慶應スポーツ新聞会

【野球】 熱い投手戦を制し3連覇へ王手 早大①

10月27日(土)東京六大学秋季リーグ戦 早大1回戦

今日も完投し3試合連続完投となった髙橋佑

いざ、決戦へ、最高の舞台の準備は整った。早慶両校に優勝の懸かった早慶戦は8季ぶり。この大一番の先発を任されたのは今季5勝、最多勝の慶大先発髙橋佑樹(環3・川越東)。対する早大の先発はドラフト3位指名を受け、ここまで防御率トップの小島。試合はこの2人の投手戦となった。5回まで両チーム走者を出しながらも得点には繋がらず歯がゆい展開。そんな中で迎えた6回、試合が動く。先頭柳町達(商3・慶應)が二塁打を放つなどチャンスメイクすると、押し出しと嶋田翔(環2・樹徳)の適時打で先制点を挙げる。次の回でも、小原和樹(環3・盛岡三)の適時二塁打で1点を追加。小島の攻略に成功する。投げては髙橋佑が最終回に1点を奪われるも、そのまま完投勝ちを収め、負けられない一戦を制した。

 

早大

 

早大バッテリー:小島、早川―岸本

慶大バッテリー:髙橋佑―郡司

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[9]

中村健人(環3・中京大中京)

[8]

渡部遼人(環1・桐光学園)

[7]

柳町達(商3・慶應)

[2]

郡司裕也(環3・仙台育英)

[4]

小原和樹(環3・盛岡三)

[5]

内田蓮(総4・三重)

[3]

嶋田翔(環2・樹徳)

[6]

瀬戸西純(政2・慶應)

[1]

髙橋佑樹(環3・川越東)

3安打を放った柳町

はあいにくの雨模様。しかし8時頃になると雨はやみ、神宮球場に集う観衆が増えていくとともに、青空が雲の狭間から見え始め、試合が開始するころには直射日光が時折暑いほどとなった。最近秋が深まり、寒さを感じる日が多くなっていたが、今日は暖かい野球観戦日和。これは早慶両校のこの試合への思いの熱さを物語っているに違いない。

その秋の陽の光を浴びてマウンドに上がったのは髙橋佑だ。今季、先発リリーフ問わず登板した試合で必ず慶大が勝利を挙げている、まさしく“チームを勝たせる男”だ。初回、早大の先頭打者は福岡。髙橋佑が警戒する選手として名前を挙げた、同じ高校の同級生だ。その福岡を129㌔のストレートで空振り三振に仕留めると、続く上位打線を打ちとり、上々の立ち上がりを見せる。

早大の先発小島は、昨季連投ながら早慶戦2回戦の先発として7回無失点に抑えられ、辛酸を舐めさせられた因縁の相手だ。1回裏、慶大の切り込み隊長中村健人(環3・中京大中京)が四球で出塁し、得点圏まで走者を進めるも、続く打者がことごとく打ちとられ、得点には繋がらない。

ここからこの試合は厳しい投手戦の様相を見せる。先発髙橋佑は2回、4番加藤を内野安打で出し、進塁打で三塁まで進めるも、0点に抑えると、続く3回は嶋田の華麗なキャッチも飛び出すなど、三者凡退に封じる。4回は檜村に、岸本にヒットを打たれながらも、得点は許さない。5回には三者連続三振、6、7回も三者凡退に早大打線を黙らせ、7回まで被安打3と危なげないピッチングを見せる。

対する小島は3回まで毎回先頭打者に四球を出すなど、制球が定まらない。走者を出し、小島を打ち崩したい慶大打線は、5回までわずか1安打ながら2回も三塁まで到達するが、要所でヒットが出ず、得点することができない。両校スコアボードに0が並び続けた。

先制の押し出し四球を選んだ内田

そんな空気の中迎えた6回裏、リーグ戦ここまで打率が2割を切るなど不調だった3番柳町が前打席に続き、今度はフェンス直撃の二塁打を放ち、神宮球場の雰囲気は一変する。その後ろの4番郡司裕也(環3・仙台育英)が四球で出塁し、5番の小原和樹は鋭い当たりをレフト前に飛ばし、ノーアウト満塁の大チャンスに。ここで早大陣営は前進守備にシフトするも、6番内田蓮(総4・三重)が冷静に四球を選び、押し出しで先制点を挙げる。すると続く7番嶋田が三遊間を抜ける値千金の適時打を放ち、さらに1点を追加。遂に小島を打ち砕くことに成功する。

そして次の回、慶大のラッキーセブンでは、1死から柳町がこの試合猛打賞となる内野安打でまたも出塁すると、5番小原が左中間を抜ける適時二塁打を放ち、柳町が俊足をとばし一気にホームへ。この投手戦においては大きく、かつ重い1点をもぎ取る。小島は134球を投げ、この回でマウンドを降りた。

貴重な3点の援護点をもらった髙橋佑だが、8回に100球を超え、徐々に疲れを見せ始める。8回表は1死から代打鈴木萌に二塁打を浴びると、内田と同じ高校出身の代打中林にもセンターに返され、三塁まで走者を進められる苦しい展開に。だがこの回は福岡、西岡の1,2番を抑え、事なきを得る。

迎えた最終回、今季2度目の完封へ、マウンドに上がった髙橋佑は、先頭の檜村を三塁線転がった球がライン手前で止まる不運な当たりで出してしまう。すると岸本、黒岩にレフトへの連続ヒットを打たれ、1点を返される。盛り上がる早大応援席に対し、祈るような思いで見つめる慶大応援席。その視線の中、髙橋佑は後続を打ちとりゲームセット。伝統ある舞台かつお互い優勝の懸かった1戦目をもぎ取った。

優勝へあと1勝とした

昨季の早慶戦は優勝しながらも、宿敵ワセダに負け、大久保秀昭監督の胴上げも叶わず、悔しい気持ちを味わった慶大野球部。優勝パレードや祝賀会でお祭りムードの中にいながらも、簡単には喜べない、複雑な気持ちの選手たちもいたはずだ。だからこそまずは早大にリベンジ。完全優勝を果たした暁には、3連覇という、慶大野球部史上未だ1回しか見ることのできていない景色が広がっている。マジックナンバーは1。その1勝を総力で、全力で、掴みに行く。

(記事:髙山 実子、写真:小林歩、川下侑美)

 

◆打撃成績

 

 

[9]

中村

四球

 

二ゴロ

 

左飛

中飛

 

四球

[8]

渡部

一ゴロ

 

遊ゴロ

 

二ゴロ

 

中直

逃三振

[7]

柳町

二ゴロ

 

中安

 

 

中2

一安

 

[2]

郡司

二ゴロ

 

四球

 

 

四球

右飛

 

[4]

小原

 

四球

右飛

 

 

左安

左中2①

 

[5]

内田

 

投犠

 

遊ゴロ

 

四球①

左直

 

[3]

嶋田

 

遊ゴロ

 

逃三振

 

左安①

 

四球

[6]

瀬戸西

 

遊ゴロ

 

逃三振

 

逃三振

 

逃三振

[1]

髙橋佑

 

 

四球

 

逃三振

左邪飛

 

投犠

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

○髙橋佑

35

129

 

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――今日の試合を振り返って

毎試合だけど本当に厳しい戦いの中で、粘り負けないで、守り負けないで勝利を手繰り寄せたかなと思います。

 

――どのような準備をして臨みましたか

普段と変わらずです。もちろん春、優勝決まった後の早慶戦と違って、今回はお互い優勝の可能性は残しているという戦いで、まるっきり違います。「絶対粘り負けないよ」という話はしました。

 

――早大先発小島投手に関して

ドラフト指名されるピッチャーですし、やっぱり今の六大学の中では、好左腕は多いですが、成績も含めてナンバーワン左腕だと思っています。勝機は、ヒットはそんなに打てないので、四死球がいくつとれるかなと思っていました。少ないチャンスでたまたま四球が絡んで、柳町がヒットを打って、うまいこと点数取れましたね。

 

――髙橋佑投手に関して

最後はちょっと苦しかったとは思うけれども、9回投げ切ってくれました。それを越えることで成長する部分もあると思いますので、もっともっと、良くなると思います。

 

――今回、打順も変えられ、小原選手はタイムリーでしたが

小島君に対して右バッターがちょっと機能しないと、左は簡単じゃないというのもありましたので、それがうまくいきました。状態もずっと良かったので、打率関係なしに、現状郡司の後を任せられる状態にはなってきたので、期待して、打順を上げました。

 

――不振だった柳町選手が今日は猛打賞でしたが

1本出れば出るようになりますが、やっぱりその1本のヒットを打つのが大変です。なにかきっかけでガラッと変わることがあるので、今日はそういう姿になったかなと思います

 

――明日に向けて

もちろん慶應の応援も期待をするでしょうし、2戦目苦労していますけど、だんだん明治法政に比べて立教では失点も減ってきています。さらにピッチャーもこの2週間で状態を上げてきてくれていますので、いい試合をして勝ちたいと思います。

 

河合大樹主将(総4・関西学院)

――試合を終えて心境は

なんとか守って粘り勝つことができて、あと1勝というところに来れたことが良かったと思います。

 

――試合前に話したことは

大一番ではありますけど、いつも通りという感じです。一個塁を進めることとか、一個アウトを取るとかそういうところをしっかりやっていこうと話しました。

 

――その部分はいかがでしたか

バントが決まらない面も多少はありましたが、守備の面ではしっかり守れたと思うので、明日はそこを直していかないと思います。

 

――小島投手を終盤に捉える形でした

打てるボールを打っていきたいという中で、四球も出ていて、そこをなんとか繋ぐことができていたので良かったと思います。

 

――ご自身だけでなく全体として声が出ていた印象がありましたが

気持ちもみんなも入ってたので、高ぶりはあったと思います。そこで冷静に何をするべきかが大事だと思っていました。自分はその部分をしっかり伝えるように心がけていました。

 

――髙橋佑投手はどう映りましたか

ボンバーは本当に頼もしいですが、彼頼みになっている面があると思います。明日は他の投手や野手で勝てるようにしたいです。

 

――ベンチ外の選手とのミーティングもありましたが、選手たちの表情は

締まっている表情で、一緒に戦っているぞという気持ちで話を聞いてくれたので、一つになっているなと感じています。

 

――明日に向けて

明日の1勝や1アウトが一番難しいと思いますが、全員でそこを取りきれるように頑張りたいと思います。

 

内田蓮副将(総4・三重)

――率直に今のお気持ちは

初戦を勝つということが優勝のためにはすごく重要なことだと思っていたので、1戦目を取れたことはとても良かったです。それと、小島投手から3点取ることができたことも大きくて、髙橋佑樹もすごくいいピッチングをしてくれて、締まったいい試合ができたかなと思います。

 

――チームとしてはどういった意気込みで臨みましたか

小島投手を攻略しないと勝ちが見えてこないというところで、安打が続く場面は少なかったですけど、我慢して粘って得点のチャンスが生まれたので、なんとか攻略しようというふうには意気込んで臨めました。

 

――序盤は点が入りませんでした

実際点が入らないのは想定内ではあったので、そこからいかに粘って先制されずに攻めていけるかというところだったと思います。序盤に点が取れるのが一番いいのですが、そこはある程度想定内で、焦ることなくできていました。

 

――先制点となる押し出し四球を選びましたが

ノーアウト満塁という意外と得点が入りにくい場面だったのですが、自分はなんとか右バッターにつないで打ってほしいという思いで、僕は四球でもなんでもいいから次に繋ぐという意識でいて、結果選べて良かったです。

 

――打席に入る前の集中などは

あまり入り込み過ぎずに、今まで通りの待ち方をした結果が出塁という、良い結果に繋がったと思います。

 

――8回表には、同じく三重高出身の中林選手が代打で登場しました

四年間共にうまくいかないことご多かったとは思うのですが、勝敗は関係無く中林と同じスコアボードに名前を刻めたということが非常に嬉しいです。

 

――完全優勝、3連覇まであと1勝となりました

今までやってきたことが、明日にかかってると思うので、とにかくベストゲームをして勝つことを意識して、また準備したいと思います。

 

小原和樹(環3・盛岡三)

――今日の試合を振り返って

勝ちきれたのは、最後まで粘ってくれた髙橋佑樹のおかげだと思ってます。

 

――今日は打順が5番でした

いつも通りを意識していましたが、いつもと違う打順で決めるところを決められたのでよかったです。

 

――小島選手から2安打を奪いました

バントでミスした後のレフト前ヒットでした。バントや打てるところも打てなかったり、奇跡というか、今日はまぐれで打てました。

 

――7回裏でのツーベースヒットを放つ前、中村選手から何か話しかけられていましたが、何を話されたのですか

中村からバッティング指導とかもしてもらっていて、「迷わずお前らしいバッティングをして来いよ」と言われました。それで迷わず行った結果がツーベースヒットにつながりました。

 

――今日も守備は安定していました

ただ2回で、結果はヒットになったのですが、僕のエラーがあって。守備はもっと徹底的にやらなきゃいけないなと思いました。

 

――4回にはナイスキャッチもありました

髙橋が頑張っていたのでなんとか取ってやろうという気持ちで守備に入っていました。それが繋がった結果だと思っています。

 

――春の早慶戦では悔しさがあったと思うのですが、今日はどのような気持ちで臨みましたか

春の早慶戦では最後僕の三振で試合が終わってしまいました。チームが勝つにあたり、自分が打つこと、打撃が繋がることがチームのスローガンである超越に繋がると思っています。春の反省を生かして、最後打って勝ちたいです

 

――明日に向けて意気込みを

春成し遂げられなかった完全優勝。それを達成するために明日勝って、2連勝で日曜日にパレードします!

 

郡司裕也(環3・仙台育英)

――今日の試合振り返って

本当に髙橋佑樹が今日も粘りのピッチングをしてくれたことに尽きますね。

 

――リードする上で心掛けたことは

いつも通りというか緩急を使いながら、上手く攻めていこうと思ってリードしていました。要求通り投げてくれたので今日も100点です。

 

――9回は少し危ない場面もありましたが

そうですね。疲れてきて、ボールの質も落ちてきたのですが、なんとか完投させてやりたいなと思っていました。

 

――2つの四球を選びましたが、今日の打撃面はいかがでしたか

四球は選べましたが、チャンスで一本打ちたいなという思いはあるので、明日もう一回チャンスで回ってきたら甘い球を捉えられるようにしたいです。

 

――今日の勝因を挙げるなら

守備では特に大きなエラーもなく、髙橋佑樹が投げてくれました。攻撃では、ボール球を振らなかったので四球をたくさん選べたことが大きいと思います。

 

――勝てば完全優勝が決まりますが今のお気持ちは

日曜日の2戦目を苦手としているので不安はありますが、投手陣をどうにか覚醒させて少ない失点で行きたいですね。

 

――次戦に向けて

3カード連続で2戦目を落としているので、明日は特別な試合になると思いますが、特別な試合になるようにバッテリーが点を取られないようにしていきたいと思います。

 

髙橋佑樹(環3・川越東)

――今日のご自身のピッチングを振り返って

緩急を上手く使えてピッチング出来たかなと思います。

 

――ご自身の調子はいかがでしたか

まぁまぁじゃないですかね。普段通り特段良いというわけではなかったですけれども、なんとか粘って投げました。

 

――8回のピンチを乗り切った時はどのような気持ちで投げていましたか

野手に点を取ってもらって、リードした中で大ピンチが8、9回と立て続けに来て最悪の事態が頭をよぎったりしたのですが、一点取られても勝てると思ってなんとか投げました。

 

――立大1、3回戦で9回を投げきり、今日も完投です。振り返って

出来すぎでした。

 

――明日勝てば完全優勝です。意気込みを

春は早稲田に負けて悔しい思いをしたので、秋こそは完全優勝してパレードしたいと思います。

 

中村健人(環3・中京大中京)  

――今日の試合を振り返って

早慶戦は特別で、どんな場面も緊張感が抜けないというか、張り詰めた感じがしたんですけど、全体的には自分たちが今までやってきた野球ができたかなと思います。

 

――小島投手との対戦はいかがでしたか

どのボールも精度が高くて、フォアボールで出塁するのが精一杯かなとは思いました。

 

――三冠王が掛かっていることは意識していましたか

いや、特には意識せずにできていると思います。

 

――攻撃の時、打席に入る前の他の選手に話しかける姿が見られましたが、何を話していたんですか

僕が打席に入った時に、小島投手が神経を使って投げてきているような感じがしたので、得点圏で回ってきそうなバッターにはどんな風に相手が投げてくるかを伝えていました。

 

――明日の意気込みを

春の悔しさや、自分たちを超えるという意味でも明日勝つことが僕たちに必要なことだと思うので、またいい準備をして明日を迎えたいと思います。

 

柳町達(商3・慶應)

――今日の試合を振り返って

勝てたのは本当に大きかったなって思います。

 

――6回の先制点の足がかりとなる二塁打を振り返って

ストレートを思いっきり狙っていって、それをしっかり捉えられたのが良かったなって思います。

 

――3安打猛打賞でした

やっぱり僕が打てば打線が繋がるので、そういう面では繋ぐために必要な役割が果たせて良かったです。

 

――3安打の要因は

狙い球をしっかり決めて迷わず振れたことが要因かなと思います。

 

――相手は先日のドラフト会議でロッテに3位で指名された小島投手でした。そのあたりの特別な意識はありましたか

ドラフトにかかるくらい好投手なのでそれなりの対策というか、みんなで映像見ながら対策は練っていました。

 

――明日に向けて

今日勝っただけで勝ち点を取らなきゃ優勝はないので、今日は今日、明日は明日と切り替えて頑張っていきたいなと思います。

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