5月2日(土)東京六大学野球2026春季リーグ戦 東大1回戦 @明治神宮野球場
リーグ優勝へ、負けられない東大戦初戦。慶大は4回、4番・中塚遥翔(環3・智辯和歌山)の本塁打で先制するも、直後に追いつかれ試合は膠着する。終盤まで東大投手陣に苦しんだが、8回2死一、二塁の好機で林純司(環3・報徳学園)が中堅越えの2点適時三塁打を放ち勝ち越しに成功。投げては中4日で先発した渡辺和大(商4・高松商業)が7回1失点の好投を見せ、救援陣も無失点でつなぎ試合を締めた。接戦を制した慶大が初戦をものにし、優勝争いへ大きな一勝を挙げた。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 慶大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 |
| 東大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
慶大バッテリー:〇渡辺和、鈴木佳、水野ー吉開
東大バッテリー:松本慎、●中根、佐伯、江口ー明石
慶大本塁打:中塚2号ソロ(4回)
東大本塁打:秋元1号ソロ(4回)
立大、明大を相手に4勝1敗とし、2カード連続での勝ち点獲得した慶大。法大と並び首位に立ち、打線も5試合中3試合で2桁得点を記録するなど好調を維持している。しかし、優勝戦線に残り続けるためには、3カード目となる東大戦での勝利が絶対条件となる。
この日の先発は、リーグ単独トップの3勝を挙げるエース・渡辺和。先週の明大1回戦、3回戦で計255球の熱投を見せているが、その疲労も懸念される。一方、東大は松本慎之介(教育3・國學院久我山)が先発マウンドに上がる。早大1回戦では6回2失点と好投を見せた。この松本慎を、好調の慶大打線がいかに攻略するかが鍵となる。中でも、打率リーグ2位の中塚、3位の小原大和(環4・花巻東)ら中軸が勝敗を左右する。
明大戦から中4日で先発した渡辺和は、立ち上がりから制球に苦しみ毎回走者を背負うも、2回裏の捕手・吉開鉄朗(商4・慶應)による盗塁刺や自身の粘りの投球もあり、3回まで相手打線を無失点に抑える。援護したい打線は東大の先発・松本慎の緩急自在の投球に翻弄され3回まで膠着状態が続く。

中4日で登板した渡辺和
均衡が破れたのは4回表。それまで捉え切れなかった松本慎の球を先頭の4番・中塚が右翼席へ飛び込むソロ本塁打を放ち先制点を奪取する。続く一宮知樹(経2・八千代松陰)は一邪飛に倒れるも、林純が左安、吉野太陽(法4・慶應)が詰まりながらも、遊撃手の頭上をしぶとく越える左安で連打が生まれ、1死一、二塁。しかし、続く吉開は右飛、服部翔(政3・星稜)は相手投手・松本慎の好守に阻まれ追加点を奪えない。
4回裏、東大が意地を見せる。先頭の3番・秋元諒(法3・市川)に初球を左翼席へ運ばれ、渡辺和のこの日許した初安打が同点本塁打となり試合は振り出しに戻る。しかし後続を3人で打ち取り、渡辺和もエースの意地を見せる。

今季2本目の本塁打を放った中塚
5回以降、試合は膠着状態に。渡辺和は、本塁打こそ献上したものの、5回、6回は三者凡退。ボール先行ながらも、要所で145km/h超の直球と切れのある変化球を投げ、7回102球7奪三振1失点の好投を見せた。5回には一塁手・吉野が強襲のあたりを好捕球し、6回には遊撃手の林純が三遊間の鋭い当たりに飛びつくと、素早い送球でアウトに。内野陣も好守備で渡辺を盛り立てる。

この日マルチ安打の吉野
打線も、5回から7回まで無安打、出塁は5回の小原、7回の丸田の四球の2度のみ。5回以降は得点圏にすら走者を進められず、松本慎に7回途中4安打に抑えられていた。7回終了時点で1―1の接戦。
試合を動かしたのは慶大だった。8回表、東大2番手・中根慎士郎(文Ⅰ2・筑波大駒場)に対し、小原、今津が倒れるも、2死から中塚が四球で出塁。ここでベンチが動く。一宮に代わり今季初打席の代打・市橋慶祐(商3・小野)。東大も、前節の早大戦2試合で無失点と好投をみせた佐伯豪栄(工4・渋谷幕張)にスイッチする。この場面、市橋が三遊間に放った打球は三塁手のグラブをかすめ左前に。リーグ戦初安打で結果を残した。その市橋にかわり、一塁代走にはルーキー・藤田一波(環1・智辯和歌山)が抜擢される。

俊足としても期待がかかる藤田
2死一、二塁、4回以来の得点圏の場面。この好機に6番・林純が中堅の頭を超える適時打を放つ。この当たりで一塁走者・藤田も本塁に生還し、打者・林純も三塁に到達。貴重な2点適時三塁打となり、3-1と慶大が勝ち越しに成功した。

勝負強いバッティングを見せた林純
勝利に向け、慶大は8回裏から継投へ。渡辺和からマウンドを託されたのは鈴木佳門(経2・慶應)。今季ここまで3試合4回2/3無失点の慶大救援陣の飛躍候補は、8番からの東大打線を三者凡退1奪三振に抑える。

無失点ピッチングが続く鈴木佳
9回、水野敬太(経3・札幌南)が今季3試合目のマウンドに上がる。2死から4番・荒井慶に二塁への内野安打、5番・明石健(農4・渋谷幕張)に四球を与え、2死一、二塁。一塁走者が還れば、同点の場面で迎えるは東大主将・堀部康平(法4・県立船橋)。ここは水野が最後は空振り三振に抑え、試合終了。3-1、慶大がカード初戦を接戦の末に制した。

走者を出すも抑えた水野
この日は、慶大自慢の強力打線が抑えられた。計6安打、特に1番から5番までの中軸が放った安打は4回に中塚の本塁打のみ。ただ、今年の慶大は接戦に強い。明大1回戦も3―2の1点差、この日も終盤まで均衡した試合となった。少ない好機をものにする打線の集中力、そして救援陣の奮闘があってこそ、これまで勝ち進めてきたと言えよう。この試合では、無失策の守備も光った。ロースコアの試合をものにできたことは、選手たちにとって更なる自信につながるはずだ。
慶大としては、次戦も連勝して勝ち点3を獲得したいところ。先発は、立大戦で先発した広池浩成(経4・慶應)、明大戦で先発した沖村要(商4・慶應)あたりが濃厚か。両者ともに序盤で降板しており、この東大戦では好投をみせたいところ。そして、6安打に抑えられた打線の奮起にも期待がかかる。渡辺和は明大戦から24回・357球を投げている。彼の負担を抑えるためにも、2回戦での勝利は是が非でもつかみ取りたい。赤門撃破、そして5季ぶりのリーグ優勝へ、野球部の戦いは続く。
(記事:竹腰環、稲垣遥河/写真:奈須龍成、塩田隆貴、
河合亜采子、神谷直樹、山内悠暉、鈴木結生)
◆慶大野手成績
| 位置 | 選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| [8] | 丸田湊斗(法3・慶應) | 遊ゴロ | 遊飛 | 二ゴロ | 四球 | 一飛 | |||||
| [D] | 小原大和(環4・花巻東) | 二直 | 遊ゴロ | 四球 | 右飛 | ||||||
| [4] | 今津慶介(総4・旭川東) | 死球 | 見三振 | 右飛 | 一ゴロ | ||||||
| 4 | 上田太陽(商4・國學院久我山) | ||||||||||
| [9] | 中塚遥翔(環3・智辯和歌山) | 一ゴロ | 右本 | 右飛 | 四球 | ||||||
| R9 | 横地広太(政4・慶應) | ||||||||||
| [7] | 一宮知樹(経2・八千代松陰) | 三直 | 一邪飛 | 三ゴロ | |||||||
| H | 市橋慶祐(商3・小野) | 左安 | |||||||||
| H7 | 藤田一波(環1・智辯和歌山) | ||||||||||
| [6] | 林純司(環3・報徳学園) | 投ゴロ | 左安 | 右飛 | 中3 | ||||||
| [3] | 吉野太陽(法4・慶應) | 中安 | 左安 | 二ゴロ | 一ゴロ | ||||||
| [2] | 吉開鉄朗(商4・慶應) | 空三振 | 右飛 | 右飛 | 中飛 | ||||||
| [5] | 服部翔(政3・星稜) | 四球 | 投ゴロ | 空三振 | 右飛 | ||||||
◆慶大投手成績
| 選手 | 投球回 | 打者 | 投球数 | 被安打 | 被本塁打 | 与四死球 | 三振 | 失点 | 自責点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 先発 | 渡辺和大(商4・高松商業) | 7 | 25 | 102 | 2 | 1 | 3 | 7 | 1 | 1 |
| 2 | 鈴木佳門(経2・慶應) | 1 | 3 | 13 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
| 3 | 水野敬太(経3・慶應) | 1 | 5 | 26 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 |

