【競走】帰ってきた「K」の文字!根岸が箱根路を駆け抜けた! 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走

競走

2018/01/03(水)第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)

8区(21.4km) 平塚中継所~戸塚中継所

関東学生連合 根岸祐太(経3・慶應志木) 区間記録 1時間09分38秒、区間順位(参考) 19/21位タイ、総合成績 11時間40分2秒

 新春の晴れ舞台に慶大のユニホームが帰ってきた。予選会と10000m記録挑戦競技会で力走を見せたエースの根岸祐太(経3)が、関東学生連合チームの一員として8区に出走。「慶應義塾大学」ののぼりがはためく沿道の熱い声援に後押しされながら、21.4㎞を区間19位タイ(参考)のタイムで走り抜いた。

 

 前日に引き続き、雲一つない快晴の下で復路の号砲が鳴った。迎えた8区。12年ぶりの慶大生箱根ランナー・根岸は上武大の石井僚選手と共に繰り上げでのスタートとなり、平塚中継所から走り出した。向かい風が強かったため序盤は石井選手の後ろにつけて風をよけていたが、4kmあたりから前に出ると、その後は自分のペースを刻んだ。

 「つなぎの区間」とも言われる8区だが、強い日差しに体力を奪われる中で後半にかけて増加する坂を攻略しなければならない、非常にタフなコースである。レースのほとんどが単独走となった根岸だが、彼を支えたのは沿道を埋め尽くす観客だった。「慶應関係者の方ののぼりも多く見えました」「『慶應頑張れ!』『根岸頑張れ!』などと、僕に対して応援してくださることがかなり多かったです」。たくさんの声援を力に変え、「夢の舞台」に立つ喜びをかみしめながら21.4㎞を走破した。区間19位タイ(参考)という結果には「満足できていません」と語ったが、この経験は彼を今後エースとしてさらに成長させていく糧となることに違いない。

 保科光作コーチのもとで今シーズンから始動した「箱根駅伝プロジェクト」。予選会ではチームとして13年ぶりに塾記録を更新し、選手を関東学生連合チームの一員として出場させるという目標も達成した。幸先の良いスタートを切ったと言える。

 「今回走ってみて一番強く思ったのは、大学で長距離をやっていてこの舞台を味わうことができないのはとてももったいないなということです」

 まっすぐに前を見つめながら語った根岸のこの言葉は、慶大競走部・長距離ブロックを今後一層奮い立たせるものとなるだろう。第70回大会以来のチームとしての本戦復帰へ。新春の箱根路は慶大の襷の帰りを待っている。

(記事:川下侑美、写真:太田彩恵)

根岸祐太(経3・慶應志木)

——今日のレースを振り返って

襷をつなぐことができなかったり、タイムも区間の中ではかなり下位の方になってしまったりなど、レースの内容・結果には満足できていません。ですが「箱根駅伝に出場した」ということに関しては、慶應関係者の方ののぼりも多く見えましたし、沿道からの応援が力になりました。このような素晴らしい舞台で走らせてもらったことに、とても喜びを感じています。

——レースプランは

僕が走った8区は後半に坂が続くタフな区間です。序盤はある程度自分のリズムで走って、後半の上りで勝負をかけようという意識で用意をしていました。ですが、それには全然及ばない走りになってしまいました。

——ともに繰り上げスタートした上武大の選手をどのあたりで引き離しましたか

4㎞ぐらいで前に出てから、そのまま引き離したと覚えています。今日は向かい風が強かったので、序盤は彼の後ろについて、風をよけつつ良いリズムで楽にいこうと思っていました。ですが前の上武大の選手のペースが上がっていなかったので、自分から前に出る形になりました。

——10000m記録挑戦競技会からどのような調整を

10月の箱根予選会のあと、11月の10000m記録挑戦競技会で実際に走るメンバーが完全に決まるという発表がありました。ですがその間は調子がなかなか上がらず、むしろ落ちていました。調子を合わせることは結構厳しかったのですが、なんとかメンバーに選ばれることができてからは練習に対して日に日に手応えを感じられるようになりました。本戦の2、3週間前ぐらいには、予選会ぐらいの調子に戻ってきている実感もあって、良い状態で今日を迎えることができました。

——今日を迎えるにあたって、緊張はされていましたか

箱根駅伝に出場できるということで、今日は緊張というよりも楽しみの方が上回っていました。そこまで強い緊張は感じずに臨むことができました。

——レースを楽しむことはできましたか

そうですね(笑)結果としては不甲斐ないものになってしまったのですが、沿道の応援が20㎞以上ずっとある中で走るということは今までのレースではなかったことなので、楽しむことができました。また、ほとんど1人で走っていたのですが、観客の方が「慶應頑張れ!」「根岸頑張れ!」などと僕に対して応援してくださることがかなり多かったです。箱根という夢の舞台を走ることができて本当に楽しかったです。

——今回の箱根駅伝で得たものをどのようにチームに還元していきたいですか

走ってみて一番強く思ったのは、大学で長距離をやっていてこの舞台を味わうことができないのはとてももったいないなということです。僕ももし来年走れるのであれば、本当に走りたいです。仮にチームとして出られる可能性が来年0.1%でもあるのであれば、努力してでもつかみたいと思うくらいに、本当に今まで出ていたものとは桁違いにすごいレースに出たなと思っています。チームのみんなには、それだけ箱根駅伝がすごい大会であって出る価値があるものだということを伝えたいです。

——今後に向けて

あと1年間残っていますが、関東学生連合チームが来年あるかもまだわからないですし、現行のルールだと一度出走してしまうと選ばれません。ですが関東インカレや来年の箱根予選会もあるので、そこで今回の箱根で勝てなかったような人たちにしっかりと勝ち、来年の予選会で少しでも箱根駅伝に近づけるような走りでチームに貢献できたらいいなと思います。

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