【野球】打線がつながり快勝 勝ち点1 東大②

9月14日(日) 東大2回戦

谷田は圧巻の2試合連続弾

谷田は圧巻の2試合連続弾

開幕戦を白星で飾り、リーグ連覇へ幸先のいいスタートをきった慶大。今日行われた2回戦では谷田(商3)・藤本知(環4)の一発攻勢に加え、1回戦では見られなかったタイムリーヒットが3本飛び出すなど打線がつながり、昨日を上回る10得点を挙げた。投手陣は先発の三宮(商3)が調子が悪い中でも6回を自責点3と試合を作ると7回以降は4年生3人が無失点リレー。10-4と東大を圧倒した慶大がしっかり勝ち点1を手にした。

   
慶大 10
東大
 慶大:○三宮、瀧本、佐伯、石崎―須藤、藤井  

 東大:●石上、山本俊、関、吉川―喜入

◆慶大出場選手

  ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[7] 佐藤旭(商4・慶應)
[6] 山本泰寛(環3・慶應)
[9] 谷田成吾(商3・慶應)
[5] 横尾俊建(総3・日大三)
[8] 藤本知輝(環4・慶應)
  梅野魁人(環3・福岡大大濠)
[4] 竹内惇(商4・慶應)
  照屋塁(環1・沖縄尚学)
[3] 齋藤大輝(商2・慶應)
[2] 須藤隆成(環2・創志学園)
  藤本健友(環4・郡山)
[1] 三宮舜(商3・慶應)
  山口翔大(環2・桐光学園)
  瀧本健太朗(商4・慶應)
  佐伯瞭太(商4・慶應)
  沓掛祥和(商2・慶應)
  石崎佑磨(総4・平塚江南)
 

藤本知、変化球を一閃!

藤本知、変化球を一閃!

1回戦では2本の本塁打や相手のミスにつけ込む攻撃で7点をあげた慶大打線。一方で、チャンスであと1本がなかなか出ず、タイムリーが1本もなかった点が唯一の不安点だった。しかしそんな心配は初回の攻撃で吹き飛ばされた。

 

先頭の佐藤旭(商4)が死球で出塁し、盗塁を決めて一死二塁で昨日の初回に先制3ランを放った谷田を迎える。当然東大バッテリーは谷田を徹底マーク。外角の厳しいところに3球続けて3ボールとなる。しかしカウントを取りに来た甘い4球目を谷田は見逃さなかった。1球待つことなく振りぬいた打球は左翼スタンドへ一直線。谷田が2試合連続本塁打で今日も慶大に先制点をもたらした。

この本塁打を機に東大先発の石上を一気に崩しにかかる。続く横尾(総3)が右翼越えの二塁打を放つと藤本知・竹内惇(商4)が連続で四球を選び一死満塁。このチャンスで7番齋藤(商2)がしぶとく右翼前に落とすタイムリーを打って2点を追加、さらに須藤(環2)の二ゴロの間に竹内惇が生還してこの回一挙5点をあげた。初回から打線がつながり、試合の流れをがっちり掴んだ。

今季先発での起用が主となりそうな三宮

今季先発での起用が主となりそうな三宮

その後も慶大は攻撃の手を緩めない。3回には一死一塁から齋藤が左中間を真っ二つに破るタイムリー二塁打で1点。4回には捕逸と進塁打で三塁に進めたランナーを横尾がきっちり左翼前安打で還してさらに1点。6回には藤本知が変化球を狙い打ち、左翼スタンド中段まで運ぶ2ラン本塁打などで3点を加えた。

 

大量援護を受けた慶大先発の三宮(商3)は130㌔台の直球と変化球のコンビネーションで凡打の山を築いた。終始テンポよく投げ込み続けたことで攻撃につながるリズムを作ったとも言える。不用意な球を痛打され、失策も絡み4点を失ったものの最後までリードを守って降板した。

7回からは瀧本(商4)・藤井の4年生バッテリーに交代。2球で2アウトを取るなどストライク先行のピッチングで見事三者凡退に抑えた。

8回はまたも4年生の佐伯(商4)が登板。昨季は出場がなく、約1年ぶりの神宮のマウンドとなったが「春の分も思いっきり秋にぶつけたい」という強い気持ちをボールに込めた。キレのある球を次々とミットに投げ込み、こちらも三者凡退にきってとった。

今年初出場の副将・藤井。4年生の持つ力は大きい

今年初出場の副将・藤井。4年生の持つ力は大きい

9回のマウンドは同じく4年生の石崎。東大打線の代打攻勢にも動じず無失点で切り抜けて試合終了。髙多助監督が「4年生は夏の間頑張ってきたのでその力を存分に発揮してくれた」と評したように、4年生リレーで見事に試合を締めくくった。

 

東大に2連勝し、しっかり勝ち点1を獲得した慶大。次の相手は昨季唯一勝ち点を落とした宿敵・立大だ。ここからの戦いはより一層厳しいものになっていく。ミスを減らしていくことはもちろん、それぞれが役割を果たしていく必要がある。打線は今日のつながりを維持しつつ、調子をさらに上げれば立大の澤田ら好投手たちを打ち崩せるはずだ。投手陣は加藤・三宮の両先発が高いゲームメーク力を持っている上、ブルペンには頼もしい4年生リリーフ陣が待機している。昨季よりも戦力層は確実に厚くなっている。春のリベンジ・そしてリーグ連覇へ死角は見当たらない。

 

【Keispo pick up】3安打3打点の大活躍 齋藤大輝

猛打賞を記録した齋藤

猛打賞を記録した齋藤

慶應の“秋男”が帰ってきた。満塁で回ってきた第一打席は詰まりながらも右翼前へしぶとく運ぶ2点タイムリーで流れを引き寄せると、続く3回の第二打席では左中間をライナーで破る齋藤らしいタイムリー二塁打。第三打席にも内野安打を放ってこの試合3安打、開幕カードでは打率5割、4打点と最高の結果を出した。昨季から夏のオープン戦まで長く不調が続いていたが、昨秋.462という高打率を残しブレイクした得意の秋に見事復活。攻守において一回り成長した齋藤から今後も目が離せない。

 

(記事 松下聖)

 

 

 

◆打撃成績
[7] 佐藤旭 死球 四球 中安 四球 右飛 見三振
[6] 山本泰 空三振 右飛 三ゴ   四球 左飛 左安
[9] 谷田 左本② 左邪飛 二ゴ 中飛 見三振 捕邪飛
[5] 横尾 右線2 一飛 左安① 遊ゴ① 三ゴ
[8] 藤本知 四球 遊ゴ 二ゴ 左本② 左安
8 梅野  
[4] 竹内惇 四球 二失 右飛 四球   四球
4 照屋  
[3] 齋藤 右安② 左中2① 遊安 中飛   四球
[2] 須藤 二ゴ① 投ゴ 空三振 空三振
2 藤井 三ゴ
[1] 三宮 二ゴ 空三振 遊ゴ
H 山口 四球
1 瀧本
1 佐伯
H 沓掛 空三振
1 石崎
◆投手成績
投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責
三宮 26 87
瀧本
佐伯 10
石崎 10
 ◆監督、選手コメント

髙多倫正助監督

(開幕カードで勝ち点を挙げました)開幕戦の東大は怖いと聞いていたので、用心して戦いましたけど、結果的に2つ勝ててよかったと思います。(1カード、采配をし終えての感想は)リーグ戦は対抗戦の形式で、1つ1つの積み重ねなので、いい積み重ねをしていこうと思います。(昨日はなかったタイムリーヒットが出るなど打線がつながりました)バットはよく振れていると思います。試合に慣れてくればもっといいバッティングが出ると思います。(先発の三宮投手はいつもよりも不安定に見えましたが)大量リード時のピッチングというのはすごく難しいところがあるので。冷静に、のらりくらりと打ち気をそらしながら投げていたと思います。(その後は4年生投手3人の見事なリレーでした)4年生は夏の間頑張ってきましたのでその力を存分に発揮してくれたと思いますし、キャッチャーの藤井もいいところを引き出してくれたと思います。(立教戦に向けた課題はどこか)まだ慣れていないというか、ここから調子をあげていかないといけないと思います。2週間あるのでもっと厳しさをもって練習していきたいと思います。立教の澤田投手は好投手ですのでなんとか打ち崩せるようにしたいです。

 

佐藤旭主将(商4)

(今日の試合を振り返って)初回に良い入りができましたし、昨日とは違って効率良く点を取れましたし、良い形で試合を終えることができたかなと思います。(今日は4出塁2得点。ご自身の言う役割が全うできているのでは)初回の出塁というのはチームに勢いを与えますし、ああいう風に谷田が還してくれるとチームの雰囲気や試合の流れが出てくるので、自分が塁に出ることが役割だと思っています。今日の試合に限っては回の先頭打者が多かったので何とか出塁できたことは良かったです。(1カード終えて見えた課題等は)これからは大味な試合というのはあまりないでしょうし、相手もピッチャー・バッターともにレベルアップしてきて点数の少ない僅差の試合になると思うので、課題というよりもそのような試合に勝ち切れる技術であったり、精神面という部分でもう一度、この2週間で見つめ直していきたいです。(次は春唯一勝ち点を落とした立大戦)春は立教だけに勝ち点を落として完全優勝を逃したので、春のリベンジというか負けた悔しさというものをぶつけていきたいです。この秋の前半戦の山場になってくるので総力戦になると思います。なので全員の力を集結して勝ちにいきます。

 

石崎佑磨(総4)

(今日の試合を振り返って)今日は打線がたくさん打って点をとってくれていたので、最終回だったんですけど、楽な気持ちでマウンドに立つことができました。(点差が開いた場面での登板だったが)キャンプから調子はそんなに良くはなかったのですが、点差もあって、落ち着いて投げることができて、ゼロに抑えられたので良かったです。(今後に向けて)次の立教戦まで二週間あるので、またしっかりと調整して臨みたいです。

 

佐伯瞭太(商4)

(今日の試合を振り返って)4失点してしまったのですがとりあえず勝ててよかったなという感じです。(約1年ぶりの神宮のマウンド)春は登板機会がなくて悔しい思いをしたので、1年ぶりで緊張していたところもあったんですけど、春の分も思いっきり秋にぶつけたいなと思っていました。(今季はオープン戦から多くの登板機会を与えられているが)チームの連覇という目標に少しでもプレーで貢献できたらなと思います。(自身としてはラストシーズン)特にないです。今までと同じようにやるだけなので。(次戦に向けて)頑張ります。

 

瀧本健太朗(商4)

(今日の試合を振り返って)髙多新監督になって、すごいいいスタートが切れたなと思っています。(2球で2アウトをとっていいリズムで投げられたか)僕のピッチングスタイルがどんどんストライク先行でいって、バッターを打ち取るっていうスタイルなんで、それができたのですごい良かったと思います。(夏の間はどのようなことを重点的にやっていたか)夏はストレートのコントロールとキレを中心に鍛えていました。(次の登板に向けて)これからがほんとの本番だと思っているので、そこでしっかり投げてチームの勝利に貢献して、最後有終の美を飾りたいと思います。

 

竹内惇(商4)

(今日の試合を振り返って)素直に勝てて良かったです。(昨日の試合を含めて5つの四球を選んだが)打とうと思っているのですがなかなかチャンスボールが来なくて、フォアボールでも繋げられたので良かったと思います。(東大に二連勝したがチームの調子はどうか)バッティング自体は谷田がああいう形で貴重な先制点をとってくれて、それで勢い付いてその後も点を取ったのでいいと思います。(立教戦への意気込みは)二週間あるのでこの調子を維持できるようにまた練習していきたいです。

 

藤井健友(環4)

(連勝で勝ち点を獲得したが)まず勝ち点1を獲れてとにかくよかったです。しっかりと2連勝で決められました。(自身は今年初出場だったが意気込みは)久しぶりでしたけど、いつも通りやろうと。普段と変わらず、あまり気持ちを入れすぎないように普通にやろうと思いました。(4年生投手3人をリードしたが)3人とも結構良かったのでストライクゾーンにいい球をどんどんいこうと。結果的によく投げてくれて、いいリズムで終われました。(現在の投手陣の状況は)加藤・三宮・加嶋の他にも4年生が何人もベンチに入っていて、全員が自分の役割を果たそうという気持ちが見えるので本当にいい雰囲気です。(次は立教戦)やるべきことは変わらないので、とにかく最高の準備をするだけです。春に負けているのでその点はしっかり対策をとらないといけないと思います

 

藤本知輝(環4)

(今日の試合を振り反って)勝ち点が取れたのでよかったです。(第4打席はホームランだったが、手応えは)変化球を待っていて、イメージ通りの所に来たので、ちゃんと振り抜くことができて良かったです。(今日はそのホームランを含む2安打。ご自身の調子は)調子はあまり良くなかったですが、何かを掴むきっかけになったと思うので、これから上がっていく一方だと思います。(次の立教戦に向けて)やってきたことを出すだけなので、勝つことだけを考えてがんばりたいです。

 

三宮舜(商3)

(今日の試合を振り返って)野手陣がものすごく打って、僕は先発だったんですがぴりっとしませんでした。野手に助けられたかなという感じですね。(ご自身の開幕戦となったが、どんな気持ちで迎えたか)もうずっと調子が悪いのですが、それでも最後の最後まで、開幕を迎えるマウンドに立つまで悩んで、マウンドに立ったら開き直っていこうと考えていました。(投球のテンポが良く感じられたが意識はしていたか)東大の選手がみんな早打ちということもあったので、ぽんぽん打たせようかなとは思っていたのですが、それにしても僕の調子が良くないので、捉えられつつ野手の前に行ったりしてラッキーな事が多かったですね。(長打が絡んでの失点。これからどう修正していくか)僕の持ち味の真っ直ぐが全然行かないので、それを2週間の間にどうにか取り戻したいと思います。(立大戦への抱負)次は今回みたいに野手も打てるわけじゃないので、なんとか加藤も含め僕ら投手が抑えて、接戦でもなんでもいいのでものにできるように頑張ります。

 

谷田成吾(商3)

(本日を振り返って)チームとしては10点とれてよかったのですが、失点もしましたし終盤繋がらない部分もありました。個人としても1打席目のホームラン以降はあまり内容も良くない打席だったのでそこは反省して次の試合に望めたらいいなと思います。(東大の印象は)初回に5失点したあとも粘り強く戦ってきたので、そういう気持ちでやってきてるなと。(ホームランについて)ノースリーからだったのですが甘い球がきたら打とうと思っていたのでしっかり打てたと思います。(再来週の立教の澤田投手の対策は)たくさん対戦してきているピッチャーなのでどういうピッチャーかというのはわかってきているつもりです。それより自分の調子を上げて、甘い球を確実に捉える、打ち損じをしない、ということをしっかり練習して行きたいと思います。(次回の意気込みを)ここから厳しい戦いが始まるので、しっかり準備して戦っていければいいなと思います。

 

山本泰寛(環3)

(今日の試合を振り返って)今日も先制点が取れたのでチームに流れが生まれたと思います。ピッチャーは点数を取られたんですけど、打線は最後までしっかり集中して打てたので良かったと思います。(9回に安打が出たがご自身のプレーについて)今日は一安打だけだったんですけど、最後に「今日は一本出そう」という気持ちで臨んでいたので、打ててほっとしています。(次戦の立大戦まで一週間空くがどのように過ごしたいか)リーグ戦中だからといって調整する気持ちではなくて、個人やチームをレベルアップさせるために毎日取り組んでいきたいなと思います。(次の試合に向けて)立大には春に負けているので、次は絶対勝ち点を取っていい流れを作っていきたいなと思います。

 

横尾俊建(総3)

(試合を振り返って)とりあえず勝てて良かったです。(2安打放ったが)全然ダメですね。谷田が僕の前でホームランを打つのでかなり力みがありました。プレッシャーとは少し違いますけど、自分も続こうと狙う部分がありますね。昨日自分で「あえてホームランを狙わないで行こう」と反省して、それを言い聞かせながら打席に入れたのでヒットにはつながったと思います。(山本泰選手と何を話していたのか)相手がどういう投手かという情報をもらっていました。彼が感じたことを僕に教えてくれているので、的確なアドバイスだと思っています。(守備では失策があったが)調子に乗ってしまいました。失点にはつながりましたけど、積極的に取りに行った結果だったし、その後は良いプレーをできたので良かったと思います。(東大の印象)やり辛いです。勝って当たり前という部分があるし、投手の球が遅い分対応しなければならないので難しいです。頭が良いという印象は受けますね。頭を使って野球をやっているという感じがします。バッティングも初球から振ってくるので、そういうところは自分たちも見習っていかなければいけないと思います。(昨日のインタビューで「ウエイトトレーニングに引き続き励んでいる」という話があったが)ジムに通ってトレーニングは続けています。練習試合ではホームランも出ているので、成果は出ていると思います。(連覇に向けてまず勝ち点1を取ったが)本当の勝負はここからなのでまずは立大戦に向けて最高の準備をして、良い結果が出るようにしたいです。(次は春季唯一勝ち点を落とした立大戦だが)気合を入れて特に澤田投手の球を叩き潰すようなイメージを持ちたいです。

 

齋藤大輝(商2)

(今日の試合を振り返って)今日も相手の四死球とかミスとかに付け込めて得点することができたので良かったと思います。(初回いきなり満塁の場面で回ってきた)とにかくここで僕が打てば一気に試合が楽になるので、絶対どんな形でもいいので打って点を取りたいなということを考えて打席に入りました(きっちり2点タイムリーに)完全に詰まっちゃったんですけど、詰まった分いいところに落ちてくれましたね2打席目は逆方向の打球がよく伸びた)1打席にヒットが出た分、だいぶ楽な気持ちで打席に入れました。しっかりボールを待って自分のスイングができたと思います。(3安打3打点の活躍、調子も戻ってきたか)今日結果が出たので、上向きになったと思います(もう緊張はないか)今日は全然なかったです(守備でも好プレーが出た)打席でいい活躍ができた分、点差はあっても守備でも集中して、いい形でできたと思います(立大戦に向けて)いつも立大とは接戦になることが多いので、今回も接戦になってもしっかり自分のやるべきことをやって、勝ち点を取りたいと思います。

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