【ソッカー(男子)】国立で歓喜を再び 荒鷲の若き選手権優勝コンビ  オノノジュ慶吏×堀ノ口瑛太/早慶クラシコ2026直前企画第7弾

ソッカー男子

今年で77回目を迎える早慶サッカー定期戦が8月11日(火・祝)にMUFGスタジアム(国立競技場)にて行われる。ソッカー部(男子)は昨年に続く早慶戦連覇目指し、2年ぶりに国立競技場のピッチに立つ。今回ケイスポでは選手だけではなく、グラウンドマネージャーやアナリスト、監督などさまざまな役職の方にインタビューを行い、それぞれが抱える想い、そして早慶戦への意気込みを伺った。第7弾となる今回は、 オノノジュ慶吏(政2・前橋育英)、堀ノ口瑛太(総1・神村学園)にインタビューを行った。

 ――自己紹介

オノノジュ:慶應義塾大学ソッカー部2年生のオノノジュ慶吏です。前橋育英出身で、自分の持ち味はフィジカルを活かした推進力やシュート力で、趣味はゲームをすることで、最近は身体のケアや使い方を考えながらやることにハマっています。
堀ノ口:慶應義塾大学ソッカー部1年の堀ノ口瑛太です。神村学園出身で、自分の武器は守備力です。趣味は特にないです(笑)。
――オノノジュ選手から見た堀ノ口選手の趣味は
オノノジュ:それでいうと本当にないです(笑)。あんまり趣味とかはわかんないです。

――お互いを見て、プライベートな部分での性格と、ピッチ上でのキャラクターとは

オノノジュ:プライベートでは静かというか陰キャなんですけど、ピッチ上ではその逆で、1年生ながら結構存在感を出したりセカンド回収だったり、守備のところでチームに貢献してくれていると思います。
堀ノ口:オノノジュくんは結構日常ではふざけてて、口笛とかもよく吹いていて結構楽しそうな人で、ゲームでは身体強くて推進力というのもそうですけど、足元もうまくてなんでもできるなという感じです。
――仲のいい先輩、同期、後輩は

オノノジュ:先輩だと大雅(=斎藤大雅(文3・立命館宇治/京都サンガF.C.U-18))で、同期だと加固陸(文2・興國)とか霜田那(理2・都立八王子東/FC町田ゼルビアユース)とかそこらへんですね。後輩……後輩は基本的に僕のこと舐めてるので、仲良いというよりかは楽しくやっているという感じですかね。
堀ノ口:僕も先輩は大雅くんで。
オノノジュ:ほんとかよ(笑)。
堀ノ口:ご飯食べに行きましたよ。
オノノジュ:まじ?いいじゃん。

堀ノ口:同期は海邊(=海邊真太朗(法1・城郷高/横浜F・マリノスユース))とか、松橋(=松橋奏空(総1・秋田北高/ブラウブリッツ秋田U-18))、森山(=森山隆太(総1・法政大学第二高))あたりのSFCが多いです。
――慶應義塾大学のソッカー部に入部した経緯について

オノノジュ:自分は高2の終わりの時期に八木さん(=八木啓太氏、アドバイザー)に「慶應を目指してみないか」と声をかけていただいて、その時の自分はスポーツ推薦やプロになる選択肢もあったんですけど、頑張ってというか、スポーツ推薦とかだとサッカーをやっているだけで大学にいけちゃうけど、本当にそれでいいのかと自分で思って、ちょっと頑張って他の大学を目指そうと思って慶應に向けて頑張りました。

堀ノ口:自分は高3のはじめくらいに神村学園の監督の有村先生(有村圭一郎氏)から「慶應にチャレンジしてみないか」と話をされて、誰にでもできるチャレンジではないので頑張ったという感じです。
――慶應義塾大学のソッカー部に入部して

オノノジュ:正直他の大学に行ってないから比較とかはできないんですけど、1年半いる中でソッカー部でしか培えないことだったり、ソッカー部としての組織力だったり、そういう部分が他の大学より優っているなと実感しているし、この経験がプロサッカー選手だけではなくてみんなそれぞれの道に進むと思うんですけど、社会に出た時に活きていくのかなと思います。

堀ノ口:他の大学よりも横のつながりが強くて、組織力というところに重きを置いているので、本当に一緒なんですけど、社会に出た時に役に立つのかなというところはあります。

――サッカー面で慶應に入ったことで成長した点は

オノノジュ:今までのサッカー人生ではないような、特殊というか今までやってきたサッカーとはちょっと違う戦術だったり違うチーム方針なのが慶應なんですけど、最初はちょっと困惑したり順応できてないなというところがあったりしたんですけど、少しずつ理解はできてきていて、まだ全然完璧じゃないんですけど、自分がプロになった時のことを考えたらいろんな監督がいていろんな戦術があるので、いろんな戦術に対応できるようになりたいと思っているんだったら慶應のソッカー部も一つの視点としてこの4年間で成長すべきところだと思っています。
堀ノ口:慶應のサッカーを初めてみてやった時には難しくて驚いたんですけど、やっぱり慶應のサッカーはアンカーというポジションが大事になってきて、自分が成長して勝たせられるようにならないといけないなと感じます。
――そんな中心となる難しいアンカーのポジションで1年生ながら第3節の城西大学戦で初出場、第5節の関東学院大学戦でも途中出場し、第6節の立正大学戦からはスタメン出場を続けているが、早い適応の理由は
堀ノ口:個人的にはまだまだフィットできているという感覚はあんまりなくて、その中でも自分の武器を出せている試合もあるんですけど、まだまだ全然足りないなと思います。
――中町監督はどんな方か

オノノジュ:元プロでやってきて、経験からなる考え方だったり思考というのをうまく言語化してくれる部分もあるし、監督からしたらもうちょっとやってほしいと選手たちには思っていると思うんですけど、もっともっと自分たちが監督の思い描くような選手たちになっていかないとなあと思います。
堀ノ口:中町さんは現役時代自分と同じボランチで、自分にない考えを同じボランチなんですけど持っていて、そんな中町さんの経験というのをアドバイスとして教えていただけるので、プロの経験を教えていただける機会はなかなかないと思うので貴重な機会と感じています。
――過去共にプレーして印象に残っている選手は
オノノジュ:佐藤龍之介(現バレンシアCF)ってことにしておきます(笑)。リュウですね。リュウは中学の時に3年間一緒に(FC東京U−15むさしで)やっていたんですけど、小学校の時からFC東京のアドバンス(アドバンスクラス)でやっていて、実家が近くて、自転車で一緒に練習終わって帰っていたり、一番仲が良かったんですけど、高校が分かれて、プレミア(高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ)でやる機会があったんですけど、気づいたらプロになってて、気づいたら海外に行ってて、ステップアップしていてすごいなと思います。
――バレンシアに移籍する際に連絡は
オノノジュ:連絡というかご飯に行った時に行ってて。でも別に中学校のままで、サッカーしかやっていないから人間的な成長はしてなくて(笑)。ただ中学校の頃のあいつが金持ちになっただけって感じが強くて。ただサッカー面はすごい尊敬するところがたくさんあるので。頑張ってほしいですし、逆にそれを受けて俺もプロでやりたいなとより強く思うようになりました。
――堀ノ口選手の印象に残っているチームメイトは
堀ノ口:福島(=福島和毅・現アビスパ福岡)で、神村学園で中高6年間一緒にやってきて、ボランチの相方としてプレーしていて、試合中でもどんなパスを出しても全然奪われないし、サッカーの技術はずば抜けてあったので。横にいた選手がプロになって頑張っているというところで、そこに追いつきたいという気持ちがあります。
――今季は関東2部での戦いとなっているが、1部と2部の差とは
オノノジュ: 1部と2部ではそんなに差があるという感じではないんですけど、それは俺の学年が1つ上がって3個上がいなくなったからかもしれないんですけど、ここが一番差を感じるなと思ったのは最後のゴール前でのクオリティですかね。1部とかでは去年の日大戦(第2節、1−5で敗戦)とかゴール前でいい感じで相手に打たれちゃうと全部ゴールになっちゃうというのが国士戦(第7節、0−5で敗戦)などの大量失点につながっていたと思うので。それに比べて2部ではたくさん失点はしているものの、ゴール前に溢れたとしてもそこで質の差を感じることはあって。だからこそ1部にもう一度戻って質の高いサッカーをしたいと思うし、2部では自分だったらゴール前でいい形でボールを持ったら絶対にゴールを決めるというところを徹底していけば、自ずと1部に昇格したり、自分個人としてもプロに近づけると思っています。
――堀ノ口選手は初年度となる大学サッカーのレベルについてどのように感じているか
堀ノ口:高校の年代とは違って身体の強さだったりスピード、フィジカル面というのは全然レベルが違って、そこを大学基準に早く合わせないといけないと思いますし、技術面では選手によって変わるんですけど、プロ内定選手は技術面もフィジカル能力も高くて、プロになるためにはそういう選手たちのようにならないといけないと思います。

1年生ながら中盤で圧倒的な存在感を示す


――チームとして、また個人としてのパフォーマンスについてそれぞれ前半戦の振り返りをお願いします
オノノジュ:チームとしては去年1部にいたチームとは思えないような順位なんですけど、かなり難しい試合が多かった印象です。すごい課題が残る前期だったと思います。別に全然闘えないわけではなくて、この夏期間に何か一ついいきっかけを掴めたら後期に一部昇格圏内を狙えると思いますし、前期たくさん反省が出たので、後期に向けて頑張れるというのは一ついいところだと思います。下にいる分には這い上がっていくだけなので、それはもうポジティブに捉えて、去年1部という肩書きは捨ててチャレンジャー精神で這い上がっていく慶應の姿を見せたいです。個人としてはフォワードとして前期は出場する機会が多かったんですけど、ゴールを決めきれない部分だったり、自分の苦手な夏に弱い自分が出てしまってスタメンから外されてしまうということがあったりと、そういうところを改善していかないとどんどんポジションを奪われてしまうし、試合に絡めなくなってしまうという危機感を感じる前期でした。
堀ノ口:前期はチームとしては勝ててる試合はチーム全体で勢いを持ってやっていけていて、逆に負ける試合は自分たちで引いてしまって勢いがなくてというのがあったので、どの試合でも勢いを持ってもっとやるというのが改善できる一つの点なのかなと思います。個人としては慶應のサッカーが難しくて、ビルドアップの関わり方は高校時代と全然違うので、そこに慣れていなくてうまくビルドアップできていないのが課題だと思っているので、改善の動画を作ってくださっているのでそこをみて後期は自分が慶應のビルドアップを完成させていきたいです。
――昨季とは総理大臣杯の有無で差があると思いますが、どのような夏を送っていますか
オノノジュ:大臣杯はアミノの初戦で負けてしまって出れなくなったんですけど、だからといってチームがみんな下を向いていたわけではなくて、みんな切り替えてまずは早慶戦というところで、そこは一ついいところだったと思います。大臣杯がない分早慶戦が終わってからの過ごし方というのは気になることがあるんですけど、早慶戦が終わったら後期に向けてチームとしては練習していくというところと、合宿もあると思うので、そこでメンタルだったりを鍛えて後期にいい状態で迎えるようにしたいと思います。
――堀ノ口選手はこの1ヶ月間どのようなトレーニングを
堀ノ口:今は早慶戦という大きな伝統のある一戦があるので、チームとしてそこで勝つための練習というのを意識してやっていて、暑い中ですけど、早慶戦のためにという思いで練習をやっています。それが終わったら根気で(笑)。一部に上がれるようなレベルで練習して、しっかりレベルアップしていきたいと思います。
――ワセダに意識している選手はいるか
オノノジュ:ライバル意識はとくにないですね(笑)。リスペクトしているし、ライバルというよりかは早慶戦を楽しもうという感じです。早稲田には勝つという気持ちはあるので、相手が誰であれっていう感じです。

堀ノ口:自分は高校選抜で仲良くなった根木翔大(スポ1・尚志)は意識していて、根木は選手権の準決勝で国立で戦っている(神村学園が尚志にPK戦の末勝利)ので、次も勝てるように頑張ります。
――今年は国立開催ですが、お二方とも国立での選手権で優勝経験があるということで、オノノジュ選手は準決勝で2アシスト、堀ノ口選手は決勝でゴールを奪っていましたが、国立での戦いに向けた思いは

オノノジュ:選手権で決められなかったゴールをこんなにも早く国立の舞台に立てて達成できるというチャンスはもうないと思うし、早慶戦を国立でできるというのももしかしたら自分の在学中にはラストかもしれないので、本当にゴールというところと、それが最終的にチームの勝利につながると思うので、出たらゴールを決めて勝つということを一番強く意識しています。
堀ノ口:選手権で優勝をして、国立にはいいイメージしかないので、いいイメージのまま終わりたいというのが一つと、自分はゴールを狙うというよりもチームのために走って走って走りたいと思います。
――オノノジュ選手は昨年の早慶戦では途中出場していたが、出場した感想は
オノノジュ:ちょっと選手権とは違う雰囲気というか、部員同士の応援合戦の面白さもあって、ちょっと違う空気を感じました。すごく特別な舞台というのを一番感じましたし、そこに出られるということは当たり前ではなくて、他の大学としても夏の中断期間にこういう熱い試合ができるというのは羨ましいと思いますし、というか羨ましいと言われていますし、そういう昔からの伝統というのはすごく感じました。

オノノジュのゴールで勝利を


――初めての早慶戦となる堀ノ口選手にかける言葉があるとすれば
オノノジュ:まずこいつは俺と違ってたぶんスタメンで出れるので(笑)。1年生だしそんなに気負うことなく楽しんでほしいと思うし、早慶戦だからとか、早慶戦は関東とかとは違うというような感覚ではなくて自分の成長につながるうちの1試合だと思って楽しんでほしいなと思います。
――昨年齋藤真之介(令8卒)さんがオノノジュ選手に言っていたこと(オノノジュ選手の「ただただ楽しみ」という言葉に「1年生はそれでいいよ」と返答)に若干似ているような……

オノノジュ:マジすか(笑)。

――堀ノ口選手はそれを聞いてどのように思いますか

堀ノ口:楽しみたいなというのと、1年生とはいえ早慶戦はソッカー部全体として色んな人が動いてできる1戦なので、その人たちの思いも背負って頑張ります。
――早慶戦に向けた意気込みを教えてください
オノノジュ:自分というのを表現する、試合に出ることができたら自分らしさを表現したくて、ゴールを決めるというのはそのうちの一つで、みている人の心を動かすプレーをしたいと思います。
堀ノ口:ソッカー部全体の想いを背負って、国立でやれる機会もそうないと思うので、想いを背負いながらも自分の武器を最大限に発揮してチームを勝たせられるようなプレーがしたいと思います。
――「このプレーを見てほしい」という部分があるとしたら
オノノジュ:まあやっぱりゴールですね。ゴールを見てほしいです。
堀ノ口:守備でボールを奪うというところを見てほしいです。
――1部復帰に向けて戦う後期リーグ戦へのチームとして、また個人としての目標は
オノノジュ:チームとしてはまずは1部昇格というよりかは目の前の1試合1試合を勝って勝ち点をどんどん積んでいって、1つ1つ順位を上げていくというところを。あまり大口は叩かずに謙虚に目の前の1試合1試合を大切にして積み上げていくことが1部昇格につながると思っているのでそういうところを意識していきたいですし、個人としてはゴールが足りないと思うので、ゴール前の質というところをこの夏期間で成長しないといけない部分だし、自分は前の選手なので、ゴールというのが一番結果として表れると思うので、そこに執着してやっていきたいです。
堀ノ口:前期の結果でもう負けられないというところなので、チーム全体が勝利のためにという意識を持ってやっていくというところで、個人としては前期うまくいかなかったビルドアップの関わり方というのを意識して、慶應らしいボール保持というところを表現していければと思います。

――お二人から「プロ」という言葉が何度か出たが、プロの世界を目指すに向けて磨き上げていきたいポイントは
オノノジュ:たくさんあるんですけど。まずは連続して高い強度を出せるようにならないといけないなあというところはあって。攻撃面だとしたら動き出しというのを連続でできる回数をどんどん増やしていきたいと思っていて、守備だったら二度追い三度追いと、そういうチームに貢献する姿勢というのを1試合1試合多くできるかというのが一つ、また最後のシュートの質だったりゴール前の一歩の動き出し、トラップ、そういう技術的な部分ももっともっと仕上げていかなければいけないし、長所であるスピードというのももっと爆発的なものがほしいし、一個一個やっていくしかないと思うので、この4年間の在学期間、残りあと3年間、先輩たちから吸収できるものは吸収して、自分が成長できるところは成長して、そういう世界を目指していきたいと思います。

堀ノ口:自分の武器である守備というところをもっと磨き上げていかないといけないなと思いますし、攻撃ではアシストだったりミドルシュートだったり、得点に関わる部分というのは前期1つも出せなかったので、そこを少し意識して得点に関われるボランチというのを目標にやっていきたいと思います。

ーーありがとうございました

(取材:首頭千紘)