【ソッカー(男子)】主将・松木がハットトリックの大暴れ! 4発快勝で上々の再発進 第12節 vs学芸大

ソッカー

関東リーグ後期がついにスタートした。学芸大に対して積極的な入りを見せた慶大は、23分に松木駿之介(総4・青森山田)のスーパーボレーで先制。後半もチャンスを作り続けると、松木、小谷春日(環4・藤枝東)と4年生アタッカー陣が躍動し立て続けにネットを揺らす。83分には松木が再び豪快なシュートを叩き込み圧巻のハットトリックを達成。終始学芸大を寄せ付けず、後期開幕戦を4-0の快勝で飾った。

 

第92回関東大学サッカーリーグ戦 第12節 vs東京学芸大

2018//15)11:30KO 立正大学グラウンド

【スコア】

慶應義塾大学0東京学芸大学

【得点者】

1-0 23分 松木駿之介(慶應義塾大学)

 60分 松木駿之介(慶應義塾大学)

3-0 74分 小谷春日(慶應義塾大学)

4-0 83分 松木駿之介(慶應義塾大学)

慶大出場選手


GK上田朝都(総3・横浜F・マリノスユース)


DF井出悠介(環4・桐蔭学園)


DF鴻巣良真(総4・国学院久我山)


DF篠原新汰(総1・FC東京U-18) →69分 中島玲央(総4・柏レイソルU-18)


DF野村京平(総3・国学院久我山)


MF増田皓夫(商4・桐蔭学園)


MF八田和己3・桐蔭学園


MF山田盛央(総3・藤枝東)


MF松木駿之介(総4・青森山田)


MF小谷春日環4藤枝東 →81分 多嶋田雅司(商3・国学院久我山)


FW沼崎和弥(商3・暁星)→89分 橋本健人(総1・横浜FCユース)

 

「ひとつになって」(冨田監督)再出発

関東リーグ前期を終え9位に甘んじている慶大。後期初戦は6位の学芸大と激突した。7月に「この夏でどのチームよりも強くたくましくなる」と主将の松木は誓った。強めの雨が降る中、この夏の成果が問われる戦いが、いよいよ始まった。

 

松木のスーパーゴールが試合を動かした

試合序盤、慶大は前線、中盤が連動して組織的なプレスをかけ、主導権を握った。攻撃では右サイドにボールを集め、右サイドバックの井出悠介(環4・桐蔭学園)らのクロスに中の松木、沼崎和弥(商3・暁星)らが飛び込むシーンを何度も作る。そして23分、まさにその形から先制に成功する。右サイドを井出が駆け上がりクロスを上げると、沼崎が潰れて流れたボールに待っていたのは松木。倒れ込みながらボレーで合わせると、強烈なシュートがゴール右上に突き刺さった。エースの一撃でリードを奪った慶大はその後も試合を優勢に進めていく。とりわけダブルボランチの増田皓夫(商4・桐蔭学園)と八田和己(総3・桐蔭学園)が豊富な運動量、読み、展開力をフルに発揮し、中盤を支配。学芸大にチャンスらしいチャンスを与えず、1-0で前半を折り返した。

 

小谷の関東リーグでのゴールは1年次以来、約3年4ヶ月ぶりだ

後半立ち上がり、慶大はややボールポゼッションを失い、勝ち切れない前期の嫌な雰囲気が漂いかける。それを断ち切ったのはやはり松木だった。60分、再び右サイドの井出からクロスが上がると、ファーサイドに滑り込んで左足を合わせる。貴重な追加点を奪い、リードを2点に広げた。勢いを取り戻した慶大は67分にもカウンターから沼崎がクロスバー直撃のヘディング、73分には山田盛央(総3・藤枝東)の突破から小谷が決定機を迎えるなど、試合を決めにかかる。そして74分、相手センターバックに競り勝った沼崎がゴールキックを頭でディフェンスラインの裏に流すと、スピードで抜け出した小谷が右足を一閃。サイドネットに突き刺し、決定的な3点目を奪った。ショーはまだ終わらない。83分、またしても井出の右足がファーサイドへ放物線を描くと、フリーで待っていた松木がハーフボレーで合わせハットトリックを達成。終了間際のピンチもゴール前で守備陣が体を張ってしのぎ、4-0の大勝を飾った。

 

確かな手応えをつかんだはずだ

収穫の多い一戦だったと言えるだろう。松木、小谷と前期苦しんだ4年生アタッカーが結果を出した。右サイドからのクロス中心の戦術がハマり、井出は3アシスト、リーグ戦では初のスタメンFW起用となった沼崎も1アシストと好パフォーマンスを披露した。守備面でも前期の課題だったクロス対応が安定し、6月には1-1で引き分けた学芸大にほとんど見せ場を作らせなかった。「笑われるかもしれないけど、まだ1部復帰は諦めていない」(小谷)。上位とはまだまだ大きな勝ち点の開きがあるが、荒鷲軍団の心は決して折れていない。このサッカーを残り10試合続けられたら、本当に全勝することもあり得るかもしれない。奇跡に近い可能性でも、もしかしたら――。そんな希望を抱かせるには十分な試合だった。

(記事:桑原大樹 写真:岩見拓哉、髙橋春乃)

 

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試合後コメント

冨田賢監督

――試合を振り返って

後期開幕ということでチームがひとつになってやっていこうという中で、前期の反省とかを遠征などを通じてずっとやってきて、それが今日のゲームでは結構改善できていたなと思います。あとは、菅平遠征に行って170人でやったんですけど、まあチームがひとつに、一体となってやろうと言っていて、今日も苦しい時に体を張れたりとかそういうところが出てきてすごく夏の成果が出せたのかなと思います。ただ奢ることなく、次の2戦は前期開幕の1、2戦で負けていてどうしてもリベンジをしたいという気持ちが強いので、しっかり週間準備して良いゲームができるようにやっていきたいと思います。

――今日は松木選手がハットトリックの大活躍

いや、本当にたぶん松木自身も前期は苦しんでいたし、決めたいという思いの中でもなかなか決められなかったけど、今日みたいに松木が決めるとチームも乗るし、あいつが引っ張っていってくれると残りの10試合も良い試合ができるんじゃないかと思います。

――この夏はどのようなことを中心にやってきたか

やっぱりうちは失点が前期18あるうち12がクロスからの失点で、ある意味もう課題が分かりやすかった。だからもう徹底して合宿ではクロス対応をしてきました。だから今日の試合もそこまでクロスからやられるというところはなかったかなと思います。どうしても内容的には良いゲームをしているんだけど勝ち切れないというゲームが多かった中で、じゃあ何なんだろうって僕も選手も考えていて、それで個面白いデータがあってワールドカップでブロック記録って公式記録で取るようになって、多分うちらの前期のブロック率を振り返った時に、シュート数は打っているし内容も出来ていたゲームがあった中で勝ち点を伸ばせなかったのは、やっぱりそのブロック率が低かったからだと思って、現代サッカーでもそこのブロック率は重要だということで今回のワールドカップのドイツ代表なんかもすごく良い選手がいる中でブロック率が極端に低くて敗退するとか、そこのところを選手たちにも話して上げていこうと。やっぱりうちらも前期は最後になんかスーパーシュートが入っちゃう。そこで相手のシュートが良かったって言えばそれまでなんだけど、そこのところができたかな。今日も結構ゴール前のところで(ブロックに)行けるようになっていたから、だから打たれているけど相手が枠に入らなかったりというところにつながってたかなと思います。

――沼崎選手をトップで起用した

あいつの高さとか身体能力とか、あと無理をしないから難しい事はやらないで味方を生かすようなプレーができるので。(起用は)結構チャレンジだったし、本人も緊張していて今週は大丈夫かなというところもあったんだけど、まあ最後は信頼して良かったなと。彼の役割をやってくれたんじゃないかなと思います。

――次節に向け

もう前期に負けた相手だから、そこに同じ形で絶対に負けない、で成長した姿を見せたい。それで慶應を応援している人が熱くなれるような、今日は結構熱くなれたんじゃないかなと思うので、そういう試合をひとつになって戦っていきたいと思います。

 

 

松木駿之介(総4・青森山田)主将

 

――試合を振り返って
まずは今日遠くまで雨の中応援しに来てくれたみんなに感謝の思いを表現しようということでみんなプレーして、それが体現できたと思うし、慶應らしい戦いができたと思います。


――
スコアでも内容でも今季一番の試合では
前期苦しいシーズンで、その中でもこの夏を通してどこの大学よりも強くたくましくなろうと、カテゴリー関係なくチーム全員で夏合宿を行って、よりチームがひとつになるきっかけが作れたと思うし、確実にチーム力につながってるかなと思います。


――
ハットトリックという結果
全部井出のクロスからで、本当に井出は良いクロスを持ってるから信じて入れるし、リサーチのみんなが東京学芸大学は大外が空くっていうのをデータとして渡してくれていたので、リサーチのおかげでもあったと思うし、みんなに感謝しなきゃいけない3得点だったと思います。


――
3点目の後は自信に満ちた顔だった
自分でもびっくりしちゃって()。本当にずっとこの夏場からどんどんコンディションが上がってきて、自分自身の中でも「今日はやれるな」という感覚があったし、後期開幕は毎年得点を取れてて、節目というか、自分が勢いに乗れる試合だなと感じていたので、そこで3得点できて、ちょっと自分の予想を上回ったので、ああいう顔でした。


――
今コンディションはかなり良いのか
相当上がってますね。この夏ファジアーノ岡山さんの練習に参加させてもらって、大きな刺激を頂きましたし、改めて自分がファジアーノの看板も背負ってるんだという自覚も持って今やれていて、応援してくださる皆様にも結果でしか伝えられないこともあると思うので、結果には貪欲にやってました。


――
しっかりと追加点を奪って勝ち切れたのは前期から成長した部分で
後半に入る前に、「前期から変わった姿を見せよう」ってみんなで声をかけあって、ベンチの選手、スタンドにも試合に出られなくて悔しい選手もいたと思うんですけど、たくさん声が出てました。ベンチに藤川(誠人=総4・桐蔭学園)がいますけど、最近ずっと調子が良くて、でもこうやってピッチに立つのは(上田)朝都(総3・横浜F・マリノスユース)で、それでも折れずにチームのためにベンチから声を出し続けてくれる。もちろん彼は前期からやってくれていましたけど、そういった姿というのはチームとして良い雰囲気を作れているかなと思います。


――
この夏チームとしてやってきたことは
走り合宿を行って、しんどい中で、仲間の背中を押してでも制限タイムに入れたとか、そういうことを全カテゴリーで寝食を共にしてやってきたことで、仲間意識も上がったと思います。あとは今選手全員で、自分たちの使うグラウンドの周りや部室の掃除をしているんですけど、そういう声かけをして、チーム全体が動いてくれて継続できているというのは、チーム全体で1つ何かやるということの大切さをみんなが感じられていると思うし、そういったピッチ外の部分でもどれだけチームにコミットして貢献できるかというのは慶應の良さだと僕は思っていて、そこが去年2部に落ちて、今年も2部で苦しんでいる中で足りないなと感じていた部分なので、主将として何か示したいなと思ってそういったことを始めて、みんなもついてきてくれたので、そこはこの夏良かったことかなと思います。


――
次節に向けて
東海大は前期の前半に負けて、そこから苦しいシーズンになってしまった相手なので、何としても借りを返して、ここからまた一歩一歩進んでいけるように、足を止めることなくやっていきたいと思います。

 

小谷春日(環4・藤枝東)
――
試合を振り返って
みんな試合前から緊張していたんですけど、気持ちが入って良いゲームだったかなと思います。

――大量得点かつ無失点の完勝となった
本当に夏に苦しい練習したりとかして、この日のために懸けてやってきたんで、個人としてはほっとしてるしチームとしても良かったかなと思います。

――具体的に夏の成果が出せたと実感した部分は
最後失点しないところと、後半勝ち切るっていうところを意識してすご走りのメニューをやったりしてきたので、最後後半たくさん点が取れて失点もしなかったっていうのは、その成果が出たかなって思います。

――今季初ゴールを決めた
前期あんまり試合に出られなくて、個人としては1年生から出させてもらってる中ですご悔しい思いばっかりだったので、その気持ちが乗って良かったかなと思います。

――チームとしての後期の目標は
本当に周りからは笑われるかもしれないんですけど、まだ1部復帰っていうのは諦めていなくて、ここから連勝を続けられれば、まだたぶん可能性はあるので、そこが目標です。

――次節に向けて
次使ってもらえるかどうかちょっと分からないですけど、また使ってもらえたら、今自分はFWやっているので、献身的なプレー自分の持ち味であるスピードとドリブルを生かして点に絡めたらいいかなって思います。

 

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