4月11日に開幕した東京六大学野球春季リーグ戦。3季連続で5位という結果に終わり、今年こそはと“逆襲“を掲げる慶大。初戦となる立教大学戦は打線が8回に7点を奪う猛攻を見せ、応援席には大量得点時にのみ歌われる『おお我が慶應』が高らかに響いた。11対0の完封勝利で”逆襲”の狼煙を上げた開幕日、グラウンドと応援席が一体となったその熱い様子をお届けする。
4月11日(土)慶應義塾大学⚪️ 11ー0 ⚫️立教大学
〜試合概要〜
3回表、吉開鉄朗(商4・慶應)の中安打を皮切りに、2死三塁のチャンスを作ると、小原大和(環4・花巻東)が適時中安打を放ち、1点を先制する。一方、先発・渡辺和大(商4・高松商業)が立大打線を5回無失点、被安打2に抑える好投を見せる。8回表、横地広太(政4・慶應)の適時三塁打を始め、6安打7得点の打者一巡の攻撃で大差をつける。さらに9回表には、小原が左翼席への本塁打を放ち、11-0に。最後は沖村要(商4・慶應)が試合を締め、開幕戦に大勝した。
遂にこの時がやってきた。応援企画責任者・G.Hの声が神宮のスタンドに鳴り響く。
「塾生注目!遂に開幕だ!まずは明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!」
新年の挨拶とともに、待ち望んでいた春がついに幕を開けた。冬の鍛錬を乗り越えた選手たちへ、スタンドからは熱い思いが届けられる。
「今年も熱い春がやってきたぞ!待ち望んでいたこの春必ず勝つぞ!」「初回から声高らかに若き血歌っていい試合にするぞ!今年一発目の若き血気合い入れていくぞ!」
G.Hの渾身の呼びかけに応えるように、応援席一丸となった歌声がグラウンドへと届く。今年も、慶應の熱い春が始まった。

試合が動いたのは3回表。『三色旗の下に』が高らかに歌われる最中、8番・吉開が出塁すると、2番・小原が2死三塁で適時中安打を放ち、待望の先制点を奪取。幸先の良いスタートを切った。

迎えた5回表、壇上に上がった部員の声がスタンドに響いた。
「今日の最高気温は27度らしい!もっともっとアツアツの応援席作っていきましょう!」
春の陽気が神宮を包む中、気温以上の熱量が応援席を満たしていた。

そして試合を決定づけたのが、8回表の猛攻だった。先頭の今津が出塁すると、続く横地が適時三塁打を放ちスコアは2−0。スタンドには『若き血』が高らかに響き渡った。さらに攻撃の手を緩めない慶大は、8番・吉開が押し出しを選びこの回3点目を追加。応援席では『三色旗の下に』のサビ部分を歌う『スリー慶應』が披露された。

なおも続くチャンスに応援席のボルテージは上がり続け、『朱雀』が鳴り響く中、2番・小原が適時打を放ちスコアは6−0。大量得点時にのみ歌われる『おお我が慶應』が応援席全体で高らかに歌われると、スタンドは割れんばかりの歓声に包まれた。

この回、6安打4四死球で奪った得点は実に7。『スリー慶應』『朱雀』『おお我が慶應』と、数々の応援曲が次々と披露されたこのイニングは、慶大ファンにとってグラウンドと応援席が完全に一体となった、忘れられない時間となった。

9回表、坪井代表が壇上に上がった。
「今年は何か一味違うぞ!スコアボードを見てほしい!8対0である!」スタンドに歓声が広がる中、坪井代表はさらに続けた。「今年の慶應はまだまだ足りない!こうなったら10点とるぞ!」
その言葉通り、慶大打線は最後まで手を緩めなかった。
9回表も、先頭・丸田が四球を選ぶと、吉開の右安打で一、二塁のチャンスを作る。暴投間に二、三塁とすると、林純の二ゴロ間に丸田が生還。さらに小原が左翼席にダメ押しの2点本塁打を放ち、11-0とさらに点差を広げる。9回裏は沖村が立大打線を三者凡退に退け、11-0で試合に勝利した。

試合後、坪井代表が改めて壇上に。スタンドに集まった塾生・慶大ファンへ感謝の言葉を贈った。
「開幕戦ということでしたが、投手陣の粘りと野手陣の爆発的な打力、そして皆様の応援で見事初戦を11対0というスコアで勝ち切ることができました」
投手陣の粘り、野手陣の爆発、そして応援席の熱量——三位一体となった戦いが、開幕戦を完封勝利で飾った。しかし坪井代表の言葉は、すでに次を見据えていた。
「ただ、優勝へ近づくには勝ち点を取らなくてはいけません。そのためにも明日第1試合一塁側でお待ちしておりますのでどうか明日も神宮球場にお越しください」
11対0。完封、大量得点、そして沸き立つ応援席。これ以上ない形で幕を開けた2026年春季リーグ。優勝へ向け、慶應の戦いはまだ始まったばかりだ。

坪井樹音代表
ーー今日の試合・応援を振り返って
初戦としては出来すぎたような結果で、應援指導部としても開幕戦ということですごく気合が入っている中で、特に投手陣が渡辺和大投手を中心に粘って繋いでくれました。応援もどうにかその粘りに答えようと思って、何か起点を作りたい思いをずっと考えていたんですけど、ああいう形で8回にすごく野球部の方が、打線が頑張ってくれて、応援席が一体となった瞬間がとても長い時間だったので、本当に初戦としては最高の試合だったかなと思います。
ーー野球部の戦いぶりを見て
ほんとに毎回ワクワクするというか、何かやってくれんじゃないかなという期待感がすごくあって、僕自身もオープン戦や練習試合の結果とかもよく見ていたんですけど、たくさんの試合勝っていて、そこの力強さと粘り強さっていうところがこの試合で見ることができました。ここから先もたくさん苦しい試合があると思うんですけど、何点差ついても、絶対何かしてくれるだろうなっていうワクワク感を応援席に伝えたいなっていう風に思います。
ーー翌日に向けて
最後にもお話させていただいたんですけれど、ほんとにリーグ戦は勝ち点をいかに取れるかっていうところで、そこの最後の勝ち点を取り切る力みたいなのを応援席から作っていけるように、またさらにアップデートして、ほんとにいい応援を作っていきたいなと思っていますので、また違う形で選手たちに届けられるように頑張りたいと思います。
(取材、記事:小野寺叶翔)

