【バレーボール】全員バレーで強豪中大を撃破!4連勝で勝負の後半戦へ! 中大戦

見事に中大を下した

中大相手に念願の勝利を飾った

前日の法大戦では苦戦を強いられながらも、途中出場の佐藤の活躍もあってフルセットの末に法大を下した慶大。3連勝と勢いに乗った慶大が迎え撃つ相手は、「苦手意識がある」(岡田主将・商4)強豪中大。昨年は慶大が2戦2敗。いわば天敵である。さらに、この日の試合会場は中大の体育館。会場は中大一色に染まった。この圧倒的アウェーな雰囲気の中、粘りのバレーを見せた慶大が競った展開をものにし、見事3-1で中大を撃破。今季一番の「ベストゲーム」(宗雲監督)で4連勝を果たした慶大が、優勝争いに名乗りを上げた。

4月29日(祝)春季関東大学1部バレーボールリーグ第7戦 慶大×中大 @中央大学第一体育館板張り競技場

得点
慶大 セット 中大
28 26
25 22
20 25
25 17
 

スパイク、サーブと活躍をみせた岡田

スパイク、サーブと活躍をみせた岡田

今後の優勝争いを占う大一番となった中大との一戦。試合は序盤から両校の意地がぶつかった大接戦となる。岡田のサービスエースで幕を明けた第1セット、柳田(環3)のスパイクが中大にブロックされるなど序盤で中大に3点リードを許すも、慶大も星谷(理4)・稲田(環3)の両センターのクイックや、益田(政4)の鋭いスパイクで必死に食らいつく。柳田のジャンプサーブで勢いをつかんだ慶大が中盤で逆転するも、中大も離されることなく試合は終盤へ。そして23-23から慶大が2度のセットポイントを握る。しかし、共に中大はこれを凌ぎ、逆に25-26で中大にセットポイントを与えてしまう。この局面で、主将・岡田の右腕がチームを救う。スパイクでデュースに戻すと、26-26から2連続サービスエース。岡田の3連続得点で大接戦の第1セットを28-26で奪う。

第2セットも一進一退の展開で進んでいく。中大の強力な攻撃に対し、慶大もセッター・野口(環3)がツーアタックを決めるなど、多彩な攻撃で中大に対抗する。シーソーゲームの展開の中、セット中盤に入ると、「レシーブから」(益田)攻撃へのリズムを生んだ慶大の粘りのバレーが中大のミスを誘う。そのミスに付け込んだ慶大が、岡田・柳田の強烈なスパイクで点差を4点に広げる。中大も意地を見せ20-20の同点に追いつくも、ここで星谷のクイック、さらに柳田のサービスエースが炸裂し、慶大が先行する。中大も何とか追いすがるものの、最後は岡田・柳田のスパイクが決まり、第2セットも25-22で慶大が2セットを連取する。

このまま一気にストレート勝ちを収めたい慶大だったが、中大もすんなり勝たせてくれるほど甘くはない。後のない中大の「パワーバレー」(星谷)が慶大に牙をむく。第3セットの序盤こそ一進一退の展開が進んでいったが、慶大ブロックが中大のスパイクを止められず、はじかれてしまう場面が増えていく。セット中盤で中大に4連続ポイントを許してしまい、慶大も益田のスパイクで点差を詰めようと試みるも、全体的にミスが目立った慶大は最後まで追いつくことが出来ず、このセットを20-25で落としてしまう。

攻撃面でも冴えわたった益田(写真中央)

攻撃面でも冴えわたった益田

嫌な流れで第3セットを落とし、中大に主導権を渡してしまいそうな展開であったが、「強気に集中」(宗雲監督)していたこの日の慶大は違った。第4セット序盤から柳田のスパイク、フェイント、サーブが中大コートを襲う。中大もスパイクで対抗し迎えたセット中盤、12-11で岡田のスパイク、さらにはブロックで中大の攻撃をシャットアウトすると、さらに中大が2本連続でスパイクをアウトしてしまう。これで勢い付いた慶大が一気に引き離しにかかる。益田、岡田、柳田が次々スパイクを決めると、意気消沈した中大はらしからぬミスを連発。そして迎えたマッチポイント。最後は星谷が中大のスパイクをブロック。「気持ちの部分」(野瀬・環2)で負けなかった慶大が、セットカウント3-1で強豪中大から勝利をもぎ取った。

岡田、星谷ら4年生が「入学してから一度も勝ったことがない」中大相手に初勝利をおさめた

岡田、星谷ら4年生が「入学してから一度も勝ったことがなかった」中大相手に初勝利をおさめた

 

 

最終的なスコア以上に、どのセットも接戦となったこの試合。特に第1セットはデュースにまでもつれ、お互いがマッチポイントを握った。しかし、「皆の気持ちが1つになっていたこと」(宗雲監督)で、慶大の勝利への執念が中大を上回った。そして法大戦と同様、セットを落としても悪い流れを引きずることなく、しっかり粘って「終始自分達のペース」(柳田)を展開出来るあたりが、今の慶大の強みの1つである。昨年中大に連敗した時のチームとは一回りも二回りも大きく成長しているのは間違いない。

この後慶大が迎えるのが、初出場となる黒鷲旗全日本選抜大会。昨シーズンVリーグを制したサントリー等プロチームとの戦いが待ち受けている。そして黒鷲旗後のリーグ戦は、王者筑波大、上位につける日体大や順大、ライバル早大とのビッグマッチが控える。特に筑波大は、昨年のインカレ決勝で慶大の全国制覇の夢を打ち砕いた因縁の相手だ。しかし、今の慶大には“勢い”がある。プロチーム、そして王者・筑波大を倒し、再び「慶大旋風」(益田副将)を巻き起こす。

(記事・飯田駿斗)

監督・選手コメント

宗雲監督

(今日の試合を振り返って)選手にも言ったのですが、ベンチにいて本当に楽しかったです。楽しませてもらった、ベストゲームですね。(勝因は)まずは皆の気持ちが1つになっていたこと。これだけ強気に集中して出来るのだと。気の緩みもなくて、そういうところだと思います。ここまで集中するとはちょっと思っていなかったです。(法大相手に苦戦した昨日からの修正点は)直接本人達には言っていないのですが、昨日のことは昨日のことで波が激しい今年のチームの特徴で、昨日に関しては波が1番悪い時でした。その時に昨日当たってしまって、その中で交代出場した佐藤が勢いを戻してくれて、元々それを非常に期待していたのですが、期待通りの活躍で昨日の停滞ムードを振り払ってくれました。それと今日はまた相手が違うので、修正点というのは特にないですよ。学生が自分達で昨日の試合の気持ちの入らなさ、火が点かなかったのを修正はしていたとは思います。(昨年一度も勝てなかった中大に勝てたことは)どこのチームも春は未完成で粗い部分があると思うのですが、勝てなかった相手に勝てたということは単純に嬉しいです。(開幕して1ヶ月経ってチームの完成度は)理想と現実との差はそれほどないですね。心配していた部分はやっぱり出ているし、逆に今日みたいに良いゲームが出来るというのは思っていなかったので、嬉しい誤算が出ています。心配している部分は少しずつ修正出来ているので、選手も良くなっているし、少しずつ課題は無くなっていると思います。(黒鷲旗に向けて)勝ち負けはあまり学生には関係ないというか、プレッシャーにならないと思うので、ちょっと3年生が疲れていますけれども、明日移動してきついかもしれないけれど、社会人に胸を借りて力を付けてまた帰ってきたいと思います。(次のリーグ戦は昨年インカレ決勝で敗れた筑波大が相手だが)また今日みたいに気持ちが入ってくれれば良いと思います。

岡田拓巳 主将

(今日の試合を振り返って)みんな必ずしも絶好調というわけではなかったんですけど、昨日課題だった負けそうなときにどれだけ頑張れるかということが今日はできたので良かったです。あといつも以上にブロックがうまく機能したので、できればこれをリーグ戦ずっと続けていければなと思います。(今日の勝利で4連勝だが好調の要因は)今まではミスばかりにこだわってきたんですけど、そうではなくてお互いのベストプレーを出そうということで、お互いにミスを批判しないで、勇気づけられるようにプレーをしようと意識を変えたのでそれが良くなった要因かなと思います。(昨年一度も勝てなかった中大が相手だったが)実は僕が入学してから一度も勝ったことがなくて、どうしても苦手意識があったチームなので、それに勝てたということはすごい大きいことだなと思います。(第1セットのラストは大活躍でしたが)でもその後のサーブがあまり続かなかったので、あれを自分でも普通に出せるように、あれを武器にできるようにしていければなと思います。(次は社会人が相手となるが意気込みは)向こうはプロなので胸を借りるつもりで、今日みたいに思いっきりプレーできればいいなと思います。

益田万太郎 副将

(今日の試合はいかがでしたか)本当に勝てて良かったです。(中央大への対策は)サイドアタックが強くて、僕たちはサーブで誰を狙おうということはやっているのですけど、それが効果的にはまったセットはきちんと取れて、落としてしまった3セット目はサーブで狙った結果サーブミスに繋がってしまって。狙うことができたセットは取れたので、そういう対策ができたのは良かったです。(アウェーでの戦いは)僕の中では慶大旋風を巻き起こそうと思って乗り込んできたので、それができたので良かったです。(今日はフル出場でしたが)昨日は僕の調子が悪くて、4・5セット目は(佐藤)凜太郎が頑張ってくれたので、今日は頭から行くということで、3-0で勝つという風に強気で臨めたので結果に繋がったと思います。(今日もレシーブが安定していましたね)いや、まだまだです。これからどんどん自分が拾えるくらい成長していきたいです。(益田さんの攻撃参加も効果的ですね)それについてなんですけど、昨日は攻撃をしようと思ってレシーブがおろそかになってしまったので、今日はまずはレシーブからということを心がけてやった結果、攻撃も決まったので、これからはレシーブを自分が中心となってやるということを心掛けていきたいです。(攻撃への手ごたえは)岡田と柳田にマークが集まって、僕にマークが薄くなり、おいしいところを持って行けているので、それはありがたいです。(4連勝ですね)良い流れで3連戦を終えることができて、あと強豪との4試合があるのですが、そこは気持ちで今日みたいな慶大旋風を巻き起こせるようにしたいです。(次は黒鷲旗を迎えますが)相手はVリーガーたちなので、チャレンジャーの気持ちで向かって行ければと思います。何か収穫があれば良いです。(筑波戦へ向けて)筑波も元気のあるチームなのですが、それに負けないように。僕らも最近走り回るようになったのですけど、気持ちで負けないようにしたいです。

星谷健太朗

(今日の試合を振り返って)今まで勝てなかった相手なので、勝てたことは嬉しいです。(自身のプレーについて)まあまあだったかなと。でももっといけると思います。(中大の印象)サーブレシーブが乱れてくれていたので、いつものようなパワーバレーじゃなくて、こっちもレシーブがつながったので、いつもの中央ではなかったんじゃないかなと感じました。(勝った時の気持ち)いつのまにか勝ったという感じでした。(次戦に向けて)残り全部勝って優勝できるように、練習に励んでいきたいと思います。

稲田聡典

(今日の試合を振り返って)中央は格上の相手だったんですけど、その相手に対して自分たちのバレーをして勝てたのは大きいと思います。(自身のプレーについて)今日はラッキーなプレーとかも多くて、普段よりは調子が良かったと思うんですけど、結果としてブロックは全然出せてないので課題もあると思います。(中大の印象)両サイド速くてどの攻撃も安定しているので、ブロックにつくのは難しかったんですけど、うまくレシーブ陣が頑張ってくれたおかげで、よく粘れたと思います。(勝った時の気持ち)嬉しいの一言です。(次戦に向けて)この後も格上のチームが続いていくと思うんですけど、今日のような雰囲気で自分たちのバレーをしっかりやって勝っていきたいと思います。

野口剛志郎

(今日の試合を振り返って)全員で勝てた1勝だと思います。(中央大戦にむけてどのような策を)自分としてはコンビの組み立てで勝ち負けが変わるのではないかと思っていました。サーブカットの(益田)万太郎さんと柳田と野瀬が4セット通じて集中してくれていたので、こちらとしてはコンビがとても組みやすかったです。(クイックの息も合っていますね)中があってのサイドだと思うので、星谷さんも稲田もしっかりと決めてくれたので、こちらも安心して上げ続けられたというのもあります。(これまで勝てなかった中央に勝ちました)素直に勝てなかった相手に勝てたことは嬉しいです。あと、全員で掴んだ1勝なので、今後につながる勝利だと思いました。(ツーアタックなどの攻撃も決めましたね)チャンスがあれば今後もやっていきたいです。点数を取ると楽しいので。(トスで翻弄する場面も数多くあります)コンビを意識したので、それが相手のブロックと重ならなかったということで、自分の作戦が上手くいったので自分出来としては良かったのかなと思います。(黒鷲旗を挟んでの連戦となりますが)疲れもあると思うのですが、黒鷲旗では格上のプロの方々と試合ができるので、吸収できるところは吸収して、今日みたいな全員バレーをしたいです。(筑波大戦へむけて)筑波も力を持っているチームなので、今日みたいに全員で勝ちにいきたいです。

柳田将洋

(今日の試合を振り返って)攻められる場面もあったんですけど、終始自分たちのペースでバレーができたので、その結果が勝利につながったと思います。(好調の要因は)最初から自分たちのバレーができていれば、こういう結果になるとは分かっていたんですけど、まだ自分たちの持っているものを全部出したわけではないので、これからさらに強い相手とやる訳なので、この結果に満足せずにやっていきたいです。(相手は昨年一度も勝てなかった中大だったが)苦手というか勝ててなかったんで、そういった相手に勝てたということはこれからの自信に繋がるかなと思います。(次の試合は社会人が相手だが意気込みは)レベルが上なので胸を借りるくらいの気持ちでぶつかっていきたいと思います。

野瀬将平

(今日の試合を振り返って)全員気合が入っていました。中央には去年の春はリードしていたけど負けて、秋は優勝懸っていたところで負けていたので、意気込んでいました。(今まで勝てなかった相手に勝てたことは)大きいですね。今日は全員が調子よかったですが、これをキープしていかないと勝ち続けられないので、もっと頑張っていきたいです。(相手のサーブは強力でしたが)去年もそれで何本もやられていたので、ビデオとか見て研究したりしたのですけど、(今日良かったのは)気持ちの部分が大きいです。(アウェーでしたが)逆にあそこまでアウェーだと楽しめたというか。昨日の5セット目から走っていこうというスタイルに変えたので、それでみんな盛り上がって良かったのではないかと思いますね。(野瀬さんが中心となって声を出していますね)盛り上げるのがリベロの仕事なのですけど、それにみんなが一緒に盛り上がってくれたので、やりやすくて良かったです。(黒鷲旗が次戦に控えます)黒鷲では普段できないVリーグのチームと戦えるので、もちろん勝ちを狙いに行くのと、良い選手が多いので相手から学びたいです。下剋上で倒しに行きたいと思います。(筑波戦へむけて)筑波にも昨年、リーグ戦とインカレで負けているので、どうにか攻略して、勝ちたいと思います。

 

サイド 柳田将洋(環3・東洋高)
セッター 野口剛志郎(環3・東福岡高)
センター 星谷健太朗(理4・渋谷幕張高)
サイド 岡田拓巳(商4・熊谷高)
サイド 益田万太郎(政4・慶應高)
センター 稲田聡典(環3・日向学院高)
リベロ 野瀬将平(環2・東福岡高)
途中出場 丸谷将大(環3・東筑高)
佐藤凜太郎(環2・東北高)
上田悠貴(総2・生野高)
吉田純(環2・東亜学園高)


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