慶應スポーツ新聞会

【アイスホッケー】早慶戦 気迫こもったホッケーでドローに持ち込む

試合終了後、リンクにて集合写真を撮る選手、スタッフ

 グループB降格という悪夢を味わってから約3週間。慶大が東伏見に戻って来た。この日は今季同じリーグでしのぎを削った早大との定期戦。今季のチームの目標の一つである「早慶戦勝利」に向け、気迫のこもる戦いを見せた慶大は最終第3ピリオドに同点に持ち込みドロー。勝利とはならなかったが、今までとは違う進化した慶大の姿を垣間見せた一戦となった。 



第75回早慶アイスホッケー定期戦

2010/12/18(土)17:09 FO@ダイドードリンコアイスアリーナ

早稲田大学3-3慶應義塾大学

{得点者 慶大のみ} 似鳥、小坂、荒谷

攻め上がるFW種田(経1)

 第1ピリオド、まずは守りを固め失点を防ぎたい慶大だったが思わぬ展開が待っていた。FO直後、パックを自陣ゴール前まで運ばれるとチェックがルーズになったところを突かれあっさり失点。慶大にとっては想定外の立ち上がりとなってしまう。そしてその後も苦しい展開が続く慶大。ルーズパックをことごとく早大に奪われ自陣での戦いを強いられる。4分にはGKと1対1の局面を作られるが、ここはこの日復帰したGK長嶋(経4)がナイスセーブを見せ、追加点は許さない。その一方、何とかこの状況を打開したい慶大だが、DFにミスが目立ちまったく相手ゴールを脅かすことができない。そんな中迎えた14分、FW金村(経2)がパックを奪いFW荒谷(経3)にパス。荒谷がシュートを放つもこれはゴール左へ外れてしまう。そしてその後は攻撃の手を緩めない早大に対し、カウンターの機会をうかがう慶大。しかし大きなチャンスを作るまでには至らず、このまま第1ピリオドが終わるかに思われた。ところが終了直前、退場者を出した慶大は攻め込まれ、最後はゴール前での混戦から押し込まれ失点。2点ビハインドで第1ピリオドを終える。

相手とパックを奪い合う似鳥

 「スタッフの方から喝が入って」(FW児玉・経4)臨んだ第2ピリオド。第1ピリオドとチームが変わったかのような姿を見せる。開始直後にFW似鳥(環3)がシュートを放ち攻撃に出ると、DF面でも集中を切らさずシュートも身体を張ってブロックし、得点を許さない。そんな中、7分には荒谷が左から持ち込み似鳥とのワンツーで抜け出しシュートを放とうとするが、ここはパスがわずかに乱れてしまう。しかし流れは徐々に慶大へ。11分には似鳥が相手からパックを奪い、GKと1対1になりシュート。これはGKがセーブしたかに見えたが、パックはわずかにゴールラインを越え、ゴールランプが点灯。慶大が1点を返す。しかしこの勢いで同点に追い付きたい慶大だったが、この後は退場者を出し、一転苦しい展開に。だがここは粘りを見せ1-2で第2ピリオドを終了した。

値千金の同点弾を決めガッツポーズを見せる荒谷

 今季、第3ピリオドで力を発揮してきた慶大は3分、すぐにその力を見せる。FW松山(商3)がゴール前に持ち込みチャンスを作ると、最後はGKがパックを見失ったところにFW小坂(商2)が詰め、ついに試合を振り出しに戻す。ところがすぐに落とし穴が待っていた慶大。4分、まさかの失点を許し、再び追う展開に。しかしここで集中を切らさなかった慶大。5分、FOのこぼれ球を拾った金村が持ち込みシュート。これはDFに当たってしまうが、ゴールへの執念を見せる。そして迎えた12分、GKのクリアパックを絶妙な飛び出しで拾ったのは荒谷。そのままパックを無人のゴールに流し込み同点に引き戻す。慶大の歴史的勝利なるか―。ワンプレーワンプレーに歓声が飛び交う中、アリーナのボルテージは最高潮に。そんな中14分、似鳥が自陣で相手からパックを奪いゴールまで持ち込む。しかしシュートを放つことはできず、逆転とはならず。そしてその後も勝利に向け足を止めない慶大だったが、早大の堅守の前に得点を奪うことはできずタイムアウト。だが慶大の2度にわたる同点劇はスタンドのほぼすべてを埋めた観客を大いに沸かせた。

 グループB降格が決定して以降、初の公式戦となったこの日の一戦。第1ピリオドでは思わぬ展開を余儀なくされたが、その後立て直し、早大相手に2度のビハインドを追いついたことは慶大にとって一つ大きな階段を昇った証しだと言えるだろう。そしてこの試合で見せた選手たちの気迫はこの日詰めかけた多くの観客の心を揺さぶったことだろう。慶大に残された大会はインカレのみ。組み合わせ上、勝ち上がるには格上相手との対戦は避けられないが、この日の気迫を持ってすればきっと北の大地でさらなる「進化した慶應」(浅沼監督)の姿を見せてくれるに違いない。

By Daiki Yamamoto

浅沼監督

(慶大のホッケーの「しつこさ」を早大に見せつけた試合だったと思うが)入れ替え戦でああいう負け方をして、それから1週間オフになって、選手たちはたくさん考える時間があったので、我々スタッフも一緒にたくさん考えた。あとは1年間の目標である早慶戦勝利とインカレベスト4とかはあるという中で、しっかりと火をつけて、まずは早慶戦をどうやって戦うかというのを組み立て直していった。セットも多少変えましたし、キーパーの長嶋も状況が良くなってきたので、あとは長嶋の意地とプレーヤーがどれだけ守るかというところで、得点はなかなか取れない相手だと思うので、失点を抑えて、少ないチャンスを活かすことに徹して練習を行った。(セットを変えたというのはやはり流れを変えたいということか)そうですね。あとは選手の調子もあったりだとか、早稲田を相手にするにはどういう組み合わせがいいのかといったことを今までの早稲田の試合を見て、加味してどういった選手に当てていったらよいのか、そのへんを考えてセットを組み直した。(試合開始直後に失点してしまったが)出だしはイージーなミスだったかもしれない。DFがしっかりクリアしていればよかったのと、キーパーも出るまではしっかりパックの位置を確認しておかなければならないかなと思ったが、ちょっと出だしの隙に突かれて失点してしまった。(その後立て直して同点に追いついたのはチームが力をつけたところだと思うが)2ピリを我慢できたところがまずはよかったのかなと思っている。1点、2点のビハインドはやむなしと思っていたので、2ピリをとにかく我慢して、3ピリで完成させるか。ただ今までの試合を見ているとほんとに3ピリの最後の最後で走るチームではあるが、途中集中力が切れたりとかがあったので、とにかく得点をしても浮かれず、平常心を持ってまた次の得点を狙いにいくと。勝敗は最後に決まるものだと。それは徹底した。(今日は最後まで気迫のこもった試合を見せたが選手たちについて)最初の失点でちょっと1ピリ終わった時にベンチの中がちょっと暗かったんですね。0-2でいた時は。ただまだ40分あると。あとどれだけ意地を見せるかだけに懸かっていると。これで終わったらグループBに落ちた慶應はそのレベルだとみんなに言われるだけだぞと、その意地をとにかく出してぶつけろと。その時思いつきだったが、金村にお前が核弾頭になって、流れを変えてこいと言ったら、彼もたくましい顔で「わかりました」と言ってくれたので、2ピリ3ピリの動きも変わってきたと思うし、一人が動けばそれに続くという感じだったので、最後まで集中力を切らさずに、かなりキルプレーが多くて、オーバーメンバーというベンチのイージーなミスもあったので、そこでほんとは落ちてしまうかなと思ったが、かなり頑張ってくれたので。(オーバーメンバーというベンチでのミスが少し出てしまったが)早慶戦独特の音量で、ベンチの声が選手になかなか届かなかいんですね。僕と信田コーチで大きな声で「お前とお前とお前で行くぞ」と話をしてもなかなか届かずに、選手の焦りもあるでしょうし、そこで2人出ちゃうとかで、そこは我々ベンチの反省なので、それはわかっていたことなので。早慶戦の音というのは。ちょっと申し訳なかったなと思っている。(降格が決まってしまってからのチームの雰囲気は)降格が決まった試合の後は、我々スタッフもそうだが、とにかく残念な気持ちでいっぱいだったが、残念な気持ちでいたところで何も変わることはないので、ただ次に行くためにどうするかという時間はあると思うので、それをその後の一週間は選手、スタッフ考えたと思います。我々もそれを考えながらも一方でチームが次にどうやったら勝てるのか、精神面さったり体力面だったりいろいろあるが、それを考えながら選手たちは自分たちで、4年生はあと2カ月の中で何を残そうとするのか。3年生以下は来年どうやって上がろうか、上がるためには何が必要なのかをすごく考えていると思う。今日の試合の後もミーティングで「煙が出るまで考えろ」と、考えて考えてその先に勇気を持って実行しろと。そうすれば何か変わるものがあるだろうと。後悔をしているだけでは進化がないので、我々は進化していかなければならないので、そういうチームにしたいと思う。(インカレへ向けて)まだまだ早稲田に勝てないということは、早稲田より上のチームが当然いるだろうし、インカレでほんとに上を目指すにはまだまだだと思うので、そこの部分の修正をしっかりして、ただ一方でやり方を変えないで最後まで60分間戦い続ける、何かできるところがある、何か通ずるところがあるというのは一つささやかな自信として持ちながら、その先また2週間後進化した慶應でいれることを選手、スタッフ全員が前を向いて進もうと思っている。

氏橋主将

この日も主将としてチームをけん引した氏橋

(今日の試合は3ー3の引き分けという結果だったが振り返って)勝てた試合でしたね。(第1ピリオド開始直後に失点を許してしまったが)フェンスのバウンドの関係もあって、ちょっと予期せぬ方向にパックが跳ねてしまった。キーパーも予期してない方向にきたのだと思う。(その後は慶應らしい粘り強いホッケーを見せたと思うが)第2ピリオドと第3ピリオドでは第1ピリオドのミスをうまく立て直すことができたので、それは収穫だったと思います。(観衆も多く、良い雰囲気の中でおこなわれた早慶戦だったが)本当に色々な方が来てくださってありがたい。(インカレは釧路で行われるため)これが4年生の東京での最後の試合だったので、そこで良い試合ができたというのはずっと心に残るものだと思う。(チームはグループB降格となってしまったが、今のチームの雰囲気は)もちろん一回心が折れた選手もいたのですが、まだ三大目標である早慶戦とインカレという二つが残っていたので、それに向けて全力を振り絞る、全力を出し切るという気持ちでチーム一丸となって今は取り組んでいます。(引退最後の大会となるインカレに向けて)インカレ一回戦は取りこぼさないようにして、勝ち進むと二回戦が法政大学、三回戦が中央大学と強豪大学が待っている。どちらも本当に実力で言えば自分たちよりも強い大学なので、その大学に勝てるように残り二週間全力で取り組んでいきたいと思う。

児玉副将

(振り返って)正直ラッキーな部分があって、3点目もそうですし。でもみんな言っていると思うが、3ピリで追いつくといううちのスタイルが貫けたのでそれはよかったなと思う。インカレにつながる試合だった。(降格が決まってからのチームの雰囲気は)あえて1週間オフにした。そこでみんな一人ひとり考えて、一瞬引退も考えたが、やろうということになって、実業団に行く選手もいないし、ホッケーを僕の場合は20年間やってきたが、そこで本当に最後の1カ月なので、みんなまとまってやってくれたなと。今日やっと同点という一つ結果を出して、ほんとにそれは思う。(今日同点という結果を出せた要因は)ほんとに最後に追いつけたというスタイルができたのがでかいかなとすごく思う。(序盤はパックをなかなか前に運べなかったが)やっぱり1ピリは厳しかったですね。みんな浮足立ってましたね。開始15秒で失点して、最後0秒で失点して。あれはほんとにうちの良くないところだと思うので、しっかり修正したい。(そこから切り替えられたというのは)1ピリ2ピリの間のインターバルの時にちょっとスタッフの方から喝が入って、一回締め直そうということになって、2ピリはペナルティーがうちは多かったが、多いながらも1点追いついてというところまで2ピリで持っていけたので良かったと思う。(副将としての1年間を振り返って)僕が1年の時は部員が25人ぐらいで、すごい少ない中で簡単に一つになれたというのがあったが、今年はマネージャーも入れると40人を超えて、すごい一つになるのが難しいと思ったが、4年生の8人の横の結束が強くて、4年生中心で引っ張ってこれたというのがあるので、でも副将としてはウジ(氏橋主将)にわがままを言いながら、スタッフとウジの間に入ってやってこれたので、インカレ勝って、いい副将でしたと言われるように頑張ります。(インカレに向けて)絶対最終日まで残るので、応援よろしくお願いします。

長嶋副将

この日慶大ゴールに戻ってきた守護神・長嶋

勝てる試合を自分のせいで逃したというのがあって相当辛かったです。味方が3点も取ってくれて引き分けられたが勝てる勝負だったので本当に悔しいです。(引き分けは悔しいという見方になるのか)そうですね。チームとしては秋は引き分けていて勝利するということが第一の目標だった。チームとして悔しいと言えば悔しいが個人的に3失点目は自分のせいだった。それは本当に悔やんでも悔やみきれないです。(春シーズンから比べたらチームの力も拮抗してきたか)そうですね。春に比べたら慶大もかなりトレーニングを積んで強くなったので春よりチーム力は拮抗してきた。今回は相手の主力の1年生がU-20の合宿に行っているのでその分戦力も落ちていた。全力同士の勝負になったら早大の方が上だと思います。(最後の早慶戦にかける思いは)自分は入替戦の5日くらい前にけがをしてしまって、一番大事な試合に出ることができなかった。だから特に早慶戦にかける気持ちは強くてどうしても活躍したかった。だが自分のせいで勝ちを逃したところがあるので本当に悔しいです。(1ピリオドに2点先制されたが)一番最初の始まった十数秒にとられたのが1点目で、1ピリが終わる1秒で取られたのが2点目だった。一番悪い入れられ方をしてしまったのでチームとして1ピリ終わった後の控室は雰囲気が悪かった。2ピリになってだんだん足も回ってきてこっちが点取れたこともあってだんだん雰囲気が良くなってきた。そこから3ピリに向けては慶大の方が攻めている感じで勢いに乗ることができました。(個人としての出来は)1ピリの2失点は個人的にはしょうがない部分があると思ったんですけど、一番大事なところであまりにイージーなミスをしてしまって決勝点になりかけてしまったのが本当につらかったです。次につなげたいです(1対1の場面もファインセーブを連発していたが)リバウンドがすごく出てしまったがディフェンスがどんどん処理してくれたのが大きかった。本当にディフェンスに感謝しています。(インカレに向けて)入替戦と早慶戦とあまりいい思いができていなくて、個人的に悔しい思いがすごくあるのでインカレにもし出ることが出来れば絶対に活躍してベスト4までいきたいです。

小坂

(今日の試合を振り返って)勝つことを目標にずっとやってきたので、勝てなくて残念ですけど、引き分けというかたちで良い試合が出来たので良かったです。(自身の得点シーンを振り返って)それまで自分のプレーがあまり良くなかったのでなんとかチームに貢献しようと思っていた。得点はリバウンドを打つために詰めて、出てきたのを叩いただけです。(リーグ戦が終わりモチベーションを保つのが難しかったと思うが)今日は観客も多く入っていたし、良い試合を見せたいという気持ちも強かった。こういう早慶戦という大きな舞台なのでモチベーション高く臨めたと思います。(試合に臨む前のチームの状態は)直前の練習試合で高校生に負けて、チームの状態はあまり良くはなかったけど、最後の練習を良いかたちで終われて、今日は良い試合が出来ると思っていた。チームも2点目追い付いてからは自分達のホッケーが出来ました。(インカレに向けての豊富は)今年は組み合わせにも恵まれて、格上ばっかりなんですけれど、勝てそうな相手も多いので、出来ればチームとしては優勝を目指して頑張っていきたいです。

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