【ラグビー】仲宗根組の初陣は課題が残る敗戦に 関西学院大戦

タックルする仲宗根主将

田中監督の初陣、仲宗根組の初戦・関大戦が近鉄花園ラグビー場で行われた。主力の大半を占めていた選手が卒業し、昨季の最終戦からリザーブを含めると入れ替わったメンバーは実に20人。正に新チームとなっての初戦を白星で飾りたいところだったが、ディフェンス、アタック両面で課題を残して22‐31の敗戦となった。

 

オープン戦

2011/05/15(日)12:00K.O@近鉄花園ラグビー場

得点
慶大 チーム 関西学院大
前半 後半 VS 前半 後半
1 3 T 2 3
0 1 G 1 2
0 0 PG 0 0
0 0 DG 0 0
5 17 小計 12 19
22 合計 31
【得点者】(慶大のみ)

T=前39分服部、後7分位田、後12分新甫、後40分武藤

G=安村

出場選手
ポジション 名前(学部学年) 交代選手
1.PR 古田 哲也(環4) →後10分16.土岐 昇平(総4)
2.HO 高橋 浩平(経4)  
3.PR 山田 亮介(環3)  
4.LO 遠藤 洋介(環3)  
5.LO 伊藤 悠(商4)  
6.FL 濱田 大輝(総2)  
7.FL 佐藤 大朗(総3) →後0分18.三輪谷 悟士(総4)
8.NO8 明本 大樹(総4) →後0分19.鹿児島 昌平(経3)
9.SH 猪狩 有智(経2)  
10.SO 中村 圭介(総4) →後10分21.安村 直樹(総4)
11.WTB 服部 祐一郎(環1) →後21分22.武藤 拓也(環2)
12.CTB 仲宗根 健太(総4)  
13.CTB 柚木 大佑(商3)  
14.WTB 位田 陸(法2)  
15.FB 新甫 拓(経3)  
 

ゲインする伊藤。今年はラインアウトリーダーを務める

 試合開始直後から慶大は劣勢に立たされる。関学大のCTBを中心とした縦の突破や、大外に振るアタックで押し込まれていき自陣に釘付けにされてしまう。ゴールライン前でディフェンスし続けるが、7分にラックサイドから押し込まれて先制トライを奪われた。その後も慶大の持ち味であるタックルの出足が遅く、なかなか流れを変えることができずにディフェンスの時間が続いてしまう。19分にはまたもゴール直前のラックから押し込まれてトライを決められ、0-12とビハインドに立たされた。

前半を半分も終わると慶大は徐々にリズムを取り戻していく。SH猪狩(経2)の早い球出しでテンポを上げていき、敵陣でプレーする時間も増えていった。しかし、マイボールラインアウトをキープできなかったたり、ゴール前でペナルティを犯してしまうなど、トライにつなげることができない。そして点を入れられないまま迎えた39分、待望のトライが生まれる。ハーフライン右でできたラックから猪狩‐SO中村(総4)‐CTB仲宗根主将(総4)と広く展開すると、ボールは1年生ながらスタメンに名を連ねる服部(総1)へ。左でできたスペースを、180㌢の恵まれた体格を武器に相手を振り切って40㍍近くを走り切りトライを決めた。立ち上がりに課題を残したものの、最後に良い形を残し5-12で前半を折り返した。

2トライに絡んだ新甫

後半の立ち上がりは慶大ペースとなる。開始直後からフェーズを重ねて敵陣でアタックしていくと、8分に中央にできたラックからHBを経由するとFB新甫(経3)が相手を引き付けつつWTB位田(法2)へパス。位田はスピードを生かして相手ディフェンスの間をすり抜け、右中間へトライを決めた。さらに勢いに乗る慶大は12分に猪狩がハーフラインから裏に蹴ったボールに新甫が追いついて追加点。15‐12とこの試合初のリードを奪った。

その後も慶大ペースで試合は進むが、トライを奪えずにいると試合は関学大の展開に。マイボールラインアウトを取られてから、カウンターをくらうと中央にトライを決められて19-15と逆転を許してしまう。ここから再逆転を目指す慶大だが、関学大の大きく外へ回すアタックに対して苦戦。相手Bksのゲインを止められずに34分、38分と続けてトライを決められて15‐31と離されてしまった。しかし、最後に慶大も意地を見せる。40分を過ぎたところで、慶大が目指す展開ラグビーを見せて途中出場のWTB武藤(総2)がトライ。22‐31でノーサイドを迎えた。

 「1対1の勝負」(田中監督)をテーマに掲げたこの試合。課題は多く、とりわけタックルをはじめとしたディフェンス面で色濃く表れた。しかし、昨季はAチームで出場機会が無かった選手たちが大勢出場していただけに、経験は何事にも変え難い糧となっただろう。「全ては秋に勝つため」(監督)のステップとするために成長は止められない。

期待の1年生・服部

【ケイスポ的MOM】新人・服部が躍動!

 エース・三木(経卒)や快足トライゲッター・金本(理卒)ら、主力が大勢抜けてしまったWTBに新星が現れた。服部祐一郎(総1)だ。初のAチームでの試合となったこの日も堂々としたプレーを披露。1トライを挙げるなど、チームの中でひときわ明るい輝きを放った。残念ながら後半21分に負傷交代してしまったが、「秋に向けての明るい材料」(監督)と語るように今後の成長・活躍が期待される。

By Tomoki Kakizaki

 

監督・選手のコメント

田中監督

(試合を振り返って)新しいチームになって初めての15人制の対外試合で、ここ2か月間やってきた1対1の勝負をテーマにしました。通用した場面と通用しなかった場面がありましたね。今日はゲームプランというのをあまり立てずにやっていたのですが、その割には選手一人一人が場面によってよく考えてやってくれたと思います。多くの課題、多くの収穫があったので、そこをプラスに変えていきたいですね。全ては秋に勝つための経験とできるように、精一杯やっていきたいと思います。(具体的な課題や収穫は)課題については、2人目の寄りが遅いこととタックルですね。タックルが外される場面が多かった。タックルはけっこうやってきたつもりだったんですけど、外されてしまったので、ディフェンス大きな課題です。ブレイクダウンの2人目のアシストプレイヤーの寄りの速さをこだわっていきたいですね。アタックではボールを持ったプレイヤーがゲインラインを越えていけない。もう一歩二歩足を掻いてレッグドライブをしてボールを運ばないといけませんね。収穫についてはボールを大きく速く動かすことは最後に良い形でできました。横にボールを振ることはできるけれども、縦に運ぶことができないのが我々に欠落していることなので、ボールを運ぶスキルを整備していきたいと思います。(メンバー選考については)ウチの今のベストメンバーですね。怪我をしている選手は出れないので、今いる選手の中で一番良い選手を選びました。1年生の服部選手については)良い選手ですね。彼は思い切りも良いし、足も速いのでトライを取れるトライゲッターと考えています。今日は良いタックルもありましたし、良い形でトライも取っているので、秋に向けての明るい材料だと思います。大学ラグビーに慣れてもっともっと伸びていってほしいですね。(栗原副将や小川選手などの状態は)怪我をして、大分回復していると思います。でも、彼らが去年出たからといって今年は出れるわけではないので、彼らも部内の中の争いに勝つ必要がありますね。怪我が治ったら次は怪我を再発させないような体作りをしてもらいたいです。もちろん実績のある選手なので、彼らの経験値はチームにとって財産ですし、その財産を生かしてほしいですね。(帝京大戦に向けて)今までと変わらないですね。帝京戦もいままでやってきたことをやるだけです。勝負の勝ち負けよりも、取り組んできたことをどれだけやれるか。特に1対1の勝負のところですね。我々の今年のスタートは大学選手権で帝京大学にブレイクダウンとスクラムで圧倒されてしまったことにあるので、それに対してこれまで自分たちが取り組んできたことをどれだけ出せるかチェックをしたいと思います。

仲宗根主将

(振り返って)去年Aチームでない選手が多く出て、今日初戦だったんですけど、受けてしまったかなというのが試合を終わってみての印象ですね。受けてしまって、相手のラグビーをやられてしまったという感じです。(前半、自陣での戦いを強いられたが)最初の10分、20分受けてしまったのが、相手を行けるという風に考えさせてしまった。(ディフェンスで抜かれるシーンも見られたが)最初の1人目が受けてしまったので、セットが遅くなってしまい、自分たちの状況でない状況になってしまった。最初のコンタクトでどれだけ良いタックルをするかだと思う。(アタック面では積極的にボールを展開したが)慶應のラグビーはボールを動かすというラグビーなので、自陣からも積極的にパスを回した。(最後連続で失点を喫したが、体力的に厳しかったか)体力的には全然慶應の方が厳しい練習をしているので負けなかったと思うが、失点は自分たちのミスでボールを拾われて、トライを取られてしまったのかなと思う。(次戦・帝京大戦に向けて)去年引退させられたチームなので、受けて出るべきじゃないし、気持ちがある選手が黒黄を着て、帝京に刺さるタックルをしたいと思う。

高橋浩

(振り返って)良いところと悪いところがはっきりと出た試合だったと思う。(前半早い時間に失点してしまったが)やはりキックオフでうまく自分たちのボールにできなくて、そこから自陣に釘付けになったので、自陣にいると攻められないので、やはり早くあそこでしっかりボールを取って、自陣から脱出するということを意識しなければならないところなので、キックオフの練習は今後しっかりやっていかなければいけないと思う。(オフェンス、ディフェンスともに課題が出た試合だと思うが)オフェンスは1人目が早く倒れてしまっているというのがあって、1人目で倒れてしまうことはしょうがないことなので、1人目のドライブスローターも課題だが、そこに加えて2人目が早くサポートしてあげるとい うのが、今日の試合でできているところとできていないところの差が激しかったので、できているところはゲインしてますし、できてないところは差し込まれてしまっていたので、そういうムラをなくしていけるように、2人目が入ることがスタンダードになるようにしっかり練習していきたい。(ブレイクダウンでターンオーバーされるシーンもあったが)やはりサポートが遅いというところがあって、2人目の寄りの部分で相手の1人目に絡まれてしまって、(ボールが)出なかったというのが多かったので、2人目がボールに働きかけるようにさらに意識していきたい。(ディフェンスについて)ディフェンスもインサイドブレイクとかされているので、内からしっかり上がっていくというのを徹底して、去年もできていたので、今年のチームもできると思うので、慶應はディフェンスのチームなので、31点も失点している場合じゃないので、やはりディフェンスから流れを作れるようにタックルすることももちろんだが、コミュニケーションを横で取って、インサイドブレイクされないようにしっかり修正していきたい。(ラインアウトで乱れてしまったが)練習でやっている高さにどうしても試合中になるとできなくなっているというのがあって、僕がいつも投げているが、寄りの遅さだったり、上げるスピードが遅かったり、上がりきらなかったりというのがあったので、きつい中でもそういう精度を高められる練習を入れていきたい。(セットプレーはまだまだ練習を積む必要があるか)ラインアウトは去年非常に安定していたので、あそ このレベルまで早く持っていきたいと思う。(次戦・帝京大戦に向けて)やはり帝京はFwdが売りだと思うので、小さいですけど、まず気持ちの面から帝京にチャレンジしていきたい。

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