【ソッカー(女子)】関東リーグ後期第5節 後半アディショナルタイムの劇的弾! リベンジ果たし今季初の連勝を飾る 浦和レッズレディースユース戦

前節、今季2勝目を挙げた慶大はこの日も立ち上がりから好調。9分に鈴木紗理(総2・十文字)、37分に山本華乃(理2・山手学院)の得点で2点を先行する。後半は一転してリズムを失い、残り10分で同点に追い付かれる苦しい展開に。しかし、終了間際に足立智佳(環2・大阪桐蔭)が劇的な決勝弾。勝ち点3を奪い切り、入替戦回避に希望をつないだ。

 

第24回関東女子サッカーリーグ 後期第5節 vs浦和レッズレディースユース

2018/07/22(日)16:00KO @慶應義塾下田グラウンド

【スコア】

慶應義塾大学3-2浦和レッズレディースユース

【得点者】

1-0 9分 鈴木紗理(慶應義塾大学)

2-0 36分 山本華乃(慶應義塾大学)

2-1 67分 大西若菜(浦和レッズレディースユース)

2-2 80分 島﨑結希(浦和レッズレディースユース)

3-2 90+2分 足立智佳(慶應義塾大学)

 

◇慶大出場選手

GK 志鎌奈津美(環4・常盤木学園)

DF 足立智佳(環2・大阪桐蔭)

DF 加藤楓琳(総3・常盤木学園)

DF 奥本くるみ(環3・浦和レッズレディースユース)

DF 工藤真子(総3・日テレ・メニーナ)

MF 勝木日南子(総3・大和)→60分 松木里緒(環3・常盤木学園)

MF 中島菜々子(総4・十文字)

MF 小川愛(総2・神村学園)

MF 佐藤幸恵(総2・十文字)

FW 山本華乃(理2・山手学院)→78分 平田朋(環1・日ノ本学園)

FW鈴木紗理(総2・十文字)

この日の相手、浦和レッズレディースユースは、5月の対戦(第5節)で5-8と壮絶な打ち合いの末完敗したチーム。シーズン前半戦の最後の試合と位置付けたこともあり、慶大の成長が問われる一戦となった。

前半、山本と鈴木のゴールで2点のリードを奪う

開始3分、山本が前線でタメを作り、裏に走り込んだ足立にスルーパス。足立のシュートはクロスバーに阻まれ、こぼれ球に詰めた佐藤幸恵(総2・十文字)もシュートをふかしてしまうが、この決定機以降慶大は完全に主導権を握った。9分、裏へのスルーパスに反応した鈴木が相手GKとDFの間でボールをかっさらう。見事なタッチでGKをかわし、無人のゴールに流し込んで先制点を奪った。その後も、最終ラインでのミスが重なった第5節とは見違えるような安定感で、浦和にほとんどチャンスを与えない。そして36分、鈴木が芸術的なターンから裏へスルーパスを出すと、抜け出した山本がGKとの1対1を冷静に沈めて追加点。浦和の高いディフェンスラインの裏を突いて2点をリードし、前半を折り返した。

 

終了間際の劇的ゴールで勝ち点3を引き寄せた

後半が始まると試合は一転浦和ペース。慶大は満足なビルドアップができず、運動量も落ちてほとんどの時間で自陣に押し込まれた。67分、中盤での不用意なボールロストから、ショートカウンターで失点し、1点差とされる。その後も浦和の勢いを止め切れず、80分、浦和右サイドからの高いクロスにファーサイドで頭で合わせられ、ついに同点とされてしまった。残り10分は再び慶大が勝ち越しを狙い、途中出場の平田朋(環1・日ノ本学園)らを中心に猛攻を仕掛ける。しかし、85分に平田がネットを揺らしたシーンはオフサイド。89分に平田が裏に抜け出して放ったシュートも、相手DFの決死のスライディングに阻まれた。引き分けが目前に迫った後半アディショナルタイム、まだ試合は終わらない。90+2分、ゴール正面遠めでこぼれ球を拾った足立が思い切り右足を振り抜くと、シュートはGKの頭上を越えてネットを揺らした。これが決勝弾となり、3-2でタイムアップ。慶大はシーズン前半戦を劇的な勝利で締め括るとともに、今季初の連勝を飾った。

強い慶大が帰ってきた

関東リーグ1部で格上の相手と戦い続けた今季前半戦だが、伊藤洋平監督はボールポゼッションを基本とし、とにかく攻撃的なサッカーを貫いている。それはこの日の戦術にも如実に表れていた。前回の対戦では2トップのスピードに圧倒された浦和に対し、伊藤監督が練った対策は、「2トップにどう守備をさせるのか。その2トップを回避しつつどう逆サイドに展開するのか」。相手ではなくあくまで自分たちの攻撃を基軸とし、攻撃力が売りのチームに真っ向勝負で打ち勝った。リードした状況での戦い方には課題が残ったが、一時期選手たちの間に見られた試合中の戦術への迷いのようなものも完全に消え、シーズン序盤戦とは比べ物にならない安定感を身に付けている。関東リーグは残すところ2試合となったが、8月後半からは本命である「インカレベスト4」への登竜門、大学リーグが始まる。「着実に前進している」(伊藤監督)慶大は、1部の舞台でどんな戦いを見せてくれるのか。大学リーグの開幕が楽しみでならない。

(記事:桑原大樹 写真:岩見拓哉、髙橋春乃)

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以下、試合後コメント

伊藤洋平監督

――試合を振り返って

よく勝ったなと思います。本当に選手が素晴らしかった。素晴らしい働きをしてくれました。

――前回の対戦では8点を奪われ大敗した相手だったが、対策は

2トップが残ってるんで、その2トップにどう守備をさせるのかということと、その2トップを回避しつつどう逆サイドに展開するのかということを練習しました。

――前半は完全にペースを握っていたが、やってきたことがうまくハマったか

そうですね。前半は素晴らしかったと思います。

――後半はペースダウンした印象

そうですね。2-0で勝ってるっていう状況が今までなかったんで、同じようにプレーすれば良いんですけど、どこかでちょっとリスクを負わなくなってしまったりとか、ロングボールが増えてしまったりとか、そこはもうちょっと改善が必要かなと思います。

――かなり運動量も落ちていた中で、途中出場の平田らが良いアクセントになった

そうですね。最後もしっかりタメを作ってくれたり、結果的には良かったですね。

――シーズン前半戦の最後と位置付けた試合で今季初の連勝となったが、前半戦を振り返って

前半は少し遠回りしたり、一歩後退した時もありましたけど、本当にこの半期を見れば着実に前進してますし、目標であるインカレベスト4に近づいている実感もあります。

――次節に向けて

次節はオフ明けの関東学園戦ですね。もう僕らが自力で残留するには全勝するしかないんで、しっかり勉強と両立しながら、心はリフレッシュして、必ず勝ちたいと思います。

 

中島菜々子(総4・十文字)主将

――試合を振り返って

勝てて良かったっていう感じです。

――前期は5-8で敗れた相手だったがどのように試合に臨んだか

やっぱり前期大敗している相手だったので、リベンジという気持ちは大きかったですし、でもその中でも5点取れていたというのは自信にもなっていたので、今日こそは絶対に勝ち切るという気持ちで臨みました。

――前半を2-0で終えたが後半はどのように入ったか

そうですね、あまり勝ち越して前半を終えるということがなかったので、後半どうしようとなった時に、攻め急がずに自分たちのペースでボールを繋ごうということで後半は入りました。

――今季初の連勝となったが

本当に今まで連勝とか勝ち切るということがなかなかできなくて失点の後に崩れていくようなチームだったので、ここの2連勝っていうのは本当に大きかったと思いますし、昨日のサブチームの試合でもしっかり勝ち切るということができていたので、このまま勝ちぐせというのをチームとして付けて、そのまま大学リーグに臨めたらいいかなと思います。

――次節に向けて

少し間が空いてしまうんですけど、関学はいま最下位で自分たちは下から2番目という中で、絶対に勝ち切らないといけないところだと思うので、間が空くからこそもっともっとレベルアップして試合をできるように頑張っていきたいと思います。

 

鈴木紗理(総2・十文字)

――試合を振り返って

先週勝ってから1週間通して、チームとしてできているなっていう感覚はあったなかで、それが試合中にもいくつか練習でやってきたことが出せたという点についてはすごい良かったのかなと思います。

――前期大敗した相手に対しどのような戦い方で臨んだか

大敗したからこそ失うものはもうなくて、あれから成長してきたものを出せれば勝てるよねっていう雰囲気にはなってしました。

――今季初めての連勝となった

やってきたものが、やっとここで形になってきたかなという手応えは感じていて、雰囲気づくりもそうですし、そういうところもうまくいっているのかなと思います。

――自身の先制シーンを振り返って

さち(佐藤)が良いボールくれたので、ちょんと触って流し込むだけだったでした。

――2点目の山本選手の得点にも絡んだ

日頃から相手の逆をつくパスだったり、そういうプレーは意識しているので考え通りのプレーができて、華乃(山本)も決めてくれて良かったと思います。

――チームの前期シーズンを振り返って

本当に苦しい前期シーズンだったんですけど、やってきたことは間違ってなかったかなって思える終わり方ができましたし、最後までチーム全員が体を張って守備をしたり、負けないっていう気持ちが前面に現れた結果だと思います。

――次節に向けて

今まで積み上げてきたものをゼロにするのではなくて、一人ひとりオフ中でもサッカーのことを考えたり、意識を変えることなく新しい気持ちでやっていきたいと思います。

 

山本華乃(理2・山手学院)

――試合を振り返って

最後は本当に智佳(足立)の劇的なゴールで結果としては本当に勝てて良かったと思います。もし負けていたら入れ替え戦が決まってしまっていたので、今日は絶対に勝たないといけなかったので結果として勝てて良かったです。

――山本選手は前期のレッズ戦でも得点をしていますが

レッズはディフェンスラインが高いので、裏に抜ける動きを増やすことは意識して試合に入りました。それで紗理(鈴木)からの裏へのボールで決まったので良かったです。

――裏への意識というのは指示として出ていたのか

指示としても出ていましたし、みんなでもラインが高いということは言っていました。

――今季4点目となったが得点の感覚は良くなってきているか

最近はワントップで守備の負担を減らしてもらっている分、攻撃では他の人よりも動き回って最後のフィニッシュのところで絶対に良いポジショニングを取るということは意識してやっています。

――次節に向けて

関東リーグは残留に向けてですし、目標はインカレベスト4なので、大学リーグに繋げられる試合ができるように次の関学戦も勝てるように頑張っていきます。

 

足立智佳(環2・大阪桐蔭)

――試合を振り返って

自分たちの前期シーズンの締めくくりの試合だったので、絶対勝ち点3取って終わりたいと思ってたので、良い形で終われて良かったです。

――前期大敗した相手に対しどのような戦い方で臨んだか

前期の試合では相手のカウンターとかで同じような形で何失点もしてたので、今週の練習ではそういう対策もしてきて、相手のカウンターもしっかり抑えられたと思うので、そこは自分たちの成果かなと思ってます。

――後半はやや押され気味となってしまった

2ー0で前半折り返して、とにかく無失点で終わりたいという気持ちでは戦ってたんですけど、2失点してしまったところがまだまだ自分たちの弱さだったかなというのは、前期の課題として残ったと思います。

――勝ち越しを決めた自身のゴールシーンを振り返って

あのシーンは本当にもう時間もなくて、最後前の選手も走ってくれてたので、自分も最後と思って上がっていったところにボールが溢れてきて、落ち着いてトラップしてシュートまで足を振り抜けたので、そこは勝ちたいっていう気持ちが出たかなと思います。

――次節に向けて

オフ明けからの試合も、自分たちは1試合ももう落とせないので、しっかりこの2週間、次関学(関東学園大)の試合も順位下同士ですし、絶対勝たないといけないと思うので、オフも含めて全員が良い準備していけたらなと思います。

 

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