【ラクロス(男子)】昨年敗れた相手を圧倒!全国進出に王手かける/関東学生ラクロスリーグ戦 VS日体大

今年もついにこの舞台まで登りつめた。FINAL4の相手は日体大。昨年FINALで敗れた相手だけに、厳しい戦いが予想されていた。しかし、攻めてはAT仁熊健太(4・慶應NY)5得点を含む2桁得点。守っては慶大DF陣の素早いプレッシャーで相手を封じ込める。攻守で日体大を圧倒し、リベンジとFINAL進出を同時に果たした。

29回関東学生ラクロスリーグ戦 FINAL4

2016/11/03 () 12:10 F.O. @大井第二球技場

 

慶大

経過

日体大

2

1Q

1

5

2Q

0

3

3Q

2

1

4Q

1

11

合計

4

 

 

 全国をかけた関東上位4チームの戦いが、大井の地で行われた。試合当日は、好天、祝日ということもあり、スタンドに収まらないほどの多くの観客が試合の行方を見守った。 

相手のシュートを阻むDF北川(背番号5)とLMF河村(背番号17)

相手のシュートを阻むDF北川(背番号5)とLMF河村(背番号17)

 1QはDF陣の堅守が印象的だった。結果的に、慶大の初得点が生まれたのは残り3分になってから。試合開始から速いテンポで攻守が入れ替わるなか、残り9分には日体大に先制点を奪われる。慶大も何度もチャンスを作りながら決めきれず、もどかしい時間が過ぎていくが、そこを支えてくれたのがDF陣だ。守護神・G杉本健(経2・慶應義塾)のナイスセーブ連発は今試合も健在。また、中盤の要・LMF河村剛志(商4・慶應NY)を中心とし、相手の動きに合わせた冷静な守備でゴールに近づけさえもしない。日体大がボールをキープしていても、必ず取り返してくれるだろうという安心感があった。そして、G杉本の好セーブで作ったチャンスから、「1点目は絶対自分で取ろうと決めていた」AT仁熊健太(商4・慶應NY)が日体大DFを振り切ってシュートを決める。終了間際にはAT井上裕太(経3・慶應義塾)がグラウンドボールを拾いそのままゴール。勝ち越して1Qを終えた。

 

 2Qの主役は、間違いなく攻撃陣だろう。開始早々、MD松平悠希(経2・慶應義塾)のアシストでMD山田晃平(政4・慶應義塾)がシュートを決め、攻勢の狼煙をあげる。直後にも、AT仁熊のゴールでさらに追加点。慶大が日体大ゴールを攻め立て続ける。残り10分にはMD松平、8分にはAT井上、2分にはAT仁熊がそれぞれ得点を挙げ、このクウォーターで一挙5得点。日体大を大きく突き放し、前半を折り返した。また、得点には結びつかなかったが、LMF河村の好守から前線への縦パスというパターンが上手く機能していたように見える。試合後には「攻撃陣が良いもらい方をしてくれたので、良いパスが通った」と謙虚に振り返ったが、新しい攻撃のパターンとしての定着を期待したい。

 

今試合5得点のAT仁熊

今試合5得点のAT仁熊

 3Qでも、DF陣はボールを持った相手に素早くプレッシャーをかけに行き、シュートを打たせない好守備を見せる。だが、FINAL4に残る実力校相に対してそう一筋縄ではいかない。中に入れないことが分かると、長い距離から鋭いシュートを放ってくるようになる日体大。前半10分までに2点を返されてしまう。点差は開いているが、ここで初めて試合の主導権を握られそうになる。しかし、そういった時こそ力を発揮してくれるのが慶大の誇る点取り屋たちだ。3Q後半に入り、AT井上とAT仁熊が流れを引き戻すゴール。残り3分にはAT野上力(政4・慶應湘南藤沢)が待望の今試合初得点を挙げ、再びチームを勢いづけた。

 

 日体大のファールのため、1人多い状態で始まった4Q。数の利を生かし、開始すぐにAT仁熊がゴール横からシュートを決め、5得点の大活躍を果たしたところでお役御免。他の主軸たちも徐々にベンチに下がり、大幅なメンバーチェンジが行われた。点差が開いたということもあるが、「来週にまたすぐ試合があるので、疲れを残さない」(山田)ためのようだ。ラスト5分に1点を返されるが、控えのメンバーたちも強敵相手に果敢に立ち向かい、しっかりと点差を守り切った。

 

勝利を喜ぶチーム

勝利を喜ぶチーム

 FINAL4進出を決め、アメリカ遠征に旅立った慶大ラクロス部。「基本的に格上で、フィジカルでも技術でもすごくレベルが高かった」(山田)本場のプレーヤーたちと真剣に対峙し、大きくレベルアップして帰ってきた。具体的に強化されたポイントについて、LMF河村は「フィジカル面」、AT仁熊は「アタックの選手のボールのもらい方」をそれぞれ挙げたが、それが内容にも結果にもよく表れた試合であったと思う。次はいよいよ東大とのFINAL。リーグ初戦で一度下した相手だが、東大もまたアメリカ遠征を行っている。山田主将が「今年のリーグ戦のようにはいかないと思います」と語るように、全く別のチームとの戦いになることは間違いない。だが、今日のような試合ができれば必ず勝てるという確信がある。120%の力を出し切り、圧倒的な勝利で全国出場を決めてほしい。

 

(記事・下川薫)

 

◎8月13日に行われた東大とのリーグ戦の記事はこちらからご覧になれます!

 

以下、試合後インタビュー

 

山田晃平主将(4・慶應義塾) 

(チームはリベンジに燃えていたのでは)昨年の先輩たちの分まで勝とうというのは話していたので、前半から圧倒して気持ち良く勝つことができて良かったと思います。(課題の入りについては)スカウティングなど、自分たちでやったことをしっかりと出せたのであまり慌ててはいなかったです。1点先に取られてしまったというのも、あの形で点を取られてしまったのはしょうがないと思うので、全然沈むことなくプレーできました。(一つ一つのプレーの早さが上がっているように見えた)アメリカ遠征で一人ひとりレベルアップできた結果だと思います。(アメリカ遠征について)相手は基本的に格上で、フィジカルでも技術でもすごくレベルが高かったです。そういう相手に対して、出来るだけもう一歩中に入るとかパスのスピードとかにこだわることをアメリカで学んできたので、そういったことを練習から意識してきた結果が出たんだと思います。(終盤の大幅なメンバーチェンジについて)点差が離れたということもあったので、控えを出そうという考えでした。あと、来週にまたすぐ試合があるので、疲れを残さないという意味で全員出しました。(FINALの東大戦に向けて)東大もアメリカ遠征に行っていて、僕らの前に行われていた試合では圧倒的に勝っていたので、今年のリーグ戦のようにはいかないと思います。気を引き締めて、今日のようなスコアで勝てたら良いと思います。

 

河村剛志(商4・慶應NY)

(今日の試合を振り返って)去年のFINALで負けた日体大に勝つことが出来て、とりあえず安心してます。(日体大は去年のFINALのリベンジとなったが)リベンジということもありましたけど、いつも通りやればいつもと同じように勝てると思っていたので、そんなに特別な気持ちはありませんでした。(今日は河村選手が良い形でボールを奪い、攻撃に繋げる場面が目立ったが)今日は攻撃陣が良いもらい方をしてくれたので、良いパスが通ったと思います。後は、そのあとのところでまだ少し足りない部分があったので、そこを改善しつつ、守備もしっかりやって行ければ良いと思います。(アメリカ遠征に行って個人的に強化されたところは)フィジカル面ですかね。日本人に比べて、アメリカや海外の選手達は、細かい基礎の部分をしっかりと意識してやっていたので、初心に戻るじゃないですけど、そういう部分を再認識できました。(チームとしては)今までやってきたことをちゃんとやりつつ、後は、日本とアメリカだとラクロスの質が違うので、そこはしっかり吸収しようとしました。だから、逃げないということですね。自分たちのやってきたことは100パーセント出しつつ、向こうの良いところは吸収するということをやってきました。(次はFINALで、相手は今季初戦で勝利している東大となったが)一回勝ったとかは関係なくて、東大も海外遠征で強くなってると思いますし、現に早大にも勝っているので、そこは気を緩めず、全力で倒すだけです。(全国進出に向けて)やることは本当に変わらなくて、今まで自分たちがやってきたことを信じ切って、自信を持ってやれれば日本一にもなれると思うので、やることは特に変わらないです。

 

仁熊健太(4・慶應NY)

(今日の試合を振り返って)去年の借りを返せたので良かったです。(相手は昨年のFINALで敗れた日体大でしたが)今までの先輩方の思いも背負っていましたし、それより去年思いを背負って、去年同期として4年生の先輩方とはやっていたので、その思いは強かったです。5得点の活躍でしたが)あまり点を取ろうとは思っていなかったんですけど、ゴールに向かうことを強く意識して結果的に取れたので、すごく良かったです。1点目は1Qの苦しい時間帯での同点弾となりましたが)1点目は絶対自分で取ろうと決めていたので、そこは自分でガツガツ向かいました(チーム全体として攻撃のスピードが上がっていたが、どのような練習を)先月のアメリカ遠征で、アメリカのアタックの選手のボールのもらい方をすごく参考にして、すごく早く攻めることができたので、遠征で学んだことかなと思います。(今後に向けて)本当に東大は強いチームなので、しっかり勝って日本一へ進んでいきたいと思います。

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