【女子ラクロス】高まる覇気が今眠る野心を醒ます!!早慶定期戦8連覇!!

大学選手権2連覇を達成し、まさに黄金時代を築きつつある慶大女子ラクロス部。2月末~4月下旬に行われた六大学対抗ラクロス選手権でも優勝を果たし3連覇・3冠に向けて最高の「Blast Off」を切った。そんな慶大が春シーズン最大の山場と位置づけているのがこの早慶定期戦。4000人もの観客が日吉に集まり大盛況のうちに行われたこの試合、慶大は序盤から「自分たちのラクロスを貫き通し」(廣野マキ主将・政4)相手を圧倒。前半を6-0の大差で折り返す。後半早大の反撃により3点を失うも7-3で逃げ切り見事に勝利。早慶定期戦8連覇を達成した。

 

第22回早慶ラクロス定期戦vs早大

5/18(日)15:10ドロー@日吉陸上競技場

 

  前半 後半 合計
慶大
早大
 

慶大スタメン・得点者

ポジション 背番号 名前 学部・学年 出身高校 得点
G 21 高橋美帆 経3 慶應湘南藤沢
DF 坂本佳子 政3 都立戸山
DF 22 飯豊文香 経4 慶應女子
DF 31 竹内さち 法4 成城学園
MD 38 細田咲彩 経4 慶應湘南藤沢
MD 41 鈴木智子 政3 慶應女子
MD 44 渡邊ひかり 法2 慶應女子
MD 50 福井爽香 商3 慶應女子
MD 83 鈴木早紀 政4 慶應女子
AT 18 武山沙妃 経3 慶應女子
AT 33 廣野マキ 政4 慶應女子
AT 88 川村真央 文4 慶應女子
 

エースとしての活躍が期待される川村

エースとしての活躍が期待される川村

試合開始早々、慶大はその圧倒的な実力を遺憾なく発揮する。最初のドローをしっかり獲得すると自慢の攻撃陣が躍動。2分に細田咲彩(経4)が先制点となるシュートを決めるとその5分後に頼れる主将・廣野が相手のディフェンスラインを完全に崩してゴール。決めるべき人がしっかりと仕事を果たし、立ち上がりで相手の出鼻を完全に挫く完璧な試合運びを見せる。その後も慶大は細田を中心にグランドボールへの速い寄りで早大にボールを渡さず攻めの時間が続く。すると11分、相手のファールで数的優位になったところで福井爽香(商3)がゴールを決めさらに早大を突き放す。中々自分たちのラクロスが出来ず徐々に焦り出す早大。その隙を慶大はしっかりとつき15分にはエース・川村真央(文4)がフリーシュートから、19分には鈴木智子(政3)が立て続けにゴールを決めて6-0とし前半終了。まさに王者の風格が漂う一方的な内容で「気持ち良い試合」(鈴木早紀・政4)になるのかと思われた。

 

主将として勝利に大きく貢献した廣野

主将として勝利に大きく貢献した廣野

ところが後半に入ると早大の「今年絶対に勝つという強い気持ち」(細田)が慶大に襲いかかる。1対1でこれまでよりもっと強くいくという戦術にシフトしてきた時に「うまく対応して立て直すことができなかった」(飯豊文香・経4)。自分たちの流れにならないもどかしさからからしくないミスも目立ち始め3点を立て続けに入れられ試合の流れが相手にわたってしまう。しかし、逆転される雰囲気は皆無であった。それは相手のキーマンである主将・鳴澤に対し竹内さち(法4)が粘り強いマークで途中退場になりながらも決定的な仕事をさせなかったからだ。これは試合前からの作戦ではなく試合途中で急遽練られた策。竹内はそれを「出来るかどうか不安になりながらも」遂行した。その竹内の気迫溢れるプレーに触発されたのか守護神・高橋美帆(経3)も好セーブを連発。徐々に相手の流れを断ち切っていく。そして試合を決めたのはやはり絶対的エース・廣野だった。後半終了間際に相手の反撃の機運を完全に沈める価千金のゴールを決め7-3で試合終了。慶大が見事8連覇を達成した。

 

8連覇を達成し喜びの輪が広がった

8連覇を達成し喜びの輪が広がった

この試合で鍵を握ると思われた試合の入り。そこで相手を圧倒できていた点においてはチーム全体としたある程度の手応えを感じているだろう。しかし、その一方で後半相手が強いプレシャーをかけてきた時に対応が後手後手に回ってしまったのは反省点であろう。しかしあくまで春シーズンは秋シーズンに向けての準備。秋にどれだけ結果を残すことが出来るかが大切だ。目標の3連覇・3冠に向けて今できることはとにかく前を向くことだけ。慶大女子ラクロス部は夢に向かって振り返らずに突っ走る。

 

また、この大会のMVPには細田咲彩が選出された。この日は先制点となるゴールを決めたほか、グランドボールへの対応などで出色の出来をみせた。

 

(記事 住田 孝介)

 

以下選手・OGコメント

 

廣野マキ主将(政4)

(今日の試合を振り返っていかがでしたか)早慶戦というとすごいプレッシャーのかかる試合なんですけど、自分たちの今まで練習でやってきたことを貫き通した結果の勝利だったので、すごく嬉しいですし、安心しています。(今日の試合のテーマはなんでしたか)とにかく自分たちのラクロスを貫き通す、というところと早稲田に対してのコントロールであったり、メンタルでも負けないというところでした。(前半終えて6ー0の大量リードでしたがハーフタイムでの指示はありましたか)6ー0になっても早稲田はとてもメンタルが強くて、早稲田側も早慶戦にかける思いが強いということは私たちも知っていたので、さらに点差を広げたいと思って後半に臨みました。(後半は早稲田の守備に苦戦しました)引いて、オフェンスが広く使えていたんですけど後半は修正されて、自分たちで自分たちを追い込んでしまうような展開にしてしまったので、後半の部分が今の慶應の課題だということが明確になってので、12月まで勝ち続けるにあたってもっと、息の根を潰すようなゲーム展開をしていきたいです。(春シーズンを振り返っていかがでしたか)春のシーズンは下の代がチームを引っ張っていってくれたんですけど、チームが早慶戦に向かって一丸となれてよかったと思います。(秋に向けての意気込みをお願いします)3冠3連覇というのを果たすために、本日お越し頂いた多くの方の期待にも答えていきたいので今後もよろしくお願いします。

 

飯豊文香副将(経4)

(今日の試合を振り返っていかがでしたか)自分にとっては最後の早慶戦ということでやはり一番意識してこれまで練習してきました。その中で試合の入りが大切になってくると思っていて、そこの部分では前半圧倒できていたので自分たちの中では○をつけています。しかし、逆に後半は課題が多く相手が後半対策を練られたときにうまく対応して立て直すことができなかったので、それがこれからの課題だと思っています。(早大の印象についてはいかがですか)キャプテンの子を中心に熱気溢れるチームで、自分たちが圧倒するには自分たちもそれに負けない強い気持ちを持ってプレーできるようにこれまで練習してきましたし、そういったところでは勝ててたのではないかと思います。しかし後半早大の熱気に負けてしまった部分もあって、相手がどんどんせめて来た時に自分たちが真っ向から当たっていく強さがこれからの課題だと思いました。(自身のプレーを振り返っていかがでしたか)後半は特にファールが多くなってしまって、それは相手が強く攻めて来た時にもっと早く早いカバーをするとか、一歩先に行動することで未然に防ぐことができると思うので、そういったところが課題だと思いました。(この春シーズンを振り返っていかがでしたか)この春シーズンは3年生が仕切ってくれて、だからといって私たちはお客様状態ではなくてしっかりと背中で見せるということで大事な役割だったと思います。ディフェンスに関してはボールを奪って攻撃へと繋げるクリアの部分を重点的に取り組んでいて、そこの部分で3年生が立ててくれたメニューを背中で見せることにこだわりました。(今のチームに足りないものはなんでしょうか)春練でも重点的に取り組んできたのですが、チーム戦術だけでなく大前提として個の強さがリーグ戦で大切になってくるので、自分を含め目の前の相手に負けない強さをチーム全体で一人一人がさらにつけていけば社会人にも勝てるチームになるのではないかと思います。(秋シーズンに向けて一言お願いします)最後のリーグ戦で、昨年は社会人チームに敗れてしまったので、それを踏まえて自分に足りない1対1の強さを身につけて、チームとして掲げている組織的な攻撃的守備を体現できるような練習をしていきたいと思います。リーグ戦は最初から相手を圧倒したいと思います。

 

川村真央(文4)

(今日の試合を振り返っていかがでしたか)前半は良かったというのは多分みんな言っていると思うんですけど、後半自分たちがポゼッションをしなさすぎて自滅してしまうことが多かったので今日はじっくり攻めました。そこでパス回しをしていたのですが、自分が途中でカットしてシュートしてゴーリーに取られてブレイクされて得点を取られてしまって。それって結局私のシュートが入らなかったのが原因でもっと時間をかけてチャンスを伺えば良かったのかなと思います。そこが反省点ですね(早大の印象についてははいかがでしたか)後半強いプレッシャーをかけてきて、個々の強さも凄くて今回は勝った試合でしたがこれで調子に乗っていると痛い目にあってしまうので、切り替えてまた頑張ります。(得点シーンを振り返っていかがでしたか)あそこは絶対に決めなければいけないシーンだったので決めて良かったのですが、後半決定機を逸してしまうシーンが多かったので反省です。(今のチームに足りないものはなんでしょうか)クリアはだいぶ良くなりましたが、ライドやディフェンスの部分で課題がまだまだあると思います。(春シーズンを振り返っていかがでしたか)4年生が就活でいない期間も多かったのですが、その間3年生がチームを引っ張ってくれて後輩たちの多くはこの春シーズンで大きく成長したと思います。4年生に頼らないチームが出来たと思います。(秋シーズンに向けて一言お願いします)最後の歳なので、全力でやるだけです。後輩たちには自分たちに頼らないチームにしてもらいたいので、そういう雰囲気を作っていきたいです

 

細田咲彩(経4)

(今日の試合を振り返っていかがでしたか)前半は自分たちのやりたいラクロスができていて良かったと思うのですが、後半自分たちのミスから失点が重なってしまったので、そこは次に向けて修正していきたいです。(早大の印象についてはいかがでしたか)今年絶対に勝つという気持ちが強く、自分たちもそこの部分で負けてはいけないと思いました。思っていたよりもボールへのプレッシャーが強くなかったのですが、後半の追い上げとか急に強くなったので怖いなと思いました。(自身はMVPにも選ばれる活躍でした)前半はゲームコントロールも出来て良かったなと思ったのですが、後半になってみんなの足が止まった時に自分も止まってしまったりだとか、アタックのミスから点を取られる場面も多かったのでそこは自分としても課題であると思います。(春シーズンを振り返っていかがでしたか)就活もあって思う存分練習が出来ずもどかしい時期もありましたが、3年生が中心になって大学と女子高両方で早慶戦に勝つという目標を立ててそれを達成できたのでよかったと思います。この3年が作ってくれたチームを4年がしっかりと預かってより良いチームにしていきたいと思います。(今のチームに足りないものはなんでしょうか)それぞれの基礎技術のレベルを上げることは絶対に必要で、歴代の先輩方や早大・明大・立大と比べてもそこで負けたくないので、チーム戦術のスキルを上げていくのと同時に個人のスキルも上げていきたいです。(秋シーズンに向けて一言お願いします)今年は3連覇・3冠を達成したいのですが、それだけではなくてそれぞれが成長して、1年も期待の新人がたくさん入ってきたのでチーム全体で右肩上がりになって日本一を取りたいです。

 

竹内さち(法4)

(今日の試合を振り返っていかがでしたか)私はずっと相手のキーマンである10番の選手をマークして封じる役目をしていたんですけど、それを試合前からしようとしていたわけではなくて、試合直後にそうしろという指示があってやったので、最初はできるかなという不安もあったんですけど、自分に与えられたチームでの役割というのをしっかり全うしようと思って50分プレーしました。でもファールをしてしまったりいらないミスもあったので、まだまだ課題があるなと思います。(昨年との違いはどこにありますか)去年は初めてレギュラーとして出場した大きな舞台というのが早慶戦で、本当に先輩に頼ってという形だったんですけど、今年は去年よりクレバーにプレーできたかなと思います。(春シーズンを振り返っていかがでしたか)自分たちが最上級生になったということで、これまでとは違うプレッシャーとか責任とか、自分たちが頼るのではなくて今度は頼られるようにならなければならない、背中で見せていかなければならない立場になって、いろいろ考えることもあったんですけど、自分が出来ることとできないことをはっきりさせて、自分がどこを伸ばして強みにしていくのか、そういうことを考えながらやってきて、それでこの早慶戦で課題がチームとしても個人としてもはっきりしたので、また3ヶ月後にリーグ戦が始まるので、そこに繋がるような練習や経験ができたと思っています。

 

鈴木早紀(政4)

(今日の試合を振り返っていかがでしたか)思い入れの強い試合で試合の入りが良く、前半は圧倒できて気持ち良い試合だなあと思っていたのですが、後半課題がたくさん見つかりまだまだと感じました。(早大の印象についてはいかがですか)10番がキーになると思っていて、そこを抑えられるかが今年勝つ上で大切になってくる中でうまく抑えることができたので良かったです。(自身のプレーを振り返っていかがですか)最後の早慶戦で絶対に勝ちたいという気持ちが強かったです。プレー面では、ディフェンスシーンはあまり多くなかったので、味方への声出しなどで全体を見渡すことを考えていてそこは出来たのですが、取りきらなければいけないシーンで取りきれなかったり、ボールを敵陣に運びきれないシーンが多かったので修正していかないといけないなと感じました。(この春シーズンを振り返っていかがでしたか)3年が練習を仕切って毎日充実したメニューを組んでくれる中で、みんなが充実した時間を過ごして成長できればいいなと思っていて、それが本当に実践できたかどうかは別にして、みんなが一つの方向を向いて過ごせたと思います。(今のチームに足りないものとはなんでしょうか)今日の試合に関しては2点に抑えてればいいなと思っていて、早大がさらにプレッシャーをかけてきたり1対1で強く仕掛けてきた時にこちらが流されなかったのが良くなかったので、相手が戦術を変えてきた時の対応が課題です。(秋シーズンに向けて一言お願いします)今年こそ真の日本一を取れるように1試合づつ戦っていきたいです。これからは気がつけば12月みたいな感じになるとは思いますが、自分の役割を見失わず70人全員が納得できる日本一になりたいと思います。

 

谷山なつき(2013年経卒・現FUSION)

(今日の試合を外から見ていていかがでしたか)最初圧倒できていて、点差もついて勢いもあって良かったなと思いました。(社会人と大学とのラクロスの違いはどこにありますか)社会人は土日しか練習ができなくて、そこの練習をいかに有意義に過ごすかが鍵になります。一方の学生は週5日あって体力もあるので時間のハンデはありますね。社会人になってよりクレバーによく考えて練習するようになりました。(谷山選手が卒業してから1年と少しの間に特に成長したなと思う選手はどなたですか)細田選手はグランドボールへの寄りが早くなり、強いプレーができるようになってすごい成長したなと思いました。(今の慶大の強さはどこにあると思いますか)まずは1人1人の強さがあって、グランドボールへの反応やボールの支配率がとても高いのでそこに負けないようにしないといけないなと思いました。(自身の目標をお願いします)昨年は目標としていた日本一にはなれなかったので、今年は日本選手権の決勝で慶大を倒して日本一になりたいです。

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