慶大先発・広池浩成（経２・慶應）は初回、松下歩叶（営3・桐蔭学園）に２点本塁打を浴び、３回にも松下に適時打を打たれ、いきなり３点のリードを許す。４回に吉野太陽（法２・慶應）の本塁打で１点を返すと、５回には１死一、二塁のチャンスで水鳥遥貴（商４・慶應）が３点本塁打を放ち、逆転に成功する。しかし７回、中津大和（営４・小松大谷）の適時打で追いつかれると、延長１０回裏には１死満塁から木暮瞬哉（法３・小山台）が藤森康淳（営２・天理）に中前適時打を浴び、無念のサヨナラ負けとなった。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
慶大 0 0 0 1 3 0 0 0 0 0 4
法大 2 0 1 0 0 0 1 0 0 1× 5
◆慶大打撃成績
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
１⑤６水鳥遥貴 左安 ・・ 三振 ・・ 左本 ・・ 二ゴ ・・ ・・ 三安
２④上田太陽 一ゴ ・・ ・・ 三振 三飛 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
１荒井駿也 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ 右飛 ・・ ・・ ・・
１木暮瞬哉 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ 三振
３⑦吉野太陽 投ゴ ・・ ・・ 右本 三振 ・・ ・・ 左飛 ・・ 遊ゴ
７佐藤駿 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
４③清原正吾 左飛 ・・ ・・ 三振 ・・ 左飛 ・・ 三振 ・・ ・・
５⑨中塚遥翔 ・・ 中安 ・・ 四球 ・・ 右安 ・・ 三振 ・・ ・・
９古野幹 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
６⑧横地広太 ・・ 二ゴ ・・ 中飛 ・・ 三振 ・・ ・・ ・・ ・・
🈱８丸田湊斗 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ 三振 ・・
７⑥４林純司 ・・ 遊ゴ ・・ ・・ 中安 三ゴ ・・ ・・ 右飛 ・・
８②渡辺憩 ・・ ・・ 三飛 ・・ 犠打 ・・ 左安 ・・ 三安 ・・
９①広池浩成 ・・ ・・ 右飛 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
１小川琳太郎 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
🈱５本間颯太朗 ・・ ・・ ・・ ・・ 死球 ・・ 犠打 ・・ ・・ 遊ゴ
◆慶大投手成績
投球回 打 者 投球数 安 打 本塁打 四死球 三 振 失 点 自 責
広池浩成 2⅔ 14 0 6 1 1 1 3 3
小川琳太郎 1⅓ 4 0 0 0 1 1 0 0
荒井駿也 2⅓ 12 0 5 0 1 1 1 1
木暮瞬哉 3 12 0 2 0 2 1 1 1
優勝の可能性が消え、残す試合は本日を含めて３試合となった慶大。このカードで勝ち点を取って、良い流れのままチームの集大成となる早慶戦を迎えたいところだ。この日先発を任されたのは、今季４度目の先発登板となる広池。明大２回戦、東大２回戦での敗戦から立ち直り、自慢の真っ直ぐで押していく投球ができるか。頼れるエース・外丸東眞（環３・前橋育英）が前日に登板のないままベンチ外となり、勝利に向けてブルペン陣の奮起が欠かせない状況となった。
初回、慶大は先頭の水鳥が左安で出塁すると、すぐさま二塁へ進塁。続く上田太陽（商２・國學院久我山）の一ゴロの間に三塁へ進みチャンスを作るも、吉野と清原正吾（商４・慶應）は凡退し、先制することはできない。
リーグ戦初スタメンでマルチ安打をマークした中塚
その裏、広池は法大先頭の石黒和弥（法３・高岡商）に甘く入った初球を左前に運ばれ、出塁を許すと、その後２死二塁となり、迎えるは松下。カウント１−０から真ん中に入った変化球を完璧に捉えられ、打球はそのまま左翼席へ。２点先制を許してしまう。３回には２死から中津にストレートの四球を与え、二盗で２死二塁のピンチを招くと、再び松下に外寄りの直球を詰まりながらも右前に運ばれ、中津が還り３点目を許す。その後２死満塁となったところで慶大は広池から小川琳大郎（経３・小松）にスイッチ。法大・内海壮太（法４・御殿場西）を３球三振に仕留め、ピンチを凌ぐ。
ピンチの芽を摘み取った小川
なんとか追いつきたい慶大は４回に吉野が法大先発・吉鶴翔瑛（営４・木更津総合）の甘く入った変化球を捉え、右翼席へ本塁打を放ち１点を返すと、続く５回に先頭の林純司（環１・報徳学園）が中安を放ち、続く渡辺憩（商１・慶應）がきっちり犠打を決め、１死二塁のチャンスを作る。代打・本間颯太朗（総４・慶應）が死球でチャンスを広げ、迎えるは１番・水鳥。カウント２−１から高めの直球を振り抜くと、打球は伸びて左翼スタンドへ。リーグ戦１９０打席目にして初となる本塁打は、値千金の逆転弾となった。
３安打３打点の活躍を見せた水鳥
次に試合が動いたのは７回。今季初登板となった荒井駿也（商３・慶應）が先頭の石黒に三塁手・本間のグラブを弾く内野安打を浴び、犠打で１死二塁のピンチを招くと、３番・中津に浮いた直球を捉えられ、これが右前適時打となり同点に追いつかれてしまう。
その後は慶大・木暮、法大・山城航太郎（キャリア４・福岡大大濠）の投げ合いが続き、試合は延長戦へ。１０回、慶大は１死から水鳥が三安で出塁するも、後続が続かず無得点に終わる。その裏、木暮はリーグトップの打率を誇る熊谷陸（人１・花巻東）に左翼線二塁打を浴び、サヨナラの走者を出してしまう。中津を申告敬遠で歩かせ、松下との勝負を選択するも犠打を決められ、１死二、三塁と絶対絶命のピンチを背負う。再び申告敬遠で満塁策を取り、迎えるは１回戦で勝ち越しの本塁打を放った藤森。低めの直球を上手く叩きつけると、打球は前進守備の二遊間を抜け、これがサヨナラ打となった。
サヨナラ打を打たれたが好リリーフを見せた木暮
打線がなかなか振るわない中、１、２年生を７人スタメンに組み込んでこの試合に臨んだ慶大。リーグ戦初スタメンの中塚遥翔（環１・智辯和歌山）が２安打を放ち、存在感を放った。また水鳥は猛打賞、渡辺憩はマルチ安打と、少しずつ打線が活発になっているのは確かだ。残すは宿敵・ワセダとのカードのみ。華の早慶戦、連勝して有終の美を飾ることができるか。４年生の最後の勇姿を目に焼き付けろ。
（記事：林佑真、写真：河合亜采子、鈴木啓護、加藤由衣、大泉洋渡）
