【野球】今季初の勝ち点を獲得! 渡辺和大の9回14奪三振完封の圧巻投球 清原はソロHR含む2打点の活躍 東京六大学野球秋季リーグ戦 東大3回戦 @明治神宮野球場

野球戦評

今季初の勝ち点獲得へ向け、東大3回戦に臨んだ慶大。4回、先頭の4番・清原正吾(商4・慶應)のソロ本塁打で先制すると、続く5回にも2死二塁から清原が適時打を放ち、追加点を挙げる。6回には、この日先発を務めた渡辺和大(商2・高松商業)の適時内野安打で3点目を加え、着実に点数を重ねた。勢いに乗った渡辺和は、7回1死から5者連続三振を奪うなど圧巻の投球で東大打線を寄せつけない。1人で9回を投げきり、被安打4、14奪三振の素晴らしい投球内容で今季初の完封勝利を挙げた。今季初、そして春季の立大戦以来となる5カードぶりの勝ち点を獲得した。

 123456789
東大0000000000
慶大00011100×3

◆慶大投手成績

 投球回打 者投球数安 打本塁打四死球三 振失 点自 責
渡辺和大9321124021400

前日は3安打1得点と打線が振るわず、東大相手に4季ぶりの黒星を喫した慶大。丸田湊斗(法1・慶應)を1番・中堅、林純司(環1・報徳学園)を7番・遊撃と、2人の1年生を先発に抜擢した。また、主将の本間颯太朗(総4・慶應)も6試合ぶりとなる先発出場を果たすなど、スタメンを入れ替えて臨んだ。先発マウンドには、東大1回戦で8回3失点と好投を見せた渡辺和が上がった。

序盤は東大先発・渡辺向輝(農3・海城)の好投もあり、前日同様に走者をあまり出せない重苦しい展開。4回、重い空気を一掃したのは4番の一振りだった。先頭打者として打席に立った清原が甘く入った初球の変化球を振り抜くと、打球はあっという間に左翼席へ。今カード3戦目にして初めての先制点となる2号ソロ本塁打を放った。

1本塁打含む2安打2打点の大活躍の清原

5回には、2死から3番・水鳥遥貴(商4・慶應)が内野安打で出塁後、清原の打席の3球目で盗塁を決める。カウント2ー2と追い込まれた状況ながらも、外角の厳しい球を左手一本ですくい、巧みに右前適時打を放った。清原は2打席連続打点と4番の役目を立派に果たしてみせた。

続く6回は、この日スタメン抜擢の7番・林、8番・渡辺憩(商1・慶應)の1年生2人の連打で2死一、三塁のチャンスを作る。9番・渡辺和が一、二塁間へ適時内野安打を放ち、自らを援護する3点目を追加した。

連日投打で活躍する渡辺和

先発の渡辺和は、序盤から内、外へのコースの投げ分けが抜群で、中盤に入っても精度は全く落ちなかった。緩急を使った投球で、東大打線を7回までわずか3安打に抑え込む。8回、東大打線は状況を打開しようと3人連続で代打を送り出すが、渡辺和が圧巻の3者連続三振に抑える投球を披露する。渡辺和は、9回にも144km/hを計測するなど球威も最後まで落ちることはなかった。9回に2死一、二塁のピンチを招くも、最後はこの試合14個目の三振を奪い、マウンドを1人で守り切った。

渡辺和は東大戦2試合に先発し、17イニングを投げて3失点と安定した投球を見せ、この秋の成長を確かなものにした。また、打撃面でも2試合で5打数3安打と投打にわたって活躍し、勝ち点獲得に大きく貢献した。この日の完封勝利で、渡辺和の今季の防御率は1.50となり、エース外丸の不調の穴を埋める重要なピースとなっている。

エース・外丸の穴を埋める活躍

また今季全試合4番に座っている清原は、東大戦3戦で12打数6安打と好調をアピール。この日は、逆方向への柔らかい打撃も見られるなど調子の良さが伺える。しかし、チームとして今季初の二桁安打となる11安打を放つも、残塁が響き3得点に終わるなど課題も残る試合となった。次戦は、空き週を挟み法大との試合に臨む慶大。法大戦では、打撃陣が奮闘し2つ目の勝ち点を獲得することに期待したい。

 

(記事:鈴木啓護、写真:加藤由衣、大泉洋渡)

タイトルとURLをコピーしました