【ホッケー(男子)】〈コラム〉世界レベルを感じた吉川大地。攻守の要の成長は止まらない。

各試合、慶大の得点の要としてプレーしている吉川

先月上旬にマレーシアで行われたU21の国際大会に慶大ホッケー部男子から吉川大地(政3・慶應)が選出された。全6チームで行われた大会で、前回より一つ順位を上げた4位という結果で終えて帰国。世界レベルを肌で感じた慶大の攻守の要は、また一皮むけた姿を見せている。

 

 

今年からはDFとして失点危機を幾度と救ってきた

 9月に行われた代表選考会を経て、晴れてU21の代表入りを果たした吉川だが、実は日の丸を背負うのは今回が初めてではない。U16、U18と続けて代表入りを果たしており、今回の代表選出は自身3度目。「これまで代表に選ばれてきていたので、どうしても受かりたい気持ちが強かった。選ばれて安心しました」。小学生の時から始めたホッケーの実力は、中学、高校時代にも認められていた。その中で、大学に入ってもひたすらスキルアップに励み今回も日の丸の座を掴むに至ったのだ。これまで選ばれてきたという高いプライドと自信が、吉川を日の丸へと導いたのかもしれない。

 

 この大会で吉川は、今の慶大でのポジションと同じくDFとして出場。結果こそ4位だったが、前回大会の優勝チームを破るジャイアントキリングも成し遂げたという。そういった格上の相手との対戦の中で吉川が最も感じたのが、「しっかりと守り切れれば勝てる」ということ。当たり前のことだが、ゴール前を固めるDFにとっては最も難しく、そして最も重要なことだ。「海外のチームは日本人よりも体が大きくて反応も早かった。その中で勝つには、守って守ってカウンターで攻めるというのが基本になる。失点を少なくできれば格上でも勝つチャンスがあることを実感した」。格上の相手に勝つためには、DF陣の守りから流れを呼び込む必要がある。これは日本に帰ってきた中でも、同じことが言えるだろう。世界レベルでそのプレーをしてきた吉川は、慶大にもそれを還元し、DFとしてチャンスを生み出しているのだ。

 

世界レベルを肌で感じた吉川が、慶大ホッケー部に新しい風を吹き込むか

 1年次からリーグ戦に出場をしている吉川だが、3年の春まではMFとして出場をしていた。U16やU18ではディフェンスラインの最も後ろのポジションであるスイーパーとして活躍をしていたが、大学では新たなポジションを任された。MFとしても、持ち前のパススキルや俊足は生かされコンスタントに活躍。そして、このMFとしての経験が今季の吉川をさらに成長させていた。この秋からは、再びDFに転向。また、先日のインカレからはスイーパーのポジションも任されている。「ミッドフィールダーがどういうところでボールをもらいたいかが、経験したからこそ分かるようになった。パスを狙うイメージは良くなったと思う」。カウンターを仕掛けるためには、ディフェンスラインからのビルドアップの精度が高くなければならない。その起点となる最重要ポジションのスイーパーとして、自身でも手応えは感じているようだ。

 

世界を感じ、また一皮むけて慶大に戻ってきた吉川。経験をさらなる成長の糧にすることで、自身のプレーのレベルを、そして慶大のレベルをさらに押し上げていくに違いない。

 

(記事:重川航太朗)

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