【ハンドボール】“One”〜愛し愛されるチーム〜で34年ぶりの早慶戦勝利を

ハンドボール

明日11月30日(土)、男子第67回・女子第16回早慶ハンドボール定期戦が行われる。今の体制で迎える最後の試合だ。主将の佐藤圭一郎(経4・湘南)がその試合にかける思いを語った、CSParkのコラムからの抜粋をお届けする。

2019年11月30日、今年竣工した早稲田アリーナにて、男子第67回女子第16回早慶ハンドボール定期戦が開催される。

今年は「日本一アツいハンドボールの試合に」をコンセプトに早慶の学生が主体となって、大会運営が行なわれている。

また、この早慶戦は両チームにとって、シーズンのラストゲーム、4年生にとっては引退となる大事な一戦だ。

今シーズンの慶應義塾体育会ハンドボール部は、関東学生リーグ2部に所属し、春季リーグは10チーム中6位、秋季リーグは残り1戦まで入替戦出場圏内である2位争いを演じたが、惜しくも3位に終わった。

対する早稲田大学ハンドボール部は、関東学生リーグ1部に所属し、春季リーグ、秋季リーグ共に10チーム中9位という結果に終わり、2季連続で2部との入替戦出場という悔しいシーズンとなった。

近年稀に見る、拮抗した成績で迎える今回の早慶戦。アツい試合展開から目が離せない。
 

 

慶應義塾体育会ハンドボール部の1年間の軌跡

 

今シーズン26年ぶりの入替戦出場まであと一歩のところにまで迫った慶應義塾体育会ハンドボール部の1年間を、主将・佐藤 圭一郎の言葉と共に振り返る。
 

佐藤主将(写真は春の開幕前取材のもの)

まず、昨年のチームはベンチ16人中10人以上を4年生が占めるという状況でした。前キャプテンをはじめ、実力のある4年生がごっそり抜けた上で、新チームを作らなければならず、周りから見ても明らかな「戦力ダウン」と言わざるを得なかったです。
そのような状況の中、新チームとして掲げたスローガンは、「“ONE”~愛し愛されるチーム~」です。個々の実力が抜き出ているわけではないかもしれない。ただ、全員が力を結集させて一つになり、誰もが応援したくなるようなチーム、そして何と言っても自分たち自身が“誇り”を持てるようなチームにしよう。そうした想いで新チームは始動しました。
 
リーグ戦のない冬の期間には、実践経験を積むべく、2度の遠征を行いました。遠征を経て、チームとしての実力がついてきているという“手応え”を徐々に持ち始めていたと思います。その“手応え”を持てたまま、春季リーグを迎えました。しかし結果は2勝4敗2分。1点差の負けが2つと引き分けが2つでした。勝てたはずの試合を4つも落とし、目標とするインカレ出場、入替戦出場には程遠い6位という順位で終わってしまいました。“1点”の重みやシュートを決めきれない自分たちの弱さ、思っていた通りにはいかないリーグ戦の難しさを痛感したリーグ戦だったと思います。
 
6位という結果に終わった春季リーグを繰り返さないために、もう一度、自分たちを見つめ直すことにしました。夏には元日本代表監督の木野氏の指導や、厳しいサーキットトレーニング、関東リーグ1部校との合同練習も数多く行いました。正直、逃げ出したくなるほど過酷な練習だったと思います。ですが、メンバー全員で助け合い、乗り越え、チームが大きく成長できたと自信を持って言えます。
 
そして、強い自信を持って臨んだ秋季リーグ。最終週の2試合を控えて、5勝2敗と暫定3位という好位置につけました。最後の2試合を連勝すれば、26年ぶりの入替戦出場を自力で掴むことができる。まさに千載一遇のチャンスでした。1試合目、暫定2位であった関東学院大学に勝利するも、2試合目の最終戦・対青山学院大学戦は、31-32と1点差で敗北。引き分けでも宿敵・早稲田との入替戦に出場できるという絶好の機会を、またしても“1点”に泣き、逃すこととなりました。

 
リーグ戦では思うような成績を残せなかった。そのような悔しい想いをしているからこそ、佐藤主将は力強く語る。
 

早慶戦にかける思いは強い

今回の早慶戦に懸ける想いは例年に増して強いです。もちろん34年ぶりの勝利という歴史を背負って戦う責任感もあります。ただ、あの秋季リーグ戦最終試合・対青山学院大学戦に負けた悔しさは、まだ部員の誰一人の心からも消えてはいません。そして、主将として戦うラストゲーム。必ず勝ちます。
 

 

この1年の躍進の秘訣は

 
ラストゲームが控えている中、この1年を振り返ってもらった。
 

“ONE”というスローガンを掲げる中で、良い意味で先輩後輩の垣根を越えて、チームが一つになれていると思います。例えば、日々行っているミーティングでは、日々の練習で意識することを練習前に共有し、学年関係なく意見をぶつけ合うことができています。主将の自分に対しても、プレーの指摘やメニューの提案などを積極的に後輩がしてくれる。そういう良い循環がチームの中に1年間を通して根付いたと感じています。
 
また、全員で13人いる現4年生は、試合経験のある選手が少なく、そういった中で「どうやって最上級生としてチームを引っ張るか?」ということについて、新チームが発足する前から話し合っていました。4年生の中に3つの部門(戦術分析部門、フィジカル部門、広報部門)を作り、たとえレギュラーとして試合で活躍できなくても、チームのためにできることはないかと常に意識していたと思います。その結果、誰一人として欠かせない重要な役割を一人一人が担っていたはずです。
 
特に、戦術分析部門が今シーズンから導入した「SPLYZA」というソフトによって、動画を分析することで、練習や試合の分析効率・密度が格段に上がりました。このソフトは、自分たちや相手チームの分析を行う上で欠かせない存在となっています。今年の慶應のハンドボール部は、「データ」の力によって躍進したと言っても過言ではありません。

 

 
最後に
 

大学ハンドボールの中で、伝統のある試合の一つである「早慶戦」。そこに向けて改めて意気込みを語ってもらった。

今年の早慶戦は、会場で配布されるパンフレットやポスター、モニターに流れる映像に至るまで、すべて早慶学生の手によって作られています。初めてハンドボールを観に来る人にも楽しんでもらえると思いますので、現役学生選手の白熱した試合はもちろんのこと、イベント全体を楽しんでいただければ幸いです

是非、早稲田アリーナに足を運んでいただき、会場を一つにして、32年間の歴史が変わる瞬間、このチームで掴む勝利を、一緒に噛み締めましょう!

【男子第67回・女子第16回早慶ハンドボール定期戦】
日程:11月30日(土)
場所:早稲田大学戸山キャンパス 早稲田アリーナ
タイムスケジュール:
13:30  開会式
14:00  女子現役戦
15:30  男子現役戦
17:00 閉会式
 
【早慶戦専用リンク】
https://linktr.ee/wkhandball2019
 
【CSPark YouTubeでLIVE配信】
 
11/30(土) 13:55~
女子戦
https://youtu.be/nRB7geVCORQ
男子戦
https://youtu.be/NfiZeCf8X2w

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