【バレーボール早慶戦】4連覇達成ならず 男子戦/1年生が活躍も格上相手に敗戦 女子戦

岡田今年で77回目を迎えた、歴史を誇る早慶バレーボール定期戦。男子は半世紀ぶりとなる4連覇の快挙を狙ったものの、早大に力の差を見せつけられてしまい、春に続いて苦汁を舐めることとなった。また、女子も1年生が活躍を見せたものの、格上である早大の高さに屈してしまった。

6月16日(日)@早大戸山記念会堂 第77回 早慶バレーボール定期戦

男子 得点
慶大 セット 早大
26 24
18 25
19 25
16 25
5月に行われた春季リーグのリベンジ、そして悲願の4連覇を果たしたい男子。セッターには春季リーグで活躍を見せた期待のルーキー池田(環1)を起用した。第1セット、開始早々池田がダイレクトスパイクを決めると、サーブアウトやスパイクアウトなどのミスも見られたが、相手のミスにも助けられ両者譲らない展開に。その後も春季リーグでは惨敗を喫した早大に食らいつき、一進一退の攻防となる。緊張感も漂う中、終盤には七條(環4)をピンチサーバーとして今季初投入。最後まで早大に流れを持っていかれることはなく、このセットは26-24で先取した。

3枚ブロックも及ばなかった

3枚ブロックも及ばなかった

応援のボルテージもさらに上がり、流れに乗りたい第2セット。星谷(理4)が持ち味のクイックを連続で決めると、第1セットと同様に点の取り合いとなる。しかし岡田主将(商4)がキレのあるスパイクで連続得点し、12-13とした直後、慶大のミスが続き一気に5連続失点してしまう。ここから早大が本来の姿を見せ始め、点差が広がっていく。早大の鋭いスパイクが突き刺さる中、慶大の攻撃は徐々にかみ合わなくなり始めた。18-23となったところで野口(環3)がピンチサーバーとして出場したが、失った流れを取り戻すことは出来ず、第2セットは18-25で落としてしまう。

第3セットも終始押されてしまう展開に。早大の完璧な守備と多彩な攻撃が光る反面、慶大には第1セットのような気迫は見られなくなっていた。相手のミスもあり大きく点差をつけられることはなかったものの、「大人と子供くらいある」(宗雲監督)サーブレシーブの差をカバーすることは出来なかった。終盤には流れを変えようと上田(総2)を投入。しかし波に乗る早大の隙のない攻撃にはついていけず、第3セットも19-25で落とす。

後がなくなった第4セット。4連覇に向け悪い雰囲気を一変させようと、池田に代わり野口をセッターとして起用するも、早大の威力は止まることを知らず、3枚ブロックでも太刀打ちすることが出来ない。それでも諦めない慶大はエース柳田(環3)や岡田がスパイクを決め、声を出し続ける大応援団に応えようとする。「先輩方が築いてきた3連覇」をどうしても守りたかった星谷も連続で早大の攻撃をシャットアウトし、4年生の意地を見せた。しかし力みすぎたためか些細なミスが多く見られ、16-25で第4セットも落とし試合終了。念願の4連覇は夢に終わってしまった。

サーブカットの改善が今後の鍵となる

サーブカットの改善が今後の鍵となる

 

普段とは全く違った思いで臨んだ早慶戦。これほどの大声援に囲まれる試合は他にないだろう。しかし、春季リーグと同じように早大の隙のない攻撃に屈し、悲願達成とはならなかった。第1セットまでは慶大らしい攻撃が見られたものの、「2セット目で早稲田さんにスイッチが入って、終始押されていた」(宗雲監督)、「2セット目以降はこっちのカットが崩れてしまって、相手に好き放題やられた」(丸谷・環3)と監督や選手が語るように、第2セット中盤以降は完全に早大ペースで試合を進められてしまった。大きな要因はやはり以前から課題として挙げられていたサーブレシーブであり、アウェーの中での大声援を味方につけてもその差を埋めることは出来なかった。「いっぱいお客さんが来てくれたので、勝ちたかったのですけれど、勝てなかったのが本当に悔しいし、申し訳ない」(星谷)、「伝統的な一戦なのに、こういった形で負けてしまったというのは非常に悔いの残る結果」(柳田)と選手も悔しさを隠し切れない。それでも「七條選手がピンチサーバーで出たりとか、星谷選手がジャンプサーブを打ったりとか、いろいろなことを試せた」(宗雲監督)というように、収穫の多い試合でもあった。この後はすぐに東日本インカレが始まる。気持ちを切り換え、「チャレンジ精神を忘れずに」(柳田)格上のチームに挑んでいく。

(文・杉本理沙、写真・中田健太)

試合間には應援指導部によるパフォーマンスなども行われた

試合間には應援指導部によるパフォーマンスなども行われた

また、男子戦に先だって行われた早慶女子戦。4部リーグに所属する慶大は今春まで1部の舞台で戦っていた早大相手に、1987年以来、26年ぶりの勝利を目指した。

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女子 得点
慶大 セット 早大
13 25
11 25
25

早大の高さに終始苦しめられた

早大の高さに終始苦しめられた

第1セット序盤、慶大は格上の早大相手に互角の戦いを見せる。サービスエースで先取点を奪われるものの、すぐに期待のルーキー・御手洗(環1)のアタックで追いつく。その後も折笠(環3)のサービスエース、御手洗のスパイクなど5-5と両者譲らない展開に。しかし、ここから連続失点を喫してしまい、このセットを13-25で落とす。

第2セットも主将である鈴木(商4)のブロックや、谷川(環2)のサービスエース、佐藤(政1)のスパイクなど、個々での良いプレーが光るものの、高さに勝る早大の前に思うような試合運びをできず、11-25でこのセットも落としてしまう。

活躍をみせた1年生の御手洗

活躍をみせた1年生の御手洗⑪

何とか一矢報いたい第3セットは、この日、大活躍の御手洗が序盤から強烈なスパイクを決め、3-1と慶大がスタートダッシュに成功する。しかし、その後は力尽きてしまい、連続失点を止めることができなかった。マッチポイントを握られてから鹿島(文3)の見事なスパイクが決まるも、このセット8-25で落としてしまい、ストレート負けを喫した。

早大を苦しめるまでには至らなかったものの、1年生の御手洗の活躍など、格上相手との戦いで明るい材料を見つけることができた慶大女子バレー部。鈴木主将を中心に目指すのは、今秋での3部リーグ昇格だ。

(文・古尾谷拓真、写真・杉本理沙)

 

監督・選手コメント

宗雲監督

(今日の試合を振り返って)1セット目はこっちもかなり気持ちが入っていて、強気のプレーができたので、精神的に効果もあったんですけどね。2セット目に早稲田さんがスイッチが入って、早稲田らしい守備と強いサーブと、守備に裏付けられたコンビネーションで終始押されていたので、早稲田のほうが素晴らしい出来だったと思います。(早大にはどの点で劣っているか)一番大きいのはサーブレシーブだと思うんですよ。サーブレシーブは崩されるので結局大きなトスになってしまう。そうすると岡田でも柳田でもつかまってしまう、3枚ブロックできっちりと止められるので。早稲田はサーブレシーブが崩れる機会が少ないので、終始コンビネーションが取れるので、ブロックに入れることが少なく、完全に崩壊した状態になるんですね。それでも2セット目の途中まではかなりこちらも頑張ったんですけどね、それでもサーブレシーブが良くないと、攻撃は絶対つながらないので、サーブレシーブの差は大人と子供くらいありますね。(今回は伝統の一戦である早慶戦でしたが)ある意味いろいろなことを試せるし、例えば今日七條選手がピンチサーバーで出たりとか、サーブが結局春のリーグも弱いので、星谷選手がジャンプサーブを打ったりとか、スタメンの6人のうち5人がジャンプサーブを打ったりということで、試すことができた。リーグ戦と違うから意識が変わるというのは私の中ではほとんどないですね。どこが相手でも、定期戦でも勝ちたいし、特に早稲田さんとは勝ち負けをすごく意識しているのはこの4,5年なので、やっと差が詰まってきた。ただ単に相手に勝ちたいと、それだけでやっています。(東日本インカレに向けて)芯が粗いので、少しでもいいところは伸ばして、課題のレシーブはもう少し時間をとってレシーブ練習をして、臨みたいと思います。

星谷健太朗

(今日の試合を振り返って)今日はいっぱいお客さんが来てくれたので、勝ちたかったのですけれど、勝てなかったのが本当に悔しいし、申し訳ないと思っています。(前回の早大戦からどのような対策をされましたか)対策というよりは、力の差ははっきり言ってあったので、どれだけチャレンジ精神で攻めていけるかというのを大事にしていたのですけど、ちょっと守ってしまった部分がありました。(4セット目の終盤にはブロックが続けて決まりましたね)そうですね、最後にブロックが決まったのは良かったのですけれど、あれをもっと前の段階でできていたら良かったので、力不足を感じました。(大学生活最後の早慶定期戦でしたが)先輩方が築いてきた3連覇だったのですけど、それを止めてしまったことは、若干仕方ない部分もありますが、やっぱり4年生の責任なのかなと感じています。(来週にはすぐに東日本インカレも始まります)切り替えて、今度こそはという気持ちで、めげずに頑張りたいと思います。

柳田将洋

(今日の試合を振り返って)伝統的な一戦なのに、こういった形で負けてしまったというのは非常に悔いの残る結果ですが、このあとにすぐ東日本インカレがあるので、今日の課題を見つめなおし修正して東日本インカレに臨みたいと思います。(リーグ最終戦も早稲田が相手でしたがその結果をふまえてこの試合で何か意識した点は)僕らはサーブレシーブする人間が崩れてしまうと同じ勝負の舞台に立てないと思っていたので、サーブレシーブで崩されず自分たちの攻撃ができるようにすることを一番に心がけました。(自身のプレーについて)思ったように体が動かず、チームの足を引っ張ってしまったというのが正直な思いで、僕もまだまだ実力の足りない部分があるので、チームの力に少しでもなれるよう今日の結果や自分の結果を忘れずに練習していきたいです。(東日本インカレに向けて)僕らは決して強いチームではないので、チャレンジ精神を忘れずに上のチームを食ってやろうという気持ちで頑張っていきたいです。

丸谷将大

(今日の試合を振り返って)1セット目はカットなどでしっかり粘れて自分達のバレーが出来たんですけど、2セット目以降はこっちのカットが崩れてしまって、相手に好き放題やられたので、そこを修正出来たらいいなと思います。(早大への対策とその反省)相手のサイド攻撃を止めることと、左利きの選手のフェイントとかが多いので、それを拾ってから攻撃に繋げようという話でした。最初の内は出来ていたんですけど、終盤からサイドの攻撃が止まらなくなったので、最初のそれが最後まで続けられればな、と思いました。(相手のブロックへの対策は)カットが乱れた時には、どうしても相手のブロックが2枚3枚と綺麗に揃っちゃうので、リバウンドをもらうなり、相手の嫌なところに打つっていう工夫をもっと出来れば良かったのかなとは思いますけど…。そこまで頭が回らなくて出来なかったので、今後気を付けたいと思います。(東日本インカレに向けて)今日崩れたカットの部分だとか、コンビネーションの面で少しミスがあったので、そこを修正して臨みたいと思います。

池田裕哉

(今日の試合を振り返って)僕のミスが凄く多くて最後まで緊張してしまって、みんなにはたくさん迷惑をかけてしまったなというのが感想ですね。(初めての早慶定期戦でしたが、リーグ戦との違いは)リーグ戦のほうがまだ調子が良くて、その調子のままで臨めたら今日もいけるんじゃないかと思っていたのですがうまくいかなくて、ミスが続いて自分も空元気だったり、心の中で落ち込んでしまったりして、それが他のみんなにも影響してしまったので次は頑張りたいと思います。(今日の試合のテーマは)きれいなトスを心がけました。トス次第でスパイカーの決定率も大きく左右されますし、その面で今日は出来なかったので、また戻って練習したいと思います。(東日本インカレに向けて)早慶戦ではこのようなミスをしてしまったので、東日本インカレではそのミスを取り戻せるように更なる向上に向けて頑張りたいと思います。

男子出場メンバー

サイド 柳田将洋(環3・東洋高)
セッター 池田裕哉(環1・北嵯峨高)
センター 星谷健太朗(理4・渋谷幕張高)
サイド 岡田拓巳(商4・熊谷高)
サイド 丸谷将大(環3・東筑高)
センター 稲田聡典(環3・日向学院高)
リベロ 野瀬将平(環2・東福岡高)
途中出場  七條真理(環4・日向学院高)
野口剛志郎(環3・東福岡高)
上田悠貴(総2・生野高)
 

女子出場メンバー

センター 鈴木詩織(商4・田園調布学園高)
セッター 谷川すみれ(環2・都立国際高)
サイド 御手洗温子(環1・延岡学園高)
センター 佐藤梨那(政1・浦和女子高)
サイド 折笠舞(環3・慶應湘南藤沢高)
サイド 鹿島理沙(文3・大宮高)
途中出場  渡辺理夏(環3・都立駒場高)
木藤真夕(政3・都立国際高)


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