【野球】見せつけた王者の貫禄、コールド勝ちで初戦突破!/第67回全日本大学野球選手権大会 2回戦 VS苫駒大

6月13日(水) 全日本大学野球選手権大会 2回戦 VS苫小牧駒澤大

自慢の脚力で勝機を切り拓いた

まずは大勝で一つ歩を進めた。シードにより2回戦からの登場となった慶大。苫小牧駒澤大を相手に、3回に河合大樹主将(総4・関西学院)の内野ゴロの間に先制に成功する。5回には打者14人にも及ぶ圧巻の攻撃で、一挙10得点を追加。投げては先発髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)が、5回まで被安打1と相手打線を完璧に封じ込めた。規定により11-0の5回コールドで勝利し、明日の準々決勝へと駒を進めた。

 

 

慶大

10

11

苫駒

 

※大会規定により5回10点差コールド

慶大バッテリー:髙橋亮―郡司

苫駒大バッテリー:伊藤、岡本、増原―新山、小松

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[7]

河合大樹(総4・関西学院)

[8]

渡部遼人(環1・桐光学園)

[9]

柳町達(商3・慶應)

[2]

郡司裕也(環3・仙台育英)

[D]

若林将平(環1・履正社)

[5]

内田蓮(総4・三重)

[4]

小原和樹(環3・盛岡三)

[3]

嶋田翔(環2・樹徳)

[]

瀬戸西純(政2・慶應)

 

髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)

 

昨秋の明治神宮大会では初戦敗退で涙を飲んだ慶大。しかしこの春、混戦の六大学を制して、再び全国の舞台へ戻ってきた。指名打者制がとられている今大会。慶大は、5番にルーキーの若林将平(環1・履正社)を指名打者として起用するなど、リーグ戦とは異なる打順で臨んだ。

復活の4安打を放った柳町

慶大の先攻でプレイボール。相手の先発には、前日完投勝利を挙げた右腕伊藤大海が上がる。疲れにつけ込み先制したい慶大は、先頭の河合がまずレフト前へのヒットで出塁する。渡部遼人(環1・桐光学園)の犠打と柳町達(商3・慶應)のヒットでさらにチャンスを広げるが、続く郡司裕也(環3・仙台育英)、若林が三振に倒れ、得点とはならず。2回も小原和樹(環3・盛岡三)が二塁打で出塁するが、伊藤の前に後続が倒れた。

 

対する慶大の先発は、リーグ戦でも安定したピッチングを見せた髙橋亮。「真っ直ぐが良かったので、そんなに連打をされる感じはなかった」と語るように、初回から凡打の山を築き、相手を全く寄せつけない。

 

好投の髙橋亮を援護したい慶大は3回、河合の内野安打で出塁すると、盗塁で二塁へ進む。さらに、柳町のヒットで1死一、三塁とチャンスを広げると、続く4番郡司の打球は、ピッチャー前へのゴロに。一度けん制された三塁ランナーの河合だったが、ピッチャーが併殺を狙って二塁を向いたのを見てすぐさまスタート。郡司の全力疾走も功を奏し、併殺崩れの間に好スタートの河合が先制のホームを踏んだ。

 

髙橋亮はストレート主体に相手打線を手玉に取り、3回までをパーフェクトに抑える。4回にこの日初めて出塁を許したが、けん制でアウトに取るなど、バタつくことなく反撃の隙を与えないピッチングを見せる。

2点適時二塁打を放った内田

さらなる援護をもたらしたい慶大打線は、5回に火を噴く。先頭の瀬戸西純(政2・慶應)が内野安打で出塁すると、続く河合も足を使ってセーフティーバントで出塁。無死一、三塁から渡部、柳町の連続適時打で得点を重ねると、その後も打線は止まらない。満塁から内田蓮(総4・三重)の2点適時二塁打、瀬戸西の押し出しとなる四球、再び満塁から河合の3点適時二塁打と、次々とホームにランナーを返す。とどめに柳町がレフトへの適時打で二者を返し、この回10点目。リードを大きく広げた。

 

その裏を髙橋亮が危なげなく3人で片付けて、規定により5回コールドでゲームセット。11-0と圧巻の勝利で、初戦を突破した。

 

大久保監督も「出来過ぎ」と語るように、投打共に相手を大きく圧倒した。リーグ戦最終カードとなった早大戦では、打線が振るわずに最後は24イニング無得点。やや不安もある中で迎えたが、打線はそんな不安も一掃する圧巻の攻撃を見せつけた。投げては、髙橋亮が5回を投げて1安打無失点の好投。球数も56球と少なく抑え、短い大会期間かつトーナメント戦であることを考えれば、今後に向けて好材料だ。

5回を投げ三塁を踏ませなかった髙橋亮

東京六大学連盟代表として臨む今大会。昨年同大会に出場した立大は、日本一を成し遂げているだけに、慶大も六大学代表の名に恥じぬ戦いを繰り広げたいところだ。頂までは、これであと3勝。陸の王者は、明日も一戦必勝で戦い抜く。

(記事:重川航太朗 写真:尾崎崚登)

 

◆打撃成績

 

 

[7]

河合

左安

 

投安

 

投安

左2③

[8]

渡部

投犠

 

空三振

 

右安①

右安

[9]

柳町

中安

 

中安

 

中安①

左安②

[2]

郡司

逃三振

 

投ゴロ①

 

四球

左飛

[D]

若林

空三振

 

空三振

 

空三振

 

[5]

内田

 

遊ゴロ

 

右飛

右2②

 

[4]

小原

 

左2

 

遊ゴロ

死球

 

[3]

嶋田

 

空三振

 

空三振

空三振

 

[6]

瀬戸西

 

遊ゴロ

 

 

二安

四球①

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

○髙橋亮

15

56

 

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――今日の試合を振り返って

出来過ぎですね。よく頑張ってくれたと思います。

 

――打線が活発でしたが

すごいいいピッチャーだったので、点数取るのが難しいなと思っていましたが、内野安打とか足を絡めながらチャンスを作って、柳町だったり、内田だったりが返してくれて、いいつながりができたかなと思います。

 

――足を絡めるという点で何か指示などは出されたのでしょうか

特にしてないですけど、作戦的にも突破口を開くならそこかなと思いました。

 

――相手投手の攻略については

真っ直ぐに振り負けないとか、立ち遅れないようにとか、ボールの下を振らないようにとか、そういった指示は出しました。

 

――髙橋亮投手は1安打無失点でした

分析していく中で、相手にそこまで得点をされることはないかなと予想できたんですけど、しっかり力を出し切ってくれればと思っていました。しっかり仕事をしてくれたと思います。

 

――今日の勝利というのは監督自身どのように捉えていますか

昨年の秋の1回戦敗退というところも含めて、六大学の代表として優勝まで、という思いや意気込みは自分にも強いものがあって、選手たちもそれは感じてくれていると思うので、また明日頑張りたいと思います。

 

河合大樹主将(総4・関西学院)

――試合に臨む心境は

昨年ああいう形で負けてしまったのですが、今年は本当に日本一に向かって全員がまだまだやるぞという気持ちで臨めているので、そういう意味で良い感じです。

 

――今日の試合を振り返って

良いピッチャーだったので、3点取れば上出来で打線9人全員で崩そうって言っていた中で、今日はそれができてよかったです。

 

――今日は投打ともに良かったと思いますが

打線もしっかり全員でつなぐということがどんどん点が入っていった中でもできたと思いますし、(髙橋)亮吾がしっかり投げてくれたというのも今日の勝因だと思います。

 

――今日は4安打、まず初回は先頭で幸先良いヒットを放ちました

本当に良いピッチャーだったので、食らいついて、ちょっとショートが弾いた感じにはなりましたけど、出塁できたことは良かったと思います。

 

――セーフティバントもありました

簡単には打てないというのはあったので、自分が塁に出る形として一つやってみようかなというのはあって、それが決まって良かったです。

 

――3点が入る二塁打も放ちました

ノーツーというカウントで、真っ直ぐ一本張っていって、思い切り振って結果が出て良かったです。

 

――3回には盗塁も

狙えるバッテリーだなという風には感じていたので、どんどんいこうという中で決められて良かったです。

 

――ベンチの雰囲気はいかがですか

どんどんいくぞというか、どういう相手に対しても、どういう状況でも攻め続けるというのが今できていると思います。

 

――明日に向けて意気込みを

明日もトーナメントで難しい戦いにはなりますけど、自分たちのやることをしっかり出し切って勝ちたいと思います。

 

内田蓮(総4・三重)

――今日の試合振り返って

伊藤投手が非常に良いピッチャーだったので、昨日対戦が決まってからいかに対策するかを夜まで話し合いました。その結果、攻略することができて良かったです。

 

――どのような対策ですか

詳しくは言えないですが、とにかく真っすぐが速いので振り遅れないこととか、ボールの上を叩こうと意識していました。

 

――早慶戦では打線が奮いませんでしたが、今日は10得点を挙げました

これまではチャンスを作っても一本が出なかったりして、苦しみましたが、リーグ戦とこの大会は全く別ですし、全国大会に出れること自体が光栄なことだと思って、思い切ってやるしかないと思っています。結果的に打てて良かったです。

 

――タイムリーの打席を振り返って

満塁で、伊藤投手も苦しい状況だったと思うので、なんとか食らいついて最悪押し出しでもいいから一点取ろうという気持ちでした。たまたま、スライダーが浮いてきて捉えられたので良かったです。

 

――次戦に向けて

すぐ明日の午前に試合があるので、相手のデータも普段より少ないので、しっかり帰ってみんなで情報共有して、最初からみんなで向かっていけるようにしたいと思います。

 

 

髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)

――今日の試合の先発はいつ知らされましたか

昨夜ですね。先発自体は特に緊張せずいつも通りの気持ちでしたが、昨年の秋の神宮大会に出れなくて悔しかったので、とにかく全国大会という場でチームのためにやってやろうと思ってマウンドに立ちました。

 

――3イニングパーフェクトの立ち上がりでした

真っ直ぐが良かったので、そんなに連打をされる感じはなかったです。調子は比較的良かったんじゃないかなと思います。

 

――5回被安打1という結果は

0点で抑えていれば正直ヒットを打たれてもいいと思っているので、結果は98点くらいあげてもいいんじゃないかなと思います(笑)

 

――明日の試合に向けて

トーナメントなので、明日負けたらおしまいです。とにかく一戦必勝でやらなくてはいけないと思います。今日はバッターが打ってくれて、5回で球数少なく終われたので、明日も投げるつもりで準備します。

 

柳町達(商3・慶應)

――今日の試合を振り返って

初戦という難しい中で、コールド勝ちできたというのは本当に良かったです。

 

――今日は4打数4安打でした

自分が打って勝てたというのが嬉しかったです。

 

――早慶戦では慶大は思うように点が入りませんでした。そこからどう立て直してきたのでしょうか

それなりにみんなでバットを振り込んで、絶対に全日本で勝つぞという思いでやってきました。それが今日よく出たと思います。

 

――相手の投手、伊藤選手は強敵だったと思います

やっぱりいいピッチャーなのでストライクをどんどん振っていく、というのを対策として行いました。

 

――昨秋の全日本では1回戦で敗退してしまいましたが今年は勝てました。明日以降に向けての意気込みをお願いします

今年はこの大会に向けて準備ができています。去年できていなかったという訳ではないですが、みんなで日本一になるためにやってきているので、明日からも頑張って勝ちたいと思います。

 

渡部遼人(環1・桐光学園)

――今日の試合を振り返って

皆思いっきり打てたのでそれが結果につながってよかったと思います。

 

――早慶戦を終えてから今日までどのような練習をしてきましたか

早慶戦では点を取れなかったので、今回は相手ピッチャーも良かったのでそれにどう対応してどう打つかを話し合って取り組みました。

 

――初のスタメン出場となりました

最初は緊張しましたが、リーグ戦とか出させてもらっていたので試合の流れも考えられたので特別緊張というのはあまりなかったです。

 

――タイムリーが出ました

相手ピッチャーが良かったので思いっきりスイングすることが結果に出ると思ったのでとにかく思いっきり振りました。

 

――守備面では

守備では両サイドに河合さんと柳町さんがいたので安心して守ることができましたし、声もかけてくださったのでデータも含め万全な準備をすることができました。

 

――明日の試合に向けて

連戦になるのですが、疲れとかも出てくると思うのですが日本一に向けて目の前の一勝を取りに行きたいです

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