【野球】隙のない野球で昨季王者に先勝 明大①

5月14日(日)東京六大学春季リーグ戦 明大1回戦

バースデータイムリーを放った天野

 

会心の一勝だ。先発の髙橋佑樹(環2)は、初回と3回に連打を浴び先取点を許すも、粘りの投球で試合を作る。打っては5回、天野康大(環4)と柳町達(商2)の適時打などで一挙3点。逆転に成功する。その後同点に追いつかれるも、7回2死満塁から相手のバッテリーエラーで再び勝ち越し。この1点が決勝点に。7回から登板した3番手髙橋亮吾(総2)がリーグ戦初勝利を手にした。

 

 

明大

慶大

×

 

明大:齊藤、●外尾、石毛、入江、三輪―氷見

慶大:髙橋佑、菊地、〇髙橋亮―郡司

 

明大:宮﨑1号ソロ(6回) 

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[9]

天野康大(環4・智辯和歌山)

[5]

瀬尾翼(理4・早稲田佐賀)

[8]

柳町達(商2・慶應義塾)

[7]

岩見雅紀(総4・比叡山)

 

中村健人(総2・中京大中京)

[2]

郡司裕也(環2・仙台育英)

[3]

清水翔太(総4・桐蔭学園)

[4]

倉田直幸(法4・浜松西)

[6]

照屋塁(環4・沖縄尚学)

[1]

髙橋佑樹(環2・川越東)

 

明渡稜(政4・桐蔭)

 

小原徳仁(文4・慶應義塾)

 

菊地恭志郎(政3・慶應志木)

 

小原和樹(環2・盛岡三)

 

髙橋亮吾(総2・慶應湘南藤沢)

 

柳町は好守で流れを掴み寄せた

大一番の先発を任されたのは髙橋佑。今季すでに2勝をあげているチームの勝ち頭だ。しかし、今日の立ち上がりはピリッとしない。初回、2番3番にいきなり連打を浴び1死二、三塁のピンチを招くと、続く4番越智の打球は前進守備の照屋塁(環4)の正面に鋭い当たり。これを照屋が弾いてしまい、わずか13球で先制点を奪われてしまった。2回にも高めに抜けた甘い球を痛打されるなど、序盤から苦しいピッチングが続く。3回は再び大ピンチ。1死一、三塁から5番平塚の鋭い当たりは左中間奥深くへ。ここは柳町がスーパーキャッチを見せ、最少失点で切り抜けた。打線もなかなか波に乗れない。明大先発の斎藤の荒れ球に苦しみ、3回までに出した走者は髙橋佑の内野安打の一本のみ。序盤は完全に明大ペースで試合が進む。

5回に先頭でヒットを放った倉田

中盤は落ち着いたピッチングを見せる髙橋佑。4回・5回と共に三人で蹴散らせ攻撃へのリズムを生み出す。すると5回、慶大打線に火が付く。倉田直幸(法4)のヒットを皮切りに、1死一、二塁のチャンスを作ると、1番天野がライトへのタイムリーを放ち一点差に。続く2番瀬尾翼(理4)が四球を選び満塁。ここで迎えるは好調柳町。インコースの球を振りぬき、バットを折りながらも遊撃手の頭を超す同点タイムリーとなった。なおもチャンスで4番岩見雅紀(総4)はきっちり犠牲フライを放ち、この回逆転に成功する。しかし6回、二番手菊地恭志郎(政3)が6番宮崎に本塁打を許し、あっという間に追いつかれてしまう。その後ピンチを招くも後続をしっかり抑え、勝ち越しは許さない。

思わぬ形で試合が決まった。7回、先頭天野が塁に出ると、続く瀬尾は送りバントをするがこれを明大二番手外尾がまさかの二塁へ悪送球。チャンスを広げる。その後2死満塁で打席には6番清水翔太(総4)。マウンドには四番手入江。2ストライクと追い込まれてからの3球目は、捕手の届かないところへのバックネット直撃のワイルドピッチ。相手のミスから貴重な1点をもぎ取った。8回にも照屋のヒットで再びチャンスを作ると、瀬尾が執念のタイムリーで点差を2に広げた。

今季初初白星をあげた髙橋亮

7回からマウンドに上がった三番手髙橋亮は圧巻のピッチングを見せる。7・8・9回打者一巡をパーフェクトに抑え、ゲームセット。頼もしい2年生右腕がリーグ戦初勝利を挙げた。

過去2カードの初戦(対立大2△2、対法大5△5)を勝ちきれなかった慶大にとって、この大一番で接戦をものにできたのは非常に大きいだろう。慶大では3年ぶり(14年春東大一回戦以来)となる一試合無四死球。髙橋佑は再三ピンチを招いたが要所をしっかり締め試合を作った。小技も光った。犠打の失敗なし、6回には相手の一瞬の隙を突いた倉田の三塁への走塁など、綿密な攻撃で隙を見せなかった。耐えて掴んだこの一勝。優勝への足掛かりとなるか。

 

This is YOUR day!! 勝利呼び込む切り込み隊長 天野康大

この日初打点をあげガッツポーズの天野

今季の慶大打線は天野抜きでは語れない。開幕戦でリーグ戦初本塁打を放つと、立大1回戦から今日まで8試合連続安打継続中。和歌山から来た元気印は沈黙を知らない。今日5月14日は天野の誕生日。自身のバットで導いたこの1勝は最高のバースデープレゼントだ。

 

記事:若林 晃平

 

◆打撃成績

 

 

[9]

天野

中飛

 

二ゴロ

 

右安①

 

右安

死球

[5]

瀬尾

空三振

 

 

遊ゴロ

四球

 

投野選

左安①

[8]

柳町

左飛

 

 

左2

左安①

 

投犠

逃三振

[7]

岩見

 

中飛

 

逃三振

左犠飛①

 

投安

 

中村

 

 

 

 

 

 

 

 

[2]

郡司

 

遊ゴロ

 

四球

中飛

 

逃三振

 

[3]

清水翔

 

中飛

 

一ゴロ

 

右邪飛

一ゴロ

 

[4]

倉田

 

 

空三振

 

中安

左安

 

三邪飛

[6]

照屋

 

 

遊ゴロ

 

三犠

遊ゴロ

左安

 

[1]

髙橋佑

 

 

遊安

 

 

 

 

 

明渡

 

 

 

 

四球

 

 

 

小原徳

 

 

 

 

 

 

 

 

菊地

 

 

 

 

 

 

 

 

小原和

 

 

 

 

 

二飛

 

 

1

髙橋亮

 

 

 

 

 

 

 

一犠

 

◆投手成績

 

打者

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

 

髙橋佑

22

78

 

菊地

14

髙橋亮

45

 

 

◆監督・選手コメント

 

大久保秀昭監督

(今日の試合を振り返って)ずっとしんどい試合ばっかりですけど、今日そういう中で逆転して勝ったっていうのは非常に良かったです。(普段から「投げては3失点以内、打っては5得点以上」とおっしゃっていますが)今日はまさにそういう試合になったね。(投手陣は四死球が0でした)びっくりだね。(3年ぶりです)本当?それはすごいね。褒め忘れました。(打順が2番に戻った瀬尾選手がいい活躍を見せました)今日は左投手だったので、打順を戻しました。先週はアンダースローで、なかなか難しいので。彼なりに工夫していた。勉強も大変だけどよくやっている。(明日に向けて)理想は連勝だけど、投手陣の場数がまだ少ないので、また考えます。

 

天野康大(環4)

(今日の試合振り返って)序盤にリードされてしまいましたが先発の高橋佑樹が頑張って3点以内に抑えてくれたので、野手がどうにかしてやろうという気持ちで頑張りました。(今日は5回のタイムリーヒットを含むマルチ安打でした)2年の高橋佑樹、郡司、柳町が頑張っていたので、4年として、そして副将として、頑張らなきゃいけないなという思いでスイングしました。7回のヒットは、接戦になると思っていたのでクリーンナップになんとか繋ごうという思いで打席に立ちました。(今日はご自身の誕生日でした)誕生日ということはあまり意識していなくて、早慶戦に繋げるためにも、明治戦で絶対に勝たなきゃいけないという思いだけでした。結果的に最高の誕生日になりましたが、明日もしっかり勝って早慶戦に繋げたいと思います。

 

倉田直幸(法4)

(大事な明大戦、どのような心境で試合に)もう負けられないという状況はどこのチームも同じだと思うのですが、そういう局面で、気持ちで負けないように一戦一戦集中してやっていこうと思いました。(試合を振り返って)明大も気の抜けない相手なので、最後まで良い集中力でできたと思います。(今日はマルチヒット。まずは点につながった1本目について)相手の齊藤投手も良いピッチャーなので、なんとか塁に出ようという気持ちがヒットという形になって良かったと思います。(2本目のレフトへのヒットについて)2ストライクだったのでなんとかバットに当てようと思いました。打てて良かったです。(守備では8回にファインプレー。守備に関して気をつけていることは)まずエラーをしないように気をつけていますが、エラーをしないという消極的な気持ちより、アウトを取るという積極的な気持ちでプレーしています。(明日に向けて意気込みを)明日勝つことが最低条件なので、勝てるように頑張りたいです。

 

瀬尾翼(理4)

(今日の試合を振り返って)取って取り返してと、接戦で粘って勝つことができました。今日は今までやってきたことが出せたと思います。(試合のターニングポイントは)3点を取った5回だと思います。先に点を取られて、あまり流れが良くない中で粘って、四球なども絡めながら点を取れたことが大きかったです。8回にはタイムリーがでました)なんとか後ろに繋げたいと思って、打席に入りました。結果的にヒットになったのでよかったです。(四球や野選、安打など瀬尾選手の出塁が点つながりました)ヒットは打てなくても、出塁率をあげようと心がけています。後ろにいい打者が揃っているので、四球でもエラーでもいいので、とりあえず出塁してつなぐという意識をいつも持っています。今日はいい形が作れたので、明日も継続できたらなと思います。(明大の投手の印象は)全体的に皆まとまって、良い投手ばかりだと思います。去年から全然打てていなかったのですが、久々に明大から勝ち星を取ることができました。なんとか明日も勝って、勝ち点につなげられたなと思います。

 

髙橋佑樹(環2)

(今日の勝利を振り返って)僕としては助けてもらって勝てたなあと思います。2点目を取られた犠牲フライの時とかは、甘い球を投げてしまって打たれて、それを柳町がファインプレーで取ってくれたから1点で収まったし、先制点も与えてしまったし、5回に逆転してもらいましたけど2対0という厳しい展開にしてしまったのは、反省です。(先制点を与えてしまったことについて)明治怖いなと思いました。去年のトラウマもあるので、簡単には行かないなと思いました。(5回2失点という内容について)1点ずつ粘ったと言えば粘ったんですけど、その点はいらなかったんじゃないかというはあります。先発ピッチャーが5回で降りちゃうっていうのもちょっと寂しいかなとも思います。(5回に打撃陣が逆転をしてくれましたが)祈っていました。自分の勝ち負けとかよりも、チームが勝つために1回でも早く追いついて追い越していかなければならないので、ワンチャンスで味方が点を取ってくれてとても嬉しかったです。(明大打線に対して何か意識したことは)明治のバッターは一人ひとり個性があるのでそれを考慮しながら、あとは郡司を信じて投げました。(明日以降に向けて)明治に勝ちたい、それだけです。

 

髙橋亮吾(総2)

(今日の試合を振り返って)個人的には良かった部分悪かった部分あったので、反省すべきとこはありますけど、しっかり第1戦勝てたというのか1番大きかったかなと思います。(試合前にはどんな話し合いを)明治は強いので、どうにかピッチャーがしっかり継投で1人ができるだけ1点でも少なく、取られても1点ずつという話でずっとやってきました。野手は野手でしっかり打ってくれたので、良かったです。(法大戦からの修正は)特に変えたことはないですけど、やっぱり連投が長くなってきたときが課題なので、今日はいいとしてまた明日が課題です。法大戦も第1戦抑えて、第3戦打たれたので、どちらかというと課題は明日かなと思います。(どんな意識でマウンドへ)同点で上がる展開が立大戦、法大戦でもあったので、緊張しなかったというか、まただなという感じでした。(まず1番からの攻撃を三者凡退に仕留めました)3人で抑えればそのあと楽だなというくらいの気持ちで投げてそれが結果的に3人で抑えられたのかなと思います。(左打者が多かったですが意識は)そんなに苦手意識はないというか、左のインコースの真っ直ぐが内に抜けなければ大丈夫かなと思っているので、そんなに嫌な感じはしなかったです。(最終的には3イニングパーフェクト)基本的にフォークを今までだと追い込んでからしか投げてなかったんですけど、それを修正して追い込む前からしっかり投げられるようにしました。結果的には今日それで空振りもとりましたし、多分相手の打者にもそれがあって真っ直ぐにちょっと差し込まれたりとかあったと思うので、3回とも全部フォークが良かったかなという風に思います。(打席では送りバントで追加点をアシスト)結果的には決まったので良かったですけど、初球は失敗しました。今日はたまたま良かったですけど、そんな簡単でもないので、しっかりバントは練習しておきます。(今日はリーグ戦初勝利でした)初めてというのはなんでも嬉しいことなので素直に嬉しいです。何より厳しい試合というのがやる前からわかっていて、明治に勝てたのが良かったかなと思います。(明日の試合に向けて)明日勝たないと意味がないですし、勝てない相手ではないと思うので、しっかり休んで課題もしっかり潰して3点は取られすぎといえば取られすぎなので、1点でも少なくピッチャー陣でしっかり失点を減らせればなと思います。

 

柳町達(商2

(今日の試合に臨むにあたって気をつけていたことは)今日は明治との初戦ということで、優勝に向けては負けられない試合であり、勝っていい雰囲気をチームにもたらそう、という思いで試合に臨みました。また、齊藤投手は好投手であり、投げ方も変則的なので、そのあたりの攻略法も意識していました。 (5回裏にはレフトへのタイムリーヒット。一死満塁の場面でどのような気持ちで打席に向かいましたか)後ろには心強いバッターである岩見さんがいるので、僕はもう堂々と初球から振っていこう、という気持ちでした。(ご自身の今日の良かった点、反省点は)良かった点は、左中間の守備でピッチャーを救ったことと、バッティングで1点をあげられたことです。反省点は、最後の打席で、あと一本が出なかったことです。もう1点入っていれば、ピッチャーをもっと楽にしてあげられました。(明日に向けての意気込みを教えてください)勝ち点を取るまでは油断ができないので、明日も勝って勝ち点を取りたいです。

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