【ソッカー(女子)】大量9得点で快勝!2位を勝ち点2差で上回る首位で2部優勝&自動昇格を懸けた最終戦へ!/関東2部リーグ後期第8節 VS武蔵丘短期大学

ソッカー女子

前節の上武大戦を引き分け、13連勝が止まったソッカー部女子。それでも、2位を勝ち点2差で上回り、首位につけている。リーグ戦は残り2試合。後期第8節の武蔵丘短大戦に、慶大が勝利し、かつ他会場で2位の国士舘大が引き分け以下に終われば、2部優勝および1部昇格が決まる状況で臨んだ。

試合は、序盤から圧倒的な慶大ペースで進む。8分、野村亜未 (総3・十文字)のシュート性のボールを髙松芽衣(環2・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が押し込んで先制すると、その後も攻撃陣が爆発。前半を6ー1と大量リードで終える。後半も野村が3得点を挙げるなど、攻撃の手を緩めずに戦い続け、9ー2で大勝した。しかし、慶大が勝利したものの、同節で2位の国士舘大が勝利したため、歓喜の瞬間は最終節に持ち越しとなった。

最終節は11/2(日)の13:00キックオフ。勝利すれば、悲願の2部優勝および1部昇格が決まり、来季は21年以来5年ぶりに1部で戦うこととなる。TEAM2025のラストゲーム。こだわり続けた慶應のサッカーで、『賢く泥臭く』戦い抜き、有終の美を飾りたい。

 

2025/10/26(日)14:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド

【スコア】
慶應義塾大学9ー2武蔵丘短期大学

【慶大得点者】
8分 髙松芽衣(野村亜未)
12分 野口初奈(小熊藤子)
27分 小熊藤子(野口初奈)
31分 野村亜未(髙松芽衣)
39分 森原日胡
41分 小熊藤子(野口初奈)
49分 野村亜未
74分 野村亜未
78分 野村亜未

【慶大出場選手】

ポジション 

背番号 選手名(学部学年・出身高校)

GK

12 中村美桜(理4・慶應湘南藤沢)

DF

18 岩田理子(総2・十文字)

 

→HT 24 田中紗莉(総2・県立市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)

 

4 米口和花(総2・十文字)

 

5 小熊藤子(環4・山脇学園/スフィーダ世田谷ユース、RB大宮アルディージャWOMEN内定)

 

15 宮嶋ひかり(環2・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

 

→76分 8 佐藤凜(総3・常盤木学園)

 

23 坂口芹(総4・仙台大学附明成)

MF

11 森原日胡(総1・作陽学園)

 

→76分 13 山田葵(総1・聖和学園) 

 

6 守部葵(環4・十文字)

 

→51分 2 竹内あゆみ(看3・日ノ本学園)

 

10 野口初奈(環3・十文字)

 

7 髙松芽衣(環2・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

 

→HT 19 安達梨咲子(商3・Palos Verdes High School / Fram Soccer Club)

FW 

9 野村亜未 (総3・十文字)

関東大学女子サッカーリーグ戦2部を戦う慶大ソッカー部女子。13連勝で迎えた前節の上武大戦は、ほとんどの時間でボールを保持し、相手ゴールに幾度となく迫りながらも、スコアレスドロー。前期第3節から引き分けを挟まずに続いていた連勝がストップした。それでも、依然として首位につけている慶大。試合後、ベンチや観客からは「顔を上げよう」とポジティブな声が掛けられていた。

この後期第7節の結果により、優勝を一騎打ちで争う2位の国士舘大との勝ち点差は4から2に縮まった。慶大、国士舘大ともに入れ替え戦進出以上の順位が確定しているが、自動昇格の2部優勝を目指し、残り2試合に全てを懸けて臨む。

残り2試合の自動昇格争い

順位

チーム名

勝ち点

得失点差

総得点

残り試合数

慶應義塾大学

41

37

46

~↑自動昇格ライン↑~

国士舘大学

39

20

27

※勝ち点に次ぐ順位決定要項は、得失点差、総得点、直接対決の戦績、フェアプレーポイント、それでも並んでいる場合は抽選、という順になっている

後期第8節は、慶大の武蔵丘短期大戦と、国士舘大の尚美学園大戦が10/26(日)の14:00に同時キックオフ。慶大が勝利し、かつ国士舘大が引き分け以下に終わった場合、慶大の2部優勝および1部昇格が決まる。

後期第8節の慶大優勝条件国士舘大(勝ち点39)
慶大(勝ち点41)慶44,国42慶44,国40慶44,国39
で最終節へ→優勝決定→優勝決定
慶42.国42慶42.国40慶42.国39
で最終節へで最終節へで最終節へ
慶41,国42慶41,国40慶41,国39
で最終節へで最終節へで最終節へ

慶大は森原日胡(総1・作陽学園)を右シャドウのポジションで2試合ぶりにスタメン起用。それ以外は前節と変わらない3−4−2−1の布陣で臨む。

序盤からボールを握り、得点機を伺っていく慶大は8分、野口初奈(環3・十文字)のスルーパスに野村が反応し、右サイドで抜け出すと、ファーサイドへグラウンダーのシュート性のボールを放つ。これを髙松が押し込み、早い時間帯に幸先良く先制。ここから、26本のシュートを放ちながらも無得点に終わった前節のうっ憤を晴らすかのようなゴールラッシュが始まる。

先制点を挙げた髙松

12分、小熊藤子(環4・山脇学園/スフィーダ世田谷ユース、RB大宮アルディージャWOMEN内定)から野口にくさびが入ると、野口はペナルティアーク付近で巧みなボールタッチで振り向き、左足でシュート。ボールはポストの内側に当たり、ゴールマウスへと吸い込まれ、2点目となった。

高い技術で攻撃をけん引した10番・野口

このまま攻め続けたいところだったが、16分、慶大右サイドで相手FWに飛び出されると、エリア外から放たれたシュートは美しい弧を描いてサイドネットに突き刺さり、失点。1点差に詰め寄られる。さらに、20分ごろには相手コーナーキックが3本続くピンチを招いたが、体を張って守り切り、2-1で給水タイムに突入する。給水明け直後の27分、そんな重苦しい流れを払拭する一発が飛び出す。コーナーキックのチャンスを獲得すると、キッカーの野口が上げたボールは主将・小熊の頭にピンポイントで合い、見事なヘディングシュートで得点。リードを2点に戻す。

安定したビルドアップと、セットプレーの高さで貢献したプロ内定の主将・小熊

主将の得点で落ち着きを取り戻した慶大は31分、抜群の運動量を誇る髙松が敵陣でボールを奪取すると、野村にパスを供給。見事なファーストタッチでキーパーと1対1の状況をつくった野村は、左足でゴール右上に強烈な一撃を決め、追加点を挙げる。

圧倒的なスピードで敵陣を切り裂いた野村

さらに39分、積極果敢な攻撃参加が持ち味の右CB・米口和花(総2・十文字)が、キーパーとディフェンスラインの間にグラウンダーの鋭いボールを蹴り込むと、森原が押し込んで得点。髙松の先制点と同様に、ファーサイドへの低いシュートに対し、前線の選手がしっかりと詰めたことがゴールにつながった。前節は数多くのミドルシュートを放つも、得点には至らなかった慶大。この試合ではシュートの精度が高く、またこぼれ球への反応の素早さも光った。

1年生ながら存在感を見せる森原

その後も慶大の勢いは止まらず。41分に右サイドからのコーナーキックを獲得すると、キッカーの野口と副将・守部葵(環4・十文字)がショートコーナーから数的優位の状況をつくって崩し、野口がセンタリングを上げる。このボールに小熊が反応し、フリーでヘディングシュートを決め、6−1。大量リードで前半を終え、試合を折り返した。
一方、同時刻にキックオフした2位の国士舘大戦も、国士舘大が1−0でリードして前半終了。このまま試合が終われば、慶大勝ち点44、国士舘大勝ち点42となり、優勝争いの行方は最終節に持ち越しとなる状況で後半が始まった。
後半開始から、慶大は岩田理子(総2・十文字)に代えて田中紗莉(総2・市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)を右WBに、髙松に代えて安達梨咲子(商3・Palos Verdes High School / Fram Soccer Club)を左シャドウに投入。後半も攻撃の手を緩めずに試合を進める慶大は49分、右サイドで受けた田中紗がカットインから野村にスルーパスを通すと、野村がゴール前まで持ち運んでシュート。一度は相手キーパーに防がれたが、野村がしっかりと押し込み、さらにリードを拡げた。

さまざまなポジションで活躍を見せる田中紗

51分、守部に代わり竹内あゆみ(看3・日ノ本学園)がピッチに。しかし、後半途中からはハーフタイム頃から本格的に降り出した雨の影響もあってか、思うような試合運びができず、65分にはコーナーキックから失点を許す。ピッチ内では点差に満足せず、選手たちが厳しく要求し合うシーンも見られた。

看護実習とサッカーの両立に励む竹内が2試合ぶりに出場

それでも、74分。安達からのパスに抜け出した野村が相手を置き去りにし、最後は冷静に流し込んでこの日3点目。ハットトリックを達成した。この日の野村はとどまることを知らず。77分、坂口芹(総4・仙台大学附明成)からのパスがこぼれると、いち早く反応し、相手キーパーのポジショニングを見て丁寧なシュート。これがまたしてもゴールネットを揺らし、9−2とさらにその差を拡げた。

献身的な守備での貢献も光った安達

後半は野村の独壇場に

81分、森原に代えて山田葵(総1・聖和学園)を右シャドウに、宮嶋ひかり(環2・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)に代えて佐藤凜(総3・常盤木学園)をトップ下に投入。竹内がボランチから右CBに落ち、右WBの田中紗が左CB、右CBの米口が右WB、トップ下の野口がボランチへと動き、大きく配置を変える交代を敢行した。

突破力も強みの米口が右WBに

慶大戦がアディショナルタイムに突入した頃、国士舘大戦が先にタイムアップを迎え、2−0で国士舘大が勝利。これにより、し烈な優勝争いの行方は最終節にもつれることとなった。93分、相手にミドルシュートを浴びるも、守護神・中村美桜(理4・慶應湘南藤沢)が好セーブ。

終盤に守護神・中村が好セーブ

まもなくして慶大戦もタイムアップした。圧倒的な攻撃力を見せつけ、また途中出場の選手たちも得点に絡むなど会心の試合内容で、9−2で勝利した慶大。勝ち点を44に伸ばし、シーズンを通してしのぎを削ってきた国士舘大との勝ち点差は2という状況で最終節を迎えることとなった。

残り1試合の自動昇格争い

順位

チーム名

勝ち点

得失点差

総得点

残り試合数

慶應義塾大学

44

44

55

~↑自動昇格ライン↑~

国士舘大学

42

22

29

※勝ち点に次ぐ順位決定要項は、得失点差、総得点、直接対決の戦績、フェアプレーポイント、それでも並んでいる場合は抽選、という順になっている

最終節、慶大の2部優勝および自動昇格決定条件は以下のようになっている。

最終節の慶大優勝条件国士舘大(勝ち点42)

慶大(勝ち点44)

慶47,国45慶47,国43慶47,国42
→優勝決定→優勝決定→優勝決定
慶45.国45慶45.国43慶45.国42
→得失点差によって変動→優勝決定→優勝決定
慶44,国45慶44,国43慶44,国42
→2位でシーズン終了、入れ替え戦へ→優勝決定→優勝決定

慶大が引き分け、かつ国士舘大が勝利して両チーム勝ち点45となった場合、勝ち点に次ぐ順位決定要項の得失点差で大きなプラスをつくっている慶大が有利な状況だ(現時点で慶大+44、国士舘大+22)。

慶大の最終節は、11/2(日)の13:00キックオフ。7位・流通経済大との一戦に臨む。

4年生にとってソッカー部でのラストマッチとなる次節は、まさしくTEAM2025の集大成。『細部に宿せ』をスローガンに、普段の練習から「こだわる」ことを徹底して築き上げてきた『賢く泥臭く、虜にさせる』サッカーで、有終の美を飾りたい。

(取材:吾妻志穂、柄澤晃希)

 

【インタビュー】

勝利に貢献した4年生コンビ
坂口(左)、守部(右)

 

◇坂口芹(総4・仙台大学附属明成)

――今日の試合を終えて、今の率直な気持ちを教えてください。
坂口:今回勝たないと順位が入れ替わってしまう中で、しっかり勝ち切れてよかったです。

――前節は攻めながらも、スコアレスという結果に終わりましたが、チームとしてこの1週
間重点的に取り組んだことはありますか?
坂口:前回は26本打ったけど入らなかったということで、責任を感じて涙を流している選手もいた中で、そういうこともあると割り切りつつ、自分たちの順位、自分たちがやらなければいけない基準を落とさないという2つのことを意識して、みんなで勝ちに行こうという意識で1週間作っていきました。

――いつも通り左サイドから連携して相手を崩していきましたが、いかがでしたか?
坂口:試合前、早い段階で先制点をとって、自分たちで試合を優位に進めていこうと話していたので、サイドで起点を作って中の選手を生かすことができたと思います。

――最終節、勝てば1部昇格が決まり、または引き分けでも高い確率で1部昇格が決まります。最終節はどんな戦い方で挑みますか?
坂口:優勝が決まる試合でもあるのですが、チーム2025の集大成でもあるので、ビジョンである『賢く、泥臭く』というところを全員で体現して最後までやり切りたいと思います。

――ご自身としては引退試合となりますが、どういった方々に活躍を見せたいですか?
坂口:これまで応援してくださった方がいてこその結果だと思いますし、私はこの組織に生かされてきた身だと思うので、少しでも自分の力でチームに還元できるように、最後まで集大成としてやり切りたいなと思います。

 

◇守部葵(環4・十文字)


――今の率直な気持ちを教えてください。
守部:前節で上武大学に引き分けてしまい、自分自身久しぶりのスタメン出場で(試合に)フルで出たということもあって、すごく責任を感じていました。今日の試合出るとなったときに、絶対勝たなければいけない、チームを勝たせたいという思いで臨んでいて、結果的に勝てたので、すごくうれしい気持ちもありますけど、所々守備の部分とかで緩さが出てしまったので、そこは改善していかないとなと思います。

――守部選手個人としては、前半からルーズボールを拾ったり、パスカットしたりする場面
が多く見受けられましたが、ご自身で手ごたえはありましたか?
守部:球際や切り替えに強く行くことは、練習の時から全員で突き詰めてきたことなので、そこだけはしっかりやろうと思いながら入ったからこそ、1歩前に出てボールに触って、相手と競り合うことを意識的にやりました。

――コーナーキックの場面では、前節は中に入って競っていましたが、今節はショートコーナーのサポートにつかれていました。それは練習してきたものだったのか、あるいは相手の陣形に対する対応だったのかというところはいかがですか?
守部:野口が自分につけてもいいし、中に蹴ってもいいよという感じだったので、特に練習してきたわけではないですけど、2対1になったときには崩す自信があったので、そこに立っていたというのと、あとは中に決めてほしかったので、相手を1人でも多くこっちに引っ張ってこられるようにあそこにいました。

――小熊(藤子)選手の2点目のシーンは狙い通りの形でしたか?
守部:1週間ずっと自分も含めてディフェンス陣はヘディングをやってきたので、そこであのように点が取れて、うれしかったです。

――ご自身としては次節が引退試合となりますが、どういった方々に活躍を見せたいですか?
守部:応援してくださっている方々に見てほしいなと思いますし、今日は自分がバイトしているスクールの子たちが来てくれたのですが、そういった子たちが来てくれることでもっと上を目指して頑張ってほしいなという思いもあります。

――最終節に向けて、力強い意気込みをお願いします。
勝てば優勝が決まりますし、今まで自分たちがやってきたことを出して、勝てばいいだけだと思うので、ベンチメンバーも含めて全員で勝って、そして優勝して笑顔で終わりたいと思います。

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