【應援指導部】全員が応援席の先導者に 慶早戦前最後の総仕上げ/春季慶早戦前総合練習

應援指導部

いよいよ、待ちに待った慶早戦の時期がやってきた。應援指導部では、数万人もの観客が集う大一番を見据え、慶早戦を想定した綿密な総合練習を実施。慶早戦前に全部員が集まって行う練習は、今回が最後。神宮さながらの熱気に包まれた練習では、本番を見据えた緊張感と高揚感が入り混じっていた。今回は、春季慶早戦前総合練習の様子をお届けします! 

 

試合想定練習開始前、応援企画責任者を務めるG.Hは慶應義塾の理念である「全社会の先導者」について語りかけた。「全社会とは、政治的な社会だけではなく、家族や同期、部活など、あらゆる人間のコミュニティを指している」と説明。その上で、「應援指導部においても、一人ひとりが先導者として応援席を引っ張る存在であってほしい」と部員たちへ呼びかけた。

さらに、「何千人もいる応援席を自分一人で引っ張る。誘導ではコンコースにいる方々を自分が先導する。だからこそ、それぞれが与えられた役割の中で、どう準備し、どう振る舞うかを考えてほしい」と強調。「1年生であっても、ただついていくだけではなく、主体的に準備をして先導者として引っ張っていってほしい」と期待を寄せた。最後は「しっかり試合に勝つことをイメージして取り組みましょう」と締めくくり、目前に迫る一戦へ向け、部員たちの士気を高めた。

そして、試合想定練習が始まる。まずは試合前のエール交換からスタート。早慶戦本番を見据え、内野・外野に分かれて応援を行う想定で練習が進められた。

1回表、先頭打者に本塁打を浴びるという、劣勢の展開を想定。重い空気になりかねない場面でも、「頼むぞ渡辺」「ファイト渡辺」と前向きな声がスタンドから飛ぶ。応援席全体で選手を後押ししようという意識が共有され、1点ビハインドでその裏の攻撃を迎えた。

初回、無死一、二塁の場面を想定し、「朱雀」がスタンドに響き渡る。部員たちは腕を大きく振りながら声を張り上げ、神宮さながらの空気感を作り上げた。その後も無死満塁での適時二塁打で1―2と追い上げる場面を想定。続く適時打でこの回3点目が入ると「スリー慶應」が流れ、熱気はさらに高まった。得点が入るたびに部員たちから大きな歓声が上がり、本番を見据えた熱のこもった応援が繰り広げられた。

フィードバックの終了後、練習は6回表から再開した。想定は、依然として慶大リードだが、チャンスで追加点を取れない慶大と徐々に盛り返している早大という状況。点差だけでなく、細やかな試合の流れも把握しながら応援することが求められる。6回裏には、2026年度の新ファンファーレ『光』が演奏された。

7回は「若き血」「早稲田大学校歌」が演奏され、エール交換が行われる。早大の攻撃の際は、應援指導部は演奏を止めなければならないが、止めるタイミングがわずかに遅れた。7回の練習終了後、野球サブから厳しい言葉がかけられた。「練習のための練習をやるな」。リーグ戦の他の試合とは違い、外野席も巻き込んで応援する早慶戦。数少ない実践の機会で、最大限の準備をしなければならない。部員たちはすぐさまミーティングし、改善を試みていた。

 休憩の直後、応援企画責任者から励ましの言葉が。「ここでしけたら應援指導部じゃない」「笑顔で乗り越えられるか」。この一言で、空気はより引き締まった。9回表に逆転を許すが、「大丈夫」、「まだまだ」と部員は笑顔で盛り上げる。

9回裏、連打でチャンスをつくると、ボルテージは最高潮に達した。『アンタレス』から、勝利を呼ぶ〝魔曲〟として呼び声の高い『朱雀』、さらには『コンフォーコ』、『突撃のテーマ』と続き、『コールケイオー』からチャンス時に流れる『ダッシュケイオウ』に。迫力ある応援を試合終了まで続けた。7回終了後には発破をかけた野球サブも、9回の一体感に称賛を送った。一方で、代打の選手が起用された場面、気づきづらい守備の交代などを注視することなど、野球の応援席ならではのポイントも共有された。誰にだってできることではない。常にベストを追い求め、プロフェッショナルの自覚を持つ應援指導部だからこそつくり出せる雰囲気がある。

 冬の新体制発足後、『誠心誠意』応援に向き合ってきた。1年生も加わり、〝日本一の応援〟はより洗練された。春の集大成となる最高の晴れ舞台で、應援指導部員の笑顔が咲く。

 

(取材、記事:小野寺叶翔、柄澤晃希 取材:塩田隆貴、神谷直樹)

タイトルとURLをコピーしました