【ラグビー】関東大学対抗戦開幕直前インタビュー①鈴木達哉主将

いよいよ今週末、慶大蹴球部の秋が始まる。対抗戦開幕を控えた彼らは今何を思うのか。秋季開幕前取材特集第一弾を飾るのは鈴木達哉主将。春季は故障により試合出場はかなわなかったが、中心的立場としてチームをけん引してきたその存在は大きい。“one team”で臨む対抗戦。チームの状況、ケガを乗り越え迎える対抗戦への意気込みを語っていただいた。

 

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――春のチームの総括をお願いします

 

去年から金沢さんがヘッドコーチに就任されまして、去年の春は組織として戦術の落とし込みなどに時間をかけましたが、今年はその土台があるので最初から去年の反省だったり、前に出るディフェンスを意識してやってきました。去年のベースがあったので去年戦術を落としこんでいた時間に今年は実戦的な練習を繰り返すことができました。春はそれを発揮することができ去年よりも勝率は良くて、その点ではすごくよかったと思います。

 

――ご自身は試合に出られないときにどのようなことをされていましたか

 

まず自分自身のリハビリをしっかりしました。チームに関しては今年は副将・BksリーダーそしてFwdリーダーには佐藤大樹(総3)を置き、ジュニアチームなどに4年生のリーダーを置いたので、今年はそこでもミーティングを重ねました。各チームでの反省や問題点についての解決方法を、グレードを越えて話し会う機会を多く作りました。そうやってチームに貢献してきました。

 

――違うチームからの刺激というものはありましたか

 

上のグレードは試合に出られることがモチベーションになっているので意識の高い練習ができていましたが、下のグレードはなかなか試合の機会がなかったり、上にあがるのは難しいと考えている人がいたりするので、そういうチームにはどういうアプローチをしていこうか考えました。逆に上のグレードの人は勝てないときなどに下のグレードはいつもこう調子を上げてるというのを聞いて、いろんな立場の意見をすり合わせることができてすごくよかったと思います。

 

――それでまとまりが生まれたなどはありますか

 

春はけが人が多かったのですが、戦術などのところですり合わせていったおかげで、誰がどのチームの試合に出ても、そこで戦術が合わなかった、ということがなかったですね。

 

――春のリーグ戦の採点をお願いします

 

んー…。60、70点ぐらいですかね。確かに去年よりはよかったのですが、やはり明大や大東大という去年勝てなかった相手と春の時点での差は縮まっていたものの、勝ちきれませんでした。大東大にいたっては最後まで同点だったのに最後にトライを許してしまったので、そこに勝てないと去年より強いチームとは言えないですね。

 

――足りない30、40点はなんでしょう

 

去年負けていて苦手意識があったと思います。また、チームとしてディフェンスに力を入れていたのに大東大や明大とは点数の取り合いになってしまったのが反省点です。

 

――夏合宿では何を考えて、そのような練習をしてきましたか

 

春にディフェンスをチームの強みにすると言っていたのに上位のチームにゲインを許してしまったことがあったので、ディフェンスのレベルをあげました。山中湖2週間、菅平2週間ちょっとの合宿期間で、菅平では帝京大とも戦いました。体作りをしっかり行って、当たり負けない体づくりに取り組みました。帝京大とは課題の残る試合をしてしまったのですが、網走で去年負けてしまった同志社大にも練習試合では勝って、法政大には35点の差をつけて勝ちました。

 

――去年の合宿と変えた点はありますか

 

自分達のラグビーとは数で勝負したり、運動量で上回ったりすることです。そのためには一人一人が何をするか、どういうプレーをするかということを理解しなければいけないので、戦術理解のためのミーティングを多くしました。夕食後に映像を見ながら「このプレーをした時には自分はどうする」という、プレーに対するみんなの考えをすり合わせるということをよく行いました。

 

――合宿を経てチームはどう変わりましたか

 

大きく変わった点は、ディフェンスを重視してきたので練習試合でも点数を取られなくなりました。Aチームに関しては法政大を0点に抑えて、同志社大も1トライに抑えることができたので、ディフェンスは強化されたと思います。セットプレーではラインアウトをとれるようになりまして、そこが安定してきたと思います。

 

――ご自身に関してはどう変化されましたか

 

網走から復帰しまして、身体の筋トレはしていましたが、まだラグビーの動きにはフィットしていません。開幕戦まで時間はありませんが、復帰できたのは大きいですね。

 

――秋は試合に出られるということですか

 

はい。どこに合わせて出るかはわからないですが、徐々にです。

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――現在のチーム状況について

 

今週にジュニア選手権の明治戦が始まって、来週は対抗戦が始まるのですが、チーム状況はいいです。例年は夏合宿を終えてだらけてしまうことがあったのですが、今年はそういうこともなく、チーム全体が目標に向かっています。

 

――目標と言うのは

 

大学日本一、帝京大に勝つということなのですが、そのためには帝京大より良い練習を毎日やっていかなければいけないと言っています。今年はオンとオフの切り替えがうまくいっているので、質の高い練習ができていると思います。

 

――帝京大より良い練習といいますと、常に相手はどういう練習をしているということを考えているのですか

 

相手がどういう練習をしているか以前に、まず自分たちが100%の力を出し切ることが第一です。その積み重ねが日本一に近づくと考えています。

 

――秋のチームをどう引っ張っていきたいですか

 

前に出て体を当てるところを評価されて主将に選んでいただいたので、一番は自分が試合に出てプレーで引っ張っていきたいです。ただ、怪我明けですし、後輩にもいいプレーをする選手が増えてきたので、どのチームでも練習でも試合でも一番体を張る選手でいられたらと思います。

 

――後輩には刺激を受けますか

 

そうですね。負けていられませんね。

 

――成長してきたのは誰でしょうか

 

2年生のNo.8山中(商2)や、3年生で同じバックローのNo.8松村(商3)も上がってきましたね。同期の竹田(法4)は今年の春・夏合宿で成長してきて、すごく刺激になります。

 

―秋季リーグの意気込みをお願いします

 

初戦の筑波大にしっかり勝って、その勢いで帝京大戦を迎えて帝京大に勝利して優勝できたらと思います。

 

――ありがとうございました

 

(記事・木下恵)

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