4月25日、関東大学ラグビー春季交流大会が開幕した。2季ぶりの春季大会Bグループ優勝を目指す慶大は、ホーム・日吉グラウンドに日本体育大学を迎えた。序盤からアグレッシブなパスワークで日体大を翻弄した慶大は、4トライを挙げて26-0で試合を折り返す。後半もメンバーを入れ替えながらじわじわと得点を重ね、疲れが見えた終盤に複数トライを許したものの、48-19の快勝でスタートダッシュに成功した。
2026年4月25日(土)第15回関東大学ラグビー春季交流大会Bグループ vs日本体育大学 @慶大日吉グラウンド
◯慶大 45{26-0,19-19}19 日体大●
第15回関東大学春季交流大会Bグループ 第2節 | ||||
慶應義塾大学 | 2026/04/25 (土) | 日本体育大学 | ||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
4 | 3 | トライ(T) | 0 | 3 |
3 | 2 | コンバージョン(G) | 0 | 2 |
0 | 0 | ペナルティゴール(PG) | 0 | 0 |
0 | 0 | ドロップゴール(DG) | 0 | 0 |
26 | 19 | 計 | 0 | 19 |
45 | 合計 | 19 | ||
前半5分 森(T) 前半6分 田村(G) 前半14分 草薙(T) 前半16分 田村(G) 前半26分 キーヴァ―(T) 前半27分 田村(G) 前半39分 草薙(T) 後半11分 松田(T) 後半12分 田村(G) 後半19分 井吹(T) 後半20分 田村(G) 後半44分 岡田(T) | 得点者 |
後半30分 小川(T) 後半31分 ラコマイソソ(G) 後半34分 太田(T) 後半42分 ラコマイソソ(T) 後半43分 ラコマイソソ(G) | ||
慶應義塾大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 小川 士潤 | 172/100 | 経3 | 慶應 |
2 | 藤森 貴大 | 173/102 | 経4 | 慶應 |
3 | 中谷 太星 | 180/115 | 環3 | 東福岡 |
4 | 岡田 海世 | 184/92 | 環2 | 清真学園 |
5 | トーマス ニコラス パパス | 199/106 | 総2 | Anglican Church Grammar School |
6 | キーヴァー ブラッドリー京 | 182/90 | 総3 | 常翔学園 |
7 | 茅 万希司 | 179/84 | 環2 | 慶應 |
8 | 中野 誠章 | 176/107 | 文3 | 桐蔭学園 |
9 | 森 航希 | 170/75 | 環4 | 桐蔭学園 |
10 | 脇 龍之介 | 171/83 | 商3 | 慶應 |
11 | 武居 泰獅 | 178/82 | 法3 | 桐蔭学園 |
12 | 松田 怜大 | 174/86 | 環4 | 桐蔭学園 |
13 | 諸田 章彦 | 172/82 | 環3 | 桐蔭学園 |
14 | 草薙 拓海 | 176/88 | 政2 | 桐蔭学園 |
15 | 田村 優太郎 | 174/80 | 環3 | 茗溪学園 |
16 | 井吹 勇吾 | 175/101 | 環3 | 桐蔭学園 |
17 | 山北 響己 | 178/108 | 経2 | 慶應志木 |
18 | 野口 丈樹 | 175/100 | 商2 | 慶應 |
19 | 髙橋 優太朗 | 181/97 | 商2 | 慶應 |
20 | 本田 李成 | 180/93 | 政2 | 慶應 |
21 | 尾関 航輔 | 166/70 | 政2 | 慶應 |
22 | 加藤 旭陽 | 166/84 | 政3 | 慶應志木 |
23 | 西機 大河 | 176/78 | 商2 | 流通経済大学付属柏 |
24 | 恩田 優一郎 | 177/100 | 政4 | 慶應 |
25 | 相見 駿太 | 168/75 | 経3 | 慶應 |
26 | 横山 卓哉 | 177/85 | 総2 | 報徳学園 |
日本体育大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 豊嶋 優希 | 170/82 | 体育4 | 日体大柏 |
2 | 内山 怜 | 171/93 | 体育3 | 桐蔭学園 |
3 | 真鍋 二郎 | 182/120 | 体育2 | 佐賀工業 |
4 | 石塚 翔真 | 183/93 | 整復医療4 | 國學院栃木 |
5 | 西田 櫂 | 185/102 | 体育4 | 桐蔭学園 |
6 | 三浦 海 | 173/83 | 体育4 | 長崎北陽台 |
7 | 岡部 義大 | 179/94 | 体育4 | 國學院栃木 |
8 | 千野 太雅 | 172/88 | 体育3 | 國學院栃木 |
9 | 井上 旬 | 160/65 | 体育2 | 大分舞鶴 |
10 | 五味 侑也 | 172/80 | 保険医療4 | 岡谷工業高校 |
11 | 清原 尚己 | 166/63 | 体育3 | 広島工業 |
12 | ラコマイソソ イマニエル | 171/85 | 体育4 | 岡谷工業高校 |
13 | 嘉藤 匠悟 | 174/81 | 体育4 | 大阪桐蔭 |
14 | 石田 一休 | 175/79 | 体育4 | 京都工学院 |
15 | 浅見 友輝 | 177/84 | 体育3 | 東京高校 |
16 | 山本 慧 | 168/90 | 体育4 | 筑紫高校 |
17 | 小野 瑛心 | 180/111 | 体育2 | 平工業高校 |
18 | レワ パエア | 185/120 | 体育3 | 日体大柏 |
19 | 島澤 桜太 | 177/91 | スポーツマネジメント3 | 魚津工業高校 |
20 | 小川 健輔 | 171/87 | 体育2 | 桐蔭学園 |
21 | 夏堀 祐有輝 | 168/87 | スポーツマネジメント4 | 石神井高校 |
22 | 下林 蒼 | 170/85 | 体育2 | 九州学院 |
23 | 白鳥 蓮 | 160/62 | スポーツマネジメント2 | 昌平高等学校 |
24 | 太田 瑛心 | 180/95 | スポーツ文化2 | 東福岡 |
25 | 角田 正道 | 175/80 | 体育2 | 深谷高校 |
26 | 鈴木 太悟 | 173/70 | スポーツマネジメント2 | 湘南工科大附属高校 |
日本一達成に向けて2季ぶりの優勝で勢いを付けたい慶大は、ホーム・日吉グラウンドに日本体育大学を迎えた。昨季4年生が中心となっていたBK陣だけでなく、複数の主力がU20日本代表の活動に参加しているFW陣にもフレッシュな顔ぶれが並んだ慶大。経験値という部分で一抹の不安を抱えながらのキックオフとなったが、新生慶大蹴球部は序盤からフルスロットルで日体大に襲いかかった。

5分、敵陣で相手が陣地回復のキックを試みたところで、FLキーヴァーがこれをチャージ。更にピッチを転々とした楕円球を自ら拾い、5mライン付近までゲインすると、最後はラックからSH森が自らボールを運び出してトライ。さらに「オフシーズンにキックの改善に取り組んできた」と語っていたFB田村が難しい角度からのコンバージョンを成功させ、幸先よく先制する。

好判断で先制トライを挙げた森

慶大に勢いをもたらすトライとなった
先制で勢いづいた慶大は14分、右サイドからSH森→FLキーヴァー→FB田村→LOパパス→LO岡田→WTB武居→SO脇→WTB草薙と8人が絡む華麗なパスワークでピッチを横断。最後は次世代のトライゲッター・草薙がインゴール左隅に飛び込み追加点を挙げた。さらに田村が再び難易度の高いコンバージョンを沈め、点差を14点に広げる。

インゴールに飛び込んだ草薙

この日5本のコンバージョンを沈めた田村
慶大はディフェンスでも魅せる。22分、日体大がBKに展開し、手薄な左サイドのエッジを突かれたが、この日が黒黄デビューとなったFL茅が低いタックルを突き刺すと、高いワークレートを誇るPR小川がすかさずラックに絡み、日体大のペナルティを誘う。安定したディフェンスでピンチの芽を摘み、主導権を握っていく。
25分、敵陣22mライン上で獲得したマイボールラインアウトを起点に猛攻を開始。まずは196cmの長身を誇るパパスがしっかりボールを確保。続いてランで相手を引き付けた森からパスを受けたCTB諸田が左にステップを切りながら1人を剥がし、持ち味の推進力でインゴールに迫る。相手のディフェンスラインが整わないうちに森が茅へ配球すると、虚を突かれた日体大はハイタックルの反則を犯す。立て直しを図る隙すら与えない森はここでクイックリスタートを選択。最後はオフロードパスでキーヴァーに繋いで前半3トライ目を奪った。昨年リザーブとして経験を積んだ森の素早い球出しで日体大を翻弄する。

森(左)からのオフロードパスを受け取るキーヴァー(中央)

タックルを受けながらしっかりグラウンディング
前半最大のピンチは31分、相手ボールスクラムでコラプシングを取られ、フリーキックで自陣への侵入を許すと、直後のラインアウトからの展開で左右に揺さぶられ、5mラインの内側まで押し下げられる。それでも、ここで粘りのディフェンスを続けると、最後はグラウンディングを許さず、窮地を脱した。
すると38分、敵陣でNO8中野が相手に鋭いタックルを浴びせ、ボールを掻き出してターンオーバー。間髪入れずにSO脇が相手の背後にキックを転がし、再獲得とはならなかったものの5mラインアウトを獲得する。このラインアウトは乱れたが、ボールは確保しアタックへ移行。遅れてアタックラインに加わったFB田村が相手のマークを攪乱すると、左サイドへロングパスを放る。このパスを受けたFL茅がBK顔負けのステップで内側に切り込み、最後はタッチライン際で待っていたWTB草薙へ。流れるようなアタックで守備組織を完全に破壊し、スコアを26-0として前半を終えた。

再びトライを挙げた韋駄天・草薙

トライ後、ハイタッチを交わす草薙(左から2番目)
BKだけでなくFWも参加した細かいパスワークで圧倒し、ディフェンスでも昨季の遺産である自陣深くでの粘り強さを発揮。日体大を無得点に抑え、理想的な展開で試合を折り返した。
後半開始早々、自陣深くに攻め込まれた慶大だったが、ここでも前半同様のしぶとい守備を発揮。日体大のモールによる猛攻をしのぎ切り、陣地を回復。そして47分、今日最初の交代カードを切る。持ち味のスティールと豪快な突破を見せた中野に替えて127代主将・恩田を、テンポの良い配球でアタックをけん引した森に替えて2年生の尾関を投入した。
直後の50分、LOパパスの鋭いタックルを合図にFW陣が圧力をかけてターンオーバーし、自陣10mライン付近から速攻に転じる。CTB松田、WTB草薙のランで20mほどゲインすると、相手のマークから外れたLOキーヴァーがラインブレイクし、サポートに入ったSH尾関へパスが渡る。最後は再びパスを受けた松田が相手ディフェンス4人を置き去りにする圧巻のランで後半最初の得点を奪った。


華麗なステップで相手を置き去りにした松田
得点後、SO脇に替えて西磯を投入。西磯がFB、田村がSOに入る。
攻撃の手を緩めない慶大は58分、敵陣深くでマイボールラインアウトを確保したところで、フロントローの小川、藤森、中谷に替え、山北、井吹、野口丈を、FLの茅に替えて本田を投入。直後のラインアウトでこの日初めてのモールアタックを選択。今季からHOにコンバートされた井吹がグラウンディングし、日体大を突き放す。

トライを挙げ、キッカーの田村にボールを託す井吹(奥)
60分にCTB松田に替えて横山を、65分に武居に替えて加藤を投入した慶大。追加点は奪えないながらも無失点のまま推移してきた試合だったが、70分にキックチャージからついに初トライを許すと、さらに2トライを加えられる。
序盤からハイテンポなラグビーを展開し続けた影響で、時間経過と共に疲れが見られた慶大。70分にCTB諸田に替えて相見、76分にはFLキーヴァーに替えて髙橋を投入し、再びエネルギーを注入した。
ロスタイムに突入した84分、最後の力を振り絞った慶大は敵陣でボールを奪い返す。まずはラックサイドをFB西磯が突破。LOパパスが体格を活かしたゲインを見せると、BK陣がパスを回して揺さぶりをかける。そして、初黒黄でフル出場を果たし、何度もパワフルなゲインを見せていたLO岡田がインゴールへ飛び込む。最後の最後に執念のトライを見せ、スコア45-19で試合を締めくくった。

フル出場、1トライと猛アピールを見せた岡田
127代蹴球部は初陣を快勝で飾った。初黒黄を飾ったメンバーも少なくなかった中で、危なげなく勝利したことは大きな意味を持つ。内容に目を向けても、テンポの速いパスラグビーに挑戦し、理想的な崩しからトライを挙げることにも成功。守備でも、自陣深くでの粘り強さという遺産に加え、ラックに圧力をかけてボールを奪い返すという進化も見られた。80分通したプレー精度、強度の維持という課題は見られたものの、裏を返せば伸びしろが残されているということ。目標である日本一達成に向け、蹴球部はこれからも「ALL IN」し続けていく。
♢SH・森航希(環4・桐蔭学園)

ーー今日の試合を振り返って
特に前半に関しては、このオフの期間にずっとベーシックスキルだったりとか、あとはBKだったらそのエリアマネジメントをずっと練習してきて。そういった部分はしっかり発揮できたのかなっていう風に思います。
ーー試合中、意識していたことは
ディフェンスのところです。ディフェンスのシステムが今年から少し変わって、僕のポジションのSHはコミュニケーションに関与するところなので、コミュニケーションは特に自分自身結構意識してやりました。
ーートライの感想
ディフェンスとしてしっかり前に出るっていうのは結構練習してきた部分でもあったから、全員で前に上がって、チャージして、最終的には自分がトライできた。慶應のトライのシナリオの部分ではあったので、自分がそこに関与できて良かったなと思ってます。
ーーチームとして開幕に向けて準備してきたこと
接点の部分ですかね。この試合は(春季大会)初めてのメンバーもすごいたくさんいて、やっぱ緊張しちゃうっていう中でも、しっかり一人ひとりが体をぶつけてゲインラインの部分を切っていこうってところは特にアタックの部分で話した部分であった。そこで今日は課題もありますけど、結構達成できたって部分では次に繋がることなんじゃないかなと。
ーー四年生になって意識してること
そもそも自分の代は人数が少ないし、試合に出てるメンバーっていうのもすごい限られてくる。そういった中で、やっぱり4年生として去年(多くの公式戦を)経験できて、ちょっと余裕みたいなものがある。去年は自分だけにしかフォーカスできなかったけど、今年はちょっと余裕がある分、周りにも声掛けをしたりして最上級生としてなんとか貢献できたらなと思います。
ーー今後に向けて
今後も強豪校との試合が続いていくので、そういった中でも一人ひとりがベストパフォーマンスを出せるような練習に励んでいこうかなと思います。
♢CTB・松田怜大(環4・桐蔭学園)

ーー開幕戦を振り返って
初戦なので上手くいかないことも多かったですけど、次に向けて改善していきたいです。
ーーチームとして、オフシーズンに取り組んだことの成果はどれくらい発揮できたか
まだ全然発揮できてないかなと思います。やってきたことは間違ってないと思っていますし、これくらいじゃないと思っているので、もう一回それをチームのみんなに伝えて、次の試合に向けて改善していっていきたいと思っています。
ーー具体的にはどういった部分が足りていないか
細部にこだわってやってきたので、今日の試合ではミスが続いてしまったので、そこをもう一回やってきたことを確認してみんなに伝えていけたらなと思います。
ーー今季からインサイドCTBにコンバート。プレーする上で意識していることは
常にチームを前に出すこと。しっかりディフェンスでチームに貢献することを意識していて。自分がボールを持って前に出ること、そしてディフェンスの時は自分がタックルして前に押しあげることを意識して常にやっています。
ーートライを振り返って
アタックの時はチームを前に出すことを意識しているので、たまたま自分の前にスペースがあったのでしっかりそこを見て走れたのは良かったなと思います。
ーーテンポが速く、消耗の激しいラグビーだと思われるが、80分間強度を維持する鍵は
日本一の運動量のチームを最終的には目指しているので、日頃の練習、そしてチームの全員がハードにワークすることを、単純なことかもしれないですけどそこが肝だと思います。
ーー次戦に向けて意気込み
次の試合は今日出た課題をしっかり改善してチームとしてもっと良いラグビーができるように頑張ります。

インタビュー後の森(左)と松田。 小学校時代からの旧知の仲で、同じ試合で黒黄に袖を通したのはこの日が初めてだった。
(取材/記事:神谷直樹、島森沙奈美、月井遥香 記事:髙木謙)

