【ソッカー(女子)】〈戦評〉早慶戦初勝利の夢叶わず完敗 12チーム中11位で前期リーグ終了/第40回関東大学リーグ1部前期第11節 VS早稲田大学

ソッカー女子

 関東大学リーグ1部前期第11節(前期最終節)。リーグ戦6連敗中の11位・慶大は、アウェイで4位・早大に3−1で敗れた。

 今季スタメンは1試合のみだった福島日和(理4・慶應湘南藤沢)、前節に途中出場でおよそ1年ぶりに復帰した岡田恭佳(環4・十文字)、最後にスタメンで出場したのは1年10ヶ月前の安達梨咲子(商4・Palos Verdes High School / Fram Soccer Club)ら、4年生全7選手をスタメン起用した。

 前半は相手のサイド攻撃に苦戦し、2点を失う。後半もミドルシュートで追加点を許し、終盤に野口初奈(環4・十文字)のCKを宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が折り返し、野村亜未(総4・十文字)が押し込んで1点を返すが、及ばなかった。

 前期リーグは12チーム中11位で終了。後期での巻き返しを目指す。

 

2026/6/13(土)16:00キックオフ@早稲田大学東伏見グラウンド

O.R.S 第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 前期第11節

【スコア】

早稲田大学3−1慶應義塾大学

【得点(アシスト)】

28分 早大 小島世里

40分 早大 﨑岡由真(三宅万尋)

70分 早大 新井みゆき(川本美羽)

90分 慶大 野村亜未(宮嶋ひかり)

 

【慶大出場選手】

ポジション

背番号 選手名(学部学年・出身高校)

GK

1 四宮里紗(環1・桐蔭学園)

DF

15 田中紗莉(総3・市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)

→HT 11 森原日胡(総2・作陽学園)

6 木田遥(総1・十文字)

5 米口和花(総3・十文字)

3 岡田恭佳(環4・十文字)

→6分 4 宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

22 福島日和(理4・慶應湘南藤沢)

→HT 14 福島紗羅メヘル(政1・昌平)

MF 

19 安達梨咲子(商4・Palos Verdes High School / Fram Soccer Club)

→HT 13 山田葵(総2・聖和学園)

10 野口初奈(環4・十文字)

2 竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)

8 佐藤凜(総4・常盤木学園)

→85分 7 髙松芽衣(環3・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18) 

 FW 

9 野村亜未(総4・十文字)

 

 試合前時点で通算38試合を戦い、慶大は0勝7分31敗の早慶戦。初勝利を願う多くのファンがアウェイ・東伏見の地に訪れた。

 スタメンに大きなサプライズがあった。6連敗の状況を打破するため、「4年生の生き様をピッチで表現する」ことに期待した黄大城監督は、右CBに前節途中出場でおよそ1年ぶりに復帰した岡田恭佳(環4・十文字)、アンカーに竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)、右ISHに1年10ヶ月ぶりにスタメンの安達梨咲子(商4・Palos Verdes High School / Fram Soccer Club)、トップ下に野口初奈(環4・十文字)、左ISHに佐藤凜(総4・常盤木学園)、左WBに今季2試合目のスタメンとなる福島日和(理4・慶應湘南藤沢)、CFに野村亜未(総4・十文字)と、4年生7選手全員をスタメン起用した。

4年生全7選手をスタメン起用

今季2試合目のスタメンとなった福島日

リーグ戦1年8ヶ月ぶりのスタメンとなった安達

 開始2分、ゴール前でクロスに合わされるが、CB・米口和花(総3・十文字)がシュートをブロック。その後はCKのピンチが続いたが、キーパー・四宮里紗(環1・桐蔭学園)を中心とした守備で失点を未然に防ぐ。

安定した守備を見せた米口

セットプレーを防いだ四宮

 6分、スタメン復帰の岡田がアクシデントに見舞われピッチを後にする。大けがから待望の復帰を果たした矢先、心配な負傷となった。代わって、前節まで全試合でスタメンフル出場の宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が左CBに入る。

岡田のアクシデントで早々に投入された宮嶋

 早大は4−3−3のシステム。両WGが幅を取り、ピッチを横に広く使って攻め込んでくる。慶大はボールを持たれながらもしのぎ続けると、17分、内側に入った右CB・木田遥(総1・十文字)が低い位置に下りた竹内からパスを受け、安達との連携から右サイドを突破。シュートには至らなかったが、チャンスをつくる。

積極的な攻撃参加でチャンスをつくった木田

 23分、早大CFに抜け出され、ボックス内でシュートを打たれるが、四宮が落ち着いてセーブ。押されながらも耐えていたが、28分、左WGに素早いプレスを受け、低い位置でボールを奪われると、強烈なシュートを決められ先制を許す。

 失点直後のキックオフ、米口のフィードを受けた右WB・田中紗莉(総3・市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)のドリブルからCKを獲得する。キッカー・野口の低いボールはニアに走り込んできた宮嶋に合うが、シュートは惜しくもクロスバーを超える。

チャンスメイクした今季初スタメンの田中紗

 36分、米口から野村に鋭い縦パスが入ると、野村は竹内に落とし、竹内から受けた安達が反転からシュートを放つが、キーパーの正面を突く。

パスでチャンスを演出した竹内

 野口が積極的に顔を出してボールを運びながらも攻め込めないでいると、40分、右WGに突破からクロスを入れられると、ゴール前で打点の高いヘディングを決められ2失点目を喫する。前半終了間際も左WGにサイドを突破されてシュートを打たれるが、ポストに救われ、2点ビハインドで前半を終える。

積極的にボールを引き出した野口

 後半開始から3枚代えで反撃を図る。田中紗に代えて、前節まで全試合スタメンの森原日胡(総2・作陽学園)、安達に代えて、前節スタメンで1ゴールの山田葵(総2・聖和学園)、福島日に代えて、前節まで全試合スタメンの福島紗羅メヘル(政1・昌平)を投入する。

 51分、竹内からパスを受けた野口が右サイドに展開すると、オーバーラップした木田がクロスを供給。福島紗が反応し、右足でボレーシュートを放つが、枠を捉えられない。53分、福島紗が得意のドリブルからカットインシュート。こぼれ球に山田が詰めてシュートを放つが、クロスバーを超える。

攻撃に厚みを生み出す福島紗

 後半は互角の戦いを繰り広げていたが、70分、ボックスの外からミドルシュートを決められ、3点目を許す。

 85分、佐藤に代わり、開幕戦を最後に戦列を離れていた髙松芽衣(環3・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が10試合ぶりにピッチに入る。89分、宮嶋、福島紗、髙松のトリオでパスを8本つなぎ、左サイドを崩すと、髙松がクロスを供給。ダイビングヘッドを試みた山田にはわずかに合わなかったが、CKを獲得する。

左ISHでスタメン出場した佐藤

待望の復帰を果たした髙松

山田の気迫でCKを獲得

 野口のファーサイドへのボールを宮嶋がヘディングで折り返すと、野村が押し込み、1点を返す。

アシストとなった宮嶋の折り返し

今季4ゴール目のストライカー・野村

 90+3分、森原が縦に仕掛けてグラウンダーのクロスを入れると、山田がシュートを放つが、キーパーに防がれる。その直後、野口のCKに米口がヘディングで合わせるが、ゴール前でクリアされる。終盤はリードする早大がラインを下げ、慶大が押し込んだが、3−1でタイムアップを迎えた。

スピードで魅せた森原

 1部昇格初年度の今季、前期の11試合を終えて、1勝3分7敗で11位。目標の『インカレ出場』権を獲得できる8位までの勝ち点差は5、7位までは9と、厳しい戦いになっている。

 ここからの2試合は9位の十文字学園女子大学戦、12位(最下位)の順天堂大学戦と続く。結果次第でインカレ出場争いへの復帰、はたまた自動降格に近づく可能性もある。シーズンを占う2試合になることは間違いない。

 最近のチームの合言葉は「勝ちたい」。勝たなければならないと背負い込むのではなく、勝利への純粋な想いを大切にしている。

 早慶戦初勝利の夢は儚くも散ったが、スタメン出場した4年生、4年生以外のスタメンの選手たち、普段はスタメンで出ることもありながら途中出場となった選手たち、出場機会のなかったベンチメンバー、観客席から声援を送る部員、勝利に懸ける想いは痛いほど伝わってきた。

 リーグ戦は残り11試合。まだまだ何も終わっていない。部員だけではなく、ソッカー部女子の勝利を願うすべての人が共に戦っている。

 

【次節の試合予定】

2026/6/20(土)14:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド

O.R.S 第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 後期第1節

慶應義塾大学対十文字学園女子大学

 

【インタビュー】

黄大城監督

――きょうのスタメンを伝えたタイミング

昨日の練習中に最終確認も含めてこのメンバーを伝えた形です。

――この11人を送り出した理由

勝てていないですし、何かを変える必要があるということと、学生にこの状況を前向きに捉えてほしいということで、この状況を打開するために何かきっかけが必要だと考えました。「4年生の生き様をピッチで表現する」ことが一番分かりやすいですし、この代は人数が多い代なので、人数が多いからこそできる状況の変化を、彼女たちの学年の色でつくることに期待して起用しました。

――試合の総括

相手のやってくることは想定通りで、ミーティングでも全部伝えていた中でやられてしまったという意味では完敗だなと、分かっていてやられているので完敗だと思います。ゲーム展開を考えると、ミスで失点をしてしまった部分が多かったところは今までの6連敗と同じような展開になってしまっているので、ちょっとしたところの積み重ねと選手の意識の変化をどうやってもたらすことができるかというのが後期を迎えるにあたって一番大事なポイントだと思います。

――前期リーグを振り返って

思うように勝ち点を積み重ねられなかったという意味ではすごくもどかしい前期だったと思う一方で、僕はやはり慶應のスタイルが1部でもある程度通用することにはすごく自信を持っていますし、選手たちを誇りに思っています。ただ、サッカーは相手よりも多くゴールを入れるスポーツで、ゴールを守る、ゴールを奪うところのクオリティが2部とは違うので、どれだけボールを動かしてゲームを支配したとしても勝負には負けてしまうということを考えると、選手たちがどれだけこの敗戦を血肉にできるかというところがポイントになると思います。ゴール前の精度は圧倒的にこのチームの一つの課題なので、改善していかなければいけないけれど、今まで2部で戦ってきてそこは選手も驚きを感じている部分だと思います。いい前期にするために、この経験を後期に生かすことができればゲームを支配できて勝負にも勝てると思うので、できているところと課題をしっかりと分けながら選手たちに前を向いて伝えていければと思います。

――だんだんとけが人が復帰してきて、きょうも髙松選手の出場があった

交代がいないと言ったら失礼ですけど、人数が少ない分当たり前のように全員がメンバーに入りますし、競争がなかなか生まれにくい環境であることは良くも悪くもうちの特徴だと思うので、けが人が戻ってくることでチーム内の競争が生まれて必ず良い影響を及ぼしてくれると思います。芽衣(髙松)は副将ですし、頼もしい選手が戻ってきてくれたと思います。

――ここから2試合、負けられない試合が続く

負けられないですが、それをどう捉えるか、「負けられない」と勝っていないチームが捉えてしまうと、重心が後ろになってしまったり、得点を取った後の過ごし方に大きく影響を及ぼしてしまうので、「勝たなきゃいけない」、「負けられない」よりも「勝ちたいんだ」という純粋な気持ちを選手たちと共有しながら自信を持ってプレーさせることが一番大事なポイントだと思います。

 

野村亜未(総4・十文字)

――この1週間どんな準備をしてきたか

早慶戦ということもあって力が入る試合でしたが、6連敗という状況をどうにかして変えなきゃいけないという気持ちで、それぞれが練習から意識や行動を変えてこの試合に臨みました。

――試合の前に4年生で話し合ったこと

この一戦を自分たち4年生というチームをつくる中心が変える意気込みで、「この試合があったから変わったよね」と歴史に残るような代にしようという気持ちで臨みました。想いをピッチ内で表現するところはよりいっそう持っていました。

――試合の総括

テソンさん(黄大城監督)が言っていたことが起きたというか、相手は最大限の力を使えるところで、サイドのポケットを使ってくるところに対して、ルーズボールで負けたり、ロングボール一本で負けたり、どうしても個人の部分にはなってしまいますがそこで負けてしまったのが一番の要因だと思います。一方で、最後まで諦めずに戦い続ける姿勢はそれぞれから見受けられたので、その点に関しては一つ自分たちがやってきたことの成果だと思います。

――久しぶりの得点となった

ポジション柄それが使命だと思いますが、自分は生かされるプレーヤーで、パスが来ないと決定機も生まれないですし、そこをどう引き出すかというのは試行錯誤しながらではありますが、最後はストライカーなので自分が点を取る気持ちは忘れずに、得点で示すことは継続してやっていけるように頑張っていきたいと思います。

――順位を争う上で直接対決となる2試合を迎える

十文字、順天に負けたら自動降格もあって、自動降格になったらどうしようもできないので、そうならないためにも直接対決の次の2節は勝ち切らなきゃいけないと思います。もう言ってしまえば失うものは何もないので、一つ切り替えて、全員の「勝ちたい」という純粋な想いをもっともっとプレーに体現できる試合にしたいと思います。

――ファンの方に向けて

結果が出ない中でも変わらず応援し続けてくれる方々の存在は励みになりますし、そういった方々のためにももっともっと頑張って最後は結果で示さなきゃいけないと思うので、自分たちがどうにかしてこの状況に、もがいて、食らいついて、目標達成できるまで頑張るので、最後まで一緒に戦ってほしいと思います。

※前回までシャドウと表記していたポジションは、今回からISH表記に変更しています。

 

(取材:柄澤晃希)

 


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