く機能して、サポートチーム全員で勝利を目指せるように調整を行っています。

 

――チームの中で昨年と比べて変わったと思うところは?

結果に対してより貪欲になったところだと思います。部内ランキングを作ったり、競技力の高い選手には支援金を出したり、沖縄にみんなでシーズンインをするために合宿に行き全員で同じ記録会に出たりなど、新しい試みをしていく中で、選手に常に結果を求めるようにしました。日頃支えてくれる人に対する恩返しのためには、やはり結果で示すのが一番ということを共通認識として持ったことで、より結果に貪欲になっていったと思います。その結果として、跳躍ブロックなどが関東インカレの出場者を大きく増やすなど、成果が出るようになり、結果をより重視するようなチームになってきたのではないかと感じます。

 

――今のサポートブロックから見たチームの様子は?

結果を貪欲に追い求めている選手が増えました。部活がオフの日でも練習している選手が多く、部活だけでなく課外活動も頑張っている後輩たちの姿を見て、影響を受けていると語る先輩も多くいます。チーム全体で結果を求め努力する姿勢が広まっているところを感じます。

 

――その中でも頑張っていると思う後輩は誰ですか?

三段跳びの喜久里彩吹(商2・那覇国際)です。関東インカレの参加をかけた記録会で三段跳びの女子3人全員が関東インカレの参加標準記録を突破し、佐田は塾記録を更新するなど、目に見える成果を残していました。

※5月6日の第24回慶大競技会にて、喜久里、佐田、関口が三段跳びで関カレ標準を突破。その中でも佐田は塾記録を更新。喜久里は塾歴代3位に。

出場した3選手はそれぞれ学年が違っていても、2年生の喜久里選手が4年生の選手に影響を与えるなど、それぞれが互いに刺激を受けあっている様子が見られて、すごく良いことだと思いました。

 

――今年の慶應の強みは?

期待できる選手が特定の種目に集中しやすい他大学と比べて、幅広い種目に得点を見込める選手が分散していることだと思います。

 

――その中でも特に期待している選手は?

林選手(政4・攻玉社)です。今年の冬を経てさらにレベルアップしており、今では学生レベルを超え、プロの領域を捉えるほどに成長していると感じます。彼の強みは100、200mだけではなく400mまで走れるマルチスプリンターであること、ラウンドを踏むにつれて成果をあげられることです。ジャイアントキリングを起こせる選手だと思います。

その他にも期待している選手はいるのですが、特に女子の選手にも注目して欲しいです。大学の女子陸上において、女性ならではの悩みや葛藤があり記録を残すのがなかなか難しい中で、しっかりと陸上に向き合い、三段跳びやトラックなどそれぞれの種目で結果を残している選手が多いので、是非注目してほしいです。

 

――最後に関東インカレや今年一年の意気込みを教えてください。

自分のサポートチームとしてのゴールを見つけることです。サポートをしている中で「自分のサポートがどのように選手の成果に繋がっているのか」や「サポートとは何だろうか」など、自分の行ったことがどのように結果に繋がっているのかが、4年生ながらまだ見えていない部分があります。関東インカレを含め、間近で命を懸けて戦う選手を見ながら、私自身も彼らと同じ熱量で取り組むことで、サポートチームとしてのゴールにたどり着きたいと思っています。

 

――ありがとうございました!

(取材:飯田佑希子、片山春佳、佐藤成、中原亜季帆 編集:吾妻志穂、片山春佳、中原亜季帆)

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