【ソッカー(男子)】劣勢跳ねのけ逆転勝利! “ひさびさ勢”がチャンス生かす 第17節 vs関東学院大

ソッカー

ここ3試合白星なしと、再び苦しい時期を過ごしている慶大。今節は関東学院大と激突した。前半は一貫して相手に主導権を握られ、防戦一方の展開が続く。後半59分にはついにリードを許したが、直後62分に橋本健人(総1・横浜FCユース)の関東リーグ初ゴールで追いつくと、その後は決定機を量産。76分にCKからの混戦をピーダーセン世穏(経3・FCトリプレッタ)が制し、逆転に成功する。試合終了間際のピンチも守り切り、勝ち点3を獲得することに成功した。

 

第92回関東大学サッカーリーグ戦 第1節 vs関東学院

2018/10/2114:0KO青学大グラウンド

【スコア】

慶應義塾大学―1関東学院

【得点者】

0-1 59分 見木友哉(関東学院大学)

1-1 62分 橋本健人(慶應義塾大学)

2-1 76分 ピーダーセン世穏(慶応義塾大学)

慶大出場選手

GK上田朝都(総3・横浜・マリノスユース)

DF井出悠介(環4・桐蔭学園)→87分 風間真哉(政4・慶應義塾湘南藤沢)

DF鴻巣良真(総4・国学院久我山)

DF野村京平(総3・国学院久我山)

DF 中島玲央(総4・柏レイソルU-18)

MF 江本優貴(総3・大宮アルディージャユース)

MF八田和己(総3・桐蔭学園)

MF橋本健人(総1・横浜FCユース)→83分 多嶋田雅司(商3・国学院久我山)

MF松木駿之介(総4・青森山田)

FW小谷春日(環4・藤枝東)→6ピーダーセン世穏(経3・FCトリプレッタ)

FW山田盛央(総3・藤枝東)

これ以上足踏みすると降格圏が見えてくる

今節、慶大はこれまで右サイドを務めることが多かった山田盛央(総3・藤枝東)をトップに置いた布陣に変更。また、けがで戦列を離れていた橋本が後期初めてスタメンに名を連ねた。ここ3試合勝ちなしで現在9位に沈んでいるだけに、何が何でも勝利が欲しい一戦となった。

 

最終ラインで奮闘する鴻巣

キックオフ直後、慶大はいきなりピンチを迎える。エリア内で相手にクロスを合わせられ、これが慶大ゴールポストに直撃。運良く失点は免れたものの、立ち上がりから関学大の猛攻に悩まされることに。ボールを支配し鋭い縦パスで何度も自陣に侵入してくる相手に対し、慶大は鴻巣良真(総4・国学院久我山)らを中心に組織的な守備で応戦する。徐々に流れをつかんだように思われたが、前線で安定したリズムを作り出せないまま相手の速攻を浴びる場面が目立つ。前半通してひたすら守勢に立つ我慢の時間帯が続き、決定的な場面をほとんど作り出せず。39分には井出悠介(環4・桐蔭学園)のロングボールに抜け出した山田が豪快なシュートを放ったが、得点には至らない。スコアレスで前半を折り返した

途中出場のピーダーセン(右)がワンチャンスをモノにして値千金の逆転弾

良いとは言えない流れを払拭すべく臨んだ後半。慶大は前半より比較的ボールを支配するも、均衡を破ることはできない。59分にはエリア内の混戦を押し込まれ遂に失点。リードを許し一時は後がなくなったが、救世主となったのはルーキーの橋本だった。直後の62分、相手GKが飛び出して無人となったゴールに、気迫のロングシュートを押し込み同点とする。橋本の関東リーグ初ゴールで試合を振り出しに戻すと、慶大の勢いは増していく。チャンスを増やし再三ゴールを脅かすと、76分途中出場のピーダーセンがCKのこぼれ球を右足で豪快に叩き込み、逆転に成功した。終了間際こそ相手の猛反撃を受けたが、GK上田朝都(総3・横浜F・マリノスユース)のファインセーブを中心に、体当たりの守備で追加点は許さず。そのまま逃げ切った慶大が見事に白星手にした。

 

上田の好守も光り、薄氷の勝利

決して簡単な試合ではなかった。劣勢をはねのけて全員でつかんだ逆転勝利には、「ひとつ成長できた(冨田監督)と指揮官も手応えを感じている。「残留」という目標を達成する上で大きな勝ち点3。気を抜けない戦いが続くが、今節見せた粘り強さを糧にすれば、まだまだ上位を目指すことは可能だろう。7ヶ月に及ぶ関東リーグも残り数試合となったが、次節も荒鷲イレブンの地力を存分に発揮し、連勝をマークしてほしい。

(記事:髙橋春乃 写真:中村駿作、桑原大樹)

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試合後コメント

冨田賢監督

——試合を振り返って

これから「残留」っていう明確な目標がある中で、自分たちのやりたいサッカーと現実的にやらなきゃいけないところと、そのバランスの中で、今日は前半立ち上がりは結構重たいというか、そういう状況の中でもしっかりゼロで守れて、苦しい中でもつかんだ勝利だったんじゃないかなと思います。逆転勝ちがこれまでなかったと思うので、本当にそこがひとつ成長できたっていうのと、最後もシュートたくさん打たれましたけど、全員が体張って、それがシュートをずらすことにつながったと思います。

——「残留」を目指す中で大きな勝ち点3となった

そうですね。かなり大きいですね。ただ次が東農大戦で直接対決になるので、そこをしっかり勝って決められたら、っていう感じです。負けちゃうとやっぱり苦しくなっちゃうと思うので、負けない戦い方の中で謙虚に決めにいけるようにしっかり準備していきたいと思います。

——ツートップ起用のフォーメーションについて

彼らの得点もうちの得点もそうですけど、結局やっぱり自分たちでボール保持して崩すっていう得点よりも、手数をかけないで得点を奪うっていう形の方が、得点を取れるなという感覚があったので、ちょっと低すぎになっちゃったとか色々と問題はありましたけど、基本的に奪って手数かけないで仕留めるっていうところでは、後半は特にそういうシーンを作れたので良かったかなと思います。

——前半はあまり良くない流れだったが、選手たちにどのような声をかけたか

シンプルに後期で1番悪い立ち上がりだと僕もあまりネガティブなことは言いたくないんだけれども、事実として伝えて、やっぱりどの降格争いしてるチームも本当にピリピリした中でやっていると思うんですけど、そこが少し抜けているなというのがあったので、そこは伝えました。選手たちの中で、色々な戦い方をやりたいっていうのも、何か変えないとっていうのもあったんですけど、基本的には戦い方は変えないで、それを徹底してやろうっていうところで統一できたところは良かったかなと思います。

——次節に向けて

本当にリサーチ班含めて、色々と分析してくれて、結局そこを意識しながら戦っているということと、今日も選手たちが最後自分たちの力でもぎ取ったものだと思うので、学生が伸び伸び楽しくというか、楽しくっていう言い方は変なんだけれども、緊張感の中でも“プレ”する感覚というか、それを忘れないで戦ってもらいたいなと思います。

 

 

松木駿之介(総4・青森山田)主将

――逆転勝利の理由は

ひとつは今までうまくかなかった意思統一とうか、そういうのを常に試合の中で話しながら、皆がここはセットしてカウンターを狙おうとかが一致したことで、よくツートップの選手も我慢したと思いますし、我慢強くできたのが本当に良かったと思います。

――前半は押し込まれる展開が続いた

相手のボランチに加えて相手のフォワードの10番が自由に降りてきて、捕まえることができなかったんですけど、あそこを前からかけて、ボランチが出ていったスペースを使われるのが一番嫌だなっていうディフェンスラインの考えだったので、全員がそこに合わせてラインのポジションをセットしてやれ、前半で慣れた分、後半で良いカウンターもできて良かったと思います。

――後半は逆転に成功した

やっぱり先制されたのは嫌でしたけど、よく皆で下を向かずにやれていたと思いますし、ベンチを含め、応援席を含めてできたので良かったと思います。全体的に見てはしけん(橋本)だったり、ピーダー(ピーダーセン)だったり、今まで中々出場機会が得られなかった選手が久しぶりに試合に出て結果を残せたってところで良い競争が生まれているので、これからまた一週間、皆で競争しながら試合になったらまたひとつになって、ってサイクルができたらと思います。

――次節に向けて

次は、今降格圏にいる東農との試合で、次勝てば残り4試合で勝ち点12差にできるので。現実的に、得失点差的にも残留できるかなと捉えているので、この一週間集中して早めに残留決められるようにやっていきたいです。また、ここで落とすことがあったら東農との差が縮まって、東農も乗ってきちゃうと思うので、負けないサッカーを優先的にやっていく必要があるかなと思います。

 

 

ピーダーセン世穏(経3・FCトリプレッタ)

――試合を振り返って

今日は試合の入りからまったりした雰囲気があって、その流れのまま失点もして結構悪い雰囲気だったんですけど、失点の直後に1年生のはしけん(橋本)が決めてくれたんで、それで俺たちも切り替えて良い波に乗れたので。今日は結構結果オーライというかラッキーと言うか、ツイてたというのが第一印象で

――逆転ゴールのシーンは

こぼれ球が来て、ターンしたんですけどうまくシュートに持ち込めなかったんで、松木と試合前とか「ファーのところに落とそう」とか話してたんで、イメージ通り落として。そのこぼれ球が自分のところに来たんで、後は振り切るのを意識してやりました

――後期ここまであまり出場機会がなかったが、今日に向けての準備は

出れていなくて、この間はベンチにも入れていなくて、練習も授業の関係で出られないことが多くて。そんな中で監督が今回チャンスをくれたので、自分の持っている力すべて出そうということだけ意識してやりました。

――次節に向けて

次節勝てば、ほぼほぼ残留が決まるという試合なので、この一週間、今まで以上に気を引き締めて頑張りたいと思います。

 

 

橋本健人(総1・横浜FCユース)

——試合を振り返って

前期も対戦してて、その中で決定機があった中でまったく決めれずに勝ち点1になってしまったっていう過去があって、特に今日の試合には強い思いがあったので、正直あまりプレーは良くなかったですけど、結果を残して逆転勝ちできたことは本当に良かったと思っています。

——関東リーグ初ゴールとなった、得点シーンを振り返って

玲央くん(中島玲央=総4・柏レイソルU-18)が盛央くん(山田)に良いパス出して、キーパーがヘディングでクリアしたのをやつくん(八田和己=総3・桐蔭学園)が自分にくれ、キーパーが出ていたのが見えていたので、あんまりボールにミートはしなかったんですけど、気持ちで押し込めたかなと思います。

——後期初先発となった

けがをしていて、金曜紅白戦で良くて出させてもらったんですけど、そんなにチャンスは自分には回ってこないと思っていたので、今日スタメンにしてくれた賢さん(冨田監督)とかに感謝の気持ちを持って、結果を残すっていうことにこだわって今日はプレーしたので、結果的には良かったです。

——コンディションは

良いです。

——次節に向けて

勝てば残留が決まるっていう風に松木くんも言っていたので、勝って残留を決めて、残り少ない試合ですけど、4年生と良い試合をできるように頑張りたいと思います。

 

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