【競走】第94回日本インカレ 試合後インタビュー 倉田紗優加/鈴木太陽/篠宮健吾/仲子綾乃/須﨑遥也

競走

先日行われた第94回日本インカレの試合後インタビュー記事をお届けします。本大会の戦評記事もぜひ併せてご覧ください(【競走】“此処ぞ”の場面で魅せた激走!岡山の地で5種目入賞を果たす/天皇賜杯第94回日本学生陸上競技対抗選手権大会 | KEIO SPORTS PRESS

〈女子やり投げ優勝・倉田紗優加(環3・伊那北)〉

 

――初優勝おめでとうございます。試合後の率直な感想をお聞かせください。

中学2年の全中に砲丸投げで出場した以来7年ぶりに岡山での試合で、当時は達成できなかった日本一を達成できたのは成長を実感できました。しかし、大会記録を狙っていたのでとてつもなく悔しいです。自分の弱さを改めて痛感しました。

――昨年は準優勝だった全日本インカレ。今年はどんな意気込みで臨まれましたか?

大会記録が北口(榛花)選手の60m49だったので、その更新を目標にしていました。優勝は記録を出せばついてくると思っていたので順位よりも記録を意識していました

――2投目で57m20を投げトップにたちましたが、その後は我慢の投擲が続いたと思います。試合中の心境をお聞かせください。

「なかなかハマらないな」という感覚がずっとありました。投げたいという気持ちが先行しすぎて体が前に突っ込んでしまったのですが、それを修正できない歯がゆい投げが続いてしまいました。

――これで関カレに続き、学生選手権連覇となりました。今シーズンの飛躍についてどう思われますか?

冬期練習で短距離に混ぜてもらって走り込んだり、筋力アップのトレーニングをしたりと過去1番練習をしっかり積めたのですが、それらがハマっている感覚があります。とてもキツかったですが、頑張って良かったと思えています。また、私の周りにはかけがえのない仲間がたくさんいます。みんな、嬉しい時には自分のことのように喜んでくれて悔しい時は自分ごとのように悔しがってくれます。その仲間の存在が原動力となり、今こうして頑張れている自分がいます。本当に感謝しかありません。結果を報告したいと思える人がいることが幸せです。

――今後の意気込みをお願いします。

次は7月の日本選手権に出場させていただきます。残り1ヶ月弱ですが、毎日一切の妥協のない練習を積み重ねていき、表彰台に登りたいと思います。そして、9月に東京で開催される世界陸上に出場を目指していきます。

 

〈男子1500m6位入賞・鈴木太陽(環4・宇都宮)〉

――試合後の率直な感想をお聞かせください

もう数十メートルだけ貯めてからスパートを解放すれば表彰台に登れたかもという、少し前までの自分からしたら贅沢すぎる悔しさを感じていました。1500mの決勝の日が自分の誕生日でもあり、ハードですが充実感のある1日にできて良かったです。

――1位通過の予選、2位争いに肉薄した決勝。2つのレースをそれぞれ振り返っていただけますか?

予選に関して、今回も持ちタイムは下から数えた方が早かったため、ここを通過できるかどうかが今回の肝だと捉えており、やや不安の混ざった緊張感を感じていました。しかし、ラスト1周の時点で余裕を持って先頭につけていたので、自信を持ってスパートに備えました。最後は無理に1着を取る必要はなかったかもしれませんが、塾記録を狙えるペース帯で回っていたこと、全国の舞台で視座をあげるという意味も込めて、ラスト30mほどで前に出させていただきました。

決勝に関してはもう楽しむだけでした。自分の誕生日、自分自身で盛り上げて、さらには22年間育ててくれて今も大きく迷惑をかけている両親にも成長して全国の決勝の舞台で楽しんで走る様子を見せたいと臨みました。ラスト200mの時点で全国トップクラスの東海大の選手が前から落ちてきた時に心が躍ってしまい、スパートをかけるタイミングが早かったとは思います。もうほんの少し貯めていれば表彰台もあったかなと思うとやや悔しさは残りますが、たら・ればの話ですし、こんなハイレベルな悔しさを感じられるようになったことに成長の実感もあります。

――予選/決勝両レースで自己記録を更新する結果でした。今シーズンの好調の要因は?

要因は様々ですが、「1500m」という種目をラストシーズンまでご褒美として取っておいたことは大きいです。長距離ブロックとしての最大ターゲットは箱根駅伝予選会になるので基本1500mという中距離種目にコミットすることはないのですが、そんな環境に身を置けたからこそ自分の弱点であるスタミナから逃げずに向き合うことができ、最終学年にて培ったスタミナと持ち前のスピードを上手く融合させ、ご褒美としての1500mを存分に楽しむことができたと思います。

また、冬に就活で追い込まれたことで自分のキャパシティが広がったこと、長距離ブロックから中距離ブロックに移ってしまった仲間への反骨精神、応援し共に戦ってくれる仲間の存在、高校陸上の結果を超えキャリアハイを“今”にしたいという意地、他にも様々なものが噛み合い、ずっと結果を残せていなかった大学陸上で「負けっぱなしじゃ終われない」という気持ちに火をつけることができました。

――関東インカレのインタビューでは、全カレでは今季の結果が実力であると証明する走りをしたいとおっしゃっていました。今大会はいかがでしたか?

「関東インカレの結果は運ではなく実力だった」と証明できたかなと思っていますし、何よりも自分自身でそう腹落ちできたことが収穫です。今までの人生で活躍できたレースはほとんど全てスローペースからのラスト勝負であり、「所詮自分はラストスパートだけなのかもしれない」と、走力自体に対する自信は今ひとつ持てていませんでしたが、今回、全国の舞台で予選1着通過できたこと、決勝のハイペースで力比べのレース展開で入賞できたことで、地に足のついた確かな自信を得ることができました。それと同時により高い次元での自分の課題が浮き彫りになり、まだまだ伸び代も感じています。

――ロング鈴木に向けて、今後の意気込みをお願いします

今回の全カレを通して、トップランナー達を観客気分で見るのではなく、戦う相手、下剋上するべき相手として完全に視座をシフトできました。一方で、優勝を飾った早稲田大学の選手との力の差も肌で実感することができ、今の自分に足りない部分を身をもって実感することができました。

今期成長できているのは1500mというまだまだ短い距離ですが、今大会で上げた視座、地に足のついた自信、浮かび上がってきた課題を胸に、10月の箱根駅伝予選会のハーフマラソンに向けて一歩ずつ前進していきます!

関東インカレ同様に、持ちタイムや去年までの結果なんて関係なく「よーいどん」からが勝負というマインドセットをチームに対しても波及できたのではないかと思っています。みんなで大番狂せを起こし喜びを分かち合いたいです。

 

〈男子4×100mR8位入賞・篠宮健吾(政4・慶應)〉

――4継レース後の率直な感想をお聞かせください。

悔しさ8割、達成感2割という感じでした。8位で決勝では最下位だったので、「やっぱりビリだと面白くないな」「1位を取りたいな」と素直に感じましたし、優勝チームの喜ぶ姿を見ると悔しさしか感じませんでした。

その一方で、過去に類を見ないハイレベルの予選を勝ち進んで決勝に残り入賞できたことは評価できることだと思いますし、2年間続いていた日本インカレでの入賞を今年も達成できて良かったと思います。

――関カレでは7位。更なる結果を求めてリレーチームでこの1か月取り組んできたことは何かありましたか?

特に新しく取り組んだことはありませんでしたが、他大学と比較したときの自分たちの現状や、自分たちがどんなレースを展開すれば決勝に進めるか、これらを関東インカレの後にメンバーで集まり議論する時間がありました。予選を通過できるレースイメージをみんなが共通して持てていたことが今回の結果に繋がったと思っています。

――予選/決勝のレースをそれぞれ振り返っていただけますか?

予選はバトンパスのおかげで通過できたと言っても過言ではありません。個々のラップタイムは他大学に劣っていましたが、バトンパスがうまくいった分トータルのタイムも良かったという評価です。

決勝は予選のバトンパスを再現しつつ、どれだけ個々が予選より速く走れるかがポイントでした。結果的にバトンパスに少しミスがあり、個々の走りも大きな上積みなく予選より遅いタイムで8着という結果でした。予選からタイムを上げられなかったのは悔やまれるところです。

個人的には予選・決勝ともに自己ベストのラップタイムで走ることができたので、その点では満足しています。

――関カレではアンカー、今大会は3走を務められました。リレーチームでのご自身の役割についてどのように思われますか?

みんながどう思ってくれているかは分かりませんが、僕自身は自分をメンバーのうちの1人でしかないと思っています。

学年や個人の実績に関係なく意見を交わせる関係性が築けていると思いますし、補欠も含めた全員が練習の雰囲気を盛り上げて声を掛け合っている姿が印象的で、それが今の4Kチームです。それぞれに役割があるのではなく、全員がすべての役割を担っているのが今のチームの良さだと思います。

――今後の個人/リレーチームとしての意気込みをお願いします

7月の日本選手権リレーでもう一度全国の決勝の舞台に進み、今度は先頭争いで勝負することが次の目標です。残り1ヶ月もないですが、最大限の準備をして臨みます。ぜひ応援よろしくお願いします。

 

〈女子800m6位入賞・仲子綾乃(総4・浜松西)〉

――試合後の率直な感想を聞かせてください

現状の力に対して、妥当な結果だなあという感触です

――ラストシーズンとなった今大会。どのような思いで大会に臨まれましたか?

昨年は怪我のために出場すらできなかったので、その悔しさを晴らすために絶対に決勝に行きたいと思っていました。

――予選/準決/決勝と3本走られましたが、今大会のレースで印象的だったことを振り返っていただけますか?

予選で位置取りを失敗してしまい、その後の準決ではそれを活かしたレース展開をできたことが決勝に進めた最大の要因だと思います。決勝では、“どんなレースがしたいか”というところも考えていたつもりでしたが、“決勝に行きたい”という思いに対して“行った先にどうするか”ということをしっかり考えられていなかったことが、敗因となったなと感じています。

――この大会は仲子選手の競技人生にとってどういった意味を持つと思われますか?

一緒に練習している仲間がたくさん応援してくれて、本当に幸せで最高に楽しいレースでした。このユニフォームで走れるのもあと数回なので、幸せを噛みしめて、感謝の気持ちを忘れず最後まで走り抜けたいと思います。

――今後の意気込みをお願いします。

今大会で目標の一つにしていた自己ベスト更新は達成できなかったので、次は必ずタイムを出せるように準備していきます。

 

〈男子走高跳4位入賞・須﨑遥也(商3・丸亀)〉

――試合後の率直な感想をお聞かせください

順位で見ればいいですが、記録には納得できないです。身体の状態が良かったが、なかなか踏切が上手いこと弾けてくれなかったなという印象です。

――関東インカレでは悔しい思いをされたと思います。全カレに向けてこの1か月取り組んできたことは何かありましたか?

細かい技術の修正よりも跳躍全体を抽象的に捉えるよう心がけました。関東インカレは助走の技術に注力したあまり、本質であるバーをクリアすることに意識が向きませんでした。自分らしい踏切でバーをクリアするよう心がけて練習に取り組みました。

――今大会のご自身の試技を振り返っていただけますか?

試合内容に関しては大学入学以降最も良かったと思います。“210(2m10cm)まで一発、そこから勝負を仕掛ける”といった理想のプランで試合運びをすることが出来ました。踏切の課題も明確になったことが大きいです。

――今後の意気込みをお願いします

今回の全日本インカレをもって、今シーズン順位を狙う試合は終わりです。残りの試合で記録2m20をクリアできるよう引き続きトレーニングに励んでいきます。

 

インタビューは以上です!これからもケイスポでは体育会の皆さんの活動を取材していきますので、今後ともよろしくお願いします!

(取材:竹腰環、山口和紀)

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