関東大学リーグ1部前期第6節。慶大ソッカー部女子は東京国際大学とのアウェイマッチに臨んだ。強風が吹き荒れる中、コイントスで風上となった前半。福島紗羅メヘル(政1・昌平)や宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)によるサイド攻撃で押し込むも、スコアレスで折り返す。風下となった後半。一瞬の隙を突かれて先制を許すと、中盤にロングシュートで追加点を挙げられる。その後、リーグ戦1年ぶりの出場となる廣本瑞季(文3・学習院女子高等科)の投入で2トップに変更し、反撃を図るも、向かい風にも苦しめられ最後まで得点を挙げることはできず。2連敗となった。
2026/5/9(土)13:00キックオフ@東京国際大学坂戸C第3グラウンド
O.R.S第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 前期第6節
【スコア】
東京国際大学2ー0慶應義塾大学
【得点】
55分 東国大 弦間結月(塚原花)
73分 東国大 坂ふみか
【慶大出場選手】
ポジション
背番号 選手名(学部学年・出身高校)
GK
1 四宮里紗(環1・桐蔭学園)
DF
22 福島日和(理4・慶應湘南藤沢)
→57分 18 岩田理子(総3・十文字)
6 木田遥(総1・十文字)
5 米口和花(総3・十文字)
4 宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
14 福島紗羅メヘル(政1・昌平)
MF
11 森原日胡(総2・作陽学園)
2 竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)
10 野口初奈(環4・十文字)
8 佐藤凜(総4・常盤木学園)
→81分 25 廣本瑞季(文3・学習院女子高等科)
FW
9 野村亜未(総4・十文字)
前節の山梨学院大学戦では、1―4の完敗で今季初黒星を喫した慶大。リーグ戦での無敗記録も20試合で止まった。
今節はアウェイでの東京国際大学戦。東国大は勝ち点3で10位と苦戦を強いられている。
グラウンドが位置する埼玉県坂戸市のこの日の最大風速は26km/h(約7.2m/s)。試合をできないほどの強風ではないが、グラウンダーのパスでさえ軌道が変わるようなコンディションの中でのゲームとなった。コイントスで陣地が入れ替わり、前半は慶大が風上となった。

慶大は6試合目にして今季初めてスタメンを変更。岩田理子(総3・十文字)がベンチスタートとなり、リーグ戦では24年後期第9節(2024年11月3日)以来1年半ぶりのスタメンとなる福島日和(理4・慶應湘南藤沢)が右WBで出場する。前節の後半は福島日が左WBで右WBに福島紗羅メヘル(政1・昌平)が入ったが、今節は右WB・福島日、左WB・福島紗という起用になった。

1年半ぶりのスタメン出場となった主務の福島日
ファーストチャンスは4分。右CB・木田遥(総1・十文字)と右シャドウ・森原日胡(総2・作陽学園)のダブルチームでボールを奪取すると、CF・野村亜未(総4・十文字)から左シャドウ・佐藤凜(総4・常盤木学園)、トップ下・野口初奈(環4・十文字)へとテンポ良くボールが回り、左の大外で待つ福島紗へ。福島紗は左足クロスを供給し、佐藤が頭で合わせるが、キーパーのセーブに遭う。

テクニックが光った森原

絶妙なタッチで魅せた佐藤
その後試合はこう着状態に。アンカー・竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)や木田を中心にボールを握る慶大の攻撃を東国大が中盤で阻止し、どちらも大きなチャンスはつくれない時間が続く。24分。福島紗のクロスからこぼれを森原がシュート。相手に当たってコーナーキックとなる。野口の右サイドからの低いボールに宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)がニアで合わせるも、得点には至らない。

竹内を経由しながらボールをポゼッション

積極的な攻撃参加を見せた宮嶋
34分。リベロ・米口和花(総3・十文字)から竹内に縦パスが入ると、竹内から佐藤に。佐藤は野口につなぐと、野口から福島紗に展開。福島紗は相手DFラインとキーパーの間を狙ったアーリークロスを供給するが、野村に渡る寸前のところでクリアされる。

縦パスからチャンスをつくった米口
その後も相手のブロックを崩し切れない展開が続く。東国大DF陣は、慶大が押し込んだ際は低くラインを設定し、CFの野村に数的優位で対応。風向きも考えてか、前半はスコアレス覚悟だったことも窺える守り方だった。43分。森原から受けた木田がスルーパスを通すと、福島日が右サイドを突破。右足クロスを供給するが、惜しくもシュートまでつなげられない。

ポストプレーが目立った野村
その直後。福島紗がエリア外から右足でシュート。先制かと思われたが、左ポストに直撃してボールは枠の外へと弾かれる。その後も宮嶋が積極的なオーバーラップからチャンスをつくるが、スコアレスで前半を終える。

左サイドで圧倒した福島紗
後半開始早々。福島紗がカットインからクロスを上げると、福島日が詰め、シュート。しかし、枠を捉えられない。
後半は風下となった慶大。クリアやフィードが向かい風に跳ね返され、自陣でのプレーを強いられる時間が続く。すると55分。自陣ゴール前でのビルドアップミスから先制点を献上してしまう。
直後の57分。失点前から準備していた岩田が福島日に代わって右WBに入る。59分。自陣ペナルティアーク付近からミドルシュートを浴びるが、キーパー・四宮里紗(環1・桐蔭学園)ががっちりとキャッチ。追加点は許さない。

岩田の右足クロスに期待がかかる

好セーブの四宮
65分。木田が持ち味の内側のスペースを使った動きからチャンスをつくる。竹内に預けるとすぐさま動き直し、森原からパスを受けると野村とのワンツーから左の福島紗にサイドチェンジ。福島紗のクロスは一度は相手に防がれたが、こぼれ球を拾うと、巧みな股抜きからマイナスの野口へ。野口は高いボールをゴール前に上げるが、これも人数をかけた相手の守備にクリアされる。

木田のアイデアからチャンスをつくった

エース・野口がチャンスメイクもゴールが遠い
なかなか反撃の糸口を掴めないでいると、73分。ゴールまで30mほどの距離から風に乗せたロングシュートを決められ、痛すぎる2点目を許してしまう。
流れを変えたい慶大は81分。佐藤に代えて、リーグ戦では昨季前期第3節(2025年5月4日)以来1年ぶりの出場となる廣本瑞季(文3・学習院女子高等科)をピッチに送り込む。この交代によりシステムを変更。右の森原と左の野口による2トップ下で、野村と廣本による2トップの攻撃時3―1―4―2システムに。これまで採用していなかった完全な2トップに変更し、勝負に出る。

廣本の投入で2トップに
2トップ変更によりフィードを収められるシーンが増え、素早い切り替えによる前からの守備も機能。相手を押し込み、慶大が主導権を握る。しかし、ゴール前で決定的な仕事をできるようなチャンスはなく、そのままタイムアップを迎えた。前節から2連敗。順位争いの上でも欲しかった東国大からの勝ち点を落とした。
終わってみれば、風上の前半に先制点を挙げられなかったことが高くついた。後半の2トップ変更後はチャンスもあったが、風によりボールが勢いを失い、野村がスピードを活かして裏に抜けられるような場面はほとんどなかった。相手DF陣のハイボールへの対応や連係も抜群だった。
2失点も完璧に崩されたわけではないが、どちらも自陣でのロストを見逃してもらえなかった。慶大が保持する時間が長かったため前からプレスをかけるシーンは少なかったが、森原を前に出して慶大左サイドに追い込む形は山学大戦に引き続き機能しているように見受けられた。
廣本の出場が持つ意味は大きい。中高ではサッカー部に所属しておらず、慶大でも競った試合での出場機会はここまでの2年間なかった。廣本自身に自信がつくことはもちろん、出場機会に恵まれない選手たちも勇気づけられる試合だったと思う。きっとチーム全体の底上げにつながるはずだ。
次節は強敵・神奈川大学をホームに迎える。連敗を止め、軌道に乗るきっかけを掴みたい。

【次節の試合予定】
2026/5/16(土)14:00キックオフ@慶應義塾下田グラウンド
O.R.S第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 前期第7節
慶應義塾大学対神奈川大学
【インタビュー】
廣本瑞季(文3・学習院女子高等科)
――試合を振り返って
今までずっと2年間試合に出られていなくて、初めて呼ばれたことに嬉しい気持ちもありましたし、裏に抜けてボールを収めることをテソンさん(監督)から言われていた中で風もあって落下地点を読めないで終わってしまって、最後ゴール前まで行けたシーンでトラップが上手くできなくて決め切れなかったことが一番悔しいことです。出たからには結果を残したかったですし、チャンスをモノにできなかったことは今後の課題だと思います。
――風の影響
前半は風上だったので、前半のうちにゴールに仕掛けて仕留めたいというのを話していたのですが、後半は風下でビルドアップしている時間帯でもなかったので、どんどん裏に逃がすしかないという話がありました。
――佐藤選手との交代で、廣本選手と野村選手の2トップに変更
今週の紅白戦の時に初めてスタメン側の2トップで試してもらって、チームとしても(2トップは)初めてでした。
――順位を考えると痛い敗戦
2点ビハインドで自分が決めてなんとか勝ち点をもぎ取りたいという思いはあったのですが、前回も負けてしまった中で連敗してしまったのはインカレ出場という目標から遠ざかるような結果になってしまったので、来週からはまた切り替えて勝ち点3を取れるように、自分としてももっと練習したいと思います。
――明日は皇后杯があり、連戦となる
自分は試合にずっと出ていなくて、皇后杯はサブがチャンスをもらえる試合なのでそこに向けても準備してきていましたし、明日は絶対に今日の反省を活かして、ストライカーとして得点を取ることにこだわって今日から準備していきたいと思います。
(取材:柄澤晃希)
お詫び
担当者のパソコンの故障により、メンバー図、順位表、慶大の試合日程表、前期第6節の結果一覧表の掲載はしばらく後となります。ご了承ください。
順位、慶大の試合日程、前期第6節の結果一覧は関東大学女子サッカー連盟公式サイトからご覧いただけます。


