スローガン「Unite」を掲げ、互いに支えあいながら戦ってきた慶大スケート部ホッケー部門。
チーム一丸となり、エイワ杯2025年度関東大学アイスホッケーリーグ戦において来春の1部Aグループの残留を決めた。「1部A残留」という一つの目標を達成し、勢いそのままに第89回冬季早慶戦(早慶アイスホッケー定期戦Instagram)を迎える。対するワセダとは今季3回の対戦を経験し、未だ勝利を掴めていない。年明け1月4日に行われる華の早慶戦で新年にふさわしい勝利を掴み取り、連覇を目指す。
今回はこの試合で引退となる4年生で、ともに副将を務めるGK・多田圭之介(政4・慶應)選手、FW・立島健大(政4・慶應)選手に対談形式でお話を伺いました。ぜひ最後までご覧ください!

(写真右)副将・GK・多田圭之介(政4・慶應)
①あだ名→ちゃんけい
②試合前のルーティン→5時間前に起きる。朝走った後にストレッチをする。シャワー浴びて電車に乗って、リンクに着いておにぎりを2つ食べる。
③勝負飯→麵屋こころ
④部員のプチエピソード→FW・勝見斗軌(法4・Ontario hockey academy)と小学校の時の全国大会の決勝戦で戦った。
(写真左)副将・FW・立島健大(政4・慶應)
①あだ名→けんけん
②試合前のルーティン→朝バイクをこいで、試合前にレッドブルを飲む
③勝負飯→寮の同部屋のDF・古舘広壮(商3・県立八戸)とすき家を食べる
④アイスホッケー以外の趣味→クレヨンしんちゃんの映画を見ること
──他己紹介をお願いします
多田→立島 けんけん(立島)は、小学校1年生とか2年生ぐらいから、選抜チームなどで同じチームでした。
ポジションはフォワードで、去年まであまり点に絡むシーンはなかなか見なかったんですけど、今年に入ってから責任感が増したのか、いっぱい点を取るようになったので、僕的にはすごく助かってます。
あとは、服を脱ぐのが好きなのかなと思います(笑)。最近昔の写真をスクロールしてると、だいたい上裸のけんけん(立島)をよく見るので、服を脱ぐのが昔から好きだったんじゃないかなと思います。
立島→多田 34番、ゴールキーパーの多田圭之介は、小学生の頃からの知り合いです。
一見あんまりやる気なさそうに見えるかもしれないんですけど、同期のDF・有馬龍太(経4・武修館)とか全員含めて考えても、彼が一番アイスホッケーのことが好きなんじゃないかなと思っています。
今年は、ディフェンス陣、フォワード陣ともにあまりタレントが揃ってない中で、恥ずかしいですが圭之介の力でなんとかチームが成り立ってるのかなと思います。やかましいんですけど、すごく頼りになる存在かなというところです。

──アイスホッケーを始めたきっかけについて教えてください
多田 アイスホッケーを始めたきっかけは、父親が社会人でアイスホッケーをやっていて、小さい時からスケートリンクに連れて行かれて、滑って、なんか気づいたらアイスホッケーをやっていたっていうのが正直なところです。
立島:自分は小学1年生の頃に始めたんですけど、4歳上でこの部活を卒業した兄(立島栞大・令4卒)がやっていて、それを見て始めました。
自分の母親が結構教育熱心で、サッカー、水泳、空手もやらせていただいた中で、一番体験して面白かったのがアイスホッケーで。兄も含め、それで今まで辞めずになんとか続けてこれたという形です。
──慶應義塾高校時代も一緒にプレーしてきましたが、お二人の思い出はありますか
立島 2人の思い出は難しいかもしれないんですけど、高校の時の主将と副将で、今もお互いに副将という形で、チームをマネジメントする立場でした。高校の時はさらにその色が強かったですね。
高校の時は僕が主将でしたが、その業務をあまりやりたがらなかったので、副将の彼が引き受けてくれたというのはあります。
多田 僕と立島は高校の時、18クラスある中で同じクラスでした。大学も同じ法学部政治学科に進学して。大学時代はずっと授業を一緒に受けていたなっていう感じはあります。一緒に受けてたか、一緒に受けてなかったかですね(笑)。基本的には私生活も部活もずっと一緒にいるイメージがありますね。

──現在お二人とも副将という立場で、悩んだことはありましたか
立島 僕は、高校で主将をしてた時も圭之介に任せてた通り、正直あまりリーダーという立場が好きではない人間で。やっぱりどうやって後輩のお手本になるかっていうのは、すごく悩んだ部分ではあります。
正直、理想のリーダー像には、今もなれていなかったりするので、今もその悩みが解決したわけではないですね。
多田 去年まで1個上にGK・及川寿暉(令7卒・現東北フリーブレイズ所属)というプロに行った先輩がいたこともあって、あまり試合に出れておらず、結果を残してない中で副将になりました。「僕のせいで負けた」ということになると求心力が落ちるかなと思ったので、とにかく結果を残し続けなきゃいけないと思って1年間やってきました。悩みというか、決意かもしれないですけど、そういうのはあります。
──主将である有馬選手のことはどのように見ていますか
多田 それはいっぱい言えますね(笑)。僕は、有馬が走るのを止める役割だと思ってて。
有馬のことを我々「お馬さん」って呼んでるんですけど(笑)。
体格的にも、行動的にも全部突っ走るタイプなので、彼をどれぐらい操作できるかが今年の僕の目標でもあったので・・・というのはまあ、ちょっと半分冗談なんですけど(笑)。
有馬は本当にめちゃくちゃ行動力と実行力があるので、最初の計画する部分をしっかり詰めるっていうのを僕らが担って、そこだけ一緒に頑張ったらあとはもう有馬が突っ走ってくれるので、ありがたいなと思ってます。
立島 有馬のイメージは、本当にザ・リーダーみたいな感じで。自分と本当に真逆なんですけど。やっぱりその行動力だったり、人に言う力だったり、自分の持っている技術面の力っていうのもすごく大きいです。
ウエイトトレーニングだったり、走りだったり、氷上の練習以外でもやっぱり常に1位だというのは本当に尊敬するところです。恥ずかしいですけど、憧れみたいなのも少し持っているのかもしれないです。

──ご自身のプレーの強みを教えてください
多田 ゴールキーパーってやっぱり身長大きいと有利なんですけど、僕は170cmしか身長がないので、それをカバーするために、速く動こうっていうのが僕のモットーです。素早い動きが強みです。
立島 僕は、スピードと、体の使い方とかかなと思っています。すごい恥ずかしいんですけど、自分はサボりがちなプレイヤーだと思っていますが、走るところは走るし。
あとは、どんな相手にも、それこそ180cmとか超えてる相手にでも、果敢にプレーしていって、そこで思いっきりやられるっていうことは自分では少ないと思っています。そういった意味でも体の使い方だったりっていうのは、ある程度長けてるのかなとは思います。

「身長をカバーするために速く動こう」(多田)
──その強みを活かすために、普段どんな練習をしていますか
多田 普段の氷上練習の時から、早く動いて正確に止めるっていうのは意識してやっているところです。
あとは、ウエイトトレーニングとかも、トレーナーに「重い重さを持て」って言われてても、重い重さを持つだけじゃなくて、ちょっと軽い重さで飛び跳ねる動きをやってみたりとか、できるだけ早く動けるような工夫は一応してみています。
立島 僕は、主にウエイトトレーニングです。自分は今下田寮に住んでいて、地下にウエイトルームがあるので、練習の後だったり、そういった合間を縫って、部屋のDF・古舘広壮(商3・県立八戸)と補助し合っています。自分が本来できないような重さでも、補助ありで持ち上げてみたりして、最大で出るパワーっていうのを伸ばすのは意識しています。
今年結構体の変化にも出てきていることを周りに言われるようにもなったのでウエイトっていうのはちょっと意識だったり頑張ってる部分ですね。
──4年生の同期の存在はどのように感じていますか
立島 僕はありがたくて頼りになる存在だなと思っています。
すごくありきたりなんですけど、まずありがたいっていう部分で言うと、結構どの代も言いがちなんですけど、本当に個性が豊かで。多分各々一人一人で行動できるような人間ばかりです。正直、同期で集まることだったりっていうのも、あまり多くない中で、その繋がりっていうのはお互い意識し合ってる部分はあるのかなと思っています。
合宿のあとにみんなで写真を撮る時も、1人欠けてたらもう1回撮るだったり、仲良くない「風」に見えてても、やっぱりどこかに繋がりはあって支え合えているのかなと思っています。僕も結構輪から外れてしまうことがある中で、本当に毎回温かく受け入れてくれるのはありがたいなっていうのは思います。
頼りになるっていうところだと、それこそ有馬とか、TR・神田迪子(法4・慶應女子)、MG・西凜々花(政4・慶應女子)とか、副将の多田もそうだし、その他の主な役職のない、FW・大塚丞(経4・慶應)であったり、FW・郷基成(経4・慶應)だったり。自分が副将を務めていく中でも、(みんなが)かけがえのない存在になりました。
各々の行動をしている中で、みんなが必要な存在になり得てるっていうのは、同期のすごいありがたい、頼りになるところかなと思います。

多田 大体言われてしまったんですけど。僕らの代は、去年卒業した小島快(令7卒・現東北フリーブレイズ)とか川島隼(令7卒)が入ったタイミングとしては一緒で下級生の時は同期っていう扱いだったっていうもあったり。辞めてしまった部員が2人ぐらいいたり。逆に、大塚が2年生の時から入ってくるということもありました。入れ替わりが比較的激しい代というか、「同期」っていう括り、どこまでを同期とするのかというのが難しい代だったんですけど。
逆に、今残ってるのは、いろんな人が抜けたり入ったりしたけど、純粋に最初から最後までいたメンバーなので、だからこそ繋がりが深いというか。他の代と比べたことはないんですけど、一番繋がりの深いメンバーなのかなと思います。
あとは、基本的に(立島に)全部言われちゃったんで右に同意です(笑)。
──大学4年間で印象に残ってる試合やプレーは何ですか
立島 自分をMVPに選んでいただいた今年の秋リーグの日体大戦です。
圭之介が前に言った通り、本当に去年まで3年間、本当に点数が取れないっていう時間が長かったのですが、その試合は珍しく2点取れたり、最後まで自分が足を動かすことができて、最終的には得点差をつけて勝利できました。4年間の努力が結構自分の中で報われた試合だなと思います。

多田 僕は2試合あります。
1つ目は、自分が活躍することができた去年の秋のリーグ戦の青山学院大学戦です。
僕は、その時控えのゴールキーパーだったんですけど、先発したキーパーが、開始10分ぐらいで3失点して、3-0の状態で途中交代したんです。結果的に、僕が出てから4点取って、4-3で勝ち、昇格することができました。あまり試合に出れなかった中でも自分が貢献できたなって思う試合だったので、自分の中では印象に残ってる試合です。
もう一つは、これは逆に自分は全く出てなかったんですが、やっぱり去年の冬の早慶戦です。僕は小さいころに早慶戦を見て、「ここでプレーしたいな」と思って、普通部受験して慶應に入ったんです。「早慶戦で勝つ」という小さいころの目標が叶ったので、ずっと試合を見ている側の目線としてはすごい面白い試合で楽しかったなっていうのは印象に残ってます。
──早慶戦のキーマンは誰だと思いますか?
立島:僕は、本当に総意だと思うんですけど、新しく入ったFW・ロッコ・ラカラ(総1・Burnaby Central Secondary School)が、やっぱりキーマンかなと思います。本当に得点のセンスが練習中からすごくて、やっぱり彼なしでは正直もう勝てないようなチームかなと思います。
もう1人挙げさせていただくと、やっぱり自分の同部屋の古舘に注目してほしいなと思います。彼、得点だったりそういう目立ったようなプレーにはあまり参加できてはないんですけど、それこそシュートブロックだったり、フェンス際での相手を抑えることだったり、そういうあまり目立たないようなプレーが、本当にすごい上手だな、ガッツあるなと思うので。注目して見ないと分からないようなすごいプレーが、彼はたくさんあると思うので、そういったところに注目してほしいなと思います。
多田 まずは僕ですね。ごめんなさい、面白くなくて(笑)。
これはまあ半分冗談、半分ガチなんですけど。やっぱり僕が止めないと勝てないと思ってます。
去年勝ってMVPをもらったのが及川だったので、それを超えてMVPの盾の獲得を目指して頑張りたいなと思っています。
もう一人は、8番のFW・芝田光希(経2・都市大附属)です。あんまり普段パッとしない感じなんですけど(笑)。
意外と大舞台に強いです。去年の冬(早慶戦で)勝った時も点決めてますし、今年の春の(早慶戦)も、ノーゴールにはなっちゃったんですけど、点を決めていたり。意外とやる時はやるような気がしています。最近また点取れなくなってきてるんですけど、早慶戦は点取れるのかなと思ってるので、ちょっと注目していただけたらと思います。

──早慶戦でご自身はどのようなプレーをしたいと思っていますか
立島 僕は、端的に述べると、走って決めたいなと思っています。
おそらく今のメンバーだと、注目選手に挙げたロッコ、自分が幼い頃から同じチームでプレーしていたFW・三田輝明(経3・慶應)選手の2人と組むことになるのかなと思っています。
その3人でよく話してるのが、本当によく当たってよく走って、決めようっていうことです。
最後まで諦めないで走って、泥臭く慶應らしいホッケーを体現して試合を決めたいなと思います。
多田 けんけん(立島)はさっき点取るって言ってたんですけど、点はあまり僕は・・・(笑)。点取ってくれたらすごいありがたいです。
僕結構好きなプレーがあって、さっき(立島が)「でかい相手に対しても怯まず行く」って言ってたんですけど、立島は本当に避けるのが上手いです。
避けるのが上手いというか、壁際を走っていく時に相手の選手に「グシャ」って潰されるのがアイスホッケーの醍醐味だと思うんですけど、なんか分かんないんですけど立島くん、ヌルって抜けるんですよ。そのシーンが僕は結構好きで。
当たられる瞬間に避けるというか、逃げるというか。別に悪い意味で逃げるじゃないですよ(笑)。そういう壁際を走って抜けるシーンだったりを結構見てて面白いなと思っています。多分早慶戦も壁際を上手くスルスル抜けると思うんで、注目していただけたらと思います。

「壁際を抜ける」(立島)
──最後に意気込みを一言ずつお願いします
立島 自分にとって、15、16年間ぐらいアイスホッケーをやってきた集大成が、早慶戦になります。
観客がいっぱいいる緊張で自分の中の思うようなプレーができない可能性があるかもしれないんですけれども、その時に持ってる力は本当に最大限出したいと思ってるので、最後笑って終われるように頑張りたいと思います。
多田 MVP取ります!
──ありがとうございました!
(取材:神谷直樹、水野翔馬、檜森海希 記事:片山春佳)
早慶戦日程
2025年1月4日(日)
16:30 現役戦開会式
17:30 現役戦試合開始
詳細は以下の早慶アイスホッケー定期戦公式Instagramよりご覧ください!


