【野球】4年特集Force≒4th③データ班インタビュー

秋春連覇を成し遂げた慶大野球部。他大学と比べて明らかに戦力が優れているわけではない中での連覇は4年を中心としたチーム力による野球の勝利でもある。特に今年はレギュラー野手に4年は2人、4年の投手もメンバーには2人だけと出場選手が少ない中でそれぞれがチームを支えるために動き、栄冠を勝ちとってみせた。今季は各週末に4年を特集したインタビューを掲載。”ラストシーズン”となる秋への意気込みを語ってもらった。

“裏方”の選手も日本一に向けて戦っている

第3回はグラウンド外で戦う選手の特集だ。データ班のチーフである成井智也(法4・成田国際)。大久保監督が就任してから活発化したデータ班の活動を主導している。彼らも含めて慶大の“FAMILY”だ。そんな”裏方”の一人である成井に自身の活動や慶大の強さについてお話を伺った。

--そもそもデータ班とはどんなことをしているのですか

僕が1年の頃から始まりました。リーグ戦は戦う相手も決まっていて、メンバーも新入生が入るけど固定されています。そういう相手に対して深く知ることが大事になってくるので、その手助けの一環でやっています。3・4年生を中心にだいたい20人くらいが所属しています。この学年の中で一番最初に入ったこともあり、自分がデータチーフをやっています。

 

--ご自身がデータ班に入るきっかけは

まず僕が2年の終わりくらいに、データ班の活動に興味があったことと、チーム貢献の一環としてデータ班に入ろうと思いました。

 

--データ班に専念したのはいつですか

今年の3月です。選手としてキツイなと思った時に、2年から続けていたし、一番チームに貢献できるかなと思って決めました。沖縄キャンプに連れて行ってもらったのですが、その理由がチーム作りのためのミーティングをデータを活用しながら行う役目を与えられたからでした。その際にこれでデータ班に専念しようかなと思いましたね。

 

--自分の役割を信頼されてということですか

そんな感じですかね(笑)試合に出ないのにわざわざ監督に連れて行ってもらったこともあるので、やろうと思いました。

 

--シーズン中はどんな取り組みをしていますか

シーズン中の映像から相手の分析を行っています。投手も打者も有効な対策を考えています。

 

--自分たちのチームの分析も行なっていますか

林さん(助監督)からも言われていますが、「自分のチームを強くするためにデータ班がある」と思っています。オープン戦でも映像を撮ったりして振り返りを中心に行なっています。

 

--データ班が活躍した試合として立大3回戦があると思います。振り返っていただけますか

田中誠也の対策をする中で、林さんからの助言もあって逆方向への打撃が有効だとわかりました。そこから林さんが「センター返し」と言って選手に意識を作っていました。また、3戦目になればまた投げてくると思ったので、2戦目の夜は入念に対策をしましたね。点を取ってもずっと攻め続けたところも大きかったです。点が離れても中川がいますが、その中川からも攻め続けて、相手を引き離したその姿勢も河合を中心にできていたと思います。

 

--データ分析という意味では全国大会は難しかったのでは

難しかったですね(笑)どこが上がってくるのかわからなかったので難しかったです。でも初見だと思わずに打席に入ってもらえるように頑張りました。大変でした(笑)

 

熱く語っていただいた

--やりがいを感じた瞬間は

やりがいを感じるのは勝つときですね。チームが勝った時も感じます。それしかないかもしれないですね(笑)

 

--逆に負けると気持ちは落ちますか

責任は感じますね。データで把握してなかったら部分が見えるので、そこは反省します。

 

--慶應の強さはどこにあると思いますか

正直本塁打話は3本と大型選手が少なくて、長打が出ないのは課題です。そこで、みんなで戦う力や先取点を取って攻め続けることを意識して、それができています。”Family”になって一体感を持って練習に対して向き合ってることが強みです。他のチームと比べても密になっているという感じがします。

 

--データから見た強さはどの部分にあると思いますか

まず投手ですね。防御率2.08は常日頃練習から色んなことを意識していたのが現れた結果だと思います。投手中心に試合が作れてるなと感じます。打者は四球と三振の割合を良くしようとしていましたが、それが結果として出ていてとても良かった部分だと思っています。

 

--課題は長打の部分ですか

バッターはO5(5得点以上)というのを決めて秋はやっています。オープン戦でも選手が考えてやっています。

 

--秋に向けて変えたところは

打者は得点率を上げたいという反省が出ました。また、チャンスでの1本というのがあります。ずっと課題だったので、チャンスでどう打つかも話し合っています。

 

--ラストシーズンに向けての目標は

選手ではないですが、3連覇がかかっていて、それをしない手はないので、絶対取りたいと思っています。春に優勝していて、相手はもっと分析してくると思うので、それを超えるデータを出したいなと思っています。

 

--読者の方に最後メッセージをお願いします

出てる選手だけではなくて、データ班であったりバッティングピッチャーや下級生を見る人もいたり4年で裏方をやっている人がいてチームが成り立っているということをわかっていただければいいなと思います。それが”Family”だと思ってもらえたらなと思います。

 

――ありがとうございました!

(取材・尾崎崚登)

この取材は8月16日に行ないました。

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