【ソッカー(女子)】大学リーグ第3節 小川ハット! 鈴木2発! スーパー1年生たちが格の違いを見せつける 東京女子体大戦

慶大の勢いが止まらない。開幕2戦で11得点を挙げた攻撃陣が今日も爆発。小川愛(総1・神村学園高)、鈴木紗理(総1・十文字高)、佐藤幸恵(総1・十文字高)と1年生が得点を重ね、前半だけで4得点を奪った。後半も華麗なパスワークで攻め続け、49分には小川がハットトリックを達成。全7ゴールのうち6ゴールを1年生がマークし、3戦連続の快勝で大学リーグ首位を走っている。

 

第31回関東大学女子サッカー2部リーグ 第3

 

2017/09/10(日)16:30KO@慶應義塾下田グラウンド

 

【スコア】

慶應義塾大学 7-0 東京女子体育大学

 

【得点者】

1-0 7 小川愛(慶應義塾大学)

2-0 21分 小川愛(慶應義塾大学)

3-0 27分 鈴木紗理(慶應義塾大学)

4-0 36分 佐藤幸恵(慶應義塾大学)

5-0 49分 小川愛(慶應義塾大学)

6-0 60分 鈴木紗理(慶應義塾大学)

7-0 61分 志鎌奈津美(慶應義塾大学)

 

慶大出場選手

GK野村智美(総4・作陽高)

DF佐藤幸恵(総1・十文字高)

DF加藤楓琳(総2・常盤木学園高)→46鈴村萌花(総3・村田女子高)

DF熊谷明奈(総1・十文字高)→71小茂鳥萌(商4・慶應義塾女子高)

DF足立智佳(環1・大阪桐蔭高)

MF松木里緒(環2・常盤木学園高)

MF中島菜々子(総3・十文字高)→81内山純(薬2・吉祥女子高)

MF工藤真子(総2・日テレ・メニーナ)

MF小川愛(総1・神村学園高)→59山本華乃(理1・山手学院高)

FW志鎌奈津美(環3・常盤木学園高)→64勝木日南子(総2・大和高)

FW鈴木紗理(総1・十文字高)

 

 

1週間前に開幕した大学リーグは早くも第3節。圧倒的なスコアで開幕2連勝を飾った慶大は、東京女子体大をホーム・下田グラウンドに迎えた。「バランスが良くなかった」(伊藤洋平監督)前節の課題をクリアできるか。前節、途中出場で抜群の存在感を放った志鎌奈津美(環3・常盤木学園高)が今節はスタメンに復帰している。

 

「7点以上」(野村)という目標を立てて臨んだ慶大は、この日も序盤からボールを支配して攻め込んだ。7分、パスで中央を崩し、松木里緒(環2・常盤木学園高)のスルーパスに抜け出した小川愛(総1・神村学園高)が相手GKとの一対一を沈めて先制。好調小川の3戦連続弾を皮切りに、志鎌、鈴木紗理(総1・十文字高)、工藤真子(総2・日テレ・メニーナ)らアタッカー陣が貪欲にゴールを狙う。追加点は21分。左サイドから切り込んだ工藤の横パスを小川が左足で直接狙うと、シュートは綺麗な放物線を描き、相手GKの指先をかすめてゴールネットを揺らした。27分には鈴木の矢のようなミドルシュートがゴール左上隅に決まり3点目。36分、CKの跳ね返りから今度は佐藤幸恵(総1・十文字高)が豪快なミドルシュートを突き刺し4-0と、前半だけで勝負を決定づける。スーパーゴールの連続に加え、GK野村智美(総4・作陽高)の出番もほとんどない完璧な前半となった。

 

後半開始から慶大は鈴村萌花(総3・村田女子高)がセンターバックに入り、大学リーグ今季初出場を飾る。メンバーが変わっても、ワンサイドゲームの様相は変わらない。49分、松木・志鎌の常盤木コンビが前節も見せた息ぴったりのパス交換からシュートまで持ち込むと、こぼれ球に小川がいち早く反応して蹴り込みハットトリックを達成。60分には佐藤のロングフィードからDFラインの裏を取った鈴木が、GKの動きをよく見て冷静にこの日2点目を挙げる。さらに1分後、今度は前半から何度も惜しいシーンのあった志鎌が足立のクロスに右足で合わせ、小川に並ぶ3戦連続弾。30分を残して目標の7点に到達した。その後慶大はメンバーを入れ替えながらも、危険なシーンもなく攻め続ける。74分、佐藤のクロスから山本華乃(理1・山手学院高)の長身を生かしたヘッドがクロスバーを直撃すると、2分後には再び佐藤のロングフィードから裏に抜け出した勝木日南子(総2・大和高)がゴールネットを揺らしたが、これは惜しくもオフサイドの判定。途中出場の選手たちもゴールへの強い意欲を見せたが、得点には至らず。7-0で試合終了となった。

 

1週間で、6-0、5-1、7-0。開幕3連戦の結果は文句なしと言っていいだろう。特に1年生の大活躍ぶりには、舌を巻くばかりだ。しかし、ここまでの相手ははっきり言って“格下”である。大学リーグ2部は1位のみが自動昇格、2位は入れ替え戦に回ることとなるため、1つの負けが命取りになる。1カ月後に控える次の相手は、尚美学園大。今季の関東リーグで1分1敗、ほんの3週間前に1-2で敗れ「苦汁を舐めさせられた」(伊藤監督)強敵だ。大学リーグ最初にして最大の山場を、この勢いのまま乗り切れるか。3週間前の敗北から、どれだけの上積みを見せられるか。間違いなく、今季の1つの分岐点となるだろう。因縁の相手から勝利を挙げて、彼女たちの成長の証を見せてほしい。

 

(記事 桑原大樹)

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試合後コメント

 

伊藤洋平監督

(試合を振り返って)開幕3連戦を3連勝できてほっとしています。(小川選手が3戦連続ゴール、今日はハットトリックと絶好調だが)そうですね。関東リーグでも点を取っていたので不思議なことではなくて、良いところにいるというか、そういう力はすごくあると思います。(大学リーグ2部は強敵とそうでない敵の力の差がはっきりしているが、今日のような格下相手にも対策はしているのか)ちゃんと対策はしています。むしろこういう割り切った戦い方、0-0の引き分け狙いとかをされた時の方が苦しかったりするので。そういうのは関東リーグでも日本航空高や前橋育英高との戦いで経験しているので、今日はイメージしやすかったんじゃないかなと思います。(チームの練習は毎週次の対戦相手への対策が中心)そうですね。週の前半はまず前の週の試合で出た課題にしっかり取り組んで、後半は相手を想定した練習をやっています。強い弱いとかに関わらずしっかりと準備をして、どう相手の強みを消して自分たちの強みを出していくかというところを中心にトレーニングしています。(今週で言うと、週の前半で取り組んだ課題は)前回の十文字学園大との試合であまりバランスが良くなかったということで、ポジション取りを意識させたのと、そこからの切り替えや3人目の関わりなどを重点的にやってきました。(これから1カ月大学リーグは間が空くが、どのようなトレーニングをしていくか)ここからまた育成リーグ、Liga Student という育成メンバーの公式戦があるので、そこでしっかりチームの底上げを図りたいのと、次の大学リーグの相手が尚美学園大、関東リーグで苦汁を舐めさせられた相手なので、同じ相手に負けるつもりはないですし、尚美学園大を意識したトレーニングをやっていきたいなと思います。(尚美学園大対策は)今日流経大に負けたりもしているので、ハマったら相手のペースになりますけど、それを外せたらスペースは与えてくれるので、そこをいかに攻略していくかというところですね。

 

野村智美(総4・作陽高)主将

(試合を振り返って)私の出番もなく(笑)、前線が本当に活躍してくれた試合だったんですけど、私的にはもうちょっと点を決めてほしかったなという思いもありつつ、全体として7点以上はしっかり取り切ろうと話し合った中でその目標を達成できたこと、無失点で終われたことは良かったかなと思います。(もっと点を取れたという認識か)はい、もっと行けました。チャンスもあったし、クロスバーに何本も当てたりという場面もあったし。今の現状に満足してほしくないので、そういう意味でも1点でも多く取ってほしかったなというのはあります。(GKとしてはあれだけボールに関わるシーンがないと集中を保つのが難しかったのでは)そうですね、まあでも今日は本当にディフェンスラインがバタバタした場面もありましたけど、ゴール前で打たれることはなく、その前で止めてくれていたので、その安心感はあって。でもこれからどんどん昨季の順位が上のチームと当たっていくことになるので、90分通しての集中力っていうのも上げていかなきゃいけないなと感じています。(選手交代を多く行った中で最後まで無失点)第1節からチームとして伸びたなと感じていることの一番がそれで、ずっと交代選手は多く出していたんですけど、その中で落ち着いて戦うところだったりだとか、交代しても点を取り続けるというところはこの3節でできるようになってきたので、今後につなげていきたいなと思います。(次節まで1カ月空くが取り組むことは)チャンス1つにこだわって決めるところ。他会場の結果も踏まえて、昨季の順位は関係ないなというのが正直なところで、そうなってきた時に1点でも多く取るところ、精度を上げることもそうだし、今まで以上に下で組み立てることが多くなってくると思うので、そこの精度も上げて試合に取り組んでいきたいなと思います。(次節は尚美学園大が相手だが)尚美学園大には関東リーグの方で敗戦を喫してしまっているんですけど、でもそこから自分たちが成長したところもかなりあるし、変に前のイメージを持つのではなくて、自分たちが成長したところに自信を持って臨めば絶対結果を出せると思っているので、そこに向けて1カ月やっていきたいなと思います。(昇格に向けた大一番となる)尚美学園大も今日流経大に負けたみたいで、たぶん後がなくなって今まで以上に気合いを入れてくると思うので、そこに対して怯むことなく自分たちが自信を持って戦って1部昇格に向かって1つずつ近づいていきたいなと思っています。

 

小川愛(総1・神村学園高)

(試合を振り返って)チームで7点を取るっていうのを目標にしていて、それを達成できたので良かったなって思います。(前節は90分で失点したがどのように気持ちを切り替えたか)この3連戦は無失点っていう目標を立てていたのに前回あの1本でやられてしまったので、攻守の切り替えを速くして相手に隙を与えないところをみんなでもう1回決めてやりました。(ハットトリックとなったがゴールシーンを振り返って)1本目は里緒さんからスルーパスを受けて、ちょっとタッチが外に乱れちゃったんですけど、ファーに強いシュートを打てば入ると思ったのでそれが結果的に決まって良かったです。2点目は真子さんが2列目から抜け出したそのスペースにタイミング良く入れて、真子さんからもすごく良いボールが来たのでダイレクトでコースに打つことを心がけて打ったら入ったので良かったです。3点目は里緒さんが打ったボールが入らなくて、たまたまこぼれが落ちてきたのでゴールにそのまま入るように打ちました。(3連戦すべての試合で得点を決めているが)やっぱり1個1個のチャンスを無駄にしないっていうのと、決め切れるところで決めるか外すかっていうのがその後のゲーム運びにも大きく関わってくると思うので、今のところ1個ずつ決められているのでこれをこれからも続けたいと思います。(次節までは1カ月空くが)チームとしてもまだまだ成長できる部分はあると思いますし、個人的にも10月国体に出場させていただくんですけど、そこでも学べるものはたくさんあると思うので、もっともっと上を目指して結果的にそれがチームにプラスになるように頑張りたいと思います。

 

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