慶應スポーツ新聞会

【野球】堀井哲也新監督就任インタビュー

春季は2位に終わったものの、秋季は日本一に輝いた2019年度慶大野球部。今年度からは堀井哲也新監督を迎え、主将・瀬戸西純(新政4・慶應)、副将・木澤尚文(新商4・慶應)、嶋田翔(新環4・樹徳)のもとで新体制が始まる。堀井監督は2004年からJR東日本の監督を務め、2011年には都市対抗野球大会で優勝した。今回はそんな堀井監督にお話を伺った。

2020年の慶大野球部にも期待だ

 

ーー新チーム始動ーー

――まずは監督就任が決まった経緯について教えてください

8月に三田倶楽部会長の後藤さんから、三田倶楽部として次期監督に推薦することが決まったという連絡をいただきまして、そこからスタートしたらしいです。正式に決まるまでには、1か月くらいですかね。

 

――監督就任が決まったときの心境は

母校の監督ということで、やはり一度は慶應のユニフォームを着てみたいという気持ちはありましたので、非常に嬉しく思いましたね。

 

――前任の大久保秀昭前監督とお話される機会はありましたか

もともと連絡は取っていたので、ただ逆に(次期監督に)決まりかけてからは、あまり連絡は取らないようにしていました。彼もリーグ戦に集中してほしいですし、私も余計なことで気を遣わせたくなかったので。

 

――六大学の新人戦を大久保前監督とご覧になっていたようでしたが、そこではどのようなお話をされましたか

そこでは完全にリーグ戦も終わっていましたので、来年(2020年)残るメンバーのこととかここまでの経緯だとか、そういうことを話してくれました。

 

――就任後に初めて選手の皆さんに話したことは

正式には12月1日だったのですけれども、まずはこの12月と1月の2か月、テストが終わるくらいまでにやってほしいことをお伝えしました。

 

――こういうチームにしたいという方針は話されたのですか

それは1月15日にもう1回みんなで集まって、話すと伝えました。今回はとにかく直近のこの冬の間の過ごしてほしいことを話しました。具体的なことですね。信条的なことは年明けに話しますということで。

 

――今の慶大のチームの雰囲気はどのように感じていますか

秋の優勝で日本一ということで、選手がすごく自信を持っていますよね。自信というのは、自分たちがやってきたこと、あるいはやろうとしていることに対する自信ですね。その一方で、4年生が卒業して、3年生の瀬戸西がキャプテン、最上級生になりますと、これも学生野球の特徴になりますけれども、自分の代でまたいろんなことを達成したいと、優勝であったり日本一であったり。そういう気持ちがすごく感じますね。

 

――来季もリーグ戦優勝や、日本一を目指す気持ちはあるということですか

相当強いと思いますよ。負けて悔しいという気持ちもモチベーションになりますけれども、やはり勝ってもう一回という気持ちも一つの大きなモチベーションなんですよね。そういう意味では、非常にあると思います。

 

ーーコミュニケーションを大切にーー

 

――武蔵大との練習試合での取材で部員一人一人と面談されているというお話ですが、どういった内容のお話をなさっていますか

それも、まさにこの12月、1月に本人が何をやりたいのかということの確認ですね。彼らの一人ひとりの考えを、まず聞いて、特に新4年生は就職や進路のこともあるので、そのことについてもお話を聞いておきたいなと。

 

――その取材の中で、佐藤宏樹投手(新環4・大館鳳鳴)と1時間半にわたって面談されたというお話ですが、そこでも進路のことややりたいことをお話されたのですか

その面談は12月1日よりも前の話だったので、how do you だったんですよ。12月1日以降に話している子は、そんなに長く話さなくても、お互いに少しずつわかっていて。先ほども1年生の選手が来たのですが、それも15分や20分で、話は済むんですけど、最初は自分がこういう人間で、相手はどういう人間かというところからスタートしたので、12月1日以前に面談した選手は、1時間とかそういう子が多かったですね。

 

――瀬戸西選手も12月1日以前に面談を

そうですね。瀬戸西も時間弱かかりましたね。佐藤は1時間40分くらい、マニアックですね彼は(笑)。

 

――主将の瀬戸西選手とは、進路のことだけではなくチーム方針のこともお話したのですか

チーム方針については、キャプテン、副キャプテンと別の機会に呼んだんですよ。11月25日に。マネージャーとか、キャプテン、副キャプテン、学生スタッフなどは、もう何回も引き継ぎ期間にミーティング重ねて、それで12月1日を迎えて、そのときに個人的に面談が終わっている選手も何人かいて、そんな感じですよね。時間軸は正式就任の前からスタートしているという、できるだけキャプテン、副キャプテン、マネージャーや学生スタッフとは何回も何回も話し合っているという感じですね。

 

――12月いっぱいは選手と面談するという感じですか

そうですね。ただグラウンドの練習が主体なので、グラウンドで面談することもけっこうあります。そのときは、スマートフォンにメモさせてもらって、わかったこういうことねって。まあここ(監督室)でやるときは、ノートを広げてという感じで。場所を選ばずという感じですね。そうしないと120人も部員いますのでね。

 

――今、どれくらい面談は終わっていますか

今日の時点で46人ですね。まだ半分くらいあるので、ちょっと12月中に終わらないかもしれないです。だから新4年生をまず優先かなと思っています。それで、今日台湾メンバーが、台湾に出発したんですよ。ですから、主力メンバーは終わりました。あと新4年生。年明けてしまう選手もいるかもしれませんけれども、丁寧にすることが大事だと思うので。

 

――コミュニケーションを大事にされているように感じます

そうですね。だって何考えているかわからないと、お互い気持ち悪いじゃないですか。

 

抱負を語る堀井監督

 

――先日の桐蔭横浜大戦はいかがでしたか

あれはスコア的には1-10で負けました。今私が見たことのない選手、とにかく全員投げましょうと。11月にけっこう見られたんですね。早慶戦もそうですし。神宮大会もそうですし。フレッシュリーグ、それから静岡のオータムリーグ。そこで大体の選手を見られて、ただ百十何人の選手の中から、見ていない選手が40人くらいいたので、それを武蔵大と桐蔭横浜大の試合で見させてもらったと。これで一通り、全員の野球をやる姿は目に入ったので。

 

――選手のプレーを見て感じたことは

最初に申し上げたことと重なるかもしれないですが、やはり意欲、来年(2020年)もやったるぞという気持ちは感じますね。

 

――慶大の選手時代は外野手をやられていたと思うのですが、同じ外野手として慶大で注目している選手は

新3年生の外野手に主力が多いんですよね。渡部(遼人=新環3・桐光学園)、橋本(典之=新環3・出雲)、正木(智也=新政3・慶應)、若林(将平=新環3・履正社)の4人が、上級生になって、どういうプレーをするかというのには注目していますね。

 

――育てがいがあると感じている選手は

まずキャプテンの瀬戸西ですよね。非常にクレバーで観察力も鋭くて、すごく理解も早い。体で表現することも上手い。それで、キャプテンシーもあるという、まさに瀬戸西がどれくらいチームの軸になっていくかというのが1つ。それから副キャプテンの嶋田。彼は、また瀬戸西とは違ったタイプで、非常に元気があって前向きなタイプで。体も丈夫で、でかいですし、彼にも非常に注目しています。ピッチャーで言うと、新4年生の3人、木澤、佐藤、関根(智輝=新環4・城東)という、リーグ戦経験のある3人。新4年生のこのあたりのメンバーには、注目していますね。彼らが、チームを引っ張っていく存在だと思うので。

 

――やはり新4年生が重要だとお考えですか

そうですね。下級生にもたくさん力のある選手はいますけれども、新3年生の外野の4人もそうですね。やはり大学野球っていうのは、4年生がどれだけ思いを持って1年間やっていくいかっていうのがとても大事だと、私自身学生時代でも外から見ていても思っていますので、まず4年生の活躍に期待をしています。

 

――2019年は多くのプロ野球選手が生まれましたが、2020年もプロ野球への意識は

それは結果として、面談もしていてそういう進路もあるように聞いています。将来、野球継続、プロ野球っていう明確に目標を立てている子もいるので、就職としてそれはいろんな意味で叶えてやりたいなという気はしますね。

 

ーーリーグ優勝、日本一にむけてーー

 

――今後どのようなチームを作っていきたいですか

ピッチャーが3人、新4年生が残るっていうのが大きな特徴だと思うんですね。リーグ戦経験のある力があるピッチャーが残るというのは、非常に頼もしいです。一方で、キャッチャーだった郡司(裕也=環)が抜けるということで、やはりそのキャッチャーを誰が被るのか。髙橋佑樹(環)は抜けましたけれども、力のあるピッチャーが3人残り、キャッチャーでは郡司が抜けたという、バッテリーの整備というのが一番大事だと思うので、そこの仕上げ方がカギになるチーム作りになると思います。

 

――バッテリーの整備というのも、ピッチャーの方とお話されていますか

そうですね。まだキックオフの話なので、これからそういう話を積み重ねて、一番いい形、チームとして一番何がいいのかということを考えていこうと思っていますね。

 

――打撃の面についてはどのように思っていますか

打撃においても、やはり郡司や柳町(達=商)、小原(和樹=環4)も抜けて、そこにどれだけ新戦力がカバーできるかという大きなチャレンジですよね。

 

――下山(悠介=新商2・慶應)選手や正木選手などの下級生も重要になってきますか

もちろん。重要なピースですね。やはりリーグ戦の経験というのは、ものすごく大きなアドバンテージなんですよ。もちろん初めてリーグ戦に出る子もいると思うんですね。その選手ももちろん大事ですけれども、過去に経験しているということもすごく大事なんですね。これをどうミックスするかっていうのが重要なチーム作りなんですよね。取材もそうでしょ。人間経験値ってでかいからね。ただ一方で、新しい力というか新しく飛び込んでくる力というのもチーム作りに欠かせないので、その両方は大事だと思います。

 

――社会人野球と大学野球での監督の立場の違いというのは

目的が違いますね。社会人野球は勝つことが全て。その次に、結果として社員教育というか将来職場でしっかり働いていけるように、あるいは多くの人から愛されるチームになるようにと。勝つという明確な目標があって、チームの方向性があるんですけれども、学生野球は、目標が勝つことには変わりはないのですが、その前に部員がしっかり大学生活を送るという大学教育機関としての使命があると思うんですね。ですから、それを外すことなく、グラウンドではリーグ優勝、日本一を目指そうと。やはり順番が違うかなと。

 

――昨季の早慶戦は負けてしまいましたが、大学生活を大切にしつつも、来春の早慶戦は勝つことに意識を

もちろん。グラウンドではめいっぱい野球で勝つことしか意識していないんですけど、学生の場合は普段の生活の土台、学校の授業や生活習慣もあるでしょうし、そういうことも大事にしながら、グラウンドでは勝つことだけを考えると。早慶戦でももちろんそうなんですけれども、六大学の対抗戦の意識で5つの大学からしっかり勝ち点を取るという意識をもって、最後に早慶戦という舞台が待っているというね。

 

――昨季は全勝優勝がかかっていましたが、来春も全勝優勝は意識しますか

そうですね。ただやはり1つのカード、1つのカードという意識でやっていきたいんですけどね。

 

――理想の監督像とは

哲学的な話になってしまうんですけれども、厳しいけど愛され、優しいけど恐れられというのを目標にしています。

 

――グラウンドで多くの時間を選手とともに過ごされているのですか

グラウンドにいるのは基本的に好きなので、どっちかというとお昼もグラウンドで食べたいくらいなので(笑)。やはりグラウンドにいろいろなものが転がっているんですよね。選手の様子も分かるし、グラウンドにいないと何も見えてこないというかね、野球しながら見えてくるというのが基本だと思っているので。

 

――その中で、理想の監督像にこれから向けて

そうですね。高い目標なので難しいですけどね。そういうのを理想に持っています。

 

――2020年の目標は

リーグ優勝、日本一のこの2つです。まず春、次に秋。

 

――その目標を達成するにあたって、頑張りたい点は

勝つ確率を上げるということは、やはりどれだけ野球をちゃんとやるかということなんですね。そこに、グラウンドで力を注ぎたいです。そして、もう1つは、チームの人間がやることなので、ムード、一体感のここが盛り上がるようなことにも力を注ぎたいです。

 

――チームの一体感というのは新体制になってからいかがですか

一体感というのは最後試合でどうなるかなので。だから、今の時期というのはむしろ自分と向き合って、個々の力をつけていく、それでお互いそういう姿勢を見ながら、だんだんとチームになっていくと。そういう感じをイメージしています。

 

――春のリーグ戦で一体感を

そうですね。だんだんと。練習の内容も、個々の力を上げる練習から、だんだんとチームプレーだとか連携プレー、練習試合だとか、そういう時間が増えていって、最終的には開幕戦で100%力が出せるようにね。

 

――最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします

慶應義塾の野球部というのは、もちろん塾生、塾員もそうですけど、いろいろな方から注目されていると思うので、皆さんの期待に応える野球をしたいです。そのためには、一言で言ったら全力プレー。全力で立ち向かう姿が皆さんに応援してもらったり、後押ししてもらったりできると思うので、そういう野球を心がけたいです。

 

――お忙しい中、ありがとうございました!

(この取材は1210日(火)に実施しました。)

(取材:松田真由子、写真:小嶋華)

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