３月６日（水）薩摩おいどんリーグ トヨタ自動車戦 @平和リース球場
慶大はトヨタ自動車に３－２で惜敗した。初回、３番・吉野太陽（新法３・慶應）の適時右安打で先制するも、その裏に逆転を許す。３回には吉野が２本目の安打で出塁すると相手の失策もあり同点に追いつくが、４回以降はトヨタ自動車のリリーフ陣に抑え込まれ得点を奪えず。７回の四球をきっかけに勝ち越しを許し、この試合の決勝点となった。８回にはエース・外丸東眞（新環４・前橋育英）が圧巻の三者連続三振を奪うが、反撃できず惜敗となった。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 慶大 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
| トヨタ自動車 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 3 |
◆慶大野手成績
| 位置 | 選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| [6] | 竹田一遥（新環１・聖光学院） | 中安 | 遊併 | 左飛 | 投犠 | |||||
| H | 吉田雄亮（新商３・慶應） | 左飛 | ||||||||
| [8] | 丸田湊斗（新法２・慶應） | 遊飛 | 二飛 | 中飛 | ||||||
| 3 | 内田瑛介（新経４・ウェスト・トーランス） | 捕邪飛 | ||||||||
| [5] | 吉野太陽（新法３・慶應） | 右安 | 右安 | 空三振 | 右飛 | |||||
| [7] | 中塚遥翔（新環２・智辯和歌山） | 空三振 | 二ゴロ | 空三振 | 四球 | |||||
| R4 | 今津慶介（新総３・旭川東） | |||||||||
| [3] | 今泉将（新商４・慶應） | 四球 | 遊失 | 左安 | ||||||
| R8 | 村岡龍（新商３・慶應） | 四球 | ||||||||
| [9] | 小原大和（新環３・花巻東） | 空三振 | 四球 | 左飛 | 中飛 | |||||
| 1 | 外丸東眞（新環４・前橋育英） | 左飛 | ||||||||
| [2] | 吉開鉄朗（新商３・慶應） | 左２ | 空三振 | 二飛 | ||||||
| [4] | 林純司（新環２・報徳学園） | 中飛 | 遊飛 | |||||||
| H | 二宮慎太朗（新商４・慶應） | 遊飛 | ||||||||
| 4 | 上田太陽（新商３・國學院久我山） | |||||||||
| [9] | 常松広太郎（新政４・慶應湘南藤沢） | 遊飛 | ||||||||
| [DH]7 | 横地広太（新政３・慶應） | 右安 | 遊飛 | 二安 | 投ゴロ |
◆慶大投手成績
| 選手 | 投球回 | 打者 | 投球数 | 被安打 | 被本塁打 | 与四死球 | 三振 | 失点 | 自責点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 先発 | 荒井駿也（新商４・慶應） | 4 | 16 | 55 | 6 | 0 | 1 | 2 | 2 | 2 |
| 2 | 田上遼平（新商３・慶應湘南藤沢） | 2 | 8 | 30 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 |
| 3 | 別所孝亮（新環３・大阪桐蔭） | 1 | 5 | 17 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 |
| 4 | 外丸東眞（新環４・前橋育英） | 1 | 3 | 15 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 |
前日のＪＲ九州戦では、８－３の大敗を喫した慶大。この日は、社会人チーム・トヨタ自動車との一戦が行われた。トヨタ自動車は、昨年の第４９回社会人野球日本選手権で７度目の優勝、一昨年の第９４回都市対抗野球大会で２度目の優勝を果たしており、社会人野球界を代表する強豪だ。また、トヨタ自動車には２０２１年の東京六大学リーグ戦春秋連覇を成し遂げ、全日本大学野球選手権大会優勝・明治神宮大会準優勝を果たした主将・福井章吾（令４卒・大阪桐蔭）＆増居翔太（令５卒・彦根東）の慶大ＯＢバッテリーが在籍している。４年連続日本一を目指す社会人野球の絶対的王者に対し、慶大は投打でどれだけ粘り強さを見せられるか。また、慶大ＯＢの福井・増居と現役慶大選手との対決にも注目だ。
この日８番・捕手でスタメンの福井
ＪＲ九州戦で三塁打を放った好調の竹田はこの日１番に抜擢。初回、カウント１－２から放った打球は中前安打となり、１番打者の役割を果たした。２番・丸田湊斗（新法２・慶應）に対する初球、トヨタ自動車先発・加藤泰靖（上武大）の暴投で一塁走者が進塁し、無死三塁。初回から先制のチャンスを作る。続く３番・吉野が追い込まれながらも一塁手の横をすり抜ける右前安打を放ち、先制点を奪った。その後、５番・今泉将（新商４・慶應）が四球を選び２死一、二塁とするも、６番・小原大和（新環３・花巻東）が三振に打ち取られ、追加点とはならなかった。
先制点につながる安打を放った竹田
慶大の先発は２月２８日に行われた日本製鉄大分戦以来の登板となる荒井駿也（新商４・慶應）。先制したその裏、トヨタ自動車の１番・西村友哉（法政大）に二塁打を打たれ、いきなり同点のピンチを招く。さらに、２番・徳本健太朗（青山学院大）にはフルカウントから四球を与え、無死一、二塁に。３番・佐藤勇基（法政大）には初球ストライクを奪うも、右中間真っ二つに破る適時二塁打を浴び、同点に追いつかれる。続く４番・今井脩斗（早稲田大）を空振り三振に打ち取るも、５番・八木健太郎（早稲田大）には右適時打を浴び、逆転を許してしまう。先制点を奪い前日とは違った良いスタートを切ったが、すぐに追いつかれ逆転を許す展開となった。
この日先発の荒井駿は４回２失点の内容
２回には吉開鉄朗（新商３・慶應）に二塁打、横地広太（新政３・慶應）に右前安打が出て１死一、三塁と同点のチャンスを作るが、竹田の併殺打でチャンスを生かせず。その裏の荒井はテンポの良いピッチングで三者凡退に打ち取り、攻撃への良い流れを作る。
二塁打を放ったこの日スタメンマスクの吉開
安打で好機を拡大した横地
３回、吉野がこの日２本目の安打で出塁、中塚遥翔（新環２・智辯和歌山）の二ゴロは進塁打となり２死二塁に。一打同点のチャンスで５番・今泉の打球を遊撃手が失策。その間に二塁走者が生還し、早い段階で同点に追いついた。
同点に追いついたその裏、先頭打者に左前安打を許すも、続く打者を遊ゴロ、右飛に打ち取り、テンポよく２アウトを取る。しかし、４番・今井の打席で、荒井の暴投により一塁走者が二塁へ進塁。さらに捕手・吉開がボールをこぼしたのを見て、二塁走者は三塁を狙うが吉開が素早い対応で阻止し、勝ち越し点を許さない好守備を見せた。
４回から登板したトヨタ自動車の２番手・磯村峻平（明治大）に対し、慶大打線は封じ込められ、苦しい展開が続く。一方、慶大は５回から田上遼平（新商３・慶應湘南藤沢）がマウンドに上がり、ストライクを重ねる安定した投球を披露。両チームとも得点を奪えず、スコアボードに０が並ぶ展開となった。
２番手・田上は２回無失点の内容
試合が動いたのは７回裏。慶大３番手・別所孝亮（新環３・大阪桐蔭）は先頭打者・河原右京（早稲田大）に追い込むも、痛恨の四球を与えてしまう。進塁打や犠飛で走者が三塁へ進むと、１番・西村友の打球を二塁手・上田太陽（新商３・国学院久我山）がさばくもセーフとなり勝ち越しを許してしまった。
３番手・別所は７回に登板し１失点（自責０）
残るイニングは２つ。なんとか追いつきたい慶大は８回、四球で出塁するも後続が続かず無得点。その裏、別所に代わりエースで主将の外丸が登板。外丸は高卒ルーキー・箱山遥人（健大高崎）を含む三者連続三振の完璧な投球を見せ最終回に繋げる。
最終回に登板した外丸、圧巻の投球を披露
後がなくなった９回裏、慶大はなんとしてでも同点・逆転を狙いたい。先頭打者は途中出場の常松広太郎（新政４・慶應湘南藤沢）。おいどんリーグ８試合連続安打中の男に期待がかかるが、遊飛に倒れる。続く横地、吉田雄亮（新商３・慶應）も出塁できず、試合終了。３－２の惜敗となった。
昨年の社会人日本一・トヨタ自動車を相手に最後まで接戦を繰り広げた慶大。結果的には逆転・勝ち越しを許したものの、投手陣は粘り強い投球を見せ、特に外丸は立命館大戦とこの日のトヨタ自動車戦を合わせると５回７奪三振という好成績を残した。攻撃面では、あと一本が出れば試合の流れが大きく変わっていただろうという場面が見られた。社会人チームとの対戦で得た経験を、春のリーグ戦に繋げていきたい。
◆活躍選手コメント
吉野太陽（新法３・慶應）
チームとしてどんな形であろうと勝とうという姿勢で臨んだなかで勝てなかったことはとても悔しいです。今年のピッチャー陣は頼もしいのでなんとか野手も頑張って勝てるチームになります。
先制となる右適時打を放った吉野
（記事、写真：河合亜采子）
