【バレーボール】フルセットの激戦制し3連勝達成! vs学芸大

バレー戦評

ラリー戦を制した慶大

先週、日大、中大を下し2連勝中の慶大が挑む第7戦。チームの士気は上々、勢いそのままに勝ち取りたい一戦であった。第1セットは重視しているブロックのミスが目立ち得点を献上してしまう場面が見られ、デュースの末落としてしまう。しかし徐々に安定し第2セット以降は少しずつ自責点を減らした慶大。重ねて富澤太凱(経3・慶應)のスパイクが炸裂し、相手のブロックをなし崩す。点取り合戦を繰り広げフルセットまで持ち込まれたこの激戦は、最後6点もの差をつけて慶大が制した。慶大は1、2週目の4連敗から一変、3連勝を飾った。

 

4月28日(土)春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦第7戦 慶大×学芸大

@キッコーマンアリーナ  

 

得点

慶大

セット

学芸大

24

26

25

18

25

19

23

25

15

 

 

先週の中大戦では10点差で落とし、課題である第1セット。開始から富澤やマルキナシム(総3・川越東)がスパイクを次々と決め、早速3連続得点を挙げる。そんな慶大ペースも束の間、すぐに相手の反撃に飲まれ、取り返されてしまった。さらにレシーブの不安定さが仇となり、次々と相手にスパイクのチャンスを与えてしまう慶大は、なんとか食い止めようとブロックを仕掛けるもブロックアウトになる場面が多々見られた。相手の攻撃に対応することができず繰り返しブレイクを許し、一時14−19と大差をつけられた慶大。しかし、たまらずとったタイムアウトを明けると、マルキのバックアタックや樫村大仁(環2・茨城高専)のブロックが効き、点差は0に。この混戦はデュースにまでもつれ込んだが、自軍のミスが続き、結果このセットを落とした。

 

ラリーを制し笑顔を見せる小出(23番)

取り戻したい第2セットは、樫村のクイックで先制。その後は互いにサイドアウトを重ね、まさに一進一退の試合展開であった。ターニングポイントとなったのは15−13の場面。この時、小出捺暉(環1・駿台学園)が何度もサイドからの攻撃を仕掛けるがレシーブで返され、ラリーの出口が見えない状況であった。しかし、ついに吉田祝太郎(政2・慶應)が軟打を決め、慶大主導の試合展開がスタートした。樫村や富澤の攻撃はブロックアウトを誘い、ブレイクを奪い続け、セットポイントへ至るまで失点を最小限に抑えた。最後はマルキのスパイクで得点し、見事第2セットをもぎ取った。

 

冷静にブロックアウトを狙う富澤

良い流れを逃したくない第3セット。マルキや富澤のスパイクで一気に4連続得点を獲得し、その後も勢いは止まらない。相手のブロックの押し込みで失点する場面もあったが、圧倒的な攻撃力で相手を寄せ付けない。慶大のブレイクが続き、点差は広がるばかりであるかと思われた18−13での相手のタイムアウト明け、2点を連続で奪われたと思いきや再びサイドアウトの奪い合いが始まる。ブロックがなかなか機能しない慶大であったが、相手もまたスパイクレシーブに手こずり、得点は依然慶大が一歩リードしたまま。最後はマルキのスパイク、サービスエースなどで3連続得点をあげ、このセットを25−19で奪った慶大は、勝利へリーチをかける。

 

クイックを打つ清水

勝利を決めたい慶大が臨む第4セットは、苦しい滑り出しだった。先制点こそ慶大が獲得したものの、相手のスパイクが次々と決まり4連続失点を喫する。流れを取り戻そうと取ったタイムアウト後は再び慶大に攻撃のターンが巡り、一気に同点まで詰め寄ったがそこからのシーソーゲームが長かった。吉田のサーブが冴え相手の攻撃体勢を崩すが、それでも怯まず返ってくる。23−23、どちらに軍配が上がるかがかかった大事な場面で、相手に2点のブロックポイントを与えた慶大。このセットを落とし、まさかの第5セットへと決着は持ち越された。

 

吉田のサーブでブレイクを重ねた

後がない第5セット。「どうしても勝ちたかった一戦だった」と吉田が振り返るように、勝利を渇望する慶大の逆襲が始まった。吉田の強烈なサーブで始まったこのセットでは、スパイクとブロックがうまく機能し、慶大が開始から6点を連続奪取した。一旦相手のタイムアウトを挟むと慶大は自軍のミスで3連続失点し、今度は慶大がタイムアウトを取る。しかし明けて繰り広げられるのはまたもサイドアウトの取り合い。とはいえ、はじめについた点差はそう簡単に埋まらない。最後は相手のサーブがネットにかかり試合終了。フルセットの末、慶大がこの試合を制した。

 

 

第1セットでは相手の攻撃に屈する場面もあったが、慶大のブロックが少しずつ安定し終盤ではかなり機能していた。慶大らしくサーブで崩すプレーが散見したばかりか、レシーブも好調で長時間のラリーも続いた。しかし、「もうちょっといい形で出来たんじゃないかな(樫村)」と反省の色もうかがえる。少しずつミスを重ねてしまう点は改善すべき課題と言えるだろう。とはいえ調子としては右肩上がりの慶大。迎える次戦の相手は「自分たちが苦手としている相手」(伊藤主将)と評し、昨年の春・秋のリーグ戦で慶大が敗北を喫した宿敵・駒大だ。今回の試合でも浮き彫りになった課題である自責点をいかに減らせるかが重要になるだろう。勝利への気概を示してほしいところだ。

 

 

(記事:津田侑奈 写真:藤澤薫)

 

 

以下、コメント

 

伊藤祥樹主将(総4・清風)

 

――今日の試合の振り返り

まあ自分たちのプレーがある程度できていたのかなというところですね。反省するところも多いですが、まあ最後はきっちり出せたかなと思います。

 

――第1、4セットは落としてしまったが

立ち上がり相手に主導権を握られてしまって、ミスもちょこちょこあって自分たちの力を出せていなかったのが1セット目で、4セット目は、駆け引きのところ、勝負所とかでこっちが後手に回ってしまったところが要因だと思います。

 

――今日は声を掛けずに見守ることが多かった印象だが

今日に関しては、メンタル的な部分は安定していたと思っていて、それよりも作戦とか、相手の状況とか見て指示は的確に出したいなということは思ってたので、そういう感じでした。

 

――今日で3連勝となったが

サーブが割と走ってるところや、きっちり分析してどういう状況になっても負のスパイラルにならないようにしてることろ、あとはサーブの狙いも明確にできているところが割と好調なのかなと思います。

 

――明日に向けて

明日は駒澤で、割と自分たちが苦手としている相手なんですけど、きっちり対策もしますし、自分たちの力が出せれば勝てる相手だと思っているので、自分たちの力をきっちり出して勝ちたいと思います。

 

 

マルキナシム(総3・川越東)

 

――今日の試合を振り返って

チームは自分たちがやりたいことをできているときは良かったんですけど、ちょっとずつ悪いところが出たときにセット取られちゃったって感じで、うちのやりたいことはできていたと思います。

 

――サービスエースを2本決めたが

先週トスの改善をしてからサーブの調子は良くなったんですけど、まあまだまだ荒いところがあると思うので、もっと修正していきたいと思っています。

 

――ブロックアンドレシーブについては

ブロックのやり方も色々考えたんですけど、ブロックの方はしっかりはまってたと思ってて、レシーブもいいところで上がっていたので、それが勝った要因かなと思ってます。

 

――小出選手がも活躍していたが

小出にはサーブカット任せているところがあるので、1年生できついと思うんですけど、しっかり仕事してくれていて、僕は伸び伸びスパイクを打つことができて、かなり助かっています。

 

――明日に向けて

明日は駒澤なんですけど、僕多分入学してから駒澤に1回も勝てていないので、別に駒澤に嫌なイメージは別にないんですけど、いつも勝ち切れないっていうところがあるので、明日はこの流れに乗って勝ちたいと思います。

 

 

吉田祝太郎(政2・慶應)

 

――今日の試合を振り返って

どうしても勝ちたかった一戦だったので、内容はともあれ勝てて良かったと思います。

 

――サーブの調子が良かった

今日は本当に勝ちたくて、自分のサーブ1本ミスするとかチャンスサーブが入ってしまうことで勝負が変わってしまうと思ったので、気持ちを込めて打ちました。結果的に良かったです。

 

――ラリーが長く続いたが

練習では特にそういったプランは出ないのですが、やはりみんな勝ちたい思いが出たのだと思います。

 

――ブロック面はどうだったか

ブロックは終盤につれて良くなった印象です。序盤は外に出てしまうことが多かったのですが、終盤にかけて修正できて、相手が少しきつくなってきたので相手の攻撃に対応できたのかなと思います。

 

――ずばり勝因は

慶大のサーブがとても良かったことです。

 

――明日に向けて

去年は春と秋で2回とも負けてしまっているので、今年はなんとか対応できるように頑張ります。

 

 

樫村大仁(環2・茨城高専)

 

――今日の試合の振り返りを

今2連勝していて、自分たちのプレーが出せるようになってきた状態で今日勝てたのは良かったんですけど、もうちょっと良い形で出来たんじゃないかなっていう反省もしています。

 

――2セット落としてしまったが

落としてても自分たちの形は出せていたと思うのですが、やっぱりこの春リーグ全体として、最後の20点台での勝負の仕方、競っているときの戦い方が悪いなって思うので、もうちょっと勝負の仕方を考えたほうが良いかなって思います。

 

――全日本合宿でチームを離れることも多いと思うが

木、金としか合わせられなかったんですけど、その短い中で割と調整できていたので特に問題はなかったです。

 

――試合中にセッター吉田選手とどんなやりとりを

祝太郎は祝太郎で勝ちたい気持ちが全面的に出ていて、アツくなっちゃうところがあったので、良い方向に持っていけるように声掛けをしていました。

 

――明日に向けて

明日も多分、自分たちの実力を出せれば勝てる相手だと思うので、自分たちがやってきたことを徹底して勝ちたいと思うので、応援お願いします。

 

 

小出捺暉(環1・駿台学園)

 

――今日の試合を振り返って

5セットはすごく疲れました。4セット目を取られてしまったので、そこは細かいミスが出てしまったかなと思います。

 

――長いラリーが続いた

今までの慶大はレシーブが上がらなくてすぐ(ボールが)落ちてしまうということが多かったのですが、チームで掲げている目標がしっかりできて良かったです。

 

――積極的に攻撃していたが

トスが上がったらしっかり打とうと意識していました。ここで学芸大に勝っておかないと次からまた苦しくなってくるので。

 

――ブロック面はどうだったか

ブロックありきのレシーブなので、守備の面でみんなちゃんとブロックできていたと思います。

 

――明日に向けて

駒大に勝てれば入れ替え戦は回避できるということで、みんなで気持ちを引き締めてこの3連勝の流れで頑張っていきたいと思います。

 

セッター

吉田祝太郎(政2・慶應)

サイド

小出捺暉(環1・駿台学園)

センター

樫村大仁(環2・茨城高専)

オポジット

富澤太凱(経3・慶應)

サイド

マルキナシム(総3・川越東)

センター

片波見和輝(文3・成田)

リベロ

永田将吾(総1・高松)

途中出場

宮川郁真(総1・松本県ヶ丘)

 

清水柊吾(総2・広島城北)

 

赤川拓(理2・横手)

 

順位表(4月28日終了時点)

 

大学

勝利数

セット率

1位

早大

21.0000

2位

筑波大

3.6000

3位

中大

2.5000

4位

日体大

1.8000

5位

順大

1.4545

6位

明大

0.9286

7位

東海大

0.9231

8位

慶大

0.6471

9位

駒大

0.4444

10位

日大

0.3684

11位

国士館大

0.3684

12位

学芸大

0.2381

 

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

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