【野球】「どんな場面でも対応することが自分たちの役割」チームを勝利・日本一奪還へ導く経済学部鉄壁リリーバー~水野敬太×松井喜一×鈴木佳門~/2026春季リーグ開幕前対談 第2弾

野球対談

東京六大学野球春季リーグ戦が4月11日に開幕する。3季連続5位という結果に終わっている慶大は、“強い慶應”を取り戻すべく、スローガン「ファンファーレ」のもと、約2か月に及ぶ春季キャンプやオープン戦を重ねてきた。今回ケイスポでは対談インタビューとして、開幕を目前に控えた選手たちの想いや意気込みに迫る。

第2弾は、昨年リーグ戦初登板、初先発も果たすなど飛躍のシーズンを送ったリリーフエース・水野敬太(経3・札幌南)と1年次からリーグ戦登板経験を持つサイドスロー・松井喜一(経3・慶應)、そして昨秋リーグ戦デビューを飾るなど今季さらなる活躍が期待される本格派サウスポー・鈴木佳門(経2・慶應)の経済学部投手トリオ対談!

 

――まず、はじめに他己紹介をお願いします

鈴木佳:(松井に)僕のこと紹介したいですよね?

松井:え?(笑)

水野:じゃあ俺が松井で、松井からいこうか。

松井→鈴木佳:(鈴木佳とは)慶應義塾高から一緒で悪く言うと生意気で、よく言うとフレンドリーな1個下の後輩です。ピッチングに関して言えば、マウンドに上がるといつものフレンドリーさはなくなって、堂々とバッターに向かっていけるところが特徴というか。身長もそうですけど、メンタルも大きく見えるようなピッチャーです。

鈴木佳→水野:あざっす!(笑)じゃあ僕が水野さんを紹介します。水野敬太さんです。札幌南高校出身です。いつも監督やコーチから「宇宙人」って呼ばれているので、本当に何を考えているのかわからないですけど、それをしっかりマウンドでも発揮していて、どんな強打者相手でもいつものメンタルで抑えているのが特徴かなと思います。

水野→松井:松井喜一です。右のサイドスローなんですが、キャンプから上投げに挑戦しているんですけど腕が3センチ上がっただけで、少し腕の上がったサイドスローです。慶應義塾高の時も後ろで投げていたのかな?(笑)とてもメンタルの強い選手で、帽子に“他喜力”と書いてあって、チームのために投げられる選手だと思います。

――プライベートでの関わりは

水野:(即答で)ありません。

鈴木佳:「ありません。」はやばいでしょ(笑)。

松井:確かに、あんまりないですね。

取材者:水野選手と松井選手は学部学年も同じですが

松井:(水野は)学校行ってないからね。

水野:行ってるよ?

松井:いやあんまり会わないんですよね。

水野:それはお前も学校行ってないから俺も会わない(笑)。

松井:プライベートでの関わりって何だろうな。一緒にご飯もあんまり食べない(笑)。

水野:ないね。で、佳門は本当にない。

鈴木佳:いつも僕は一人なので、確かに関わりはないですね。

 

――プライベートで仲の良い慶大野球部の選手は

松井:僕は林純司(環3・報徳学園)が多いですかね。温泉とか一緒に行きます。僕はいろんな人と浅く仲が良いところが自分の中では結構魅力だと思っています。中学校のときからAチームとBチームを上下する選手だったので、いろんな人と喋れることから上級生になると、節目で幹部とかの役職になることも多くて。いろんな人の意見をくみ上げることができるっていうのはいいことなのかなと思っています。純司とは特にこれといったきっかけはないんですけど、仲はとてもいいですね。

鈴木佳:僕は熊ノ郷翔斗(環2・桐蔭学園)で。同じピッチャーなので結構喋ることも多いですし、練習も一緒にやることが多いです。

水野:僕は川瀬泰樹(経3・慶應)ですかね。たまに一緒にご飯行ったりします。

 

――3選手は共通して経済学部に在籍されているが、経済学部を選んだ理由

松井・鈴木佳:ない!(笑)内部組は成績で行けるとところに行くっていう感じなので、いける中で一番高いところが経済学部だったので、見栄を張った感じです(笑)。なので外部の人に聞いた方が…

水野:いや、僕は受験科目(数学、英語、小論文)の兼ね合いですね。

取材者:同じ学部だから一緒に履修を組むとかも…

水野:マジでないですね。

松井:野球部の経済学部生って変わり者が多いんですよ(笑)。この代に限らず下も…(鈴木佳を見る)

鈴木佳:そうですね(笑)。一人で授業行くタイプなんで。

松井:大学と野球は切り離している選手が多いかもしれないです。これ、経済学部のピッチャー対談で(経済学部を)代表してるのにやばいな…

鈴木佳:全員変わり者で経済学部に入りたくないと思われちゃう(笑)。

 

――では、経済学部に入って良かったところは何かありますか

鈴木佳:経済B方式は数学がないので、結構(勉強が)楽です。

松井:経済A方式は結構大変ではあるんですけど、裏を返せば成長できる。他の学部は指定校推薦とか結構あると思うんですけど、経済学部は推薦組があんまりいなくて一般で入ってきた精鋭しかいないので。

(水野選手が挙手をする)

その中でしっかり単位をとっていくっていう、野球以外の大学というフィールドでし烈な争いをしていくことは結構大変でありつつも、成長できるところだと思っています。

水野:松井が言ったことが全てだと思いますね(笑)。

 

――プライベートな面でお互いに尊敬しているところ、反対に直してほしいところは

鈴木佳→水野:水野さんは自分の時間軸で生活していて、人に流されない。自分が寝るって決めたら寝るし、何かするってなったら実行できているところがいいなと思います。直してほしいところはツンデレのツンが多すぎるところです。

水野→松井:松井も結構1人で黙々と練習することが多いので、自分1人でいろいろできるところと自分の軸がはっきりしているので、信念をもってやっているんだろうなというのはありますね。直してほしいところは、逆張りタイプなのでみんなに合わせてほしい。

鈴木佳:もっと素直になってほしい。

松井→鈴木佳:僕は1人が好きで1人でいろいろやっちゃうっていうタイプなんですけど、佳門は結構みんなを巻き込みますね。例えば同期の入江(祥太、環2・石橋)熊ノ郷とかみんなでウエイト場で練習したりして、そういうところは凄いなと思います。僕はその労力を使うのは嫌なんですけど、みんなでやった方が楽しいっていう仲の良さがいいですね。

鈴木佳:直してほしいところは?

松井:ビジュアルを結構いじってくる。

鈴木佳:それはお互い様じゃない?(笑)

松井:いやでも直してほしいところは別にないですね、のびのびやってくれればそれでいいです。

鈴木佳:いい先輩だ(笑)。

 

――では野球の話題に移りますが、昨秋はどのようなシーズンでしたか

水野:昨年は春から投げ始めて、秋は結構いい場面で投げさせてもらえることが多かったので、自分の野球人生にとっても一番大きな変化があったし、経験値的にもとてもいい1年だったなと思います。印象に残っている試合は初めて先発で投げた法大4回戦で、勝ち点のかかった試合の中、初めて先発して今までそんなに(先発)経験がなかったので、すごく緊張したなという思い出があります。

鈴木佳:僕は2試合に登板して、リーグ戦初登板の立大2回戦で結構いい感じに抑えられて自分の気持ち的にも楽に投げれたのでそのままいけばいいかなと思っていたんですけど、2試合目の早大2回戦の時に同じ気持ちでいったら、ワセダの選手がみんなバッティング良くて、結構打たれてしまって。気を抜いていたらダメだなと思ったので、これからはしっかり気持ちを入れて、1人一球一球全力で投げるっていうことを大切にしたいと思いました。

水野:適当に投げてた?(笑)

鈴木佳:投げてないです。ただ楽な気持ちで投げすぎました。

 

――鈴木佳選手のリーグ戦初登板は立大2回戦、2点ビハインドの3回1死一、三塁。ピンチでの登板だったが、この場面での登板は想定していたものだったのか

鈴木佳:いや、全く準備していなくて。3球くらいしかブルペンで投げてないんですけど、「もう行くぞ」って言われてビックリしているうちに交代してました。

 

――松井選手は昨秋法大4回戦の1試合に登板、リーグ戦初先発の水野選手の後を継いでの登板だったが

松井:僕も想定していない場面で監督に手招きされて呼ばれて、マウンドに上がったんですけど。僕も同じ3球くらいしか投げてなくて、でも失敗したっていうピッチャーです(笑)。

鈴木佳:そこは3球でしっかり肩作らないと(笑)。

松井:3球では肩作れないって(笑)。1年秋に初めて投げさせてもらって、2年秋も1試合しか投げていないというところでまず今シーズンは1試合目に全精力をかけて抑えにいく。1試合目を抑えなければ2試合目もないので、これまでの2年間の経験を活かして1試合ずつしっかりと集中し、どんな場面でも自分のやるべきことをしっかりやっていくということに尽きると思います。

――昨シーズンを通して出た課題とオフ期間に取り組んだこと

水野:自分には球速がまだ足りないことが主な課題で、あとは連投が積み重なって結構コンディションも落としてしまったので。オフはメカニズムを見直すことで球速を上げるというところと、フィジカル面をしっかり鍛えました。

鈴木佳:僕も球速が課題だったので、体重増加とウエイトで筋力増加というところを意識して取り組んできたのと、投げ方も改善することで球速アップにつなげてきたので、今いい感じに仕上がっているのではないかなと思います。

松井:僕は1球1球の精度です。あまり自分の持ち味がわからないまま1、2年の時は勢いで投げていて、自信がないまま投げていた部分があったので、この冬は自分が信じられるボールを1球種なり2球種なりしっかり探して。それを試合でどんどん投げて、自信をつけていくというところにフォーカスしました。

 

――実際にこのオフで最も自信をつけた球種は具体的にいうと

松井:フォームを変えてストレートの質が良くなったのとコントロールがブレなくなったので、そういうところは自信を持って投げられるようになった1つの要因だと思います。

 

――1カ月半超の長期遠征、数多くのオープン戦をこなしていく中で得られた新たな課題や収穫は

水野:昨秋のシーズンが終わってからちょっと肘の故障があって、そこから少しずつ投げていくという段階だったんですけど、課題としてはまだコントロールがばらつくところがあるので、狙ったラインを外さないように投げることが今の課題です。ただ多少アバウトでもファウルとかでカウントはとっていけるし、一番大事なのは球の勢いだと思っているので、その点は最近のオープン戦で結構いいので収穫です。

鈴木佳:収穫はオフに取り組んできたことが実を結んで、結構球速が上がったことです。課題は球速が上がっていく中でコントロールが悪くなったっていうのと、あとはストレートの質が良くなった分、変化球が悪くなってしまったことで、ストレートと変化球のバランスを両方よくしていくのが今後の課題かなという風に思います。

松井:収穫は上田誠コーチにフォームを変えてもらって、ストレートの質が上がってストレートでカウントを取れるようになったことで、自分の中でそれを自覚しながら主体としてピッチングができるようになったというところです。課題はランナーがいる時の粘りが自分の中で足りないなと思っていて。フォアボールやエラーでランナーを出したりしても、無失点で抑えられるようなピッチング。結果にもう少しこだわっていきたいかなと思います。

 

――手ごたえを感じたオープン戦を具体的に挙げると

水野:この前の三菱重工East戦(毎回2奪三振の3イニング無安打無失点)ですかね。三菱重工Eastとの試合の前日にちょっといい感じのフォームを掴んで、それがその日の試合でも上手くはまって、今までの中で1番良かったのかなと思います。

鈴木佳:僕は鹿児島の時の中央大学戦ですかね。その日球速がいつもより3キロくらい速く(146km/h)なって、そのよかった時と同じフォームで投げていればいい感じにはまっていったので、それが一番いい試合だったなと思います。

松井:僕は鹿児島で最後にやった福岡ソフトバンクホークス3軍との試合で。3年連続で投げているんですけど、その中でも一番手ごたえを感じたというか。しっかり真っ直ぐでプロ相手に押せていたというところは、フォームを変えて自分の真っ直ぐの質がいいんだなっていうのを再認識できた試合でした。

 

――上田誠コーチがピッチングコーチとして就任したことで何か影響はありますか

水野:昨年まで監督と学生コーチのピッチングコーチの2人だけでコンディション含めいろいろ管理してくれていたんですけど、上田誠さんが入ったことによって、一人ひとりに対して長期的な視点で「いつ投げよう」とか「ここは無理しないでおこう」とか調整してくれるので、昨年よりもさらに良くなったところなのかなと思っています。

鈴木佳:上田さんは結構いろんなところに行って野球を学んできているので、新しい知識を僕たちに教えてくれて、色々な発見をさせてくれるところは凄くいいところだと思います。

松井:去年までは水野も言っていた通り、監督と学生コーチのピッチングコーチの2人だけだったんですけど、上田誠さんが来たことによって全員が信じる一本の軸ができたと思います。新しい取り組みで言うと中南米トレーニングっていうトレーニングや、ランニングメニュー。僕たちのために考えて作って下さって、僕たちもそれを信じてキャンプとかを通じてやっていけているので、より1つになったなという感じはあります。

――今春のリーグ戦においてリリーフでの登板が予想されるが、リリーフの難しさややりがい、魅力はどのようなところか

水野:どこで投げるか分からないところじゃないですかね。

松井:それは本当にそう!堀井監督は勝負勘がかなり働くので、それに対応していくのが自分たちの役割だと思っています。

 

――春季リーグ戦で対戦したい、または警戒している他大学の打者は

松井:僕は田上選手(明大・田上夏衣=商3・広陵)です。甲子園でも戦ったので(大会3回戦で3点リードの延長10回裏、2死満塁の場面で対戦。一発出れば逆転サヨナラの場面で松井は田上から空振り三振を奪い試合を締めた)。今も食事に行ったり仲が良いので、そういったところでも対戦したいですし、甲子園の時も真っすぐで抑えたので、大学でも(真っすぐで)押し切りたいです。

鈴木佳:僕は法政の井上和輝(法2・駿台甲府)選手で、同い年というのもありますけど、1年生からたくさんホームラン打って活躍しているので、抑えたいです。

水野:2人いて、僕も井上和輝選手、あと東大の村尾選手(村尾優作=理Ⅱ2・札幌南)です。井上くんは三振2つ取ってはいるんですけど、僕が大学1号を献上しているのと六大学100周年記念試合ではバッテリーを組ませてもらって、すごく真面目でいい子だったので抑えたいなと思います。村尾は高校の後輩で多分今年絶対出てくれると思うので、しっかり抑えたいです。

 

――お互いリーグ戦で期待する成績

松井→鈴木佳:リリーフで3勝してほしいです。佳門が投げれば勝ちがくる、みたいなピッチャーになってほしいです。

鈴木佳→水野:水野さんはロングリリーフの場面が多いのかなと思うので、すごく長いイニングを投げてもリーグ戦でずっと無失点を継続して頑張ってほしいなって思います。

水野→松井:松井はピンチで10回抑えてほしいです!(笑)

 

――リーグ戦の注目選手

水野:僕は同部屋の丸田(丸田湊斗=法3・慶應)で。オープン戦でも結構打っているので、注目はもう十分されているかもしれないですけど、丸田でお願いします。

松井:中塚遥翔(環3・智辯和歌山)ですね。純司くらい仲が良くて結構話しますし、僕にバッティングを聞いてくることもあるんですけど(笑)。試合では4番を張っているんですけど、プライベートではのほほんとしているタイプで。でも打席入ったときは結構カッコイイし、責任感もあるので注目してほしいです。

鈴木佳:一宮知樹(経2・八千代松陰)です。監督からスイングスピードがソフトバンク・廣瀨さん(廣瀨隆太=令6商卒・現福岡ソフトバンクホークス)並と言われているので、そのスイングスピードに注目してもらえればいいかなと思います。

 

――最後に翌週に開幕を控える春季リーグ戦の意気込み・目標をお願いします!

松井:僕は全力を注ぎこんで抑えていくだけなので、まずは登板を任された目の前の1試合を全力で抑えにいきたいと思います!

鈴木佳:僕も1試合1試合全力で投げて、あとは「佳門が投げれば勝てる」という風に言ってもらえるようなピッチャーになります!

水野:僕は怪我をせずに投げ切ることが目標で、チームとして日本一になれればいいなと思います!

 

(取材、記事:加藤由衣)

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