【ラグビー】終了間際にトライ決められ敗戦/全早慶明チャリティーマッチ明大戦

試合開始前には被災地へ黙祷が捧げられた

東日本大震災によって当初4月に予定されていた全早慶明対抗戦が中止となり、実現した全早慶明チャリティーマッチが5月5日に開催された。3大学のOB、現役の混成チームによる各40分総当たりの試合が行われた他、チャリティーオークションやサイン会、被災地の野菜販売など、様々な活動が行われた。

 

全早慶明チャリティーマッチ

2011/5/5(木・祝)13:00KO@秩父宮ラグビー場

得点
全慶大 チーム 全明大
前半 後半 VS 前半 後半
3   T 3  
2   G 3  
0   PG 0  
0   DG 0  
19   小計 21  
19 合計 21
【得点者】(慶大のみ)

T=村田、小澤、和田

G=和田2

出場選手
ポジション 名前(学部学年) 交代選手
1.PR 金井 健雄(商卒・サントリー)  
2.HO 髙橋 浩平(経4)  
3.PR 廣畑 光太朗(環卒・九州電力)  
4.LO 村田 毅(環卒・NEC)  
5.LO 須永 尚之(ホンダ)  
6.FL 小澤 直輝(総卒・サントリー)  
7.FL 佐藤 大朗(総3)  
8.NO8 鹿児島 昌平(経3)  
9.SH 猪狩 有智(経2)  
10.SO 和田 拓(政卒・キヤノン)  
11.WTB 三木 貴史(経卒・電通)  
12.CTB 仲宗根 健太(総4)  
13.CTB 増田 慶介(環卒・東芝) →22分22.柚木 大佑(商3)
14.WTB 位田 陸(法2)  
15.FB 新甫 拓(経3)  
 

慶大のキックオフで始まった試合は序盤から両チームが良さを出しあう形となる。2分慶大は中盤のラックから出たボールをSO和田(政卒・キヤノン)が大きくゲインし、相手を引き付けながらフォローに走っていたLO村田(環卒・NEC)に絶好のパス。パスを受けた村田が相手を引きずりながらインゴール左にトライを決める。昨年まで慶大でプレーしていた2人による活躍で幸先よく先制した。このまま流れを掴むかと思われたが逆に5分に明大得意のモールで押し込まれトライを許し同点に追いつかれてしまう。さらに14分にもトライを許し7ー14とれ、流れを明大に奪われてしまう。ここまで攻めながらもミスでチャンスを逃し続けていた慶大が再び良さを見せたのは24分、明大のゴール手前15m付近でのオフサイドの反則を素早くリスタートさせると、最後は小澤(総卒・サントリー)が押し込んでトライ。和田のゴールも決まり14ー14の同点に追い付いた。

2トライに絡む活躍の和田

そして試合は次の得点が試合を大きく左右する展開に。両チームが一進一退の攻防を繰り返しスタンドは歓声とため息が交錯していく中、試合が動いたのは終了直前の39分。中盤からラックをつないで攻め上がると、ゴール正面で出来たラックから猪狩(経2)が左へ展開。パスを受けた三木(経卒・電通)が仲宗根(総4)へとつなぎ最後は和田がトライを決めて勝ち越し。ゴールは外れたものの貴重な得点を奪い19ー14とした。残り時間は約1分。勝利をほぼ手にしたかと思われたがその直後。明大キックオフのボールを明大がキャッチし、そのままインゴール中央にトライ。ゴールも決まり明大に逆転を許すとそこでノーサイド。終了直前のまさかの失点で今日の第一戦を落としてしまう結果となってしまった。

By Hiroki Nakajima

 

選手のコメント

仲宗根主将
(今日の試合を振り返って)多くのOBの方々に来ていただいて、2日前の練習から本番まで現役にはとても良い刺激になりました。(OBの選手とのプレーだったが)今まで対外試合とかはなく部内でだけやっていたので、トップリーガーの人達の練習に対する姿勢や、ラグビーそのものに凄く学ぶものがありました。(OBから学んだものは具体的には)一番感じたのは練習に取組む姿勢が前向きで、ポジティブにやっているなと感じました。(印象に残ったOBの選手は)やっぱり栗原さんが凄くキャプテンシーのある方で、自分もキャプテンなので見習わなければと思いました。(今日の試合はチャリティーマッチとなったが)僕は4月に義援金募金の活動を行っていたので、一人一人の力が集まれば大きな力が生まれるということを感じました。(これから対外試合が始まるが)春は一人一人が挑戦していって秋にまとまればいいと思っているんで、僕も含めみんなで挑戦して行きたいです。

村田選手

(試合を振り返って)今日は初めてOBとして試合に出るということで楽しみにしていました。(今日着た黒黄ジャージは学生時代とは違ったか)着た時にいつもと違うな、というのを改めて実感しました。誇りを持って戦おうというのは変わらずに試合に臨みました。(学生の選手たちの印象は)一緒にプレーしていた後輩もいるんですけど、それ以上にあまりプレーを一緒にしたことない選手が多く感じましたね。そういう奴らも頑張っていたのを見て、一緒にプレーして、楽しかったです。(チャリティー活動について)すごく良いことだと思います。こうやって伝統校が集まって日本を元気にしようということで、とても素晴らしいことだと思います。サッカーはチャリティーマッチとかやっていますけど、僕は今まであまりできていなかったので、こういう機会に日本の為に少しでも何かできたので良かったです。(学生の選手に一言)どの大学も主力の4年生がごっそり抜けて、チャンスの年ですし、練習も厳しいのを頑張っているみたいなので、絶対に日本一になれると思うので、頑張ってもらいたいです。

小澤選手

(黒黄ジャージを着て)僕にとって久しぶりの試合でしたが、先輩たちも一緒にプレーしたことで、黒黄ジャージの伝統などを感じました。自分のプレーで東北の被災者の方や後輩にも何か伝わればいいな、と思って臨みました。(試合を振り返って)今日は僕として

はのびのびやろう、と思っていました。まわりの出場されている方々も有名な先輩方ばかりだったので、気持ち的にはのびのび、自由に出来たと思います。(現役の選手たちの動きは)試合前に練習に行っても、みんな意識高くやっていました。コンタクトの部分も

激しくやっていました。新体制になって、今までと違う部分もすごくのびてきているのだな、と感じました。(40分という時間については)久しぶりだったので、2試合とも出てもつのかな、と思っていましたが、悪くはなかったと思います。(現役の慶大選手に一言)今与えられた立場で全力で頑張れば、必ず良い結果がついてくると思います。僕も頑張るので、一緒に頑張りましょう!

和田選手

(黒黄ジャージを久々に着てみて)また新鮮な気持ちで着ました。社会人という立場になって、学生と試合が出来るのを楽しみにして、今日は臨みました。試合は負けてしまいましたが、僕自身も良い刺激をもらいましたし、良い1日になったと思います。(現役生たちの動きは)まだ本格的なコンタクトの部分はなかったと思いますが、これからいろんな試合をやっていくうちに成長していってくれる気がしました。(震災のチャリティーマッチだったが)常日頃からいろいろな方の支えがあって自分はラグビーできていると思っていますし、感謝しなければいけないと思っています。試合がチャリティー活動につながることは嬉しいです。こういう試合でプレーできたのは、一人のラグビー選手として幸せに思います。(試合を振り返って)明大戦の40分はあっという間でした。ディフェンスやアタックに忙しかったですね。最後にスルリと勝ちが奪われてしまったのはすごく残念でした。(キックの出来は)久々に試合したんですが、入ったものに関しては良かったです。ちょっと詰めが甘いところもあったかな、と思います。社会人チームでも練習し、またオール(早慶明)で帰ってこられるように頑張ります。(現役慶大選手たちに一言)1日1日を大切にしていってほしいですね。僕も頑張るので、一緒に大きい目標をもっていきたいです。

三木選手

(今日が引退試合という形になりますか)もう引退したつもりだったんですけど、急遽2週間ほど前に出てくれと。よろこんで出させて頂きました。自分は引退したつもりだったんですけど復活試合という形になりました。これを機に来年の全早慶明を目指していこうと思います(笑)。(今日の試合どのような気持ちで臨まれましたか)色々考えるところはあるんですが、純粋に自分の現役時代のプレーを見込んで出さしてもらったと思う。自分に課せられたのはあれこれ考えずに現役の自分に近づけるようなプレーをすることが自分の役目だと思って気持ちだけは強く持ってプレーしました。(その達成度は)まだまだかなという感じです。(プレーをする中で後輩に向けて意識していた点は)試合始まる前からタックルだけは頑張ろうと思ったんですけど、全然できなくて。ただ気持ちだけは込めてプレーしました。(全明大戦で14番だった位田選手について)完全に僕の数段上を行っていたなと。うれしいです。

増田選手
(今日の試合を振り返って)久々に黒黄を着られたのでうれしかったです。(久々の黒黄の着心地は)一昨日日吉で練習した時も新鮮な気持ちになれたし、今日も着ると気がひき締まりました。一人のラグビープレイヤーとして何か出来ればいいなという気持ちで頑張りました。(現役の選手とのプレーはどうだったか)去年は4年生が多くてほとんどの選手が抜けてしまったので、今日出ていたメンバーでも去年まで下のチームでやっていたメンバーが新チームになって頑張っていたみたいで、思いがけない選手が試合に出ていたので、そういう新しい選手が出てきたことはうれしいです。(現役選手と話はしたか)卒業してまだ時間がそこまで経っていないので普通通りに話せました。(早大、明大はどんな存在か)対抗戦の中でも特別に負けられない相手でそれは卒業しても同じなので、黒黄を着るからには勝ちたかったのですが個人的にもまだ体作れてなくてあまり貢献出来なかったのでそこは悔しいです。(今日はチャリティーマッチであったが)直接的に何か出来たってわけではないとは思いますが、こういう企画で多くの人に集まってもらえることで被災地に関わっていけると思うのでもっとこういうイベントがラグビーだけでなく他のスポーツでも出れば良いと思います。(現役の選手達へのメッセージ)監督も変わって新しいスタートだと思います。日吉に行った時もとても激しい練習をしていて、凄く期待出来るなと思いました。みんなが日本一を目指して、日本一に見合った行動を毎日頑張って、僕らが果たせなかった日本一を達成して欲しいです。

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