【競走】男子は5大会ぶりに勝利!女子は第1回を勝利で飾れず/早慶対抗陸上競技会

競走

男子は豊田兼(環2・桐朋)やフィールド種目での活躍で5大会ぶりに早大に勝利。女子は主将の細井衿菜(総4・中京大中京)が活躍するも記念すべき第1回大会を勝利で飾ることはできず。来年のアベック優勝を誓った。

男子第98回・女子第1回早慶対抗陸上競技会

9月25日(日)@日吉陸上競技場

男子 慶大97ー93早大 優勝

女子 慶大14.5ー24.5早大

ライバルであり、仲間でもある

♢全選手成績♢

太字は優勝選手)

競技名

選手名

記録

順位・得点

男子4×200mR

廣木亮太(理3・県立浦和)―富山(環4・神辺旭)―大谷尚文(理M2・桑名)―岩井章太郎(環2・同志社)

1.23.83

2位

男子100m

藤木健人(商4・桐朋)

10秒85

5位・2点

 

廣木

10秒51

3位・4点

 

大島琉偉(経1・慶應)

14秒58

6位・1点

男子400m

大谷

49秒04

5位・2点

 

白銀克隆(理3・広島学院)

50秒79

6位・1点

 

豊田兼(環2・桐朋)

46秒62

1位・6点

男子1500m

梅沢龍輝(総4・栃木)

3.53.05

2位・5点

 

河野慶太(環4・大分東明)

3.55.91

3位・4点

 

田村颯斗(商4・市立舟入)

3.56.08

5位・2点

男子110mハードル

豊田

13秒70

1位・6点

 

岩井

14秒20

3位・4点

 

上野佑太(M1・西南学院)

14秒44

4位・3点

男子棒高跳

中野悠哉(理3・慶應)

4m10

2位・5点

 

齋藤恒(経3・山形東)

3m80

3位・4点

 

府中

3m20

4位・3点

男子走高跳

イベルブランドン(総2・洛南)

1m90

3位・4点

 

若原祐人(経1・慶應)

1m85

4位・2.5点

 

稲井孝太朗(法1・慶應)

1m85

4位・2.5点

男子走幅跳

イベル

7m12

1位・6点

 

辻勇作(環1・駒場)

6m78

3位・4点

 

風間諒(理4・小田原)

6m72

4位・3点

男子やり投

伊藤達也(商3・帝京大学)

68m29

1位・6点

 

齋藤凛太郎(法3・青森)

52m78

4位・3点

 

池田欣弘(政4・慶應)

51m21

5位・2点

男子円盤投

齋藤恒

31m33

1位・6点

 

穂苅大和(理2・日比谷)

28m40

3位・4点

 

須崎在(経4・慶應NY)

26m01

5位・2点

女子200m

岩浅優花(法4・駿台甲府)

25秒76

3位・1点

 

鈴木わかば(総2・宇都宮女子)

26秒15

4位

女子100mハードル

工藤音花(法3・岡山朝日)

14秒61

2位・2点

 

岩屋佑未奈(経3・慶應女子)

DNS

 

女子800m

細井衿菜(総4・中京大中京)

2.09.96

1位・3点

 

井上汐莉(法1・韮山)

2.15.06

4位

女子4×100mR

山本涼乃(文4・都立富士)―工藤―岩浅―鈴木

47秒38

2位

女子走高跳

大久保綺更(環3・都立富士)

1m65

2位・2点

 

日根千晴(商2・県立桐蔭)

1m50

4位

女子走幅跳

日根

5m16

3位・1点

 

浦津ななの(環3・中京大中京)

4m88

4位

女子やり投

大久保

32m41

1位・3点

 

工藤

23m88

2位・2点

 

♢男子トラック種目♢

400mには今季驚異的な成長を遂げている豊田兼(環2・桐朋)らが出場。長身を生かした走りで序盤から差を付け優勝した。さらに豊田は110mハードルにも出場。豊田は全日本学生陸上競技対校選手権大会でも400mハードルで2位に輝いていた。プレッシャーがある中でも他を寄せ付けない圧巻のレースで2種目目の優勝を果たした。

実力を見せつけた豊田

100mには主将の藤木健人(商4・桐朋)ら3人が出場した。気迫の走りを見せるも結果は振るわず早大に強さを見せつけられた。

1500m走では、序盤は主務としてもチームを支えている田村颯斗(商4・市立舟入)を先頭に混戦が繰り広げられる。しかし残り200mでは慶大の梅沢龍輝(総4・栃木)が先頭に出る。このまま逃げ切りたいところだったがゴール直前で早大選手に抜かされ惜しくも優勝とはならなかった。

最後に行われた4×200mリレー。慶大は第1走者でわずかに差を付けられると、第2走者でもさらに差を広げられる。そのまま追いつくことができず早大に敗れた。また、早大は1分21秒44でアジア新記録を樹立。記録的なレースとなった。

アジア新記録を出した早大選手たち

 

♢男子フィールド種目♢

まず行われたやり投には3選手が出場。なかでも伊藤達也(商3・帝京大学)は5月の関東インカレなど大きな大会でも結果を残しており期待が懸かっていた。伊藤は期待に応え、第1投で65mを越える投擲を見せると、続く第2投では記録を伸ばし67mを越えた。60mの投擲では応援団から「達也―まだまだ!」と声援が送られるなど期待の大きさがうかがえる。伊藤はさらに記録を伸ばし優勝を果たした。

やり投優勝の伊藤

走幅跳には同じく関東インカレにも出場したイベルブランドン(総2・洛南)らが出場。前半はファウルが続出するなど厳しい状況が続く中でも、イベルは7m12の跳躍を見せこの種目で優勝に輝いた。また、円盤投では齋藤恒(経3・山形東)が優勝するなど、男子のフィールド種目では3選手が1位に輝く活躍を見せた。

中野悠哉(理3・慶應)ら3選手は棒高跳に出場。中野は1位の早大選手に大きく記録で差を付けられてしまうも2位の成績を残した。また、3、4位も慶大選手が入り得点を獲得した。

走高跳にも出場したイベルは応援に後押しされ記録を伸ばし、時にはガッツポーズなど熱い姿を見せる。しかし、早大選手に一歩及ばず3位入賞で終わった。

ガッツポーズを見せたイベル

 

♢女子トラック種目♢

200mでは早大勢力の強さが光り、上位を独占されてしまう。しかし、100mハードルでは工藤音花(法3・岡山朝日)が2位に入った。また、4×100mリレーでも敗れるなど、短距離種目では早大に圧倒された。

800mの注目は全日本学生選手権で入賞するなど名実ともに慶大を代表する選手、女子主将の細井衿菜(総4・中京大中京)だ。1週目では早大選手の後ろに付けると、残り300m付近で先頭に出る。最後の直線でもリードを守り切り、1位に輝き、実力を見せつけた。

 

♢女子フィールド種目♢

やり投で活躍したのは、大久保綺更(環3・都立富士)である。専門は棒高跳であるが、1位に輝いた。大久保は走高跳にも出場。こちらでは2位に輝き得点を獲得するなど、大活躍を見せた。一方走幅跳では早大に上位を譲る結果となった。

専門種目ではないやり投で活躍

♢選手コメント♢

男子主将・藤木健人

トロフィーを受け取る藤木

ーー今回の早慶戦を振り返って
まずは男子が5年ぶりに勝利できたのはとてもうれしかったです。女子は今年が第1回という記念すべき年に勝利を収めることができなかったのは非常に残念ですが、来年は「初の男女アベック勝利」を目標にして突き進んでいってほしいと思います。
早慶戦を振り返ると、「集大成」という言葉に尽きると思います。早慶戦は競走部全員で戦っていくものですが、代交代の試合でもあるので四年生にとってはかけがえのない試合でもあります。出場するしない関わらず、四年生が熱い想いを持って今大会に臨んでいるのが伝わってきて、「同期の頼もしさ」と「同期と戦うのは最後」という感情で終始胸がいっぱいでした。こういった思いとは別に「後輩の頼もしさ」も改めて実感できました。3年生は大きな舞台を経験している人が非常に多く今回の早慶戦でも活躍が見られ、これまでもチームを支えてきた3年生なら安心してチームを任せられると感じた早慶戦でした。

ーー大学での4年間を振り返って
大学での四年間は記録だけで言えば、とても苦しい四年間でした。調子がいい時に怪我をしたり、記録を出さなければならない時にうまく噛み合わないことがほとんどでした。ただ、記録以外については本当に成長させてもらったと感じています。主将という大きなポジションに飛び込んでから今まで見えてこなかったチームの問題点に気が付けたり、チームがより良くなるためには何が必要なのかを真剣に考えたりすることで内面的成長ができたと思います。また、記録が出なくて苦しい時にチームメイトが支えてくれたおかげで、チームのために戦うことの意味や価値を知ることができました。自分のためにやっていた陸上競技がチームのためにする陸上競技に変わり、チームの結果を自分の結果の事のように本気で喜び悲しむことができたのは大きな変化でした。競技力向上だけでなく内面的成長もできるのが学生スポーツの醍醐味だと思うので、競走部に在籍して本当によかったです。

ーー後輩たちへメッセージ
来年への勝負はすでに始まっています。各々気持ちを整理し、心持ちは十分でしょうか。新しい106代は「強者であれ」というスローガンを掲げました。個人としての強さ、ブロックとしての強さ、慶大競走部としての強さをどこまで上げられるか、どこまでそれぞれの理想に近づいていけるかが大切になると思います。競走部は競技力に幅があり人によって目標とするものは異なってきますが、スローガンは唯一部全体で不変なマインドとなります。それぞれが「強者とは何か」を常に考え活動していくことで各々の目標を達成でき、部員全員が「強者」になることによって、今年以上の戦績を収められるはずです。期待しています。

 

女子主将・細井衿菜

ーー早慶戦を振り返って

3年ぶりに有観客かつ応援があっての試合になり、大変盛り上がりました。105代目の最後の公式戦でこのような環境で早慶戦ができたことで私自身グッとくる場面が多くありました。悔しくも女子は敗北となりましたが、ここでのリベンジは後輩達に託します。

ーー女子は第1回大会となりました

長い早慶の歴史に「女子第1回」を記せたことを本当にうれしく思います。早慶両校の多くの方の尽力があってこの第1回が実現したので、大変感謝しています。今大会から女子も対抗戦を行ったことにより、以前よりもより部全員が勝利という同じ目標に向かって走ってこれたと感じます。

ーー後輩たちへメッセージ

「第1回勝利校」は早大に譲ってしまいましたが、勝利校一覧のその下を埋めるのは君たちです。「慶應」の名で埋まることを期待しています。第1回を終えて分かった早大との差をこの冬季で詰めて、さらには追い越すことを楽しみにしています!頑張れ!

 

最優秀選手賞・豊田兼

最優秀選手賞をいただくことができ、光栄です。早大の得意分野であるトラック競技の2種目で優勝し、点差が広がらないようにすることが自分のミッションでした。その役割を全うし、昨年負けてしまった早大のライバルにも勝利することが出来たので良かったです。来年も2連覇を目指し、慶大の勝利に貢献したいです。

 

♢應援指導部コメント♢

今回の早慶戦は有観客で応援がある中での開催となりました。そこで、應援指導部の方からもコメントをいただきました。

「丘の上」を歌う

副代表・齋藤英里伽さん

――競走部の応援を振り返って

コロナ前以来のほぼ3年ぶりの応援に来させていただいて、近くで選手に声を掛けられるということがありがたいと思いました。近くで力いっぱい走っている姿や競技に臨んでいる姿を見て、逆に私たちが勇気をもらいました。貴重な機会に参加させていただいてうれしかったです。

――選手の皆さんへ

男子部は93回大会以来の優勝で、難しい情勢の中ですごく努力されてきた皆さんがつかんだ優勝だったのだと思います。女子部の方々も最後の最後のまで力いっぱ走り切っている姿を見て、来年も応援に来させていただきたいと思いましたし、来年はどちらも優勝できるように應援指導部としても頑張っていきたいと思います!

3年男子部員・Iさん

――久しぶりの競走部の応援、振り返って

応援の形そのものは競走部の方から、「こういったことをやりたい」というのをお伺いして、その希望にそった形で実施できるように企画しました。

――競走部の応援で難しかったこと

いろいろな種目がいろいろなところで同時並行で動いていたので、一つ一つの種目に出場されている選手一人一人に声援を届けることが難しかったです。

――選手のみなさんへ

男子部は93回大会ぶりに優勝してうれしい限りです。我々が参加させていただける早慶戦も久しぶりだったので、そうした意味にある早慶戦におよびいただけたことは、部員一同喜んでいます。来年こそは男子、女子そろって優勝して「丘の上」を全員で歌えたらと思っています!

 

(記事:長沢美伸 写真:勝長ゆめみ、稻山昂大)

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