4月に開幕した関東大学女子サッカーリーグ戦は、早くもシーズン終盤に差し掛かっている。5季ぶりの1部を戦う慶大は「1部残留」を目指し、ラストスパートをかける。今回、ケイスポでは対談インタビューでシーズン最終盤に向けた意気込みを聞いた。今回は第3弾(最終回)、田中愛奈(環2・広島)、山田葵(総2・聖和学園)、森原日胡(総2・作陽学園)の2年生トリオ!(インタビューは9月22日に実施)

田中愛奈(たなか・あいな)

山田葵(やまだ・あおい)

森原日胡(もりはら・にこ)
――自己紹介とサッカー歴
森原:総合政策学部2年の森原日胡(もりはら・にこ)です。サッカーは小学校1年生の頃からやっていて、今年で14年目です。小学校の頃は男子チームでやっていて、中学から女子チームに入って3年間クラブチームでサッカーをして、高校は岡山県の作陽学園高校でした。
田中:環境情報学部2年の田中愛奈(たなか・あいな)です。サッカー歴は中学校3年生の時の週1のスクールと、高校2年生からの部活で合わせて3年くらいです。高校は広島高校に通っていました。
山田:総合政策学部2年の山田葵(やまだ・あおい)です。自分は兄の影響で3歳の頃にサッカーを始めて、中学はノジマステラに入って、高校は宮城県の聖和学園高校に進学しました。
――田中選手、中学校3年生でサッカーを始めた理由は
田中:中学校の授業のサッカーが楽しかったり、サッカーを観るのも好きだったので、やってみたいと思って始めました。
――開幕前にInstagramに部員のニックネームが投稿されたが、森原選手の「ニコニコ笑顔の指令塔 慶應の幻レフティー」(山田選手作)について
山田:ニコニコ笑顔は(名前にちなんで)そのまんまで、両足蹴れるので、テソンさん(黄大城監督)に左利きと勘違いされていて、それを語呂良くまとめました(笑)。
森原:部室でいっしょに考えました(一同笑い)。
――両足を使える秘訣
森原:小学校5年生の時に女子のスクールにも通っていて、練習後に仲のいい子たちと「両足で蹴れるようになろう」と言って、フォームの動画を撮って左足ばかり練習している時期があって、そこからドリブルで左足で持つのが苦じゃなくなったりとか、両足を使えるようになりました。両足を使えると選択肢も増えるので、日常的に使うようになって、今は左足の方がいいシュートが入っちゃうこともよくあります(一同笑い)。
――続いて田中選手の「歩みを止めない!ふわふわ和ます慶應の数学者」(森原選手作)について
森原:「歩みを止めない」は、本人が一番感じていると思うんですけど、自分と周りとのギャップを埋めようと努力する姿だったり、成長し続ける姿から入れました。オフの部分も入れたかったので、ふわふわしているオーラだったり、愛奈の人柄のところと、数学を受験に使って入学して、ソッカー部では数学が一番できるキャラが定着しているので、それも入れました。
――最後に山田選手の「ヒーローは後からやってくる 慶應の救世主」(田中選手作)について
一同:(笑)
森原:救世主すぎたもんね昨シーズン。
山田:自分その時(開幕前)けがしていて、理子さん(岩田理子(総3・十文字))?
田中:誰かがつけてくれて
森原:それをもらったの?
田中:うん、かっこいいと思って。
森原:そんな感じするよね葵、一番いいところにいるというか。
――山田選手、昨季は試合終了間際の90分や91分に点を取っていたが、自分ではどう感じているか
山田:頑張って走っていたらたまたまボールが自分のところに来るというか
森原:いつも言うんですよ「たまたま来た」って(笑)。でもそれは絶対必然的に来てると思うよ。
山田:でも狙っているわけじゃなくて、走ってたら「来た」みたいな。
田中、森原:(笑)
――2列目の選手は多いが、山田選手に求められている役割は
山田:2列目から抜け出していく動きは意識しています。後ろの選手がいつも頑張って守ってくれていて、点を取らないと勝てないので、チャンスがあったら足を振る意識はあります。
――山田選手、「うた」というあだ名で呼ばれているが、由来を改めて
山田:最初は葵だったんですけど、1年生の最初の頃の練習でポゼッションをやっていた時に、テソンさん(黄大城監督)が「うた」と呼び始めて、「(柔道の)阿部詩に似てない?」と言って(一同笑い)。葵さん(守部葵(令8環卒))と区別するために「うた」って呼んでくる人が増えました。でも葵って呼んでくる人もいます。
――この学年は
森原:私は葵さん(守部)がいても葵って呼んでいました。
田中:私も葵です。
山田:でもたぶんうたの方が呼びやすいので、試合中はうたの方が多いかなと思います。
――先輩はどの呼び方が多いか
山田:先輩はうたの方が多いんですけど、最近山田とかも呼ばれます(笑)。
森原:いろんなあだ名がつきます(笑)。
――山田呼びするのは
田中:理子さん(岩田)とかね
山田:理子さん、和花さん(米口和花(総3・十文字))、芽衣さん(髙松芽衣(環3・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18))とか、3年生が多いですね。
――1年生からは
山田:1年生は葵さんが多いけど、
田中:遥(木田遥(総1・十文字))は?
山田:遥だけうたさん呼びです(笑)。
――「葵」と「うた」どちらがいいか
山田:どっちでもいいです(笑)。
森原:どっちでもいいんかい(笑)、こだわり持ってよ(一同笑い)。
――森原選手と山田選手の出会い
森原:葵は高校サッカーが終わって春休みの時期から練習に参加していて、私は地元が広島でもあったので準備とかもあってなかなか行けなくて、最初に会ったのは3月の最初に私が合流したときだったと思います。
――田中選手が入るまで2人しかいなかったが、率直にどう感じていたか
山田:少ないなと思っていました(一同笑い)。
森原:葵がどんな感じかすごく楽しみでした(笑)。
――「少ないね」と話すことはあったか
山田:話したね。
森原:話したよね。2人少なすぎるよねって。
山田:2人寂しいねぇ、って(笑)。
――田中選手はどのくらいの段階から入部を考えていたか
田中:正式に入ったのは5月で、4月の新歓の時期にインスタにDMを送ってから練習見学をしていました。
――サッカーをやることへの迷いや、他の選択肢は
田中:最初は、自分とのレベルの違いがありすぎて迷ったんですけど、先輩の話を聞いたりして、「頑張りたいな」と思って決めました。
――山田選手と森原選手からの勧誘は
山田:2人と3人だと結構違うので、入ってほしかったです。
森原:いっしょに帰ったりしてたよね?
田中:たぶん?
森原:たぶん
山田:たぶん(一同笑い)
森原:結構話した気がします。
――2年生はふわふわしている学年だと上の学年の選手から聞いたが
山田:日胡は比較的真面目だと思うんですけど、自分は真面目ではないというか…なんていうんだろう
田中:真面目なところが違う?
山田:(森原は)しっかりしているんですけど、ちょっとここ(山田と田中)は…
森原:いっしょに下げないで(一同笑い)。
山田:でもしっかりはしてないよ。
田中、森原:えーしてるよ。
山田:しっかりしているというか
森原:分野は違えどそれぞれ頼りがいがあるというか、でもふわふわはしていると思います自分たちでも(一同笑い)。他の学年にはない雰囲気だと思います。
――田中選手と山田選手は似ている?
山田:いや…中身がある話をあまりしていないというか(一同笑い)
森原:やってるじゃん学ミ(学年ミーティング)とか(笑)
山田:学ミとかはするけど日常で
森原:たしかに。大学でもいっしょで、ずっといっしょにいるので、他愛もない話で盛り上がったりとか、きのう何があったとか日常会話をすることが多いですね。特にここ(山田と田中)が(一同笑い)。
――田中選手と森原選手は広島出身だが、近いか
森原:遠いですね。
田中:私は広島の左の方で、日胡は右の方ですね。
森原:私は岡山寄りの福山市で
田中:私は広島市です。
森原:車で行ったら3時間くらいかかるよね?
田中:え?そんなにかかる?かかんなくない?
山田:知らない(一同笑い)
森原:全然気軽に会える距離ではないですね。
――広島トークは
森原:方言で通じ合えたりします。
田中:(笑)
――山田選手は2人の方言を感じることは
山田:そんなになまってはないけど、イントネーションがたまに違ったりして
田中:よく言われる(笑)。
森原:けどここでは勝てるんですよ数で(一同笑い)。
山田:2対1でね(笑)。でも近くを通った人に「違うよね?」って聞くと
森原:そしたら負けます(一同笑い)。
――プレー中とそれ以外でのギャップ
森原:葵は、他の人からどう見えているか分からないんですけど、たとえば2日連続オフの時に「何したの?」って聞くと「何もしてない」って言うんですよ。本当にサッカーがなかったら家から出ないみたいで、なのにグラウンドに出ると足を上げて走るのが葵のギャップです(一同笑い)。
山田:オフがあるとダメになっちゃうので
森原:サッカーが合っているなと見ていて思います。サッカーが好きなんだなって。
――走り方は部員ブログにも書かれていたが
森原:芽衣さん(髙松)のやつだよね。(原文:大きく腕を振り、腿を高くあげ、ピッチを駆け回るゴールゲッター山田葵からバトンを受け継ぎました、環境情報学部3年の髙松芽衣と申します。)
山田:別に意識しているわけじゃないんですけど(一同笑い)、ちょっといじられることが多いです(笑)。
――田中選手は
森原:愛奈は本当にこの感じ
山田:この感じです。
森原:でも自分の興味あることには真っ直ぐで、いっしょにスタバ行ってもずっと課題をやったりしていて(笑)、私はすぐ気が散っちゃうので本当にすごいと思います。
――田中選手、数学は何が得意か
田中:何が得意とかはあまりないけど、自分の中で得意意識はあって、中学校の時に高校の範囲を全部終わらせて、そうしたら授業も全部分かるので、できるというだけです。なんでそんなに数学をやっていたかというと、他の教科が嫌すぎて、数学だったら頭を使わずに解けるので
森原:一番頭使いそうだけど(笑)。
田中:計算とかも頭を使わなくていいから数学が好きでした。
――森原選手は
田中:日胡はおしゃれな服を着ています。
山田:おしゃれで、ピッチ内でもそうだけど本当にしっかりしているから、助けてもらっています。たとえば履修の期限があると、「葵これいつまでにやらないとやばいからね」って言ってくれるんですよ。自分はなんとかなるかなと後回しにしちゃうタイプで、日胡がいつも「葵ほんとにやばいよ」と言ってくれて、さすがにやらないとだめかなと思うのでいつも助かります(笑)。
森原:2年目になって、「やった方がいいよ」ではやらないことに気付いて、「ほんとにやばいよ」と圧をかけることで葵がやっとやってくれることに気付いたので(一同笑い)
山田:今後も助けてもらって(笑)。
――学年としては、しっかり者1人とふわふわしている2人?
山田:ふわふわしているというか…
森原:ちょっと私の中では葵は違うというか
山田:こっち(田中)はふわふわしているんですけど(一同笑い)
森原:(田中は)ふわふわしています常に(笑)。(山田は)本当にやらなきゃいけないことはできるというか、力を使わなくていいこととの境界線があって、熱量を使い分けている感じがします。まとめるとずる賢いっていう感じです(笑)。
山田:褒められてるそれは?(一同笑い)
――森原選手のしっかり者について
森原:しっかり者じゃないんですよ。
山田:自分らのせいでそうなっているかもしれないです(一同笑い)。
田中:たまに抜けているところもある。
森原:そっちの方が多いと思う。
山田:自分らのせいですね。
田中:(笑)
――学年をひと言でまとめるなら
一同:(熟考)
山田:どう?(2人に委ねる)
森原:まとめられるキャラじゃないというか(一同笑い)、似ているわけでもなく、共通点があるわけでもなく、それぞれがそれぞれの得意な分野で魅せる感じですね。
――ここからはサッカーの話題について、森原選手は今シーズンここまで全試合に出場しているが、プレーを振り返って
森原:今シーズンは自分自身もチームも経験したことのない1部の舞台で、素直な気持ちで言うと、準備してきたものがあったので自信はあったものの、1部の舞台に対する緊張や恐怖があって、開幕戦からスピード感も違いましたし、でもそこから息つく暇もなく次の週にはまた勝ち点を落とせない次の試合があって、自分自身の実力に向き合うのがこれまでだったと思います。自分の実力のなさだったり、突き詰められるところだったり、チームとしての課題が出てくるけど、また次の試合が迫ってくるもどかしさ、自分が何もできないことへの悔しさがあって、きっとこのまますぐにシーズンの終わりを迎えてしまうので、一日一日を大切にしたいと思うことが続いている毎日です。
――以前からインタビューに伺うと、得点関与を課題として話しているが
森原:スピード感とか守備の強度は変わっている中でも、得点に絡むことはずっと自分の課題として置いていて、これまで得点という形で結果を残せていないのがすごく悔しいですし、でもやっぱりこれまでやってきたことを続ければ得点という結果が出ると信じてやり続けたいですし、気持ちがゴールという形で返ってくることもあると思うので、強い気持ちをぶらさずに最後まで頑張りたいです。
――続いて山田選手、開幕戦当日の手術からシーズンが始まり、前期で復帰してゴールもあったが、ここまでを振り返って
山田:サッカー人生の中でも大きなけがをして、リハビリの時間を過ごして、外から見ていて勝ち点が取れそうで取れない試合が多かった中で、早く戻って貢献したい思いはありました。7節目で復帰して、最初の方はなかなか状態もよくなくて、思うようにプレーできなかったんですけど、最近はコンディションも戻ってきて、自分はスタートよりは途中から出ることが多いので、流れを変えることが求められると思うし、ポジション柄ゴールにつながるプレーが求められると思うので、続けていきたいと思います。
――この間の(後期第8節・)国士舘大学との試合で、途中出場で右インサイドハーフに入ったのち、FWにポジションを移したが、チームが2トップを採用し始めた中で山田選手に変化は
山田:最近はインサイドハーフだけじゃなくてFWをやることもあって、違いはあるので難しさはありますが、テソンさんがいつも言っているように「一人がいろいろなポジションをこなさなければいけない」と思うので、どこのポジションでもやるべきことを頑張りたいと思います。
――田中選手はまだ公式戦デビューは果たせていないが、現在地は
田中:まだ今の自分の実力として試合に出てもできることは何もないので、試合に出ることを目標にしています。練習試合に出ても、判断ができていないところとか足りていないところがどんどん出てきて、「どうしたらいいんだろう」と思うことがたくさんあるんですけど、2年生や先輩が教えてくれたり自主練に付き合ってくれたりいっぱい与えてくれているので、それをいつか返せたらいいなと思います。
――ポジションや目標とするプレーヤー像
田中:練習試合ではインサイドハーフをやることが多くて、ボールをいっぱい触るポジションなのでもっとうまくできるようになりたいというのと、選手としてはもうちょっとスピードがある、切り返しとかが速い選手になりたいです。芽衣さん(髙松)みたいな選手になりたいです。
――昨シーズンの後期の順天堂大学戦に堀田選手(堀田朱花(商3・山手学院))が出たり、今シーズンは廣本選手(廣本瑞季(文3・学習院女子高等科))が出場機会を増やしていたり、サッカーの経験年数が長くない先輩が活躍している姿は田中選手にどう映っているか
田中:すごいなと思います。まだ朱花さん(堀田)と瑞季さん(廣本)ともレベルの差がすごくあると感じていますが、よく朱花さんと自主練をすることもあるので、周りからどんどん吸収して、自分も試合に出られるようになれたらと思います。
――3人しかいない2年生という学年として、残りのシーズンでどういった貢献をしていきたいか
森原:自分たちの学年はキャラクターとしても上の学年から気にかけてもらえることが多いと感じていて、3人だからこそ先輩とコミュニケーションを取る機会も多いですし、3年生になる前にできることとしては、上の学年から言ってもらったことや影響を受けたことを吸収して体現する姿勢でチームに還元する必要があると思っています。学年ミーティングをした時に葵が話していたのは、3人しかいないので、1人の振る舞いが2年生の振る舞いになるというか、影響しやすいって
山田:3人しかいない分、一人ひとりが2年生として見られるからという話はしましたね。
森原:3年生になったら役職も出てきてチームのことを考える時間が増えるので、今はチームのことをもちろん考えるけど、自分に矢印を向けて自分を成長させることを意識しています。
山田:日胡助かるなぁ(一同笑い)。
森原:「森原:ワー(長文)」ってなっちゃうからなんか出してよ(一同笑い)。
田中:今は3年生と4年生の背中を見て、どういう3年生になれるか、そうなるために自分が何をすればいいのか考えて、もちろん1年生もいるので先輩としても見られるけど、吸収して自分たちが成長する期間にできればと思っています。
――最後に、残りのシーズンで他の人に期待すること
森原:葵には、もちろん昨シーズンのようなチームを救う得点に期待していますし、自分も負けじと点を取るんですけど(一同笑い)、葵が言っているように途中から流れを変えられるポテンシャルのある選手でもあると思うので、フレッシュな状態で入ってチームの流れを変えるようなプレーや姿を見せてほしいです。声を出すことにもチャレンジしていると聞いたので、意識していることにチャレンジしている姿が見られたらと思います。愛奈は、愛奈も言っていたように試合に出ることをもちろん目標に置きながらも、あと1カ月半くらいしかないですし、日々の練習の中でいろいろなことにトライして、できることを増やす姿を見られることを楽しみにしています。3年生になる直前の時期でもあるので、それぞれもう一段階成長を見せてくれると思います!
山田:まず日胡に期待することは、今も言っていた通りそろそろ点を取ってくれると思うので(一同笑い)、得点というところと、パスもそうだし、足元の技術もそうだし、チームの流れをつくるプレーに期待しています。愛奈に期待することは、愛奈が言っていたように少しでも成長することを目標にしていて、愛奈が頑張っている姿を見て自分も頑張ろうと思える人もいると思うので、チームにポジティブな影響を与えてくれたらと思います。
田中:日胡は、さっき言っていたように点を見たいのと……勝負しているのを見たいなと思います。ウイングで、縦に勝負しているかっこいい日胡を見たいと思います。
森原:頑張ります!
田中:葵は、私はターンが好きで
山田:ターン?
田中:キュッてなるきれいなターンで、なんだろう…
森原:360°ターンだよね?…違う180°だ(一同笑い)
山田:一周しちゃった(一同笑い)
森原:一周しちゃダメだ(笑)
山田:(笑)
田中:180°(笑)、回転するターンがものすごくきれいで、すごく好きなので、そこからのパスとかを見たいと思います。
(取材:柄澤晃希)

