2025年9月28日(日) 東京六大学野球秋季リーグ戦 明大2回戦 @明治神宮野球場
前日の敗戦を取り戻したい慶大は先発にエース・外丸東眞(環4・前橋育英)を起用。しかし外丸は2回、3回と失点し0ー2とされる。5回裏、田上(たがみ)遼平(商3・慶應湘南藤沢)にスイッチも、田上(たのうえ)夏衣(商2・広陵)に本塁打を浴び3点目を許す。一方、慶大打線は8回まで二塁を踏むことができず。9回には2死二、三塁という一発同点のチャンスを迎えたが、リーグ戦初出場の代打・市橋慶祐(商2・小野)が三ゴロに倒れ、2カード連続で勝ち点を落とした。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
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慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
明大 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | X | 3 |
慶大バッテリー:●外丸、田上、水野ー吉開、加藤
明大バッテリー:大室、○三浦、渡邉聡、菱川、大川ー小島
慶大本塁打:なし
明大本塁打:田上2号ソロ(5回)
◆慶大野手成績
位置 | 選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
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[8] | 今津慶介(総3・旭川東) | 遊ゴロ | 左飛 | 見三振 | 一ゴロ | |||||
[9] | 村岡龍(商3・慶應) | 左飛 | 一ゴロ | |||||||
H9 | 真田壮之(経4・慶應) | 右飛 | 右直 | |||||||
[3] | 森村輝(総4・小山台) | 右飛 | 左直 | 空三振 | 中安 | |||||
[7] | 常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢) | 遊ゴロ | 投ゴロ | 左安 | 遊失 | |||||
[6] | 林純司(環2・報徳学園) | 中安 | 右安 | 一飛 | ||||||
H | 市橋慶祐(商2・小野) | 三ゴロ | ||||||||
[4] | 竹田一遥(環1・聖光学院) | 遊併打 | 二飛 | |||||||
1 | 田上遼平(商3・慶應湘南藤沢) | |||||||||
H | 貞包健勝(環2・城北) | 空三振 | ||||||||
1 | 水野敬太(経2・札幌南) | |||||||||
[5] | 八木陽(法2・慶應) | 中飛 | 遊ゴロ | 左飛 | ||||||
[2] | 吉開鉄朗(商3・慶應) | 一ゴロ | 四球 | |||||||
H2 | 加藤右悟(環1・慶應) | 空三振 | ||||||||
[1] | 外丸東眞(環4・前橋育英) | 見三振 | ||||||||
4 | 吉野太陽(法3・慶應) | 中飛 | 左邪飛 |
◆慶大投手成績
選手 | 投球回 | 打者 | 投球数 | 被安打 | 被本塁打 | 与四死球 | 三振 | 失点 | 自責点 | |
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先発 | 外丸東眞(環4・前橋育英) | 4 | 17 | 52 | 5 | 0 | 1 | 1 | 2 | 2 |
2 | 田上遼平(商3・慶應湘南藤沢) | 2 | 8 | 26 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 |
3 | 水野敬太(経2・札幌南) | 2 | 10 | 49 | 2 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 |
前日の試合では1-4と敗れ、勝ち点獲得に後がなくなった慶大は法大戦と同様、2回戦のマウンドにエース・外丸を送る。前回登板の法大4回戦では、味方の失策も絡んで2回3失点(自責1)。野手陣は打撃だけでなく、守備でもエースを援護することができるか。打撃陣の注目選手は今季初スタメンの森村輝(総4・小山台)だ。前日の試合では代打で出場し、大川慈英(国4・常総学院)から安打を放った。森村の前に走者を溜め、得点に繋げたい。

前日の1回戦で大川から安打を放った森村
試合が動いたのは2回裏。外丸は先頭の小島大河(政経4・東海大相模)に左中間を破る二塁打を許すと、続く宮田知弥(商4・横浜)にも中堅の前に落ちる安打を許し、無死二、三塁を招く。6番・光弘帆高(商3・履正社)は二邪飛に抑えるも、7番・内海優太(商3・広陵)の二ゴロの間に三塁走者が生還し、先制点を奪われる。

4回2失点と苦しい投球となった先発・外丸
流れを取り戻したい慶大だが、3回表の攻撃は三者凡退に終わってしまう。その裏、明大は先頭の投手・大室亮満(文2・高松商業)に早くも代打・今井英寿(政経4・松商学園)が送る。外丸は今井に一二塁間を抜ける安打を許すと、田上に犠打を決められる。続く木本圭一(政経4・桐蔭学園)には四球を許し、1死一、二塁。ここで3番・榊原七斗(情コミュ3・報徳学園)に中適時打を許し、2点目を献上。なおも1死一、三塁でプロ注目の4番・小島を迎えたが、二併殺打に打ち取って複数失点は防いだ。
だが慶大打線は5回まで林純司(環2・報徳学園)の安打2本のみに抑えられ、苦しい状況が続く。5回裏、慶大は外丸を代え、田上(たがみ)をマウンドへ。しかし、1死無走者で明大・田上(たのうえ)に右本塁打を浴び、3点目を許す。

この試合唯一のマルチ安打・林純

”田上対決”に敗れ悔しさをにじませる慶大2番手・田上(たがみ)
3点を追う6回表、明大は三浦心空(政経3・東邦)から渡邉聡之介(政経2・浦和学院)にスイッチ。なんとしても得点を挙げたい慶大は、先頭・吉開鉄朗(商3・慶應)が四球を選ぶ。このチャンスを生かしたい慶大だが、守備から途中出場の吉野太陽(法3・慶應)、1番・今津慶介(総3・旭川東)、代打・真田壮之(経4・慶應)が凡退し、得点に繋げられなかった。

6回、先頭打者として四球を選んだ吉開
7回表、明大は前日同様、菱川一輝(文4・花巻東)をマウンドに送る。先頭の森村は三振に倒れるも、常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)が左翼へ弾き返し、1死一塁。ここでこの日2安打の林純を迎えるが、あえなく三振に倒れると、続く6番・田上に代打・貞包健勝(環2・城北)を起用も連続三振に終わる。

チーム3本目の安打は打撃好調・常松の一打
7回裏、慶大は水野敬太(経2・札幌南)にスイッチ。安打を許すものの、無失点で切り抜け、8回の味方の援護を待つ。しかし、吉開に代打・加藤右悟(環1・慶應)を送るなど攻勢を見せるも出塁ならず。結局慶大打線は8回まで二塁も踏むことができず、反撃のチャンスをつかめない。
8回裏、水野は榊原、小島を順調に打ち取るものの、宮田に右安打を起点に光弘、内海に連続四球を与え、2死満塁のピンチを招く。しかし、ここは水野が友納周哉(文3・福岡大大濠)を左直に打ち取り3点差のまま最終9回の攻撃へ。

8回満塁機を凌ぎ、安定した投球が光る水野
水野の踏ん張りに応えたい慶大打線だったが、その前に明大守護神・大川が立ちはだかる。1番・今津からの好打順だったが、今津、真田と凡退。それでも前日の試合で大川から安打を放った森村が、この日も意地を見せて中安打を放つと、打席には打撃好調の4番・常松。常松の当たりは遊撃へのゴロとなり試合終了と思われたが、球場の雰囲気が相手選手のミスを誘い、この日初めての2死一、二塁のチャンスを作る。一発同点という場面で、堀井監督はこの日2安打の林純に代え、リーグ戦初出場の市橋を代打起用。相手捕手の後逸間に走者がそれぞれ進塁し二、三塁。慶大応援席も大きな盛り上がりを見せたが、市橋は三ゴロに倒れ、好機を活かせず。4安打完封負けで試合が終了した。

2試合連続で大川から安打を放った森村
この試合ではこれまで多かった失策による失点がなく、相手の打力に屈する形での敗戦となった。また、打撃陣は明大の中継ぎリレーに歯が立たず、8回まで反撃の狼煙を上げることすら叶わなかった。
明大との2連戦での慶大の得点は、前日1回戦の常松の適時打による1点のみ。前カードの法大戦では4試合で24得点と打線がつながっていただけに、このカードでは明大の強力投手陣を前に力負けした。また投手陣はこの2試合で4本塁打を被弾。結果としていずれもダメ押し点となっているだけに、好投が続く中で少しの油断が招いた被弾は悔しい結果をもたらした。翌週からは投手陣は1球1球に集中し、野手陣が持ち前の爆発力を取り戻すことで、投打が噛み合う試合展開を期待したい。
翌週は東大とのカードを控えている慶大。東大も今季未だに勝ち点を挙げられていない。東大とのカードでなんとしてでも連勝で勝ち点を獲得し、4季ぶりの天皇杯獲得へ望みをつなげたい。
(記事:奈須龍成、写真:河合亜采子、鈴木啓護、加藤由衣)