記念すべき第25回早慶ラクロス定期戦。昨年10年ぶりに敗戦を喫した慶應にとってリベンジをしたい試合だったが、序盤から苦戦を強いられる。相手のパス回しと個の強いアタックに耐えていくも9分に失点。MF白子未祐(文4)とMF力丸絢(法4)のゴールで一時リードを奪うも立て続けに3失点を喫し、前半を2−4で折り返す。後半、1点を奪われながらもMF竹村薫(環4)の得点などで同点とすると、ラスト3分に竹村がこの日2得点目を決め、6−5で劇的勝利。2年ぶりに早慶戦で勝利となった。
第25回早慶ラクロス定期戦
5/21(日) 12:30ドロー
前半 | 後半 | 合計 | |
慶大 | 2 | 4 | 6 |
早大 | 4 | 1 | 5 |
スタメン
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部・学年 | 出身高 | 得点 |
G | 49 | 横田真央 | 経4 | 渋谷幕張 | 0 |
DF | 3 | 大木茉莉 | 総4 | 慶應NY | 0 |
DF | 6 | 望月早紀 | 法4 | 慶應湘南藤沢 | 0 |
DF | 70 | 飯豊広奈 | 政4 | 慶應女子 | 0 |
MF | 11 | 竹村薫 | 環4 | 桐蔭学園 | 2 |
MF | 42 | 力丸絢 | 法4 | 慶應湘南藤沢 | 2 |
MF | 66 | 石川のどか | 政3 | 品川女子学院 | 0 |
MF | 73 | 伊藤香奈 | 経3 | 慶應女子 | 0 |
MF | 96 | 白子未祐 | 文4 | 慶應女子 | 2 |
AT | 32 | 友岡阿美 | 政3 | 慶應女子 | 0 |
AT | 33 | 西村沙和子 | 商3 | 慶應女子 | 0 |
AT | 99(c) | 出原佳代子 | 経4 | 慶應女子 | 0 |
ベンチ入り選手
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部・学年 | 出身高 | 得点 |
G | 28 | 大沢かおり | 経3 | 学芸大附属国際 | 0 |
DF | 62 | 櫨本美咲 | 経3 | 慶應女子 | 0 |
MF | 51 | 石田百伽 | 経3 | 慶應女子 | 0 |
MF | 71 | 高橋麗加 | 経3 | 慶應NY | 0 |
MF | 89 | 山﨑茉莉花 | 政4 | 渋谷幕張 | 0 |
MF | 97 | 小久保磨里奈 | 政3 | 慶應NY | 0 |
MF | 98 | 大橋知佳 | 経4 | 慶應女子 | 0 |
AT | 72 | 吉岡美波 | 理3 | 大妻多摩 | 0 |
第25回早慶ラクロス定期戦が超満員の日吉陸上競技場で行われた。今の4年の代は新人戦で早稲田と2戦2敗。「最後の早慶戦は意地でも勝ちたい」(出原)。苦手意識もあった早稲田を下し、2年ぶりの早慶戦勝利を目指した。
序盤から苦戦が続いた。早慶両主将がキーポイントと話していたドローを慶應は取りきれないと、早稲田がボールを回し続けた。すると10分に右サイドを突破され、最後はゴール正面からシュートを打たれ、先制を許す。だが、11分、G横田(経4)のセーブからチャンスを作るとMF竹村のパスからMF白子がゴールを決め同点。早慶戦直前に怪我をし、出場も危ぶまれた白子のゴールで1−1とすると、タイムアウト後の14分には混戦から最後はMF力丸が押し込んで逆転。初めてリードを奪ったが、その後も厳しい戦いは続いた。15分に同点に追いつかれると、22分にはDF陣を完全に崩され、再度リードを許した。23分にも追加点を決められ、前半を2−4で折り返した。
「ハーフタイムに大久保HCから『こんなものじゃないだろ』と声をかけられやるしかないと思った。」(竹村)。後半が始まると4分に竹村がフリーシュートから得点を決め、1点差に。さらに早稲田の攻撃は続いたが、G横田を中心にしのいで行くと、11分にAT友岡(政3)のフリーシュートから白子がこの日2得点目を決め、ついに同点に。理想としている「超攻撃型ラクロス」とはかけ離れた展開かもしれないが、DFで辛抱強く耐え、一瞬のチャンスを生かした。さらに20分に友岡とのコンビで攻め上がっていった力丸がショットを決め、ついに2点ビハインドを逆転。だが試合はまだ終わらない。直後にフリーシュートからパスを繋がれて早稲田がゴールを決め、同点に追いつかれた。手に汗握る熱戦に終止符を打ったのは2年の早慶戦からスタメンで出場していた頼れる副将竹村だった。アタック陣でゴール前まで繋いでいったボールを最後はゴールに押し込んだ。リードを奪った慶應は終盤相手のフリーシュートのピンチがあったが、凌ぎきり、6−5で宿敵早稲田から勝利を奪った。なお、この試合のMVPには流れを変えるセーブとチームを鼓舞し続けたG横田が選出された。
試合としては決して満足する内容ではなかったが、昨年の慶應とは大きく違った。練習の時からこうした大一番で勝ち切るメンタル強化を掲げてやってきた成果が見事に発揮された。「超攻撃型ラクロス」の目標通り大量得点で相手を圧倒し、試合に圧勝する力があることは六大学戦で証明されていた。ただ、”Grit ’n’ Grind”というスローガンの通り辛抱強く耐えて、泥臭く1点を奪いに行き大事な試合で勝つことができるチームであることもこの日早稲田のみならず、スカウティングに来ていた多くの他大のラクロス部に見せつけた。
さらに4年にとっては新人戦で敗れていた早稲田へのリベンジとなった。6得点全てが4年というのはチームを引っ張る覚悟ともに、もう早稲田には負けられないという意地を感じた。秋のリーグ戦のブロック戦では昨年勝ちきれなかった東海大、そして宿敵早稲田との再戦が控えている。「日本一を絶対とる」。昨年大一番で勝ちきれなかった慶應がこの日掴んだ勝利は日本一を現実的な目標に近づけたことは間違いないだろう。
(記事:森田悠資、写真:伊藤史織、堀口綾乃)
以下、選手コメント
(今のお気持ちを)勝ったってことが最高に嬉しいです。(今日の試合を振り返って)前半は苦しい展開で、試合内容はまだまだな部分はありますし、修正しないと日本一には遠いかなとは思うんですけど。本当に去年から苦しい試合で勝ちきれていなくて、チームとしてこういう試合をよく勝ちきったなっていうところは大きいです。(去年と変わったところとは)試合中のメンタルだと思っています。去年は前半2-4で折り返している時に、いけるのかな?と不安に思っているところはあったんですが、今回はハーフタイムに大久保HCから「自分たちがやってきたことをやれば負ける相手ではない。」と言われて、全然前半はできていなくて、後半もできたわけではなかったんですが、本当にそういうメンタルで最後まで諦めないところとか、本当に絶対に勝てるなって思っていたのでそこは変わったと思いました。(今日の得点は全て4年があげたものでしたが)自分としては得点ができなかったことはまずいなと思っているんですが、本当に大好きな同期が点を決めてくれて嬉しかったです。みゆう(=白子未祐)が鼻を怪我していて、最後の早慶戦で意地でも勝ちたくて、絶対に勝ちたいって話を2人でずっとしていた中で、怪我で出れないかもってなった時は結構ショックを受けていたんですけど、なんとか出場できて、1点目を決めた時は試合中なのに泣きそうになるくらい嬉しかったです。かおる(=竹村薫)も力丸も厳しい試合だったにもかかわらず決めきるところで決めてくれて、勝負強さを見れたのと、後輩たちもリーグ戦に向けてこういう4年の姿を見て刺激を受けて頑張ってくれればと思います。(試合後選手の皆さんにどんな話を)とりあえず勝って良かったいうことで、まだ試合内容の話はしていないんですけど、早稲田に勝ちきれたことは自信になるので、リーグ戦でまた早稲田と当たるので自信を持って挑みたいです。(今後に向けて)私たちが1年のころの新人戦で負けていて、去年の早慶戦や今年の六大学戦でも勝ちきれなくて、今年の早慶戦でやっと勝てたので、チームとして苦手意識が早稲田にあったんですけど、今日勝てたことを自信にしてリーグ戦で絶対に勝ちたいです。
(勝利おめでとうございます)ありがとうございます。(今の率直な気持ちをお願いします)最高に嬉しいです。(今日の試合を振り返って)前半は結構苦しい試合で、慶應がやりたい「超攻撃型ラクロス」っていうのが体現できていなかったかなっていう風に思うんですけど、途中のハーフタイムで大久保さんからも「こんなんじゃないだろ」っていうような声をかけてもらって、もうやるしかなかったので2点差を追いついて、わたしたちのやるべきことをやるしかないって思って切り替えて臨めたので、後半は追い上げられて良かったなっていう風に思います。 (決勝ゴールを決めた時の気持ちはどうでしか)5-5で本当にここで勝ち切らないと意味がないっていう風に思ってましたし、ベンチやスタンドで応援してくれてる同期だったりチームメイトっていう想いもかかってたと思うので、もうねじりこんででも何が何でもやるっていう風に思ってシュートをしました。(ゴールを決める前までも、ターンオーバー後に駆け上がっているシーンが多かったかと思うのですが、超攻撃型ラクロスを意識してのことですか)そうですね。かつ、私の強みでもあるボールをすぐ運べるっていうところがチームの原動力になればいいなっていつも思ってプレーしているのでそれができて良かったなっていう風に思います。あと、そこで又慶應が改善しなきゃいけないところは、結構ポロポロしている部分もあったと思うので、リーグ戦に向けて本当に、そういう基礎技術の面においてもチームの面においてもまだまだ上げていかなきゃいけないなっていう風に思いました。(リーグ戦に向けて意気込みをお願いします)今年はもう絶対慶應が日本一をとるので、リーグ戦に向けてまだまだ力不足だと思うので8月に向けてチーム一体となってレベルアップ出来たらなって思いますのでこれからも応援よろしくお願いします。
(早慶戦に向けてどのような準備をしてきましたか)私たちのチームは力はあるので、どれだけ自信を持って戦えるかが大事だと思っていました。皆で質のいい練習を重ねて、自分たちの自信を作り上げてきました。(今日の試合を振り返って)内容はすごく悪かったですが、それは別として、とにかく早稲田に勝ちたいという思いが強かったので、勝てて本当に嬉しいです。(前半は厳しい時間帯が続きましたが後半に向けて何か声をかけあったりしましたか)緊張してしまった結果2点ビハインドで折り返してしまったのですが、ハーフタイムで逆にいい意味で吹っ切れて後半は攻撃に集中できたので点を取れたのかなと思います。(得点シーンを振り返って)一本目はとにかく早大のゴールに入れようと思っていて、とにかくたくさんシュートを打つことを心がけました。(今後に向けて)自分たちの力をどれだけ発揮できるかが今の慶應の課題だと思うので、リーグ戦に向けてしっかりつめていきたいです。
(2年ぶりの勝利、おめでとうございます。今の心境は)新人戦で早稲田に負け続け、六大学戦も同点と勝ちきれなかったので、今回やっと勝てて本当に嬉しいです。(今日の試合を振り返って)勝ちましたが、内容としては本当にひどかったと思っています。チームのみんなもわかっているとは思いますが、なかなか自分たちのボールにできないし、そうしようとする姿勢がまだ足りていないなど、アタック面は早稲田に負けていたと思います。今回勝てたのも、実力などではなくて最後の泥臭さのおかげだったと思うので、内容の部分を今後きちんと詰めていきたいと思います。(プレー面で意識していたことは)今までは大舞台に出るときに意気込み過ぎて緊張してしまい、いつも通りにプレーできないことが多かったので、今日はいつも通りにやろうという思いで臨みました。また、ゴーリーはチームに今6人いる中で1人しか試合に出られないポジションなので、他の子の思いや努力などを私がプレーで全部体現しようという気持ちでした。(最優秀選手賞受賞おめでとうございます)ありがとうございます。ボールを止めることはできたのですが、クリアだったり、ディフェンスを動かすという部分ではまだたくさん課題があると思います。この賞を貰えたからといって自分が上手いとかそういうことではないと思うので、自信にしたいとは思いますが、今後も泥臭く努力は続けていきたいです。(試合中にはチームを鼓舞する様子も見られましたが)後ろにいるゴーリーが一番みんなのことを見ることができますし、私は幹部としてもみんなをずっと見てきたつもりです。アタックなどには関われませんが、自分がフィールドにいることでその人たちにもっと強くなってもらえるように、ボールに関われない時間は他の11人をいかに強気にさせられるかということをいろいろ考えてやっていました。(秋のリーグ戦に向けて意気込みをお願いします)個人としてもチームとしても、やってきたことをいつも通りに試合で出し切るということは本当に難しいと思いましたし、今日もそれができませんでした。幹部としてもっと練習を試合に近づけるような努力をして、試合でいつも通りのプレーができるように、みんなのメンタルや技術を高めていきたいと思います。
(今日の試合を振り返って)入りがすごく悪かったのですが、後半なんとか立て直せたのでそこは良かったかなと思います。(六大学戦でのスタメンがなかなかなかった中での今日のスタメン出場に関して)そうですね、ずっと怪我していて六大学戦にあまり出ていなくて、最後の二戦、明大戦と法大戦だけ出場して、そこで自分のやってきたボール展開などができたので良かったかなと思います。(今日挙げられた2得点のシーンを振り返っていかがですか)1点目はダメ押しのような形で、ラッキーなゴールだったなと思います。2点目は後輩の(友岡)阿美と一緒に良い形でコンビで決められたのでとても嬉しかったです。(秋のリーグ戦に向けて意気込みをお願いします)早稲田と同じブロックなので、そこでもう一回勝ち切ってリーグのブロックは一位で通過して日本一になりたいです。応援よろしくお願いします。