いよいよ東京六大学野球秋季リーグ戦が9月12日に開幕する。“強い慶應”を取り戻すべく挑んだ春季リーグ戦では、5季ぶり41度目の優勝を果たした。その後の全日本大学野球選手権大会でも、エース・渡辺和大(商4・高松商業)をはじめとする投手陣が粘り強く守り抜き、強力打線が得点を重ねて決勝まで駒を進めた。決勝では関西大の3枚看板に阻まれ、惜しくも準優勝。あと一歩届かなかった日本一への悔しさを胸に、チームは再び戦いの舞台へ挑む。新たな「秋の慶應」を示すべく、春秋連覇、そして今度こそ日本一へ。今回ケイスポでは秋季リーグ戦前企画として、選手たちの意気込みや4年生のラストシーズンにかける想いに迫る。
第1弾は、今年から副将を務める寳田裕椰(経4・三重)。悲願のリーグ戦出場を目指す、最後のシーズンに懸ける決意を伺った。(このインタビューは8月23日に対面で実施しました。)
――4年生として最後のリーグ戦をこれから迎えますが、思いは
チームとしては、まず春取りたかった日本一というところが取れなくて、また秋再スタートというところです。なんとしても日本一を取りたいという思いがありますし、僕個人的にはこれまで3年半やってきて、結果としてまだリーグ戦の舞台に立てていないので、なんとかラストシーズン自分がここまでやってきたことを実らせたいなという強い思いはあります。
リーグ戦に出られなくて、ただ悔しいだけじゃなくて、副将という立場もありますし、情けなさだったり、いろんな感情を経験してきました。それも乗り越えて結果出すことが僕に求められてる役割だと思っているので、そこはしっかり受け止めてやっています。
――3年半の大学野球生活の中で、リーグ戦に関してはどんな思いで臨んでいたか
毎シーズン毎シーズン、チームにとって自分がどういうピースとして必要なのかというのをずっと考えてやってきたんですけど、届きそうで届かないところにずっといました。ラストシーズンは「自分がこうありたい」というのも強く持つようにしているので、サードに挑戦しています。そのようにチームに何が求められてるかというのと、自分がどうありたいかというのを、ラストシーズンは2軸で考えてやるようにしています。
――今シーズンご自身役割としてはどのような役割を担っているか
春に引き続きチームビルディングというところで、4年生中心にリーグ戦に束になって向かっていくような組織づくりが1つです。もう1つは、全日本大学野球選手権で負けて準優勝になったときに、自分がベンチに入ってプレーヤーとして貢献することができなかったからこそ負けたのかなという、プレイヤーとしての責任も感じました。なんとかプレイヤーとしての役割をグラウンドで果たすというところ。この2つを主に掲げて取り組んでいます。
――副将としてのやりがい
やっぱりチームが勝つことがやりがいですね。チームの目標に向かってチームをいい方向に動かしていくのが僕の役割なので、そういった意味ではやりがいを感じるのは勝ったときかなと思います。それ以外は苦しくてしんどい瞬間が多いんですけど、やりがいは勝つことなので、そこを目指して秋もやっていこうと思っています。
――逆に難しさは
自分は副将という立場なので、自分の結果が出るときも出ないときもあると思うんですけど、自分の結果に関わらず、チームの先頭に立つものとしてどのような振る舞いをしなければいけないのか、どのような役割ができるのかというところからは絶対に逃げられないので、そういった難しさ、苦しさはあります。ですが、それも置き換えてみればやりがいの1つかなと思っています。
――北海道キャンプではMVP。それについて
僕が「内野をやる」と決めたときから、谷口広大(経4・慶應)サブチーフコーチが朝ノック受けないかというのを言ってくれました。それに上田和明コーチも毎朝7時から見てくれていて、ずっとお世話になっていて、それがこのような形で成長ができたことは、自分の中で素直に嬉しいなと思うことでした。同時にサードで出るんだという思いから、より一層責任感というか、やってやろうと決意に繋がったと思います。
――三塁手へのコンバートのきっかけ
春、どうやって出ようかなと思ったときに、自分の持ち味はバッティングですが、外野にはバッティングがいい選手もいっぱいいるとなったときに、自分なりの特色はなんだろうと考え、内野もこなせることかなと思いました。春に高校の監督と話したときに「内野だろ」と言われたようなこともあって。そのようないろんな要因が重なって、秋はサードでやってみようという風に自分の決意に繋がりました。
――サードにライバルは多くいるが
同じ副将の上田(=上田太陽、商4・國學院久我山)もそうですし、いいライバルがたくさんいて、でもそれは自分にとってすごく幸せなことです。ライバルがいるからこそ、自分ももっと負けないように頑張ろうという風に思いますし、ライバルが頑張ってる姿も知っているので、自分が出てないときは頑張ってほしいという素直な気持ちになれます。お互い高め合えるいい関係なんじゃないかなと思っています。
――夏のオープン戦とかキャンプでの手ごたえは
特にバッティング面で手応えを感じていて、長打も出るようになってますし、打席内での考え方でも手応えや収穫がいっぱいあるかなと思います。ただ、これをリーグ戦という緊張、プレッシャーがかかる大一番でやらなきゃいけないので、もっともっとレベルアップしなきゃいけないというのもありますし、手応えと課題と両方感じているところかなと思います。
――自身の持ち味はバッティング。夏を経てこう変わった意識は
力まなくなったっていうのが1番大きいです。マシーンバッティングをいっぱいするようになって。そこで自分の当て感というか、こういう角度に入っていけばボール飛んでくなというのが体でわかってきたので、無理に力まなくなったことが1番の変化かなと思います。
――寳田選手の母校である三重高校の甲子園での活躍に関して
僕は優勝してくれるんじゃないかなと思って見ていたんですけど、後輩が甲子園の場所ですごく頑張ってるのを見て、僕もすごく勇気をもらいました。自分も5年前甲子園に出た経験があるんですけど、それと重なる部分もあったりして、すごく気持ち改めというか、新鮮な思いで野球を思い切ってやろうという活力にを与えてくれたかなと思います。
――チームとして意気込み
秋は必ずリーグ優勝、日本一を達成するというところかなと思います。春はリーグ優勝できましたが、秋は各大学もっともっと力をつけてくると思いますし、厳しい戦いになると思います。そこで4年生のラストシーズンへの意地を中心にチームももっとレベルアップして、ファンの皆様に喜んでいただけるような結果を出せたらなと思います。
――個人としての意気込み
僕はサードでレギュラーを取って、プレイヤーとしてチームを勝たせるプレーができればなと思うので、ここはラストシーズンにかける思いをグラウンドで表現できたらなと思います。
(取材:山内悠暉、記事:河合亜采子)


