【ソッカー(女子)】祝!1部昇格!TEAM2025の軌跡を振り返る!(前編)/ソッカー女子2025年末特別版

ソッカー女子

今季、2部優勝を果たし、悲願の1部昇格を達成したソッカー部女子。

今回は『祝!1部昇格!TEAM2025の軌跡を振り返る!』と銘打って、ケイスポが取材した後期第2節以降の全試合をマッチレビュー形式で振り返る。

前編は、運命の首位攻防・国士舘大戦から因縁のアウェイ・立教大戦までをプレイバック!
感動の記憶が今蘇る!

 

年末もソッカー部女子特集をお楽しみください!

 

~躍進~ チーム発足から後期第1節まで

2022年から始まった2部での戦いも、4年目となる今シーズン。1部に昇格するために必要なものは、いったい何なのか。TEAM2025発足以降、選手たちが幾度も話し合いを行い、導き出したスローガンは『細部に宿せ』。練習から一本のショートパスにこだわり、細部を徹底することを掲げた。

また、『賢く泥臭く、虜にさせる』というビジョンのもと、3月の沖縄遠征などでタフなトレーニングを重ね、4月にシーズンが開幕した。

しかし、開幕戦を引き分けると、続く国士舘大戦で敗北。2試合終了時点で勝ち点1と、厳しい滑り出しに。そんな中でも、自分たちのプレーを信じ、パスサッカーを貫いて戦い続けると、前期第3節の初勝利から勢いに乗る。圧巻の攻撃力に、接戦での勝負強さも発揮し、破竹の8連勝を達成。順位を昇格入れ替え戦進出圏内の2位まで上げる。

2位で迎えた後期第2節の相手は、シーズンで唯一敗れている1位・国士舘大。勝利すれば国士舘大と勝ち点で並び、得失点差で上回るため、自動昇格圏の1位に浮上する首位攻防戦。4年越しの悲願達成へ、運命の天王山が訪れた。

後期第2節試合前時点での順位表

順位

チーム名

勝ち点

消化試合

得失点差

総得点

残り試合

国士舘大学

28

10

19

20

~↑自動昇格ライン↑~

慶應義塾大学

25

10

24

29

※勝ち点に次ぐ順位決定要項は、得失点差、総得点、直接対決の戦績、フェアプレーポイント、それでも並んでいる場合は抽選、という順になっている

 

 

~運命~ 後期第2節 国士舘大戦

2025年7月6日 @国士舘大学町田キャンパスサッカーグラウンド

前節で守備の要・岡田恭佳(環3・十文字)が故障し、離脱を余儀なくされた慶大。試合前に岡田の3番のユニフォームを掲げ、チーム一丸となって天王山に臨む。

試合前、岡田の3番のユニフォームを掲げるイレブン

開始早々はロングボールから押し込まれながらも、3バックを中心とした統率された守備で耐え抜くと、試合中盤から得意のポゼッションが機能。竹内あゆみ(看3・日ノ本学園)や佐藤凜(総3・常盤木学園)らのテクニックで相手を翻弄し、クロスやスルーパス、コーナーキックなど多彩な攻撃で相手ゴールに迫る。

粘り強い守備で耐え抜くと、試合を支配し始める

前半をスコアレスで終えるも、54分、右サイドからのクロスに反応した髙松芽衣(環2・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が絶妙なトラップで相手DFの前に入ると、ニアサイドを抜くシュートを決め、先制に成功する。

髙松の得点に喜ぶ選手たち

さらに76分、クロスボールをダイレクトで合わせた髙松が再びネットを揺らし、2―0とする。終盤も、アウェイ・町田の地に駆け付けた保護者の大応援団による声援がチームを鼓舞し、選手たちもハードに戦い続け、ついに長いホイッスルがこだました。運命の首位攻防戦で勝利した慶大。国士舘大を上回り、自動昇格圏の首位に立った。

 

【試合結果】

慶大2―0国士舘大

【慶大得点】

54分 髙松芽衣(野口初奈)
76分 髙松芽衣(竹内あゆみ)

【試合後インタビュー】

――2021年以来の1部に向けて意気込みを教えてください。
小熊:自分たちは(2022年に)入学してから1部昇格を目標にしてきたんですけど、その想いも叶わずその努力も足りずずっとやってきたので、ラストイヤーで1部に上げて、下の代に1部を経験して欲しいと思います。

――今後のリーグ戦に向けて意気込みをお願いします。
髙松:今日首位に立つことが出来たので、地に足をつけて浮かれることなく、自分たちのサッカーの精度をもっと上げて、よりレベルの高い見ていて面白いサッカーでこのまま首位を譲らずにいきたいと思います。

 

~節目~ 後期第3節 日本女子体育大戦

2025年7月13日 @下田グラウンド

9連勝中と絶好調の慶大。首位で夏のリーグ戦中断期間前ラストマッチを戦う。

主将・小熊藤子(環4・山脇学園/スフィーダ世田谷ユース、RB大宮アルディージャWOMEN内定)が内定先チームの活動で欠場する中ではあったが、開始早々、野村亜未(総3・十文字)がこぼれ球を押し込み、先制すると、その直後にも華麗な抜け出しから野村がゴールを決め、2-0で折り返す。53分にはルーキー・森原日胡(総1・作陽学園)がリーグ戦初ゴールを挙げると、森原は65分にもクロスボールを滑り込みながら押し込み、2ゴール目を記録。

ルーキー・森原が躍動

さらに終盤、野村のハットトリック達成となるダメ押し点などで突き放し、6―1で勝利。

2人合わせて5得点 野村(中央)と森原(11番)

圧倒的な攻撃力を見せつけ、節目の10連勝となった。

また、同節で国士舘大が引き分けたため、勝ち点差を2としてリーグ戦中断期間に突入した。

絶対的ストライカー・野村

 

【試合結果】

慶大6―1日本女子体育大

【慶大得点】

4分 野村亜未 
15分 野村亜未(森原日胡)
53分 森原日胡
65分 森原日胡(野村亜未)
71分 野村亜未(髙松芽衣)
92分 田中紗莉

 

~経験~ リーグ戦中断期間

およそ2か月のリーグ戦中断期間では、8月上旬の韓国遠征や、8月17日の早慶定期戦などで実戦経験を重ね、チームの強化を図った。しかし、再開2週間前に行われた関西遠征ではなかなか結果を残せず、選手たちにとっては不安の残る状況でリーグ戦再開を迎えた。

再開からの3戦は、いずれも入れ替え戦進出を射程圏内とする強敵。チームとして、「昇格に向け大事な3試合」と位置付けて挑む。

 

~緊張~ 後期第4節 国際武道大戦

2025年9月28日 @国際武道大学サッカー場

ここ数年で初めて“追われる立場”となった慶大。国際武道大応援団による太鼓の音が鳴り響き、プレッシャーのかかる中、キックオフのホイッスルが吹かれた。

序盤からボールを握り、左サイドからのクロスなどで何度かチャンスを作るも、低いラインで構える相手の守りをなかなか破ることができない。屈強なフィジカルにも苦戦し、0―0で前半を終える。

保持しながらも攻めきれないという嫌な流れかと思われたが、後半開始早々、米口和花(総2・十文字)のパスを受けた野口初奈(環3・十文字)がペナルティアーク付近から右足を振り抜くと、これがゴール右上の隅に収まり、先制に成功する。

さらに3分後、野口がゴールほぼ正面から完璧な直接FKを決め、リードを拡げる。

FKを決めた野口

60分に1点を返されるも、終了間際に途中出場の山田葵(総1・聖和学園)が相手DFラインの裏に抜け出すと、キーパーとの一対一を冷静に流し込み、ダメ押し。

ダメ押し点を決めた山田

その後、10分ほどあったアディショナルタイムを無失点で守り抜き、3―1で勝利した。また、同節で2位の国士舘大が引き分けたため、勝ち点差は4に。昇格に向け一歩前進した。

 

【試合結果】

慶大3―1国際武道大

【慶大得点】

49分 野口初奈(米口和花) 
52分 野口初奈
90分 山田葵(野村亜未)

【試合後インタビュー】

――得点シーンを振り返ってください。
山田:亜未さん(野村)が抜け出しているのが見えて、中に行ったら「ボール来るかな」と思って走ったら、しっかりボールが来たので、キーパーと1対1ですごく緊張したんですけど、ちゃんと隅に流し込めて良かったと思います。

――次節に向けての意気込みをお願いします。
森原:これからあと2節がまず山場になると思うので、そこに向けてしっかり準備をして、個人としてはもっと得点に絡むプレーが出来るように頑張りたいです!

 

 

~因縁~ 後期第5節 立教大戦

2025年10月5日 @立教大学富士見総合グラウンド

アウェイ・立教大学富士見総合グラウンドに乗り込む慶大。このグラウンドはソッカー部女子にとって、因縁の場所だ。

2023年シーズンは、後期第2節、富士見総合グラウンドでの立大戦で引き分け、昇格の可能性が消滅。さらに2024年シーズンも、後期第4節、立大に富士見総合グラウンドで悪夢の逆転負けを喫し、2年続けてこの地で昇格の道が絶たれた。

先輩たちから受け継いだ“1部昇格”の目標を叶えるため。そして、悔し涙を流してきたグラウンドで雪辱を果たすため。ただならぬ想いでこの一戦に臨む。

この日も試合は慶大ペース。DFラインの安定したつなぎでボールを保持し、サイド攻撃を中心に相手ゴールに迫る。しかし、硬い守りをなかなかこじ開けられず。選手交代で攻撃的な布陣にシフトしながらも、スコアレスで終盤まで進む。

引き分け濃厚かと思われた83分、直接FKのチャンスを得る。キッカーは、前節、直接FKを決めている野口。右足から放たれたボールは美しい弧を描くと、ゴールに吸い込まれ、待望の先制点を挙げる。

この一撃で完全にペースを掴んだ慶大。89分にCKのこぼれ球を宮嶋ひかり(環2・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が押し込み、点差を拡げると、90+4分には田中紗莉(総2・市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)がエリア外から左足を振り抜き、ゴール左上に突き刺すゴラッソで3点目。

まもなく長い笛が鳴り響き、試合終了。2年間の無念を晴らすような怒涛のゴールラッシュを見せ、3―0で勝利。連勝を12に伸ばした。

 

【試合結果】

慶大3―0立大

【慶大得点】

83分 野口初奈 
89分 宮嶋ひかり
90+4分 田中紗莉(佐藤凜)

【試合後インタビュー】

――タフなゲームを取りました。今の率直な気持ちを教えてください。
野口:立教戦は去年も一昨年もリーグ戦を通して悔しい終わり方をしていて、その2年分の想いというか、ここで勝って自分たちが1部昇格を掴み取る気持ちで臨んだので、取れて嬉しかったです!

――この勝利で連勝は続きました。次節以降の戦いに向け、意気込みをお願いします。
田中紗:波に乗っているときこそ、自分たちの力が試されると思うので、怠ることなく、やることをやって、次も勝ちたいと思います。

 

~佳境~ 残り4試合

後期第5節終了時点での順位表

順位

チーム名

勝ち点

消化試合

得失点差

総得点

残り試合

慶應義塾大学

37

14

36

43

~↑自動昇格ライン↑~

国士舘大学

33

14

18

24

※勝ち点に次ぐ順位決定要項は、得失点差、総得点、直接対決の戦績、フェアプレーポイント、それでも並んでいる場合は抽選、という順になっている

4試合を残し、2位との勝ち点差は4。ここからは、1勝の重みがより大きくなっていく。

後期第6節の相手は、順天堂大。リーグ4位の強敵に、勝利することはできるか。

 

〜後編に続く〜

 

後編は12月30日(火)の19時公開予定です!乞うご期待!

 

【ギャラリー】

 

(記事:柄澤晃希)

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