後期ホーム初戦となった産能大戦に敗れ、後期開幕連敗と苦しいスタートとなった慶大。この日はホーム下田に専修大を迎えての1戦となった。この日は序盤からボールを支配し押し込む時間を作ると、後期からスタメンに抜擢されている加固陸(文2・興國)らに決定機が訪れるも、ゴールを奪うことはできず前半を折り返す。後半に入り攻勢を強めるも均衡を破れない時間が続く。慶大は84分に田中佑紀(法3・桐蔭学園)を投入すると、投入直後の87分に値千金の先制弾をゲット。終了間際の大ピンチはゴールポストに弾かれ九死に一生を得るなど、運も味方につけて逃げ切った慶大は、第10節・東京国際大戦以来4試合ぶりの勝ち点3を掴みとった。
2026/10/4(土)14:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学1ー0専修大学
【得点者】
87分 慶大 田中佑紀
| 【慶大出場選手】 | |
| ポジション | 背番号 選手名(学部学年・出身高校) |
| GK | 21 福井大次郎(経3・慶應/横浜F・マリノスユース) |
| DF | 2 三浦成貴(商4・浜松開誠館) |
| 16 霜田晟那(理2・都立八王子東/FC町田ゼルビアユース) | |
| 4 古金谷悠太(理4・日体大柏) | |
| 6 馬場翔大(商3・國學院久我山) | |
| MF | 30 堀ノ口瑛太(総1・神村学園) |
| 10 藤井漱介(商4・静岡学園) | |
| → 74分 29 池松遥(経1・慶應湘南藤沢/東急SレイエスFC U-18) | |
| 13 三浦大其(経3・慶應) | |
| → 84分 24 田中佑紀(法3・桐蔭学園) | |
| 8 小野翔大(経3・慶應) | |
| 27 加固陸(文2・興國) | |
| → 65分 23 山本凉(法2・桐蔭学園) | |
| FW | 7 朔浩太朗(理4・学習院高等科) |
| MF | → 90+5分 20松下伊吹(経4・渋谷教育学園幕張高/ジェフユナイテッド市原・千葉 U-18) |
前節からの先発メンバーの変更は1人。藤井漱介(商4・静岡学園)が後期リーグ戦初のスタメン入りを果たした。
この日は相手の5バックでの守備を前にボールを落ち着いて保持することが許された慶大。GK福井大次郎(経3・慶應/横浜F・マリノスユース)もビルドアップに参加し最終ラインで+1を作り、安定したポゼッションを実現した。

ビルドアップでも貢献
また、この日光ったのは前線と中盤の守備。走力を武器とするワントップの朔浩太朗(理4・学習院高等科)は前線からの守備やプレスバックで相手の自由を奪っていった。開始早々の1分、自陣からの縦パスをカットされるも朔のプレスバックでボールを奪い一気に左サイドに展開すると、藤井のクロスに朔が飛び込んでチャンスを演出する。さらに17分には朔の二度追いでボールを奪うとカットインから三浦大其(経3・慶應)に枠内シュートが生まれるなど、高い位置でのボール奪取からフィニッシュする形を継続できた。さらには、加固陸(文2・興國)、小野翔大(経3・慶應)の両インサイドハーフも躍動。26分、相手のゴールキックからのビルドアップを小野がペナルティエリア正面で奪取し、藤井のシュートもブロックに遭い得点ならず。

スタメン復帰を果たした
34分には加固が中盤でボールをカットすると、自らドリブルで運んでシュートを放つも枠を外れ、得点には至らない。その後もゴールとはならなかったが、ボール保持と守備の両面で優位に立った慶大は優勢のまま試合を進め、前半をスコアレスで折り返した。
ハーフタイムでのメンバー交代はなく、同じメンバーで臨んだ後半も前半の勢いを継続。59分、相手のパスが弱くなったところを加固が奪い左サイドでカウンターが発動。霜田晟那(理2・都立八王子東/FC町田ゼルビアユース)のクロスに三浦大が飛び込むも枠をとらえられない。
なんとしても先制点を奪いたい慶大は65分に加固に代えて山本凉(法2・桐蔭学園)、73分には藤井に代わって後期ここまでの2試合ではスタメンだった池松遥(経1・慶應湘南藤沢/東急SレイエスFC U-18)を投入。池松と霜田の連携プレーなどで左サイドから攻勢を強めていく。
82分には相手の短くなったクリアのこぼれ球を山本が競り勝つと、スルーパスに抜け出した朔の折り返しに池松が合わせ決定機。ディフェンスのブロックに阻まれたこぼれ球にも再び池松が反応するも相手GKのセーブに遭い、得点とはならない。
84分、慶大は三浦大に代えて田中佑紀(法3・桐蔭学園)を投入。朔が右ウイングに移り、決勝点を奪いにいく。すると直後の87分、GK福井のキックに池松が競り勝つと、左サイドからの霜田のクロスを受けたのは田中佑。トラップし、反転しながらのシュートはゴール右隅に突き刺さり、ついにゲームを動かした。途中投入から3分、ストライカーとして満点の結果で期待に応えてみせた田中佑のゴールで、慶大が一歩前に出た。

値千金の先制ゴール
後半の追加タイムは5分。追加点を奪いにいく慶大は池松、朔が連続シュートを放つもゴールとはならず。1点差のまま時間が進んでいく。
90+4分には松下伊吹(経4・渋谷教育学園幕張高/ジェフユナイテッド市原・千葉 U-18)を投入。右のウイングバックに入り、右サイドバックの馬場翔大(商3・國學院久我山)が一つスライドしてセンターバックとなり、5バックでの逃げ切りを選択する。しかし、時計が90+5分を示すころ、最大のピンチが訪れる。相手の列を降りる動きに引き出されたセンターバックの間を突かれてスルーパスが通り、完全に抜け出され、GK福井との1対1という絶体絶命の危機を迎える。しかし、GK福井をかわして放ったシュートは左ポスト直撃。まさに九死に一生を得た。
終了間際に奪った先制点によるリードを守り切った慶大は1−0で後期リーグ戦初勝利。クリーンシートでの勝利は2024年11月に行われた第20節・城西大戦以来、1年と11ヶ月ぶりのものとなった。
早慶戦こそ快勝するも、リーグ戦では苦しい試合が続いていた慶大にとってこの勝利は大きなものだ。守備を整備し、攻撃の牙を剥き、目標とする1部復帰へ逆襲が始まった。
(取材:首頭千紘、柄澤晃希、甲大悟)
【選手インタビュー】
◇田中佑紀(法3・桐蔭学園)
――順位を争う上でも大きな試合だったが、どんな準備をしてきたか
関東学院さんとの試合でも我々のいい部分があった中でも、メンタル的に自分たちで難しくしてしまうシチュエーションが散見されていたので、まずは自信を持って自分たちでやれることをやろうと、それはサッカーのスタイルもそうだし、相手に向かう姿勢もそうだし、ソッカー部が大切にしている部分をもう一回整理してきました。もちろん順位のこともありますけども、目の前の1勝に対してより明確に挑んだ試合でした。
――相手の5バックに対し、慶大のインサイドハーフの選手もかなりプレスをかけていたが、どういった守備を準備してきたか
相手のやり方は試合の中でも変わりますし、選手の特徴によっても変わるので、インサイドハーフがいこうという戦術を用意したわけではなくて、どういった距離感で自分たちがボールホルダーに対してタイトにジャストにいけるかというところを実践してくれたと思います。
――田中選手の起用に応えるゴールについて
普通だったら三浦大其を外すことはないので、その中で朔を右にして佑紀(田中)を真ん中にして、彼の普段からの努力も見ていましたし、ゴールにつながったことはうれしい限りです。
――終了間際にスルーパスから独走されて大きなピンチを招いたが、試合の締め方という点について
あのまま4バックにしても良かったですが、相手が前に3枚残していたので、5バックにして最後守り切ろうという判断をしました。ランニングに対して誰がというのは明確になっていなかったので、映像を見て改善しようと思います。
――久しぶりの完封勝ちとなった
もしかしたら俺が監督になってから初めてなんじゃないかとも言われてますが、なかなかないことなので、また学生に自信を持ってやってほしいです。
――今後に向けて
一戦一戦なので、また一日一日のトレーニングを大切にやっていきたいと思います。
◇三浦成貴(商4・浜松開誠館)
――今日の試合を振り返って
本当に連敗が続いていたので勝つようです。
――チームは連敗が続いてきた中、この1週間どんな準備をしたか
2つあって、1つはまず、とにかく戦うこと。自分たちの立ち返るところを再確認してどっちかというと感覚もそうだし前回の敗戦も含めて1対1でデュエルのところで勝つところであったりとにかく空中戦勝つところであったりとにかくファイトするところにおいて全然戦えていないところがあって、それだと戦術も意味ないし自分たちが積み上げてきたことも何も生きないというかという反省に至り、とにかく目の前の相手に勝つこと目の前の相手に勝つことに執着するということ、この戦う部分というのを改めて今週重点的に確認しました。もう1つは自分たちいつも試合のこれからの様子を伺いながら試合に入って点が取れたら息を吐いたり失点して初めてスイッチ入ったりみたいなことが多かったのでとにかく今日は監督も含めて、最初から0-1のモチベーションで臨もうというふうにゲームに入って、それが結構功を奏したところがあったのかなと思います。
――今日試合開始からチーム全体に前に行こうという意識が見られたが
前から行こうという話もしていたしとにかく寄せて相手にぶつかって戦うというところは重点的に練習からやってきていたので、それがよくできていたかなと思います。
――守備が安定して見えたがやっぱりピッチ内でどんな声をかけたか
プレスかけていいぞというタイミングはもちろん自分から言っていたには言っていたですけど、自分が声をかけていたからみんなが良かったというよりはみんなそれぞれがボールを奪ってやるとか相手にぶつかってやる寄せてやるっていう、その一人一人の戦いの姿勢みたいなのがあったからこそ、ボールと相手の立ち位置に基づいて、一人一人の予測に基づいて、この動きっていうのがすごく鋭くなっているってところがあったのかなと思っていて、もちろん後ろから行っていいぞって声もしてるし、どっちか切れよっていう声もかけてくれ、それ以上にやっぱ全員がとにかく寄せる、とにかく戦うっていうところを
意識で言ってたからこそ、それぞれの迷いがなくいい形でプレッシングできていたかなと思います。
――今シーズン初めてのクリーンシートの勝利となったがこれはやはりチーム全体で大きな自信にはなるのではないか
いやもうすごい自信になると思うし、今シーズン初めてでもあるし、公式戦で言うと多分2年前の天皇杯12月の早稲田戦以来なので、約2年振りのクリーンシートです。
すごく自信になったかなと思います。
――次戦に向けての意気込みを
とにかく我々は「一部奪還」を掲げている以上勝つしかないのであと8分の8しっかりと勝つしかないのでとにかく勝つためにシステムだったり戦術だったりそういった部分を専念させていくのはもちろん大事だけどそういうところもそれ以上にやっぱり各々が勝ちたい、勝たなきゃいけない、戦わなきゃいけないっていう気持ちをしっかりピッチの上で表現できるように、最高の準備をこれからしていきたいなと思います。

