【ソッカー(男子)】<コラム>遅れてきた慶大の救世主 リーグデビューを果たした新ディフェンスリーダー・野村京平

 夏の中断期間を終えて、関東リーグ後期がスタート。前期、実力を発揮できず下位に沈んだ慶大にとって、今後を占う重要な後期開幕戦は日体大との対戦となった。この重要な一戦で、野村京平(総2・国学院久我山高)はセンターバックとして先発出場。リーグ戦初出場初先発を飾った。試合は一進一退の攻防の末、0-0のスコアレスドロー。野村は初出場の緊張を感じさせず、無失点に貢献した。

 

 野村は、国学院久我山高で守備の要として第94回全国高校サッカー選手権大会準優勝を経験。自信と期待を胸に、昨季慶大に加入した。しかし、1年次はアミノバイタルカップと天皇杯予選での出場にとどまりリーグ戦には出場できず、後半には調子を崩してトップチームからも遠ざかってしまう。「自分としては納得のいっていない1年間で終わってしまった」。失意の初年となった。

 

 そんな悔しい1年間を経ての今季。背番号3を託された野村は、「自分がチームに貢献してやろう」と並々ならぬ思いを持ってシーズンに臨んだ。しかし、今度はケガなどもあり前期はまたしてもリーグ戦に出場できず。チームも降格圏に沈んだ。なかなか試合に出場できないもどかしさ。だがそんな状況の中、野村はチームを外から冷静に分析し、自分が出場した時のイメージを作り上げていった。

 

 そして迎えた後期。心身ともに準備のできた野村は念願のリーグ戦初出場を果たし、見事にクリーンシートに貢献した。「試合に入ってからは自分のプレーができた」と語る通り、緊張を感じさせないプレーで存在感を発揮した野村。今後は自身の強みである対人の強さ、そしてセットプレーでの得点を出していきたいと話す。

 

 その一方で、あくまで今後も「無失点」にこだわっていきたいという野村は、さらにその先も見据えている。「関東リーグで経験を積んで、ゆくゆくはユニバにも入っていきたい」。謙虚な姿勢の中にも自信の強さがうかがえる野村京平こそが、後期のキーマンになるだろう。

 

(記事 岩見拓哉)

 

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