【ソッカー(女子)】〈展望〉通算0勝7分31敗の早慶戦 初勝利へ慶應のベストを尽くせ!/第40回関東大学リーグ1部前期第11節(前期最終戦) VS早稲田大学

ソッカー女子

 昨季、関東大学リーグ2部優勝で1部に昇格した慶大ソッカー部女子。今季は21年以来5季ぶりに1部で戦っているが、6連敗中、12チームのうち11位と苦戦を強いられている。

 6月13日、早大東伏見グラウンドで、前期最終節の早慶戦が開催される。女子サッカーの早慶戦は通算38試合を慶大の0勝7分31敗。勝利したことは一度もない。

 今回の記事では、早慶戦の歴史や初勝利に向けた注目ポイントについて解説する。

 

※早慶戦の勝敗記録の出典

伊東武彦,2025,『早稲田サッカー 百年の挑戦』早稲田サッカー 百年の戦績 女子部編,徳間書店,p.103-132.

 

【早慶戦の歴史】

 早稲田大学ア式蹴球部女子、通称ア女は1991年創設。慶應義塾体育会ソッカー部女子は2006年に創設された。

 初の早慶定期戦が開催された2002年、慶大は体育会加入前で、前身チームとして活動していた時期だ。慶大が0−11で敗戦した。定期戦はエキシビションマッチに近い位置づけだが、初開催以降毎年度必ず1試合開催されていて、近年は夏の風物詩となっている。定期戦の通算対戦成績は慶大の0勝5分19敗。

 全日本女子サッカー選手権大会の東京都予選や、関東女子サッカーリーグ、関東大学女子サッカーリーグでも対戦しているが、慶大の勝利は一度もない。通算対戦成績は38試合を慶大の0勝7分31敗。実力の差はあるが、31敗のうち1点差敗戦が5試合と、惜しい試合もたしかにあった。

女子サッカー 早慶戦戦績①(背景黄色は引き分け)

女子サッカー 早慶戦戦績②(背景黄色は引き分け)

 

【今季の両チームの関東大学リーグでの状況】

 慶大は1勝3分6敗で勝ち点6、12チームのうち11位と苦戦している。開幕から4戦負けなしも、前期第5節の山学大戦で初黒星を喫し、そこから6連敗と流れが悪い。目標とする〝インカレ出場〟(=8位以上)までは勝ち点差2とまだ射程圏内だが、ここからは落とせない試合が続く。

 早大は6勝1分3敗で勝ち点19、4位につけていて、首位の東洋大を勝ち点差6で追う。目標のリーグ優勝のためには慶大と同じく取りこぼしが許されない状況だ。

 

【歴史を変える初勝利へ】

 初勝利のカギを握るのは〝複数得点〟。早慶戦で慶大が複数得点を挙げたことはなく、今季の慶大もまだ複数得点を記録していない。

 今季の全7得点のうち、チーム最多の3得点をマークしているのが絶対的ストライカーで主将の野村亜未(総4・十文字)。圧倒的なスピードと裏抜けを武器に、CFでゴールを量産する。チーム随一のテクニシャンで2列目を務める副将の佐藤凜(総4・常盤木学園)が2得点。シャドウストライカーとしての役割もこなす山田葵(総2・聖和学園)が1得点。CKにヘディングで合わせた米口和花(総3・十文字)が1得点と続く。

昨季2部最多得点選手 荒鷲の絶対的ストライカー・野村

冷静なボールタッチが売りのテクニシャン・佐藤

聖和仕込みのドリブラー・山田

 最終ラインからパスをつなぎ、丁寧にビルドアップする。アンカー・竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)を中心にボールをにぎるも、攻め切れない試合が続いている。

イーグルアイでピッチを俯瞰する竹内

 得点力向上にセットプレーは欠かせない。CKや直接FK弾で幾度もチームを救ってきたエース・野口初奈(環4・十文字)の右足に期待がかかる。右サイドを務める森原日胡(総2・作陽学園)のカットインからの左足シュートや、左サイドを務める福島紗羅メヘル(政1・昌平)のカットインからの右足シュートにも注目だ。

昨季2部最優秀選手 慶應のファンタジスタ・野口

昨季2部新人賞 山陽が育んだオールラウンダー・森原

変幻自在のドリブルで魅了するスーパールーキー・福島紗

 守備は3バックの中央を務める米口を軸に、昨季から不動の左CBとして貢献する宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)、カバーリングが光る右CB・木田遥(総1・十文字)、チーム唯一のGK・四宮里紗(環1・桐蔭学園)らが支える。

今春、全日本大学女子選抜に選出された安心と信頼のCB・米口

両足から正確なパスを繰り出し、ビルドアップでも貢献する宮嶋

右CBやアンカーを担う荒鷲の頭脳・木田

絶対不可欠の新守護神・四宮

 前節、大けがからおよそ1年ぶりに復帰した岡田恭佳(環4・十文字)も能力の高い選手だ。

大けがを乗り越えた不屈のDF・岡田

 早慶戦でも攻撃時3−1−5−1、守備時5−4−1のシステムが予想される。GK・四宮、右CB・木田、CB・米口、左CB・宮嶋、アンカー(守備時右ボランチ)・竹内、右WB・森原、右シャドウ(守備時右SH)・山田、トップ下(守備時左ボランチ)・野口、左シャドウ(守備時左SH)・佐藤、左WB・福島紗、CF・野村の前節と同じメンバーでのスタートが濃厚。右WBはクロスでチャンスメイクする岩田理子(総3・十文字)、右シャドウは独特なリズムでボールを運ぶ田中紗莉(総3・市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)の起用も考えられる。

十八番のクロスと声でチームをけん引する岩田

左足のミドルシュートも武器のアタッカー・田中紗

 野村と廣本瑞季(文3・学習院女子高等科)の2トップもオプションの一つだ。

大学からサッカーを再開し、たゆまぬ努力で出場機会を手にした廣本

 強烈な左足を持つ早坂七海(政1・常盤木学園)や、シュートセンスに長けた安達梨咲子(商4・Palos Verdes High School / Fram Soccer Club)、献身的なプレーを見せる主務の福島日和(理4・慶應湘南藤沢)の活躍にも期待したい。

次世代の荒鷲の翼・早坂

プレスからチャンスをつくる切り札・安達

高精度の左足クロスでチャンスを生む福島日

 今年度のチームスローガンは『尽くす』。「組織のために動いてくださっている方のために『尽くす』という要素と、自分たちが『やり尽くして』終わりたいという要素を掛け合わせて、慶應らしい言葉で表そうと考えた」と福島日は話す。前身時代からチームの歴史を紡いできたすべての人の想いを背負い、夢の早慶戦初勝利を目指す。

 初勝利、前期最終節、6連敗のストップ、多くのものが懸かった早慶戦となる。保持しながらも攻め切れない、優位に進めながらも勝ち切れない、重苦しいチームの流れを変える恰好の舞台がやってきた。歴史を変える1勝へ、慶應のベストを尽くせ!

 

(記事:柄澤晃希)

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