【ソッカー(女子)】大学リーグ第1節 いよいよ開幕! 6発完勝で1部昇格へ最高のスタート 流経大戦

圧巻のゴールラッシュだ。大事な大学リーグの開幕戦。序盤から主導権を握った慶大はセットプレーから先制すると、中盤を完全に支配し、前半だけで4点のリードを奪う。後半は少しペースを落としたものの、GK野村智美(総4・作陽高)の好守が光り、無失点のままさらに2点を追加。6-0の快勝で、目標に掲げる1部昇格に向けて好スタートを切った

 

31回関東大学女子サッカー2部リーグ 1

 

2017/9/03()16:30KO@慶應義塾下田グラウンド

 

【スコア】

慶應義塾大学 60 流通経済大学

 

【得点者】

10 27分 加藤楓琳(慶應義塾大学)

20 34分 志鎌奈津美(慶應義塾大学)

30 36分 鈴木紗理(慶應義塾大学)

40 43分 小川愛(慶應義塾大学)

50 75分 鈴木紗理(慶應義塾大学)

60 84分 勝木日南子(慶應義塾大学)

 

慶大出場選手

GK野村智美(4・作陽高)

DF佐藤幸恵(1・十文字高)

DF加藤楓琳(2・常盤木学園高)

DF熊谷明奈(1・十文字高)

DF足立智佳(1・大阪桐蔭高)

MF松木里緒(2・常盤木学園高)→88 齋藤宇乃(4・慶應義塾湘南藤沢高)

MF中島菜々子(3・十文字高)→65 勝木日南子(2・大和高)

MF 工藤真子(2・日テレ・メニーナ)→89 高見澤るり(4・慶應義塾女子高)

MF小川愛(1・神村学園高)→84 石川結菜(1・静岡高)

FW 鈴木紗理(1・十文字高)

FW志鎌奈津美(3・常盤木学園高)→46 山本華乃(1・山手学院高)

 

 

ついに、今年も大学リーグが始まった。今季の慶大ソッカー部女子の最大目標は、“大学リーグ1部昇格”。入れ替え戦の末に無念の2部降格を味わった昨季の悔しさを晴らすため、彼女たちの全てをぶつけて戦う秋だ。今季は全試合をホームで戦う慶大の初戦の相手は、昨季の3部リーグを72得点3失点での全勝と圧倒的な強さで制した流経大。ユニバーシアード日本女子代表の遠征から帰ってきた工藤真子(総2・日テレ・メニーナ)がスタメンに復帰し、万全のメンバーで開幕戦に臨んだ。

 

最初のチャンスは4分。鈴木紗理(総1・十文字高)が相手GKからボールを奪うと、鈴木のパスを受けた工藤がミドルシュートを放ったが、クロスバーを越えた。流経大の入りの緩さを突いて主導権を握りつつあった慶大だったが、実は「ガッチガチに戦っていた」(野村)という慶大。開幕戦の緊張感からか自陣での危険なパスミスが目立ち、9分にはカウンターからゴールネットを揺らされてしまうが、これはオフサイドの判定。命拾いした慶大は、工藤、鈴木らを中心としたパスワークで再び試合を支配しにかかる。11分に工藤のスルーパスから志鎌奈津美(環3・常盤木学園高)の決定機、15分に工藤のミドルシュートとゴールに迫ると、27分に待望の先制点。鈴木のCKをファーサイドで待っていた加藤楓琳(総2・常盤木学園高)が押し込んだ。31分には再び自陣でのミスから相手の決定機を招いたがGK野村智美(総4・作陽高校)の好セーブで切り抜けると、34分、志鎌が自ら倒されて得たPKを決め、点差を広げる。勢いづいた慶大は、さらに流経大を攻め立てた。36分に工藤のクロスを足立智佳(環1・大阪桐蔭高)が折り返し、中で待っていた鈴木が決めて3点目。43分には再び右サイドバックの足立が攻め上がり、クロスを小川愛(総1・神村学園高)が頭で決めて4-0に。終始中盤の攻防で圧倒した慶大が大量リードを奪い、前半を折り返した。

 

後半も最初のチャンスは慶大。50分、PA内で足立のパスを受けた松木里緒(環2・常盤木学園高)が巧みなトラップでDFを振り切りシュートを打つが、これはポストを直撃した。さらなるゴールラッシュが後半も見られるかと思われたが、その後試合は停滞する。流経大が中盤の強度を高め、慶大は徐々に支配率を落とした。65分にはFKのこぼれ球から強烈なシュートを浴び、野村がスーパーセーブを見せるなど、前半とは打って変わって拮抗した展開へ。しかし、この停滞を鈴木が打ち破る。75分、松木のパスを左サイドの裏に飛び出して受け、左足一閃。強烈なシュートでニアサイドを抜き、この日2得点目を挙げた。直後の77分には絶好調の守護神・野村が再び至近距離のシュートを弾き、「無失点で戦い抜く」気迫を見せると、84分、途中出場の勝木日南子(総2・大和高)が鈴木のスルーパスに抜け出し、一対一を沈めて念願の今季初得点。流れを失っても差を広げる強さを見せ、慶大が大事な開幕戦を6-0という完璧なスコアで終えた。

 

心配事がないわけではない。後半、中盤の優位を失い失速してしまった時間帯があったのは課題と言えるだろう。そして、89分に途中出場した高見澤るり(政4・慶應義塾女子高)が投入直後に負傷退場してしまった。チームの精神的支柱である4年生が負傷離脱となれば、チームにも動揺が走りかねない。しかし、伊藤洋平監督は試合後、不敵な笑みを浮かべてこう言い切った。「自信はあります。当然昇格します」。強気な姿勢は、指揮官がこのチームに寄せる厚い信頼の証である。1週間前の関東リーグに続く2戦連続の完勝劇。それでも、伊藤監督が見据えているのはさらに上のレベルだ。「このチームはまだまだ伸びるなと確信したので、今後の成長に期待していてください」(伊藤監督)。言われなくとも、期待せずにはいられない。目標の1部昇格へ。一戦も負けられない長い秋が、幕を開けた。

 

(記事 桑原大樹)

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試合後コメント

伊藤洋平監督

(試合を振り返って)まず開幕戦を勝利で飾れたのは素晴らしかったと思いますけど、最後ケガ人が出てしまって、ちょっと後味の悪い試合でした。(前半は相手の緩さもあってかなり試合を支配していた)そうですね。まああちらもポゼッション志向で、スタイルとしては似ているチームだったので、どっちの質が高いかという勝負だったんですけど、相手のゆったりしたリズムを上手く利用できたのかなと思います。(後半少し失速したのは相手が対応したからか、それとも自分たちの問題か)もちろん相手が対応してきた部分はあります。ただ、前半点を取って試合としては決まってしまっていて、そこで満足してしまった部分は必ずどこかにあったと思います。(幸先良いスタートを切ったが、優勝、昇格に向けての自信は)自信はあります。当然昇格します。試合の途中の給水タイムに選手たちだけで集まって話したりとかしているのを見て、このチームはまだまだ伸びるなと確信したので、今後の成長に期待していてください。(次節に向けて)中2日でタイトなスケジュールなので、またコンディションを整えて、万全の状態で2連勝できるようにやっていきたいと思います。

 

野村智美(4・作陽高校)主将

(試合を振り返って)安心した」というのが一番大きくて。大量得点・無失点で勝ったものの、ピンチもあったので、本当に結果以上にチームとしてよく戦ったなという印象の方が強い試合でした。(シーズンとしては中盤に差し掛かっているが、このリーグ戦は今日が開幕戦ということでまた違った緊張感はあったか)ありましたね。自分たちは前期波があることが課題で、安定して戦えていないことを自分たちとしても問題意識を持ってやっていた中で、どう開幕戦に入っていくかというのはすごくみんな意識してやってきていて。立ち上がりこそガッチガチに戦っていたんですけど、その後から、1点決まってから特に安定感も見せられたし、ここから続いていくリーグ戦もそうやって戦っていけるかなというふうに感じています。(立ち上がりにピンチを迎えたりしたがそれは緊張から来るものだった)そうですね、かなり緊張しました(笑)。でも、前期の試合以上に学年関係なくみんなを頼れている部分もあったし、「誰かがミスしても失点にまでは至らないだろうな」っていう気持ちの余裕っていうのはすごくあって、それは試合にもつながったかなと思います。(得点シーンは練習から取り組んでいることが出せているように見えたか)うーん…。めちゃくちゃ良い形というのは結構少なかったのかなというふうにも感じていて、相手のミスからの得点だったりとか、自分たちのミスだけどこぼれ球が運良く転がってきたりとか、何か本当に気持ちが強くて自分たちに有利な方にボールが転がってきたりっていう場面が多かったなって、振り返って思いますね。(野村選手自身も何度もピンチを好セーブで救ったが)自分はガチガチで(笑)。あんまり気持ちの余裕はなかったんですけど、でも「絶対このリーグは無失点で戦い抜きたいな」っていう強い思いはあって、それが自分のプレーに表れていたし、最後のシュートとかも味方が守って守って来たシュートだったので、そこは落ち着いて対応できました。(開幕戦で大量得点・無失点を達成し、波に乗っていけるのでは)もう何が何でも波に乗って、1部昇格に向けて一つ一つ積み重ねていきます。(野村選手自身最後となるこの大学リーグに懸ける意気込みを)本当に最後っていう実感がなくて。今年目指せるのは1部昇格、2部の1位っていう順位でしかないんですけど、その先のインカレで戦えるようなチームになりたいっていうための1年であるっていうのをみんなが意識づけていると思うので、自分にできることを全部やってそのための道のりを歩んでいけたらなと思います。

 

工藤真子(2・日テレ・メニーナ)

(試合を振り返って)前半の入りがちょっと悪くて、みんな一人ひとり緊張しているのかなというところがプレーに出ていたんですけど、でもコーナーキックから1点入った後にみんな一回リラックスして自分たちのプレーを立て直して、その後得点が何本も続いたのは良かったと思います。(今日の狙いは)個人的にはユニバから帰ってきて数回の練習だったんですけど、とりあえず8月の1カ月いなかった分自分のできる限りのことをやろうという気持ちで臨みました。(ユニバーシアードから帰ってきて今のコンディションは)正直きつい部分があったんですけど、でも大学リーグがあるのでやるしかないという感じで頑張りました。(ユニバーシアードではサイドバックでの出場だったが)決勝の時だけ左サイドバックでそれまではずっと右サイドバックをやっていて、普段ボランチをやっているので少しやりにくさはあったんですけど、それでもセンターバックの選手とかがすごく心強くてインターセプトもどんどん狙っていいよっていう感じだったので、前向きでプレーをすることができました。あとはみんながパスコースをすごく作ってくれるので、その面ではすごくやりやすかったです。(通用した部分は)やっぱりフィジカルとかパワーの面でブラジルには負けていたけど、ポゼッションとかパス回しは日本の方が上手かったし、丁寧さとかはブラジルより上回っていたと思います。(逆に差を感じた部分は)フィジカルのスピードとパワーでは明らかに相手の方が上だったし、だから裏にボールを蹴られてから走っても追いつかないので、裏に蹴るだろうなっていう予測をしっかりしていれば対応できた部分はすごく多かったので、この大会では準備のところの予測の大切さというのをすごく学びました。(次節に向けて)中2日ですけど、次の試合に向けて精一杯ベストな状態で臨めるように頑張っていきたいです。

 

鈴木紗理(1・十文字高)

(試合を振り返って)相手がどう来るか分からない状況の中で「自分たちのサッカーをやろう」って入って、前半は4点取れて、自分たちが思っていた通りのサッカーができたかなと思います。(開幕戦を大量得点かつ無失点で勝利を飾ったが)良いスタートを切れたなっていうことと、でもやっぱりここで安心しちゃいけないというか、あと8試合絶対負けられない戦いが続くので、そこに向けて改善点をもっと直していきたいなと思います。(開幕戦に向けてどのように準備してきたか)関東リーグと大学リーグって迫力も違うし、どうしても負けられない戦いが続くので、私とかはまだ経験したことがない中で、先輩たちがもっとやんなきゃダメだよっていう声を掛けてくださって、より一層士気が高まったというか、チームの雰囲気も良くなってできたと思います。(PK以外の全ての得点に絡んでいるが)そういう実感はないですけど、周りがうまく連動していたのと、前半最初結構1点目が苦戦したんですけど、そこから決め切るところで決め切れたから良い結果が出たのかなと思います。(自身の得点シーンを振り返って)自分のゴールとしては、ゴール前まで自分でドリブルで持ち込んでシュート振り切れたゴールと、あとCKから1点取れたっていうのは大きいと思います。(次の試合まで間が短いが)疲労は徐々に溜まってくると思うんですけど、今日出た合わなかったところを調整しつつ、水曜日だけではなく来週の日曜日までチームを作れたらなと思います。(次節の十文字学園大戦に向けて)十文字大学は知り合いもいたりで身近なチームではあるんですけど、そういうのに左右されることなく、自分たちのサッカーを貫き通して、大量得点でまた勝ちたいなと思います。

 

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