【ラグビー】花園決勝経験者が1年越しの”やり返し”に燃える 堅実なディフェンス力を持つSH/注目ルーキー特集vo l . 2 三善遼

ラグビー

4月1日、2026年度大学学部入学式が日吉記念館で行われた。若き血滾るフレッシュな塾生たちが並木道を駆け上がり、蹴球部にも多くのルーキーが加入した。ケイスポでは、そんなルーキーたちの中から注目選手5人にインタビューを行った。

第2回目となる今回は、一浪の末慶大に入学した苦労人・三善遼選手(総1・東海大仰星)にインタビュー。浪人中もラグビーへの熱は絶やさず、大学ラグビーで先に活躍しているかつての同級生とのリベンジを誓う熱い漢。大学4年間のスタート地点、彼の魅力を深掘りした。

 

--自己紹介

東海大仰星高校出身の三善遼です。年齢は、早めの誕生日なので20歳です。ポジションはSHをやっています。よろしくお願いします!

 

--ラグビーを始めたきっかけ

僕は4歳の頃からやっているんですけど、元々お父さんが同じ伊丹ラグビースクールでやっていて。物心ついた時にはもうラグビーをやっていたという状態だったので、正直きっかけがあるわけでもなく。ラグビーをやるのが当たり前みたいな感じでやっていたと思います。

 

ーー勉強とラグビーを両立していた高校時代はどのような生活だったか

当時、やっぱり仰星高ってラグビーとかの方をメインに頑張る人が多いと思うので、同級生はみんなラグビーの推薦に決まっていって。どんどんみんな遊んだりするんですけど、僕はやっぱり一般入試ってところまで目指していたので、みんながもう免許合宿行ってる時も勉強していました。関西だからこそで、受験発表で落ちた瞬間に「落ちたんだ」「一浪だな」みたいなことをよく言われたんですけど、それをちょっと耐えながらみたいな感じだったので、指定校推薦にしておけばよかったなみたいな葛藤もありました。「関東でラグビーやりたい」っていうところも強くありましたね。

 

ーーずっと一途に慶應を目指していた?

現役の時は、仰星から慶應っていうルートの人があまりいなくて。早稲田に行く先輩や同級生が多かったので、「僕も」という感じで頑張ったけど全部ダメで。浪人生になって、もう一回「本当に行きたいところはどこなのか」という話になった時に、スポーツ推薦がない慶應で、「慶應に行きたい」と強く志願した人しか行けないチームの中でやるのが自分に一番合ってると思いました。

 

ーー3年生の時の花園、特に決勝を振り返って

決勝というのはやっぱり特別で、(相手校には)申驥世(文2・桐蔭学園)や草薙(拓海、政2・桐蔭学園)、西野誠一朗(法2・桐蔭学園)とかがいたんですけど、僕たちが思っていたよりも全然やれなかった。やりきったけど、今振り返れば正直「あの時こうしておけばよかったな」と後悔もある。今でもその試合を振り返って、悔しいなと思う時はあります。

 

ーー当時、チームの雰囲気は

僕らの代は個性が強くて、まとめるのがめちゃめちゃむずかったです。副将、そしてゲームリーダーという立場をやらせてもらったんですけど、みんなを同じ方向に向かせるというのが非常に難しくて。「最後までラグビーしたいから、勝ちたい」という人と、「ただ勝つのが楽しいから、勝ちたい」という人がいて。勝つことは一緒でも、そこへのフォーカスの仕方が違くて、そこを一つに合わせて突き進むというところが難しかったかなと思います。

 

ーー花園決勝で対戦した申、草薙、西野らとチームメイトになったことについて

非常に嬉しく思います。一緒に決勝を戦った仲間として、一種の仲間意識みたいなのがあって。それこそ驥世は「決勝、8万対0だったよね」みたいに言ってきます、そんな点差じゃないですけどね(笑)。こうやって当時の話ができるので、とてもいい環境、慶應だからこその環境なのかなと思います。

 

ーー浪人生時代は競技から離れていた?

僕は社会人チーム・六甲クラブというところに所属していました。ラグビーがとにかくやりたかったので、予備校を探す前にそのチーム探しをしました。

 

ーーその期間はどういう生活をしていた?

月〜金は勉強、気分転換にウエイトみたいな感じでした。土日は9時〜12時が練習なので、そこをみっちりやって、(勉強の)リフレッシュにしていました。

ーー入部して苦労したことなどはあるか

僕は春入試で、めちゃくちゃ時間があったわけなので、みんなとの差を埋められるように早い段階の2月から大学の練習に参加して。まだちょっと体力とかに差はあるんですけど、どんどん埋まってきたかなという感じです。

 

ーー入部前から慶大の試合は観ていた?

よく観ていましたね。僕は高校時代から仰星の中でもディフェンスにいくキャラだったので、慶大のディフェンスという点はとても勉強になるなという感じで、観ることが多かったと思います。

 

--入部前と入部後で慶大蹴球部に対する印象が変わった部分はあったか

プレー面では全然無くて。やっぱりディフェンスのところを大切にして、ディフェンスに一番力を入れることができたら勝てるというのは印象通りでした。

雰囲気として、慶應は伝統がある分、上下関係が厳しいかなと思っていたんですけど、先輩とかも全員優しくて、ユーモア溢れていてみんなとよくコミュニケーションが取れているので、そこはよかったです。

 

--慶大の中でも総合政策学部に進学した理由

ラグビー面もあるんですけど、志望理由としては、少子化によって生産力が落ちていくからといって、世間的には「子供の数を増やす」施策を推しているけど、それは現実的に難しいんじゃないか。だから数よりも、一人一人の質を上げていく。そのためにスポーツで培われる非認知能力、リーダーシップや忍耐力に注目しました。その中でも、小学生体育は誰もがスポーツに触れる機会なので、そこをもっと有意義に使おうと。小学生体育ではタイムが測られたりして「向いてないんじゃないか」と思ってスポーツから(子供たちが)どんどん離れるきっかけになってしまうので、そういう点で教育を変えていこうっていうのを学びたくて、総合政策がいいかなと思いました。

 

ーー実際に授業を受けてみてどうですか

学びは深められそうなんですけど、みんな英語めっちゃ喋れるってところにびっくりしました(笑)。

 

--大学生活で楽しみにしていることは

自分の研究に対して授業を受けれることが楽しみです。SFCはいろんな角度の授業があると思うので、幅広い授業を受けていってどんどん自分がやりたいことを見つけたいです。

ーー大学4年間で対戦したい選手

他大学になっちゃうんですけど、駒井良(早大/スポ2・東海大仰星)、若林海翔(早大/社学2・東海大仰星)とか、明治の百武聖仁(商2・東海大仰星)、帝京で1年生の時から出てる吉田琉生(医療技術2・東海大仰星)とか、僕の(高校の)同期。僕が浪人で、めちゃくちゃマウント取られたので(笑)、彼らに対しては、ラグビーでやり返すしかない。そこは思いっきりやりたいと思います。

 

ーー早慶戦に対する印象

戦ってるのは、あくまで僕たち選手間だと思うんですけど、そこにはやっぱりOB、OGの方々の気持ちを背負いながら勝たないといけない。そういう面では早稲田に負けるわけにはいかないかなと思っています。

 

ーー早慶戦の観戦経験は

去年の早慶戦には観に行く機会があって。結局敗戦してしまったんですけど、その光景を目に焼き付けて、「これから早稲田には負けない」という気持ちにさせてもらったので、その強い意志が芽生えたと思います。

 

--今回取材する喜瑛人(文1・桐蔭学園)、米本啓太朗(政1・京都成章)、小坂莉央(環1・ウェリントンカレッジ)、浅野優心(政1・慶應志木)の印象

莉央からいうと、ニュージーランドから来た変人みたいな(笑)。日本人離れしているというか、でもそれが非常に良くて。慶應にいるからこそ、色々なバックグラウンドを持った人がいて、考えが一つにならない。多角的な視野でいれるから、莉央の存在は助かってると思うし、非常に大きい存在だと思ってます。

ヨネ(米本)は、ムードメーカー的存在でもあるので、いつでもみんなを笑かしてくれたり。この可愛いスマイルに翻弄されます、愛されキャラ。

聞き耳を立てる米本啓太朗(政1・京都成章)

喜は、彼も関西人なので通ずるところがあるんですけど、ウエイトとかストイックさに対してはとても尊敬しています。

優心に対してはめちゃくちゃ真面目なやつだなと思ってたんですけど、彼は寝る以外ずっと僕らの部屋にいて、意外と可愛いところがある。すぐ「ゲームしたい」って言ってきたり、ずっとニコニコしてます。完璧な人間でストイックなんですけど、意外とおっちょこちょいなところがあるのが可愛いです。外から見たらカッコいいと思われがちなんですけど、僕らから見たら可愛いマスコットキャラみたいな感じです。

 

--チーム全体で印象的な選手

皆さんですけど、石野創太郎さん(理4・川和)はとてもパッションがあって、どんな状況でもみんなを元気づけていて。石野さんといたら頑張ろうと思える声かけや立ち振る舞いをしています。とても尊敬する先輩の一人です。

 

--自分の持ち味、注目して欲しいプレー

タックルですね。タックルは好きなので、見て欲しいです。

 

--試合中に心がけていること、持ち味を更に進化させるために日々の練習で意識していること

僕が高校から心掛けているのは、「練習中は厳しく、試合中は甘く」。練習中は厳しくすることによって直るんですけど、試合中に厳しくしちゃうといいことは一つもなくて、どんどんマイナスな気持ちになってしまう。試合中というのは、花園の期間に学んだんですけど、ミスとか失点をしたあとでも、プラスの声をかけるような意識はしてます。その分、練習に関しては厳しく動こうと思っています。

--今年の目標、そして4年間の目標

今年の目標は「メンバーに絡むこと」。絡むだけでは意味ないので、その中でも勝ちに貢献できるような人になれればいいなと思います。4年間の目標としては、チームとして「日本一」を掲げていて、本当に日本一の景色を見るために取り組んでいきたい。絶対に日本一を取ることが目標です。

 

ーーお忙しい中ありがとうございました!

(取材/記事:島森沙奈美)

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