【ソッカー(男子)】<コラム>ベールを脱いだスター候補生・松岡瑠夢 結果を残し慶大躍進のキーマンへ

「自分の感性でやれ」――。松岡瑠夢(総1・FC東京U-18)は、須田芳正監督からそう指示を受け、7日の第4節・専大戦(2○1)で初めて関東リーグのピッチに立った。即戦力と期待されながらもケガで出遅れ、ようやくつかんだチャンス。65分に1-1の場面で投入された松岡は、「結果が全てだと思うので。出た時間が何分でも点は意識していた」と貪欲にゴールを目指した。

 

 昨年までFC東京U-18の一員としてプレーした松岡。高円宮杯U-18プレミアリーグEASTでは2位に終わったものの、第40回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会と2016Jユースカップを見事に制したチームにおいて、松岡は10番を背負い中心選手として活躍した。当然、トップチームへの昇格を予想するファンも多かったが、慶應義塾高に在籍していた松岡は慶大への進学を選択。ソッカー部で4年間、己をさらに磨くことを決意した。

 

第4節・専大戦で初出場を飾った

 須田監督が「面白いものを持っている」と評するように、入部後も周囲からの評価は上々。開幕から即戦力としての活躍を期待されていた。ところが、シーズンインからわずか数日で肩を負傷。離脱を余儀なくされる。肩のケガは再発しやすいこともあり、須田監督は松岡に長い時間を与え、完治を最優先でリハビリに取り組ませた。そのため、法大との開幕戦(2○1)、第2節の東国大戦(0●3)はベンチ外に。3日の第3節・駒大戦(1●2)で、ようやくベンチ入りを果たした。その試合では出場機会が無かったものの、専大戦でついに初出場。試合後に「同点の場面だったので得点を取ることを考えていた」と振り返ったように、松岡は持ち味のドリブルや狭い場所でのプレーで果敢に相手ゴールへ迫っていく。そして75分、その積極的な姿勢がついに結実する。慶大は松岡の仕掛けからCKを獲得すると、これを鴻巣良真(総3・国学院久我山高)が頭で叩き込んで勝ち越しに成功。このゴールが決勝点となり、慶大は開幕戦以来の勝ち点3を手にしている。

 

ゴールへの強い意欲を見せた

 初出場ながら得点に絡むなど、間違いなく才能の片鱗は見せた。だが、ゴールを奪えず「ちょっと残念だった」と悔しさも口にする。その表情は、もはやルーキーのそれではない。須田監督が「コンディションがまだまだなのでね、その辺を伸ばしていったらレギュラーにも絡んでくると思う」と期待を寄せれば、松岡もまた「自分のポジションは本当に得点が全て。早く点を取って量産できるようにしたい」と意気込みを語る。ようやく踏み出した第一歩。ついにベールを脱いだ新たなスター候補生・松岡瑠夢が、慶大ソッカー部の今後を左右するキーマンに名乗りを上げた。

 

(記事 小林将平)

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