【野球】フレッシュリーグ開幕！終盤までリードも悔しい引き分け　法大戦

２０１８年４月２８日（土）　東京六大学フレッシュリーグ　法大戦

本塁打を放った若林

リーグ戦開幕に遅れること２週間。今年も１、２年生のみの総当たりのリーグ戦、フレッシュリーグが開幕した。１、２年生にとっては絶好のアピールの場である。慶大の初戦の相手は法大。去年のリーグ戦で春秋とも慶大が勝ち点を取れなかった因縁の相手である。フレッシュリーグの後に行われるリーグ戦に弾みをつけるためにも初戦を勝利で飾りたい慶大だったが終盤に追いつかれ、悔しい引き分けに終わった。

慶大バッテリー：杉原、森田晃―植田響

法大バッテリー：平元、落合―後藤、永岡

慶大本塁打:若林２ラン（４回）

◆慶大出場選手

去年も試合開始時刻は朝の８時と早かったが今年は更に早まり、７時５０分となった。早朝ながら決して低くない気温の中プレイボール。先攻は慶大。立ち上がりを捉えるべく各打者がファーストストライクを積極的に振っていくも、この日最速１４４㌔を誇った相手左腕・平元の力のある速球に苦戦。３回まで無安打に終わり、毎回の６三振を喫してしまう。

打ってはヒット、守っては杉原をうまくリードした植田響

一方の慶大の先発は杉原寛哉（総２・桐蔭学園）。ランナーを許しながらも粘り、こちらも３回までに５つの三振を奪い無失点に抑える。なんとか杉原を援護したい打線は４回、先頭の３番・植田響介（総２・高松商業）がチーム初ヒットとなる左前安打を放ち、出塁する。続くのは４番・若林将平（環１・履正社）。「練習通りのスイングができた」と、３ボール１ストライクからの５球目を捉えた。フルスイングした打球は左翼席上段へ。打った瞬間それとわかる完璧なホームランだった。慶大はこの回、２点を先制する。

好投した先発の杉原

２点の援護をもらった杉原は尻上がりに調子を上げ、４回以降は無安打投球を披露。「変化球でストライクを取れてストレートも活きた」と、四死球でランナーを出しても落ち着いたピッチングで後続を打ち取りピンチらしいピンチを作らず、６回までを見事に投げぬいた。「僕自身結構納得のいく投球ができた」と、杉原は６回９４球を投げて被安打３、８奪三振、四死球３という好投でマウンドを降りた。

追加点を取りたい打線だったが４回以降は平元の前に沈黙。こちらも無安打に抑え込まれる。７回に代わった２番手・落合から角谷隆之介（環２・湘南）がチーム４本目となるヒットを放ち、続く代打・堀内一優（商２・慶應）が四球を選び２死一、二塁のチャンスを作るも後続が倒れ、得点には繋がらない。

新人戦主将を務める大串

杉原に代わって７回からマウンドに上がったのは森田晃介（商１・慶應）。いきなり連打を浴び無死一、二塁のピンチを招くも相手の拙攻にも助けられなんとか後続を打ち取り無失点に切り抜ける。だが、８回に捕まった。エラーとヒットで２死一、二塁とされ、迎えるは先ほど７回に先頭でヒットを許した途中出場の７番・杉村。１ボール２ストライクからの４球目を捉えられ、左中間を真っ二つに割る同点タイムリーツーベースを浴びた。なんとか次打者を三振に取りサヨナラ負けは阻止したものの、連盟規定により８回で試合終了。試合は引き分けに終わった。

両先発が好投し投手戦となった今日の試合。少ないチャンスをものにしたという意味では若林は見事なホームランを放った。しかし欲を言えば、チーム全体で４安打は寂しい数字である。「打の慶應」を示すべく、次戦では打線の奮起に期待したい。投手陣では、やはり杉原の好投が光った。次回の登板にも期待がかかる内容であった。森田晃は同点を許したとは言え、きっかけはエラー出塁である。僅差の試合においてエラーは流れを変えてしまう可能性をはらんでおり、８回はそれが如実に出てしまったイニングであったと言えよう。接戦でこそチームとしての力が試される。「甘さがあった」と吉田健一郎新人戦監督（商４・慶應湘南藤沢）が振り返ったようにまだまだチームとして課題は残る。次戦は２週間後の明大戦である。チームとしてさらに成長した慶大の戦いから目が離せない。

（記事：染谷優真、写真：髙山実子）

◆打撃成績

◆投手成績

◆監督・選手コメント

吉田健一郎新人戦監督（商４・慶應湘南藤沢）

――今日の試合を振り返って

僅差でピッチャーが粘って、少ないチャンスをものにする思い描いていた形ができました。そういう中でも追いつかれたのは、精神論になりますが、日々の積み重ねとか、弱さなのかなと思います。

――試合前に話したことは

先ほど話した理想の試合展開のことと、割り切って起用しているから、ミスしても俺ら（学生コーチ陣）の責任でいいから、思い切ってプレーしてほしいということを言いました。

――杉原投手が好投しました

最近実戦ではあまりいい投球ができていませんでしたが、気持ちが強い選手なので、大舞台でいい投球をしてくれました。杉原の投球がなければここまでできることはなかったのかなと思うので、ナイスピッチングだと思います。

――若林選手が本塁打を打ちました

やっぱり持っている能力はすごく高くて、でもなかなか実戦で調子が上がらなかったのですが、いいところで一本出て良かったと思います。

――勝ちきれなかった要因は

最終的に一個ミスも出ましたし、甘さという部分があったと思います。

――采配で気をつけている点は

選手に思い切ってプレーしてほしいというのと、いい意味でまとまりがある代なので、しっかりその良さを出しながら、思い切ってプレーしてほしいと伝えています。

――チームの雰囲気は

すごくいいと思います。点差が離れても、ベンチは冷静にしっかりいい声が出ますし、一喜一憂せずに勝ちに向かって声が出ているので、その点ではいいチームだと思います。

――次の試合に向けて

あと２週間あるので、細かいところを詰めながら、次の明大戦は勝てるように練習していきたいと思います。

大串亮太新人戦主将（法２・慶應）

――今日の試合を振り返って

みんな共通の思いで、悔しいです。負けたわけではないですが悔しいです。

――打席にはどのような意識で入られましたか

僕自身相手が左投手で左対左なのでなかなか打つのは難しい中で何とか出塁しようと思っていました。

――フレッシュリーグでの主将として何か意識されていることは

フレッシュリーグに出ることが目的ではなくリーグ戦に出て活躍することが目標なので、その気持ちを忘れずにやっていこうとみんなには話しています。

――その中でチームの雰囲気はいかがですか

かなりいいと思います。上手いプレーには程遠いと思いますが、全員で勝つぞという気持ちだけは他大学に負けないと思います。

――次の試合にむけて意気込みを

優勝を目指しているので、その為には次から負けられない試合が続くと思います。間は空きますがまた次の試合に向けてみんなで上手くなれるように練習していきたいと思います。

杉原寛哉（総２・桐蔭学園）

――今日の試合を振り返って

僕自身結構納得のいく投球ができたんですけど、試合として勝てなかったのが一番悔しいなと思います。そこが一番大きいですね。

――今日の投球で良かった点は

冬の期間はストレートを中心に練習をして来ました。あまりブルペンでは調子が良くなかったんですけど、変化球でストライクを取れたのがストレートも生きたポイントかなと思います。

――三振もよくとりました

キャッチャーの植田響介が投げたいボールを投げさせてくれたので、意思の疎通ができたのでそこが大きい中と思います。

――今年の目標は

ずっとリーグ戦で投げるのが目標なので、フレッシュリーグでは悔しい思いがある分、結果や姿で見せていきたいです。また、去年の経験があるので、引っ張っていこうと思いました。

――チームの雰囲気は

全員で戦おうという姿勢がすごいあるので、すごいいいと思います。

――次の試合に向けて

今日勝ちきれなくて、優勝するには４つ勝たないといけないと思うので、自分の結果よりはまず全員で４つ勝てるように１個１個やっていきたいです。

若林将平（環１）

――今日の試合を振り返って

杉原さんが良いピッチングをされていたのでもう少し野手が助けて楽にしてあげられれば良かったです。相手のピッチャーも良かったので接戦になるとは思っていましたがまさか自分が打てるとは思わなかったのでそれは良かったです。ただ最後勝ち切りたかったというのが本音ですし勝ち切らないといけないなと思います。この後のリーグ戦にむけて勢いをつけたかったのですが勝ち切れなかったのはまだまだ技術不足だなと思うので、次の試合までに練習して詰めていきたいと思います。

――ホームランの打席を振り返って

一打席目で悪かったところを二打席目修正して、練習通りのいいスイングができてしっかりと捉えられたなと思います。

――二打席目はファウルで粘り、三打席目は良い当たりのセンターフライでした。ご自身の打撃の調子は

練習試合で結果が出せていませんでしたが、ここ一週間くらいの打撃練習では調子が上がってきていました。今日は僕らしいフルスイングができたので良かったです。

――四番という打順については

やはり慶應の四番として、いつか絶対チャンスが回ってくると思っていたので、そこでホームランという最高の結果を出せたのは良かったです。ただ合計では４打数１安打なのでもう少し率を上げられるように、次のフレッシュリーグでは一本打てたらなと思います。

――大学４年間でどのような選手になりたいか

慶應の野球部には若林が必要だと言われるような、信頼のおける打者になりたいと思います。

――次の試合に向けて

フレッシュリーグもリーグ戦と同じように優勝を目指しているので優勝に貢献できるように自分のスイングをしっかりとしていきたいと思います。